リヴェット・フェルナンスの絆

文字の大きさ
1 / 7

高嶺の花

 アルフォーンス学校。

 ここは、貴族や大商人、医者の子供といった、いわゆる上流階級向けの学校である。

 上等な設備がある中で有名な先生から学べるという事で、毎年頭脳も血筋も優秀な若者達が入学する。

 その中でも秀才と呼ばれているのは、リヴェット・フェルナンスという青年である。

 学校での成績も常にトップであるし、フェルナンス家は学校がある地方の中で5本の指に入るほどの権力を持っている。

 そのうえ、容姿も大層美しいものであった。

 青が混じった艶やかな黒髪に、アクアマリンの如き爽やかな青の瞳。

 剣の鍛錬を積んでいる為に体はで、青年の美しさを引き立てている。

 まさに彼は非の打ち所がない『高嶺の花』なのだ。

「あぁ、フェルナンス様だわ!」

 本日の授業を受け終わり校舎から出たリヴェット。彼を見た女学生が感嘆の声を上げ、美男子への憧れで頬を桜色に染めた。

「ねぇ、フェルナンス様のお側にいらっしゃる方はどなたなの?」

 女学生の友達らしき少女が、リヴェットの後を追う人物を見ながら訊ねた。

「あの人はルベーヌさん。フェルナンス様の従僕ヴァレットなのよ」

 くすんだ金髪に、鷹を思わせるほど鋭い双眸の奥で赤い瞳がギラギラと輝いている。

 どこか近寄りがたい雰囲気に少女は思わず半歩引いた。

「フェルナンス家に代々仕えてきた家の出で、ルベーヌさんはリヴェット様に危険が及ばぬようずっと見張ってらっしゃるのよ」

「へぇ……」

 高嶺の花と従者の姿がなくなるまで、少女2人はいつまでも彼らの背を見つめていた。
感想 0

あなたにおすすめの小説

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

淫愛家族

箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。 事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。 二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。 だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

皇帝陛下の精子検査

雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。 しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。 このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。 焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?