おばさんですが、今日からヒロインらしいです。

まぐ

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第一章

目が覚めたら

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「あなたの名前は、マリア…マリアよ」
「なんて愛らしい子だろう、君にそっくりだ」
「ふふ、貴方にもそっくりよ」

 目が覚めると、私は女性の手に抱かれていた。金髪の長い髪が綺麗な女性。瞳の色も同じ金色で、キラキラと輝いて見えた。隣には男性が立って、私をのぞきこんでいる。同じ金髪、だが瞳の色はどこまでも吸い込まれそうな深い青色をしていた。

「あう…あぁ」

 あなたたちはだれ?そう言いたくて声を発し、私はギョッとした。声は出るが言葉が出てこない。

「あら、マリアが喋ったわ!」
「ほんとうだ、なんて可愛らしい声だろう!マリア、私が父様で今君を抱いているのが母様だよ」

 嬉しそうに男性が私の頬に触れた。この2人が両親?このものすごく綺麗な男女が???
 そういえば、神が私を超美少女にするって言ってたな。あいつ話も途中にして私を生き返らせたのか、なんちゅう神だ。
 心の中で悪態をつきながら私は自分の手をみつめる。小さい手。やっぱり私は今赤ちゃんなのか。なんとなく察していたことだが、実際そうなると悲しいものだ。前の人生で頑張って手に入れたもの全てが水の泡なのだから。

「うえぇぇ…うええぇん」

 この身体では言葉を発することもできなくて、泣くことしかできない。
 両親がいきなり泣き出した私をみて、困ったように私をなだめている。身体はこれでも心は33になろうかっていうアラサーなのだ、とても虚しい。







___________________





 そんなこんなで私がこの世界に生まれ落ちてから、2年の月日がたった。
 最初の1年は、ほとんど記憶がぼやけている。寝ているか、抱き上げられるかの記憶しかないのだ。ただ早く歳をとりたいと願っていた。
 次の1年は少しずつ身体を動かせるようになり、言葉も話せるようになった。両親は私を天才児だと褒めたけれど、当たり前だ、1年たったのだから34になったんだぞ、くそぉ。
 この2年で分かったことは、私はそこそこ位のある貴族の家に生まれたということだ。家は庭もいれると東京ドーム何個分だ?レベルの土地があるし、メイドがたくさんいる。父は普段書斎にこもっていて、母は時々訪れる夫人たちと共に優雅にお茶会をしている。
 
「お主、そろそろ起きぬか」

 忘れてた。この2年で大きく変わったのは私の侍女に、ある日この神が乗り移ったことだ。
 なんでも…

「お主はこの世界のひろいんじゃからな!お主の傍にいれば面白いことがみれるはずじゃ!へへ!」

 ということらしい。この神本当にふざけている。けれど、この侍女の身体を操れるのも1日長くても30分程度らしく、その他はきちんと身体を返しているというから私は納得した。

「あんたね、そろそろこの世界について教えなさいよ」
「おっともう時間じゃ!」
「まだ来て1分もたってないでしょ!ふざけんな!」

 いつもこの神にはこんな風にはぐらかされるが、今日は絶対に逃がさないと心に誓っていた。

「あんた私に言ったわね、2歳まで待てと」

 以前神が侍女に乗り移った時、私に2歳まで待てと言ったのだ。今日で私は2歳になった。神が口笛をぴゅーぴゅーふく。こいつ逃げるつもりだな。

「今日、お父様のご友人という方々がくる。それが関係してんのね」

 ビクッと神の肩が動く。やはり、そうなのね。

「それが私のヒロインとしての今後に関わってくるのね、そうでしょ」
「な、なぜそれを知っておるのじゃ!」
「どう考えてもそれしかないでしょ」

 神ははぁとため息をつき、「バレてしまっては仕方ないのう」と肩を落とした。ポケットから手紙を取りだし、私の前の机に置く。

「それに全部書いてあるからのう。読んでおくように」
「ちょっとまって、私まだこの世界の字簡単なものしか読めないわよ!」
「大丈夫じゃ、日本語で書いてある。お主がもしそれを落としても他者には読めないようにのぅ。ではまた来るぞ!」
「おい!神!!」
「…あら、お嬢様、もう起きてらしたのですね。おはようございます」

 にこりと優しく微笑む侍女、チッ神め、逃げやがったな。私は侍女にみられないよう手紙をそっと隠す。お父様のご友人とやらが来るまでにはこれを読んでおかないとな。
 そう思っていたのだが…。



「マリア、こちらは我らが国王陛下とそのご子息だよ。仲良くするようにね」

 やけに侍女が私の身支度を整えるな、と思っていた矢先、お父様のご友人、国王陛下とそこ息子と私は出会ってしまったのだった。
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