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三、落花
三、落花 ⑤
しおりを挟む汗を滴らせながら色気を漂わせて快感に眉を歪める竜仁さんが好きだ。
顔が近づいてきたので、キスかと思ったら胸に顔をうずめ乳首を吸われた。
「はああっ……そ、こっ」
「気持ちがいい?」
素直にうなずくと、甘噛みされ腰が浮いてしまった。
腰が浮いて自分から動いてしまったせいで、一番気持ちいい部分に押し付けてしまい、胸と下半身からの刺激に、精を放ってしまった。
「ひゃあああっ」
「辰紀くんは胸も好きだよね。可愛いね」
「……ま、まだ」
一番好きなのは、抱きしめながら奥に注いでもらえることだ。
粘膜接触を避けず、舌を絡めてキスしてくれることだ。
まだ足が痙攣していたけど、僕は首に手を掻きつかせて、奥に注いでほしいと強請った。
もっと奥で味合わせてほしい。
自分から足を開くと、どちらが放ったか分からない白濁した液体でぬるぬるで、どこもかしこも甘い蜜のように僕を誘っている。
彼が固くなった熱棒を再び挿入してくれると、奥にあたるように背中に足を絡ませた。
「あっあぁ、んっ」
激しくなる律動と、押しよせる快楽を噛みしめる中、また知らなかった色の花が心の中に咲いた気がした。
体制を変え、項にキスをすると再び正常位に。項にキスするためだけに体制を変えてくれる、そんな優しさも好きだった。
「――好きです。いや、愛してますよ、辰紀くん」
甘い言葉は好き。甘い言葉で僕を愛を伝えてくれる彼が好きだった。
腰をがっつりもたれ腰の下に枕をいれられ、激しく律動され逃れられない快感に頭が真っ白になる。快楽でびくびく大きくしなる身体、滲む汗、痛みなんて感じられないセックスに溺れていく。
何度目かの絶頂で、果てるとまた「愛してますよ、ありがとう」と項にキスされたので「僕もです」と再び腰に足を絡ませた。
その日、初めて彼の甘い香りを知る。
色鮮やかな、花束のような。宝石箱の中の煌めく宝石のような極上の香り。
幸せなこの香りは、確かに初めて会った瞬間に嗅いでいたら、運命だってすぐに感じていたであろう。
運命の香りは甘く、そして幸せだった。
爪先を何度も痙攣させながら、甘い快感を貪ってそして体の一番奥で甘く感じられた。
甘くて愛おしい行為に、身体も心も満たされていった。
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