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第16章 チート過ぎる家族達
下克上闘技大会 #とは
しおりを挟む「下克上闘技大会?」
週に2回_最近4回に変わったから正確にはほぼ毎日なのだが_の家族団欒食事会にて、ギャルゲー『理想郷の宝石』の主人公で群青色の髪、緑の瞳を持つサクリファイス皇族の皇配___セオドア・リヴ・ライド・サクリファイスが素っ頓狂な声をあげた。
なんだそのいかにも物騒な大会は………?
首を傾げているセオドアの疑問に答えたのは隣に座る紅銀のストレートヘア、黄金色の瞳を持つ美女___自分の妻でありサクリファイス皇族皇女・アミィール・リヴ・レドルド・サクリファイスだった。
「下克上闘技大会というのは、この国で3年に1度闘技場にて行われる武闘大会です。
己の武を誇示する大会で、観衆が見守る中兵士はもちろん、国民も参加できる大きな大会で、一体一で戦う皇族主催の行事ですわ」
「へえ、そんなものがあるのか」
思わず感嘆の声が出る。
このサクリファイス大帝国は『軍事国家』と名高いが、実際の所とても平和であるんだな、と実感する。こういう行事___娯楽があるというのはそれだけ心が豊かで余裕がある証拠である。
1人感心しているセオドアを他所に、黒髪のストレートヘア、黄金色の瞳のこれまた美女__サクリファイス大帝国皇妃・アルティア=ワールド=サクリファイスはクルクルとパスタを巻きながら楽しげに話す。
「本当に盛り上がるんだから!お金も掛けてるし景品も豪華だしキャストも豪華だからね~、国のビッグイベント!」
「そうなんですか?景品なんてあるんですね、どんなものを出すのでしょうか?」
「ん?2~6位はこの城で働く権利と望む物1つ。1位はなんとなんと!サクリファイス大帝国の皇帝という地位!」
「はい!?」
アルティアの言葉にセオドアは思わず声を上げて立ち上がる。いやいやいやいや、空耳だよな?従者の地位と望むもの、挙句の果てには皇帝という地位が賞品!?全く意味がわからない!
混乱するセオドアの疑問に答えるように紅銀の短髪、紅い瞳のイケメン、サクリファイス大帝国皇帝__ラフェエル・リヴ・レドルド・サクリファイスは口を開いた。
「この国の頂点が強い者であることは絶対条件だ。皇族が負けるのなら皇族である必要は無い。そんな無能が国を治められるか」
「……………………」
理屈はわかる。だがこんなに簡単に皇帝という地位を譲れるのがわからない。普通の王様は権力にまみれてふんぞり返るよな?
セオドアはすっかり困惑している。3年もこの国に住んでいるというのにこのぶっ飛んでる皇族のおかしさに慣れる気がしない…………
困惑しているセオドアに、アミィールはくすくすと笑う。
「ふふ、セオ様の言いたいことが全てお顔に書いてありますわ。可愛らしい」
「いや、アミィ、笑い事ではないぞ………皇帝の座をあげるというのは一体………?」
「私達家族は他にやれる者がいないからこの地位に居るだけなので、私達より相応しい人間が居るのでしたらいつでも代わる気持ちで居るのです。
とはいえ、セオドア様の意見も最もなので、皇族も最低1人は絶対参加なのです。各地でトーナメントを行い、勝ち上がってきた者が闘技場で戦いあい、決勝まで来た6人を皇族が相手をする。
それを20年続けてわたくし達が皇族でいるということは、そういうことですわ」
そう言って優しい笑みを浮かべながらとんでもないことを言う我が嫁。可愛いし愛らしい笑顔だけど言ってることがとてつもなくハイスペックさを感じさせるものである。
この家族…………全員チートなのか………?
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