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第18章 新しい家族と新しい生命
プライバシー皆無の皇妃様
しおりを挟む「いや~!結婚おめでとう!セフィアくん!それと、サーシャちゃん?だっけ?」
「ありがたき幸せ……………サーシャ、挨拶」
「は、はぃい………ありがたき幸せ………」
「……………………」
結婚式が無事終わった頃に、サクリファイス大帝国皇妃・アルティア=ワールド=サクリファイスはがはは、と品のない笑いをしている。
なぜこの人が来たのかと言うと、アミィール様のお身体に負担をかけないように馬車ではなく転移魔法で帰る為だ。アミィール様は俺を抱きしめて転移魔法で帰るとも言っていたが、身重な身体に負担をかけたくないから丁重に断った。
だからアルティア皇妃様が来てくれたのは嬉しいが___このとおり、兄上とアルティア皇妃様という変人コンビが集まると話が長い長い。ちなみに『結婚おめでとう』はこの2時間に100回は言っている。
そんな母親に、とうとうアミィールは声をかけた。
「お母様、長々とお話するのはおやめ下さい。サーシャ様が困っております。
何しに来たんですか貴方は?自分の職務を全うしてくださいまし」
「あら~!子供が出来たらそういう態度取るわけ?いや~ね~!
そう思いません?ガーネットさん」
「ふふ、いえいえ、やはり御子を持つならばお強い性格であらねばなりませんわ」
母上とアルティア皇妃様が顔を見合わせて笑っている。いつの間に仲良くなったんだあの二人?全然タイプが違うけれど、どちらも悪い人ではないから波長があったのか「それより~セオドアくぅん」
「うわっ!」
のらりくらりと俺の家族に話しかけていたアルティア皇妃様が唐突に俺の肩を抱いてきた。そしてぽそ、と小さな声で言う。
「……………本当に孕ませちゃったのね」
「………ッ!」
その言葉に、顔が熱くなる。
有言実行したわけだから誇っていい事だとは思うけれど、言われると恥ずかしい………!
顔を赤くするセオドアを見て、アミィールは射殺すように自分の母親を見た。
「…………お母様、10秒あげます。逃げれるところまで逃げてみてください。わたくしが必ずや殺してみせます」
「いやだわ、妊婦は気が短くて。そんなんだとセオくんに愛想を尽かされるわよ~?ねえセオくん」
「ッ…………!お母様はセオ様を愛称で呼ばないでくださいまし!
それに、セオ様はこんなことでわたくしを嫌いになるはずは……ッ」
「…………アミィ」
アミィール様はそう言って唇を噛んでいる。………きっと繊細なアミィール様の事だから、『本当にセオ様は嫌うんじゃ?』なんて思っているのだろうけれど。
「アミィ、………アミィがどんなこと言っても、私は貴方を嫌いになることなどありえないよ」
「…………セオ様…………っ、退けてくださいお母様!」
アミィールはセオドアの言葉を聞いてアルティアを引き剥がし、セオドアにぎゅう、と抱き着く。セオドアもそれを受けて腰に手を回す。
それを見ていたアルティアはけたけたと笑った。
「アミィールが妊娠しても愛が冷めないわね~そう思いません?セシルさん」
「ええ。………本当に、幸せな夫婦で私は嬉しいです。最初にアミィール様から婚約の申し込みが来た時は不安もありましたが…………この結婚は、成功でしかありませんね」
「ふふ。私も同じ気持ちです。
でも、双子か~、流石巨根絶倫タイプだね!セオくん!」
「んなっ………そ、それは言わないでください!」
「ぜつりん、とはなんでしょうか、セオ様………?」
「うっ…………」
セオドアの顔がさらに赤くなる。
い、言えるわけないじゃないか………こんなに純粋なアミィール様に、俺が性欲の強い人間など口が裂けても言えない!それにアミィール様は俺以外と営んだことがなくて回数とか有耶無耶にして愛してるのに………!
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