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第22章 父親 にレベルアップした!▽

赤ちゃんでも男は男

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 「………………ん」


 アミィールは重い瞼を開いた。
 わたくしの、部屋…………わたくしは、何を………!


 「赤ちゃん達!」


 記憶が蘇るのと同時にアミィールは起き上がる。腰や陰部に激痛が走る。けれど、そんなのどうでもいい。


 わたくしの赤ちゃん達は……………!



 「アミィ、おはよう」


 「ッ、セオ様………!」


 優しい、愛おしい声に急いで振り返る。セオドア様は___寝ている2人の可愛い子供達を抱いて穏やかな笑みを浮かべている。



 夢じゃ、なかった…………


 じんわりと胸が熱くなる。愛おしい御方と、愛おしい子供達。その姿が輝いて見えて、思わず目で手を覆う。


 「?どうしたんだい、アミィ」


 「えっと、………わたくしの家族が、あまりにも輝いてみえて………後光が、眩しいです…………」


 「後光?…………ふふ、アミィ、また混乱してるね」


 セオドア様は控えめに笑ってから、わたくしの傍に来た。そして、群青色の髪の子供___アドラオテルを差し出してきた。


 「___アミィも、家族の一員、でしょう?

 ほら、アドラオテルを抱いてあげて」


 「ッ、はい…………」



 アミィールはおずおずと差し出されたアドラオテルを受け取る。ヨウ様を抱いたことがあるから大丈夫、と奮い立たせるも、それはなんの効力も持たず、震えてしまう。



 こんなに、小さい………生命。
 髪の色も相俟って、セオドア様を彷彿させる。強く抱き締めたいけれど、わたくしの力で抱き締めては死んでしまいそう……………


 「……………わたくし、この可愛い子を潰してしまうのは、嫌ですわ」


 アミィールはぽつり、大真面目にそう言う。それを聞いたセオドアは一瞬目を見開いてから、やっぱり優しい笑顔で言う。


 「力加減を気をつければ、大丈夫だよ。

 だって___この子は、貴方の強さを宿しているのだから」


 「…………ッ」



 わたくしは、強くなどありません。
 強さの基準がわかりません。

 けれど、不思議。


 セオドア様が言うと、大丈夫な気がしてくる。


 アミィールはおずおずと壊れやすいものを扱うように優しく、それでもしっかりと抱き締める。



 温かい。………小さい生命が脈打っている………


 それを実感すると、涙がまた出てきた。



 ___この子は、生きているんだ。


 ___わたくしが産んだ愛らしい子供なのだ。



 涙目になるアミィールを見つつ、セオドアは目を細めて『アミィ』と呼んだ。



 「…………やっぱり、セラフィールの方を抱いてくれないかい?」


 「?いいですけど………いきなり、どうなさいました?」


 「その、……えっと………」


 セオドア様は顔を赤らめながら、もじもじとする。よくわからなくて首を傾げていると、切なげに緑の瞳をわたくしに向けて、とても小さな声で言う。








 「アドラオテルは、男の子、だから……………アミィに抱かれているのを見ると、嫉妬してしまう」


 「…………!」



 『おかしいのはわかっているけどさ』と誤魔化すようにつげる愛おしい御方。………父親になっても、可愛らしさは依然と変わらない。そこが愛おしくて、涙も引っ込んでしまう。代わりに笑みが零れる。


 「…………ふふ、セオ様は焼きもちさんですね」


 「~ッ、わ、わかってるよ。けど、本当にアドラオテルが目を開けたら、アミィを見るだろう?それで惚れてしまったら…………アドラオテルはアミィに似て格好いいから………お似合いカップルになってしまう」 



 そう言って耳まで赤くしながら涙目になるセオドア様。…………子供を産んだ女のわたくしを未だに愛してくれるのが、嬉しくて。堪らなく触れたくなった。



 「____セオ様、すこし屈んでくださいまし」


 「?………んっ」



 セオドアが屈むと、アミィールはセオドアの唇に自分のそれを重ねた。胸の中にいる子供を抱きしめながら、愛おしい御方の口に自分の舌を入れて、絡める。戸惑っていたセオドアも徐々に積極的になっていき、セラフィールを抱きながら積極的的に動く舌を追いかけるようにアミィールの口内を犯した。



 ____やっぱり、この御方の唾液も舌も凄く甘い。


 2人の心は合致して、子供達を抱き締めながら甘いキスを堪能した。




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