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第27章 冬はイベント盛り沢山!?
『女装大会』 #1
しおりを挟む大熱狂の中、皇妃・アルティアの声が響き渡る。
【「ではでは!最終審査という名の決勝をしていきたいと思います!
エントリーナンバー180の方、前へどうぞ!」】
そう言うと、舞台に町娘風の軽い服装の幼い顔の美少女が現れた。もちろん男である。それをみた聖女は『うーん』と声を上げる。
【「初っ端から強敵ですね~どう思います?エリー、……いえ、エリアス女王陛下!」
「素敵ですわ。………けれども、相手は皇族とお抱えの美男子なので、きっと大丈夫ですわ」
「はいはい、そういう意見もありましてですね、次は皇族側から出てきてもらいます!
じゃあ皇族ナンバー1、ガロ~!いらっしゃ~い!」】
アルティアがそう言うと、闘技場の入口から銀髪のベリーベリーショートヘアのセーラー服姿の美女___ガロが出てきた。
それを見るなりざわ、と女子達がざわめく。あえてカツラやドレスを使わず、素材のみで登場したガロに、黄色い歓声があがる。
「美しいですわー!」
「ガロ様ー!」
「こっち向いてー!」
ガロはぴく、と耳を揺らすと声をかけてくれた人々ににこ、と笑う。その姿にバタバタと女子が倒れた。
これの勝敗は、明らかなるガロ圧倒的有利である。思った通り___軍杯はガロに上がった。
* * *
【「うう………セーラー服はずるいですわ………どんな女装も似合うガロは本当に人間国宝………」】
鼻血をダラダラと流しそんなことを呟くフランを他所に、アルティアは満足気に笑ってから口を開いた。
【「じゃんじゃんいきまーす!
エントリーナンバー1654の方、前に出てくださーい!」】
そう言うと、次は高価なドレスを身にまとった貴婦人が。勿論、男である。
【「貴婦人ですね、これはどうなのでしょうか……………」
「美人!目の保養!熟れた果実は素敵!………じゃあこちらは若々しさで行きましょう!
皇族ナンバー2!リーブ!来なさーい!」】
アルティアがそう溌剌と言うと、茶髪を纏めたメイド姿のリーブが出てきた。40代だとは思わせない若々しさ、茶瞳が犬を連想させる。ギャップが強いその姿に男たちは吠えた。
「リーブさん素敵っす!」
「これは……抜ける………!」
「こっち向いてくださーい!」
リーブは周りに手を挙げ、一人一人に答える。忠実なメイドは男達のハートを掴むには最高で。
この勝負も___皇族側の圧勝である。
* * *
【「やはりリーブは従者が似合うのですね」
「子犬系忠実キャラだからね、メイドバンザイ、ただ、足が逞しいのはちょっとね。すね毛は剃ってほしかった」】
冷静に解説する聖女と女王陛下はうんうん、と頷く。この2人はもはや評論家である。
アミィールはそんなことを思いながらそわそわと見ていた。
はやく、はやくセオドア様とアドラオテルの番にならないかしら………楽しみにしているのだけれど。
「ママー、みんな、男の人?」
そんなことを思っていると胸の中にいたセラフィールが聞いてきた。アミィールはにこ、と笑っていう。
「そうですよ」
「みんな女の人みたーい」
「ええ。凄いですよね。パパやアドも出ますので、見ていましょう」
そんな会話をしていると、アルティアが再び口を開いた。
【「では次、いってみましょー!
エントリーナンバー648番の人!前に出てください!」】
そう言うと、ワンピースを着ている少女がでてきた。勿論、男の子なのだが、見間違うくらいには可愛い。
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