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第1章 異世界転生と出会い
有益な情報探し
しおりを挟むラフェエルはアトランティスに行ってから本の虫になった。元々、幼き頃から様々な知識を得るために王室の図書室にある本を読んでいたのだが。近頃更に読むようになった。
____アトランティスに行った後、父親である皇帝・ラフェール・リヴ・レドルド・サクリファイスに龍神について聞いた。だが、所詮第2皇太子。俺が既に知っていること以外なにも知らなかった。我が親ながら愚かである。自分の子供に死を命ずる癖に有益な情報ひとつ持っていなかったのだから。
ならば自分が調べると、大国には必ずあると言っても過言ではない禁書の保管室の出入りを許可させた。本来皇帝になる人間しか入れない場所であるため渋られたが、俺が生きている間は自由にさせるという約束だ。無理に承諾させた。
だが………有益な情報はやはりなかった。
辛うじて"龍神は穢れた魂を好む"ということしかわからなかった。
それだけでは情報と言わない。俺は筆を取り、手紙を二通書いた。宛先は両隣国である"海と水と共に生きる国"・シースクウエア王国に住む堅物王子へ、"森と土と共に豊穣を約束された国"・ヴァリアース王国に住む弱気姫にだ。シースクウエア王国にはサクリファイス大帝国にはいない妖精神_海と水の_が住んでいるし、ヴァリアース王国にも同様妖精神_森と土の_が住んでいる。妖精神の居る国というのは王として選ばれるには"妖精神に好かれている"のが絶対条件。どちらも幼馴染で情けない性格なのは知っているが妖精神に好かれていることに関しては歴代でも類を見ないと聞いている。
妖精神ならば、龍神のことを知っているかもしれない。それを聞いて欲しい。
そう手紙に記し、伝達魔法で2人に送った。すぐに返事をしてきたのは同じく伝達魔法を使える堅物王子だった。掻い摘んで要約すると……
_______
妖精神達は"君が知ることではない、20歳になっても生きていたら嫌でも知る事になる"と言っていた。貴方の手紙に記されていた女の子の話をしたら妖精神達は不機嫌だったよ。これは何かあると思って間違いないと思う。
それよりも、20歳になっても生きていたら、という言葉が出たと言うことは生きる手段があるということだ。貴方は生きられると私は信じている。
_____
______……生きることが出来るだと?
鼻で笑った。もし本当にそうであればその人間は文献ぐらい残すだろう。馬鹿にしている。人の気も知らないで。
弱気姫からの返信は1ヶ月後に人伝で届いた。内容は堅物王子と同じようなもの。
つまりは確証できるものはなにも得られなかった、ということだ。わかったことは妖精神は何かを知っているということだけ。直接聞きに行きたいが国を出ることは許されない。子供を作るな、という約束と同時に言われたことだ。なんでも、俺が逃走するのが怖いらしい。馬鹿にしている。
いくら手をこまねいてもわからないことはわからない。ならば、今出来ることをするだけだ。
俺は剣を持って鍛錬場に向かった。
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