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第2章 水の精霊、海の妖精神と次期龍神
屈服の儀と屈服印
しおりを挟む海の妖精神に勝った。
神様って言うくらいだから、強いんだろうなとぼんやりした不安に怯えていたんだけど、やってみればそうでもなかった。相性の善し悪しを考えた結果、水の弱点は雷だなと思って雷魔法を使ってみたってだけ。
ガーランドには通じなかった魔法だから、通じないかな?って思ったんだけど効果てきめん。というか思ったより効き過ぎて死んだ?って焦った。微かに息があったから治癒魔法を使った。こちらも神相手に使えるのか微妙だったけど効いてよかった。………あれ?今日の私ラッキー過ぎない?朝占いだったら1位なんじゃない?
『……………なにニヤニヤしてるのよ』
「いやー、自分の才能が怖いなと……ッギャァァァ!」
「妖精神への敬意が足りないな」
黒い雷もとい罰が落ちた。ラッキーと思ってたらこれだよ!というか助けに来た私に雷落としますかね普通?
『わぁ~、罰って本当に落ちるんだねえ。すごいなあ。クリス、僕に落としてみてよ』
「そんな恐れ多いことできないです、私は」
契約するならクリスティドとがよかったって心の底から思う。今から代われない?チェンジして頂けないかな……………
『アクア、くだらないこと言ってないでとっとと屈服印押しちゃいなさい』
「…………屈服印?」
ラフェエルは海の妖精神を見た。私も知らない単語に首をかしげる。海の妖精神はそんなことも知らないの!?と声を上げた。
『あっきれた……………龍神___ガーランドは逆に何を教えたわけ?』
「何も教わってないよ、つい最近初めて契約だのなんだの…………ユートピア?っていうのもいまいちわかってないのに…………」
『まあ、ガーランドさんらしいね。今回ちゃんと知ればいいよ。
とりあえず、僕からやるね』
そう言って水の妖精神がひょこ、と私の前に来た。そして、私の手を握って歌うような声色で言った。
『水の精霊・アクア=ユートピア=ネプチューンは、龍神様に忠誠を誓います』
「は……………っつ!?」
そう言って手の甲をキスされる。すると突然、お腹が熱く疼いた。魔力が暴れてる時に似てる…………!
「…………これでいいかな、ちょっとおへそ出してみて」
「っ、わかった…………………………は?」
私は着替え魔法_服を着替える時に使う魔法_でお腹丸出しの服に着替える。おへその上に1本の水色の線が刻まれていた。ラフェエルも覗いて、水の妖精神__じゃなくて、精霊?のアクアを見た。
『これが屈服印だよ。___妖精神、精霊の魔力の具現化するんだ。それにより、その魔法の威力が上がるっていう利点もあるんだけど、この龍神様には必要ないかな?
精霊は縦の線を、妖精神は横の線を刻む。合計13本の線が刻まれれば全知全能の龍神になるよ。
とまあ、それはさておき、屈服したんだから名乗って欲しいんだけど』
『待ちなさいよ、アクア。アタシが終わってからでもいいでしょう?』
『わ』
海の妖精神はアクアを追いやって私の前に来た。そして、跪いて私の手を取った。
『海の妖精神・マリン=ユートピア=ネプチューンは、龍神様に忠誠を誓い、この世界の海を統治致します。
次代の龍神様に栄光あれ』
ちゅ、と手の甲にキスされる。また腹が疼いたから見ると、じわじわと藍色の横線が現れた。おお………なんか、感動。じゃなくて、名乗らなきゃ。
「私はアルティア=ワールド=ドラゴン、よろしくね」
『物凄く締まりのない言い方ね。もっと神っぽくしなさいよ』
「神っぽくってどうやるの?」
『はあ……………人間、いえ、アルティアの世話係、そこら辺もちゃんと仕込んでおきなさい』
「………………ああ」
ラフェエルははあ、と小さく溜息を漏らして頷いた。
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