【完結】転生したらヒロインでも悪役令嬢でもなく世界征服してる龍神の後継者だったのでこの世界の常識をぶっ壊してみようと思います!

Ask

文字の大きさ
50 / 270
第3章 森の妖精神と次期龍神

"豊穣を約束された国"ヴァリアース大国

しおりを挟む
 





 「おおお~~~~!」




 馬車の旅30日目、私は馬車の窓から顔を出し感嘆の声を上げた。視線の先には____薔薇を象った緑とクリーム色の門、そして結界に浮かび上がる蝶と某ゲームのゴーレムらしき巨人の紋様。どちらも動き出しそうな立体感がある。




 そう、私達はやっと国境を超えた所だ。ヴァリアース大国。ラフェエルの話では"豊穣を約束された国"らしい。ピンとこなかったけど、納得するほど緑が多い。某悪役令嬢溺愛小説なら此処で蝶の羽を生やした妖精がパタパタ飛んでいるんだろうなぁと思うとだらしなく頬が緩まる。





 「アルティア様、あまり御顔を出さないでください」


 「あら、クリス。兵士が私に命令するの?」


 「命令ではなくお願いです。貴方は忘れたのですか?先日馬車の窓から逃げようとしてラフェエル殿下に罰を落とされたのを」



 「ぐ、…………ひい!」 




 そう言われ向かいに座るラフェエルを見るともう右目に黒い契約印が出てる。私は急いで座り直す。




 ……………2日前、馬車での移動に嫌気がさしてヴァル_羽の生えた大きな聖獣_を召喚して馬車から飛び降りた。逃げるつもりではなく、ただ横になりたかっただけなのだ。




 しかし、そんな言い訳がこのサクリファイス大帝国第一皇太子であり私の契約者もとい教育者の理不尽ドS大魔王・ラフェエル・リヴ・レドルト・サクリファイスに通じるわけもなく………問答無用で10発ほど罰を受けた。新記録更新である。嬉しくないけどね。





 それよりもクリス___シースクウェア大国第三王太子で金髪青瞳が特徴的な爽やかイケメン・クリスティド・スフレ・アド・シースクウェアが過保護になった。よほど私が窓から逃げ出そうとしたのに驚いたのだろう。ちょっとばかし顔を出しただけでこのように注意を受ける。




 あと半月も馬車か…………………………辛いなぁ。



 そんなことを思いながらラフェエルが準備してくれた絵本を読む。18歳にもなって絵本読んでいる私って一体…………と思っていたのは最初だけだった。



 文字の読み書きが多少出来るようになって、理解することが出来るようになった。そんな私にとって絵本は内容は幼稚だけど、それでも面白いと感じていた。


 もうこれで24冊目。この世界がユートピアという名前で、龍神は本当に神様なんだと知ったのもこの絵本達のおかげだ。意味がわからない時はラフェエルに聞く。ラフェエルは博識で大抵のことは知っている。なにより教え方がうまい。




 ラフェエル曰く「5歳ほどの知力はついた」らしい。複雑だが、成長出来てるのは素直に嬉しい。だからもっと頑張ろうと思う。



 さて次は何を読もうか____!?



 「わ、っ!」


 「ッ!」




 突然馬車が止まった。
 急ブレーキがかかったみたいに止まったせいで私の体は前のめりになってラフェエルの胸の中に飛び込んでしまった。



 わ、わ、わ。近い。心臓の音聞こえる。つーか胸板!いや違ういい匂い!男の匂いなどあまり嗅いだことはないけどなんか、なんかいい匂い!イケメンはいい匂い!



 混乱する私を他所に、ラフェエルは平然と私を引き剥がして声を上げた。



 「どうした、リーブ!」



 「ラフェエル様、申し訳ございません。道に女性が倒れていて…………」



 「?私、見てくる!」



 「おい!」



 私はラフェエルを無視して馬車を降りた。本当に女の人が倒れていた。駆け寄り、抱き上げる。どうやら息はある。外傷はない。けど、酷く顔色が悪いね。別に人助けには興味無いけど………………!



 抱き上げた拍子に深緑色の前髪の下が顕になった。そこには____ラフェエルの右目と、クリスティドの両手と同じ契約印があって。思わず固まる。




 「これって____っきゃ!」




 そこまで考えたところで私は女を抱えて馬車の中にいた。大方ラフェエルが名前を呼んだのだろう。契約された神は、名前を呼ばれるだけで瞬間移動するのだ。いつもは嫌だけど、丁度いい。



 「ラフェエル!この人、額に契約印が…………!」



 「道端に落ちている人間などに触れるな____ん?その女は…………………………」
















しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です

山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」 ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。

勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!

エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」 華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。 縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。 そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。 よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!! 「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。 ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、 「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」 と何やら焦っていて。 ……まあ細かいことはいいでしょう。 なにせ、その腕、その太もも、その背中。 最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!! 女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。 誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート! ※他サイトに投稿したものを、改稿しています。

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!

白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、 《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。 しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、 義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった! バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、 前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??  異世界転生:恋愛 ※魔法無し  《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆

処理中です...