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第3章 森の妖精神と次期龍神
次期龍神はエゴイスト
しおりを挟む「…………!」
森の妖精神が涙を流すと、さぁ、と風が吹いた。ツリーロードが枯れてゆく。エリアスは目に見えて焦った。
「リーファ様!お気を確かに!このままでは森が枯れ果ててしまいます!」
『エリアス…………たとえわたくしが涙を流さずともこの国の森は消えゆきます。グランドのいないこの国はもう………………わたくしはグランドに会いたい………………抱き締めたい……触れたい………彼がいないと、わたくしは………………何故、彼はグレンズスなどに行ったのですか…………!わたくしを置いて………何故…………!
それでもわたくしはグランドとの約束を守ってきました、ですがもう…………疲れてしまったのです…………………土の精霊のいない所に森の妖精神が加護を行うことなどできません………………この森はおろか、この国は…………………もう、わたくしではどうにも出来ないのです…………………!』
森の妖精神は声を上げて泣いた。
グランドというのはどうやら土の妖精神?精霊?らしい。難しい事は何一つわからない。けど………………泣いている森の妖精神を見て、前世の記憶を思い出した。
いくら泣いても、いくら叫んでも、私の願いは何一つ叶えられることはなかった。そして、心を閉ざした。
救いの手をどれだけ望んだか。
でも助けてくれる人なんていなかった。
それがどれだけ苦しかったか………………思い出しただけでも苦い気持ちになる。
この森の妖精神も、同じ気持ちを感じているのだろうか?
誰かに助けを求めているのだろうか?諦めているのだろうか?
__自分から、壊れようとしているのだろうか。
私はそこまで考えて、膝をついて地面に両手をつけた。
「アルティア様……………?」
「おい、なにをするつもりだ」
『………………?』
周りが私を見る。泣いていた森の妖精神も、エリアスに支えられながら見ている。
____今からすることが正しいかどうかなんてわからない。知らない。
自己満足、エゴの延長線なのかもしれない。
けれど。
私は、私を助けてくれなかった人間達のように見て見ぬふりはできないから。
私は息を大きく吸う。両腕に黄緑色と黄色、緑色の光を纏った。それを見計らってから、"同情"の気持ちを込めて、詠唱した。
「_____治癒魔法・天地創造」
『…………………!』
両手を伝って膨大な魔力が大地に流れ込む。大地は3つの色に侵食され、触れた草木はみずみずしさを取り戻していく。
枯れていた草木は飲み込まれ、新しい草木が芽生えていく。管理するものが居なくなって、乾いた土は新しい土になっていくのを森の妖精神・リーファはいち早く気づいた。
『これは……………………治癒魔法?』
「治癒魔法なんて高等魔法を使える人間は限られております、それに…………人間以外の生命に干渉できるわけがありません…………………けれど、龍神様は……………それを……………………?」
エリアスが戸惑っている。他の人間達は空に避難していた。長く森の妖精神をしてきたが、こんな魔法を見たのは初めてだ。いや、これは魔法などではない。じゃあ一体これはなに?
「_____森の妖精神」
不意に、地面に膝を着きこのような所業を行う長い黒髪、黄金色の瞳_龍神の証_を持つ少女が、口を開いた。
「貴方が何を抱えているのかわからない。けどね、___行動しなきゃ何も変わらない。
泣いてるだけでは何も変わらないんだ。泣いてる暇があるなら助けを求めるなり自分が動かなきゃ………………その悲しみは、癒えないよ。」
次期龍神は立ち上がり____わたくしの前に来た。
「困っているなら手を伸ばせ。____私がその手を取ってあげる」
そう言った龍神は手を差し出してきた。
_____愛しいグランドに、会いたい。
『…………………龍神様、わたくしを助けてくださいまし』
わたくしは、龍神様の手を取った。
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