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第3章 森の妖精神と次期龍神
次期龍神と愉快な仲間達
しおりを挟む「"我はアルティア=ワールド=ドラゴン。次世代の征服者である。龍神の名のもとにユートピアの繁栄を約束しよう"」
「……………………だめだな。威厳がない。やり直し」
「えぇえ~~~!!」
馬車内に私の大声が響く。何をやっているんだって?"屈服の儀"における口上の練習だ。
凄く馬鹿臭いと思いますよね?なにこれ?いやほんと、なにこれ?って感じですよ。屈服の儀と言うのは簡単に言っちゃえば妖精神と精霊ボコって「私は強いだろう?だからちゃんと従えよ?」っていう儀式の事です。もうこの時点でぶっ飛んでるんだよね、いろいろ。
私、アルティア=ワールド=ドラゴンは龍神です。龍神って言うのは私もよくわかってません。でも人間じゃなくて龍です。人外です。強いて特徴を言うなら前世で別世界である"日本"で人間だった記憶がある、"想像"しただけで"想像通り"の魔法が使える、龍になれる………くらいかな?
そして。
「ほら、もう一度やれ」
「嫌よ、もう嫌だ、絵本読みたい」
「絵本はその後だ。それとも………………罰が欲しいのか?」
「ひぇぇ………………!」
私は震え上がる。
この幻想的な紅銀の髪にルビーのように綺麗な紅い瞳_今は怒っているので右目に黒い魔法陣のような契約印が発現しているけど_を持つ顔よし、スタイルよし、性格難あり!な、この残念イケメンは、サクリファイス大帝国の第1皇太子で私の契約相手のラフェエル・リヴ・レドルド・サクリファイス。チート能力を持つ私の唯一恐れる人間です。
そんな私達は現在この異世界___ユートピアを旅しています。今の目的地はグレンズス魔法公国。もうかれこれ1ヶ月馬車に揺られています。とてもおしりが痛いです。
「ベッドで寝たいよぅ……………」
「寝ているだろう」
「野宿でベッドは異様に恥ずかしいんだよ!ちゃんと室内に設置されたベッドで寝たい!」
「ならやめろ」
……………とまあ、こんな会話をしながら楽しく(?)旅をしています。
けど、旅をしてるのは私達だけじゃありません。
「アルティア様~~~!5km先に国境が見えました~~~!」
聞きなれた女の子の声。私は空を見上げる。私の作り出した鳥?っぽい幻獣・ヴァルが飛んでいる。そうだった。貸したんだったね。私は窓から顔を出して大きな声で言う。
「はーーーーい。じゃあ降りてきて、ヴァル!」
『ピィ!』
ヴァルはゆっくり下降する。ヴァルに跨っている女が見えてきた。深緑の前髪、メガネの奥に黄緑の瞳が見える緑のフードの女___エリアス。彼女は現在地・ヴァリアース大国の姫、エリアス・ラピュード・ヴァリアースだ。王族でありながら旅をするためエリーと呼んでいる。
「クリス、エリーを乗せてあげて」
「は。エリー、降りなさい」
「は、はい!」
飛び降りたエリーを騎乗しながらも華麗にキャッチする___金髪青瞳の爽やかオーラ満載なイケメン兵士はクリス……クリスティド・スフレ・アド・シースクウェア。シースクウェア大国の第3王太子である。
「エリーばかりずるいな。私もアルティア様の作り出した幻獣に乗りたかったというのに」
「ほんっとうに凄いですよ!凄く座りやすくて、暖かくて!聖の魔力がとても強いんです!この役は譲れません!」
「………………騒がしいな。リーブ」
「は。………おふた方、我々はサクリファイス大帝国第1皇太子であらせられるラフェエル様とその婚約者であらせられるアルティア様を護衛する兵士です」
「申し訳ございません」
「も、申し訳ございませんッ!」
この2人を叱る茶髪をオールバックにした兵士はラフェエルの側近・リーブだ。
あとの護衛は私の力で作り出した人形。つまり、実質このメンツで旅をしています。
はてさて、次の国で仲間になる者は王子か姫か………そして妖精神だか精霊だかはどんな奴なのだろうか………………
先のことを考えると気が重くなった私は、再び口上の練習をしたのだった。
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