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第7章 次期龍神、人狼少年を拾う

人狼少年への教育 #1

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 プリズンを出て、私たちは再びアイスバーンに向かう。ラフェエルが得た情報を元に、だ。どうやらプリズンに行った理由は情報を得るためでなにも奴隷を買おうとしていたわけじゃないらしい。それを聞いてほっと安堵した。



 それに、私もなんの収穫もなかった訳では無い。





 「ガロ、怖くない?」



 「……………………」




 私は一緒に馬に乗る銀髪のベリーベリーショートヘアの男児・ガロに聞く。ガロはビクビクしながらも縦に首を振った。…………怖いのだろう、少しスピードを落とすか……………




 このガロは私の初めての側近だ。小さな騎士。…………とはいえ、ダーインスレイヴの話では56歳らしい。そうは見えないけど"人狼は寿命が長いから人間で言うと7歳程度だ"と言っていた。



 人狼というのはよくわからないけど、異世界モノとかに出てくるイメージで言うと狼にも人間にもなれる存在だと勝手に決めつけてる。


 事実、私の目の前で狼になったし。



 凄く側近が欲しかった!って訳では無いけど、助けてあとはご自由に、とは言えなかったのだ。それって凄く無責任じゃない?だから、理由をつけて連れてくことにしたのだ。




 とはいえ………………本当にちっこくて可愛い……………………髪の毛を切った時は本当に焦った……………イケメンや美少年にエンカウントするの多くないか……………?龍神の周りには凡顔はだめとかいうルールでもあるのかな……………………





 そんなくだらない事でうーん、と悩むアルティアを、ガロは見上げていた。







 *  *  *





 ボク____ううん、ガロはとても恵まれているのかもしれない。





 「あ、い、う、へ、お」


 「ガロ、違いますよ、へではなくえ、です」



 ガロの言葉にリーブが注意する。

 ………………ボクの言葉を教えてくれる茶髪茶瞳のオス・リーブさん。リーブさんは休憩時間、こうして言葉を教えてくれる。


 今まで「喋るな、騒ぐな」と言われてきたから、最初はすごく戸惑った。けどここでは、むしろ『喋って!』と言われる。



 ……………不思議な気分だけど、怖くはない。


 「あ、い、う、え、お」



 「よくできました」


 リーブさんはにこ、と小さく笑ってくれた。




 *  *  *




 「ち、ゅまほ……」



 「おおぅ………………」




 ガロがそう言うと、いつも通り罰を受けて黒焦げになったアルティアの煤が消えていく。それを見たエリアスはぱぁ、と笑った。



 「素晴らしいですわ、ガロ様、たった5日で治癒魔法を使えるなんて!


 結構強い魔力を纏ってるからもしかしてと思ってたんですよ!」


 メス__緑色のロープを着たエリーさんが目を輝かせる。ボクがアルさんの傍に居るためには魔法が使えなくちゃいけないようで、エリーさんが色々教えてくれている。



 「うん、うん、それは凄いからいいんだけどさ…………その練習の為だけに罰を落とすのはやめて貰えませんかねえラフェーさん?」




 「ガロの身の回りの世話をするのはお前の役目だろう?」


 「これは!身の回りの世話じゃないと思います!」




 「うるさい」



 「ぷぎゃぁぁぁ!」



 アルさんがまた黒焦げになった。















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