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第12章 "幻の島"・ワールドエンド
夢のその先の言葉
しおりを挟むアルティアは、ぽつりぽつり、言葉を漏らす。
「死ぬって、とっても痛かった。………怖い、とかは思わなかったな。急だったからさ。
そう考えると____今回は、まだマシだね。気持ちの切り替えができる。
……………ほんの少しだけ、ラフェエルの気持ちがわかったかも」
何を言っているのかわからない。
いつも意味不明なことを言っているが、今日のこれは特にわからなかった。
アルティアは、初めて私を見た。
黄金色の瞳が妖しい光を灯している。
「私______死ぬから」
「…………………は?」
時間が、そこで止まった。
脳が仕事を放棄している。
けど、アルティアの口は止まらなかった。
「さっき、倒れた時………………思いついたの。
ラフェエルは犠牲になって死ぬ、じゃあ犠牲を出さないようにすればいい。
___つまり、私が死ねば、ラフェエルは死なない」
「巫山戯るな!」
考えるより先に身体が動いた。アルティアのいる岩場まで来たのに、アルティアの姿はない。
アルティアは_____青白い月を背負っていた。
* * *
「____どうしたらお前を救えるんだ?」
紅銀色の髪、紅い瞳の男・ラフェエルが空を見上げながら問う。
その視線の先には、いやに青白い月の光を長い黒髪に乗せた黄金色の瞳の女・アルティア。ラフェエルはギリ、と歯ぎしりをしてから言葉を紡いだ。
「_____私が死ねばよいのか?」
_____あ、この場面、私知っている。
ラフェエルを見下ろしながら、既視感を覚えた。
いつ見たんだっけ………………
「____この穢れた血を神に捧げればよいのか?」
知っているよ。
その次の言葉は"そうしたらお前はその呪われた螺旋から降りられるのか?"………………でしょう?
「___そうしたらお前はその呪われた螺旋から降りられるのか?」
ほら、やっぱり。やっぱり私はこの光景を知っている。
「私達は来世で、出会える事ができるのか?」
私は縁の紐を見た。…………紅い宝石が埋め込まれた紐。来世で出会う約束の証。
「___……もう、その手で私を振り払わないで抱きしめ返してくれるのか?」
振り払った覚えはない。けれど……………振り払わねばならない。
苦しそうに、悲しそうに顔を顰めるラフェエル。それを見た私はできるだけ冷ややかな瞳で見下ろし、言う。
「____そんな日は、永遠に来ないわ」
…………………ああ、そうだ。
これは、小さい時に見た夢の光景だ。
どうやら、私は予知能力さえも使えるらしい。本当になんでもありだな、と我ながら思う。
「_____何故?」
ラフェエルは私を未だに見上げている。
あの夢の続き、今ならわかる。
何故?そんなの、決まってるじゃない。
「____何故?それは…………
アンタを死なせたくないくらい、愛してるからだよ」
「____!」
そう言って、アルティアは涙を流しながら、笑った。
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