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第12.5章 "隠された真実"と"真なる王"
"隠された真実"の全貌 #2
しおりを挟む「ッ…………どういうことだ!」
ラフェエルは契約印を使いアルティアの呪術を破った。そして、女に向かって歩き出す。黙ってなんていられなかった。
「アルの意思さえあれば世界を壊さない!アルはそんなことをしない!だから私は命を差し出そうとしているのだ!
答えろ!」
普段のラフェエルからは考えられないくらい声を荒らげている彼に、女__アリアドネは静かに言った。
『その企みを知っていたからこそ私____2代目龍神であるアリアドネが意識のみで残ったのです。初代龍神様は尊い御方……………妖精共の企みなど百も承知。
お前が器として死のうとも次期龍神の意識の根底に初代龍神様はいらっしゃる。次期龍神が世界を変えることなど不可能。次期龍神が仮に器を使わず"真なる王"、死神、闇の精霊を取り入れ死んだとしても、それは次期龍神の人格の死でしかない。次期龍神の体を初代龍神龍神様の傀儡になるだけ。
傀儡になったら、迷わず契約者を、そしてここに来た人間さえも殺すであろう。
つまり_____貴方達がどちらを選んでも、この世界が変わることなどないのです』
「……………………!」
ラフェエル、アルティアは愕然とする。
言葉を失う2人に、2代目龍神・アリアドネは黄金色の瞳を細め冷たい笑みを浮かべた。
『………………私は8万年前、契約者を愛してしまい、喰らわなかった。初代龍神様にお仕えすることを選んで、ここワールドエンドで"真なる王の継承"をかって出ました。契約者は殺されましたが…………それでも、契約者は呪いから解き放たれたのです。
ですから大丈夫です、貴方がたの悲しみも、どちらを選んでも悲しみから解き放たれるのですから。命とともに悲しみも消し去るのです。
貴方の父___ガーランドは契約者を喰らうことを選びました』
「…………ガーランド…………っ!」
アリアドネが眩しい光を放った。思わず目をつぶった。そして再び開けると____ガーランドとサイファー、そして…………ダーインスレイヴがいた。
ガーランドとサイファーは階段の上にいた。ダーインスレイヴは階段の下から怒鳴った。
『まだ間に合う!今から帰ろう!ここを出よう!』
『___私が帰ったら、ガーランドは初代龍神の傀儡になってしまう。傀儡になったガーランドはどうなる?
9万年前の惨劇を起こしてしまうかもしれない。そんなこと…………ガーランドにはさせられない』
サイファーはそう言って、ダーインスレイヴを目だけで見る。ダーインスレイヴは怯むが、それでも言葉を放った。
『それは……………しかし、なにか別の方法があるはずだろう!?』
『____でも、今は何も無いんだろう?』
ガーランドは腕を組みながら、ダーインスレイヴを見下ろした。そして、続けて言う。
『…………………決めた。俺はサイファーを喰らって龍神になる』
『貴様………本気で言ってるのか!?』
『ああ。ずっと考えてたよ、死んでもいいと思ってたさ……………けど、俺が死んでも、何も変わらないようだ。なら、俺が龍神になって初代龍神を抑えたらいい。
………本当は人間に戻って、可愛い嫁さんとか作ったりしたかった、子供を可愛がって、普通に生きたかった………でも、それは叶わないらしい。
そうなったら、俺の夢はおしまいさ。俺が龍神になればサイファーを苦しめることなく喰らえるし、俺の人生にも意味があったと思えるだろう?』
『ヤケになるな!』
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