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第12.5章 "隠された真実"と"真なる王"
今、決断の時
しおりを挟む『サイファーのただの無駄死にではないか!』
残像のダーインスレイヴは剣を構えながら、涙を流しながらアリアドネに怒鳴った。
『サイファーは希望を持って命を捨てた!
ガーランドは呪いを断ち切ろうとして龍神になった!』
『だからこそ2人は龍神を満足させられたのです』
『ッ、うぉぉぉぉぉぉ!』
ダーインスレイヴは飛び上がった。けれど、その剣は届くことなく、アリアドネの魔法に弾かれた。ダーインスレイヴの身体は虚しく吹き飛ぶ。倒れているダーインスレイヴの髪の毛を引っ張り無理やり顔を上げさせ、アリアドネは笑った。
『そんなに納得出来ぬのなら、貴方に初代龍神様の貴きお力を授けましょう。そうですね………………剣_血を吸う魔剣_として生かされる宿命を与えてあげましょう』
そこで、残像が消えた。
『初代龍神様はお優しいから、崇めるだけの存在であり続けておられるのです。愚かな人間は自分たちの命を食らう龍神を敬い、自ら命を落としていく。悲しみや苦しみから死で救ってくださる。龍神様が守ってくれると、信じて……………それがこの世界の常識です。
なので、選ぶのです、次期龍神よ。
貴方は初代龍神様に完全服従をするのですか?それとも契約者を使って一抹の夢に興じるのですか?
希望のために捧げるものを』
アリアドネはそう言って、手を前に出した。アルティアが口を開いた。
「………………どれも、嫌。
死んでもいいと、思っていた。私の命でラフェエルが生きられるならそれでいい、って。死ぬのなんて怖くない、なんて思ってさ………
でもそれは………何も変わらないんだね。ラフェエルはどっちにしろ殺され、それだけじゃなくまやかしで人間を誑かすものでしかないんだね」
『いいえ。希望の光です…………初代龍神様の。
貴方の父親も、希望のための犠牲となりました』
「…………ッ、ガーランドは、ガーランドの願いは!
この腐った世界を、龍神ごと壊したかった…………誤魔化したかったわけじゃない!」
ガーランドは、私に何も教えなかった。
私に何かを強要したことは1度もなかった。…………私は、
「私はガーランドのこと、…………父さんのことが大好きだ!
だから………………ガーランドが出来なかったことを私がする。私はどちらも選ばない。
そのうえで、生きる。生きて、戦って、いつか!今は変えられない運命でも必ず変える!
……………この世界を、この腐った龍神の世界を、ぶっ壊す。
………………常識なんて知らない……………そんなクソみたいな常識ごとぶっ壊してやる!」
アルティアは、そう言って両手を前に構えた。アリアドネは下を向いている。地面に、魔法陣が生まれていく。
『哀れな………………ならば、貴方が絶望に沈む前に、せめてもの救いを与えましょう。悲しい闇に生きるより、希望に充ちた死を…………………』
空気が、変わった。
大きな魔力の塊の中にいるみたいな息苦しさの中、ダーインスレイヴが叫んだ。
「さあ!どうする!今こそ決断するときだ!死んで楽になるか、生きて絶望と戦うか、アルティア、ラフェエル、お前たちが決めろ!
自分の心で感じたままに、物語を動かす時だ!」
ダーインスレイヴの怒鳴り声に、アルティアは魔法陣を展開させる。そして、微かに笑みを浮かべながら言う。
「____勿論、戦うわ。下がるなんて選択肢はもう、ない。ラフェー………ラフェエル!」
アルティアはラフェエルを見る。ラフェエルは___既に剣を握っていた。
「わかっている。____アルティア、一緒に戦うぞ」
「ちょっとちょっと!私達のこと忘れてない!?」
「わたくしたちも………戦います!」
「………………最後までついてくって、約束だもんな」
「いつ約束されたのですか?」
「ガロ、アルさま守る」
2人の前に全員が各々の武器を手に取って構える。
その姿を見ながら___思い出した。
____私がしたかったのは、愛する人のために死ぬ事じゃない。
自由に暮らす事、好きな人と一緒に幸せに暮らすことだ!
アルティアは、強い思いを胸に沢山の魔法陣を生み出したのだった。
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