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クラスマッチ開催と闇組織ノルダン
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【ラーバス学園付近】
クラスマッチの日がやってきた。
大成、ジャンヌ、ウルミラ、イシリアの4人は、いつものように朝練をこなして学園に向かっていた。
ジャンヌ達は張り切っていた。
「やっと、この日が来たわね!今年こそは優勝を頂くわよ」
「そうですね!」
「そうね!」
「……」
ジャンヌに賛同するウルミラとイシリア。
しかし、無言の大成はというと窶(やつ)れていた。
なぜかというと…。
大成は、学園ではクラスメイト全員の練習プランを考え教えていく日常を送り、帰ったら帰ったで同盟を結びたいという国々の王達が交渉に来て話し合いをし、そのあと、契約書や書類を作ったりして深夜遅くまで時間が掛かる。
同盟は嬉しいのだが、正直、流石の大成も休ませて欲しいと心の底から思った。
そんなこんなで、大成は痩せ細っていた。
「あ、あの…大丈夫ですか?大成さん」
「大成の自業自得だから気にしないで良いわよ。ウルミラ」
「そうよ、ウルミラ。断らなかった大成君が悪いのだから」
心配そうに声を掛けるウルミラだったが、ジャンヌとイシリアは少しムスッとしており不機嫌だった。
理由はジャンヌとイシリアは、大成がクラスの女子にも教えていることが気に入らなかったのだ。
なぜかというと、クラス女子の数名はわざとらしく手を抜いた武器の使い方をして大成に尋ね、そして、大成が手取り足取りで教えている。
1回や2回ならまだしも、同じことを何回もだ。
所謂、媚び得るかまってちゃんだった。
大成は仕方なく教えているのはわかっていたが、ジャンヌとイシリアは見ていてストレスが貯まり矛先が大成に向かっていた。
そんな時、大成達の後ろにいた大人のカップルが大成達の横を通り前に出る。
カップル2人が手を繋いで幸せそうな姿を見たジャンヌ、ウルミラ、イシリアの3人は、自然と大成の手に視線が集まった。
ジャンヌ達3人は息を呑み、先に大成の手を取ろうとしたが、カップルが気になる話題をし始めたので手が止まる。
「ねぇ、ドトール。今年は、どこのクラスが優勝すると思う?」
「そうだな…。俺は、今年もランドニー先生が率いるクラスが優勝すると思うな。ミシナは?」
「ん?優勝するクラスはドトールと同じかな。あ、でも気になるのはマミューラ先生のクラスね」
ミシナは人差し指を立て口元に当てて考え、思ったことを口にした。
「ああ、気持ちはわかる。でも、あのクラスは駄目だな。確かに優秀なジャンヌ様、ウルミラ様、ローケンス様の娘であるイシリア様、息子であるマーケンス様は居るが他の生徒達が弱いから駄目だと思うぞ。だから、ずっと優勝してない。いや、できないと言った方がいいか」
ドトールは、空いた手で顔の前で手を振って否定する。
ドトールの言葉で、ジャンヌ、ウルミラ、イシリアの威圧感が増した。
「お、落ち着いて…」
慌てた大成は小さな声で落ち着かせ、どうにか落ち着いた3人を見てホッとした。
「でも、ほら、噂になっているじゃない?最近、特例でランキングマッチしてイシリア様とマーケンス様を倒した人間が加わったらしいって。えっと、確か名前は…。大和大成君って名前だったかしら?」
ミシナは、自分の口元に人差し指を当てて頭を傾げた。
「ああ…そういえば、そんな噂もあったな。でも、その情報は偽情報とか言われているぞ。魔力値2の大和大成が魔力値6のイシリア様、マーケンス様に勝てるわけがないからな。噂では、修羅様は人間と同盟を組むとか言っていたから、その時のために偽情報を流して人間を見下すことなく、すぐに仲良くできるように計らっているとか言われているぞ」
「それは、あり得るわね。修羅様も人間だから、同じ人間と争いたくないかもねぇ。それか、【時の勇者】が恐いとか?でも、流石にそれはないか。あんなに強ければ勇者も倒せそうだし。フフフ…」
ミシナは笑いながらドトールのうでに抱きつき、ラーバス学園に入った。
カップルの姿が見えなくなった瞬間…。
再び、ジャンヌ達の威圧感が増した。
「ちょっ、ちょっと、お、落ち着いて…」
「大成!あなた、馬鹿にされたのよ!悔しくないの!?」
「そうですよ。大成さん!」
「ねぇ、今からあの2人を追ってバレないように闇討ちにしない?」
「それは、良いわねイシリア」
「はい、良い提案です」
「ちょ、ちょっと待って、3人共。まずは、落ち着いて」
再び大成が止めようとしたが、ジャンヌ達は大好きな大成を馬鹿にされて激怒しており、イシリアに至っては恐ろしいことを言い出してジャンヌとウルミラはそれに賛同する。
「まぁ、正直、馬鹿にされて悔しいけど。でも、こうなることはわかっていて、あの式典の時に何も隠さず、これからすることを公にして少しでも信頼されるようにね。結果を出せば、周りも少しずつでも良いから変わると僕はそう信じているんだ」
大成は手を太陽に向けて前に出して、太陽を摑むかの様に手を握った。
「大成…」
大成の意気込みに、ジャンヌ達は威圧感が霧のように霧散してうっとりした表情で大成を見つめた。
そして、大成達はクラスに合流するために教室に向かう。
【ラーバス学園・正門】
その頃、ドトールとミシナは大成達と距離をとり、誰もいない場所で精神干渉魔法レゾナンスで仲間達と連絡を取っていた。
「で、間近でターゲットを見てどうだったか?」
ドトールとミシナの頭の中に男の声が響く。
「はい。実際に間近で見ましたが、ダビルド様が仰っていた通りイシリアとマーケンスに勝ったという情報は偽装の可能性が高いと思いました。気配、動作が普通の子供と同じでした」
ミシナが報告した。
「あれなら、正直、俺1人でも任務を遂行できるかと思われます。ですので、今すぐにでも終わらせることができますがどうしますか?」
「いや、今回の依頼は報酬が破格だ。失敗は絶対に許されん。念のため、そちらに部下を30人ほど手配している。昼ぐらいに到着する予定だ。それまで、相手が普通の子供といって決して油断するな。ターゲットの近くには魔人の姫ジャンヌや【ヘルレウス】のウルミラも居るから絶対に悟られるなよ、面倒になる。では、期待しているぞ2人共」
ドトールがアピールしたが、ダビルドは念のために先に部下を30人ほど手配していた。
「「了解です、ボス」」
ドトールとミシナは誰もいないが敬礼し、レゾナンスを解除した。
ドトールとミシナは、闇組織でも有名な【ノルダン】のメンバーだった。
今回の依頼された任務は、大和大成の暗殺又は殺害だった。
「今回は報酬が破格だったから期待はしていたんだが。そのターゲットが、まさかのただの普通の子供だったとはな…」
「ええ、そうね。私も残念だわ。あなたと同じで、骨のある任務かと思ったのだけどね。今回もスムーズに任務達成出来そうだけど、先走ちゃ駄目よ。ダビルド様の言う通り油断は禁物よ。ドトール」
「ああ、わかっているさ」
ドトールとミシナは、再び人混みに紛れて身を隠した。
【教室】
大成達が教室に入ると、マーケンスが教壇に立っておりクラスメイト達を鼓舞していた。
「今日、このために頑張ってきたんだ。今までの雪辱を果たすぞ!絶対に勝つぞ!お前達!」
「「オオ~!」」
代表に選ばれたクラスメイト達、選ばれなかったクラスメイト達など関係無く皆のやる気十分だった。
「誰かさんと違い、皆はやる気があるわね」
「アハハハ…」
ジャンヌのとげのある言葉に大成は苦笑いした。
「「おはようございます」」
大成達に気付いたクラスメイト達は挨拶した。
「「皆、おはよう」」
「おはようございます、皆さん」
「お~!凄いやる気がある様だな、お前ら。良いことだ。まぁ、後悔しないように頑張れよ」
大成達が挨拶した時、担任のマミューラが他人事のような言いぐさで教室に入って来た。
「「はい!」」
出場するクラスメイト達は、作戦を再確認して会場に向かった。
【教室の廊下】
大成は廊下に出て、後ろを振り向いた。
「……。」
「どうしたのですか?大成さん」
ウルミラは、大成に尋ねながら大成が向いている方向を見たが何もなかった。
「何しているの?2人共。早くしないと遅れるわよ」
「は、はい、姫様。行きましょう、大成さん」
ジャンヌの呼び掛けに、ウルミラは慌てながら最後に再び大成に尋ねる。
「……いや、何でもない。行こう」
大成は、廊下の角を一瞥してウルミラの後を追った。
大成が見ていた廊下の角には、ドトールとミシナが気配を消して隠れていた。
「ふぅ、危なかったな…」
「ええ、そうね。強くはないけど、代わりに直感が鋭いみたいね。気を付けないと」
「ああ、そうだな」
ドトールとミシナは、心拍数が上がったので一度深呼吸をして落ち着かせる。
この時、ドトールとミシナは、本当に大和大成は本当に弱いのかと疑問が湧いたが、でも、大成の動作は相変わらず隙だらけだったので判断を改めなかった。
【グランド】
時間になり、音楽が流れて入場式が始まった。
クラスごと紹介のアナウンスが流れて各クラスはグランドの中を行進して回る。
「毎年、優勝している1組ランドニー先生が率いるクラス。チーム名・朱雀連合の入場です。今年も、優勝し連覇なるのか見ものですね。皆さん、拍手を!」
「「きゃ~!ランドニー先生!こっち向いて~!」」
アナウンスが流れ、ランドニーが先頭を歩く。
ランドニーの姿を見た保護者、一般の女性達は騒ぎ、ランドニーは笑顔を浮かべながら軽く手を振って行進した。
「続いては2組マミューラ先生の率いるクラスが入場します。チーム名は…何これ?文字が間違っているよね?えっと、チーム名は…チームイーターです。今年は噂になっている人間の優秀な編入生がおり、今年は優勝できるといいですね」
「「文字ぐらい、ちゃんと書けよ!しかも、チーム名が悪趣味だな!おい!」」
「痛たたた…」
戸惑いのアナウンスが流れたと同時に、大成は男子達に突っ込まれながら攻撃される。
始めはイシリアが指揮をとっていたが、皆が大成を頼り、いつの間にか大成が指揮をとることになっていた。
「ごめん、ごめんって。じゃあ、チームイーターよりソウルイーターの方が良かったかな?」
「「どっちもどっちだ!!」」
謝りながら提案して聞いた大成だったが、逆に反感をかってしまい男子達から再び攻撃される。
「「アハハハ」」
大成達のやり取りを見て、観客達は盛大に笑った。
「ククク…」
先頭を歩くマミューラもクスクスと笑い、その後ろでは生徒達は恥ずかしく頬を赤く染めて行進した。
そして、次々とクラスの紹介があり、全部で8クラスが出揃った。
そして、開催式は順調に進んでいく。
「「正々堂々と闘うことを誓います!」」
宣誓したのは、去年優勝したランドニーのクラスの男女だった。
開催式が終わり、クラスマッチの競技が始まる。
【魔法カードバトル・男子】
始めの競技は、魔法カードバトル男女別で始まるとのことでアドバイザーを男チーム女チームに1人ずつ置ける。
女子の選手はジャンヌ、ウルミラ、イシリアの3人にはマミューラが就くことになった。
男子の選手はマーケンスと他の男子2人、アドバイザーは大成に決まっていた。
大成は、想定外な問題に直面していた。
それは、競技がトーナメント制の団体戦だったことだった。
3人で1人1戦ずつ闘い、先に2勝したクラスが勝ちとなる。
大成は、1回戦の優勝候補のランドニーが率いる1組と8組の対戦を偵察していたのだが…。
(キツイな。1組以外は大丈夫な感じみたいだけど、予想以上に1組のクラスは強い…。というより、マーケンスなら問題ないけど、他の2人だと厳しいそうだな)
ランドニーのクラスの1組の戦力を見て不安になった大成だったが、観戦しながら作戦を考えながら組み立てていく。
「勝者、1組朱雀連合!」
結局、この試合は2ー0で1組のストレート勝ちだった。
1組と8組の試合が終わった後、大成はマーケンス達を集めて順番を相談する。
「あ、悪い!そういえば、団体戦と言ってなかったな。で、どうするんだ?大和」
マーケンスが深刻そうな顔で大成に視線を送り、他の男子2人も大成を見た。
「ある程度観戦したけど、1組以外は皆の敵ではないよ。そこで、こういうのはどうだろう…」
大成が提案した作戦は主将にマーケンス、初戦に2番目に強いマルス、副将にナハールにした。
決めた理由は、どのみち2勝しないといけないのでマルス、ナハールのどちらかが、最低でも勝たないといけないからだ。
皆は納得し、こうして順番が決まったのだった。
そして、3組と6組の試合が終わり、大成達2組は7組と試合が始まる。
「「よろしくお願いします」」
アドバイザーの大成は7組のアドバイザーの先生と握手した。
「それでは、初戦を始めます。マルス君、バダ君、リングへ」
審判する先生の掛け声により、マルスとバダはリングに上がった。
「よっ、久しぶりだなマルス。身体だけ大きいことしか取り柄がないお前がクラス代表に選ばれるとわな。流石、落ちこぼれのクラスだぜ。しかも、アドバイザーが人間とか、お前らは本当にやる気あるのか?」
昔から人を引き付けるマルスのことが気に入らなかったバダはマルスが代表に選ばれたことに苛立っていた。
「アドバイザーに人間とか関係ないだろう。バダ」
マルスは、バダの発言に不機嫌になり睨みつける。
「主語はやめなさい!これからするのは、喧嘩ではなく競技ですよ。そのことを忘れないで下さい。2人共、わかりましたか?」
「「……。」」
「マルス、練習通りにすれば余裕に勝てる相手だ。この試合に勝って、昔の自分じゃないことを皆に証明すれば良い」
「何だと!!人間の分際で!」
「わかったぜ。大和がそう言うなら」
「大和君も、怒りたい気持ちはわかりますが」
「すみません、先生。僕は、もう口出しはしませんので」
「はぁ、わかりました。あなた方も良いですね?」
「「はい…」」
「では、始めますよ」
「「お願いします!」」
「それでは始め!」
先生は、溜息をついて試合開始をした。
バダは身体強化して片手防御魔法が刻印されたカード、もう片方に攻撃魔法が刻印されたカードを持って攻撃しながらでも防御魔法も使って対応する。
カードの魔法を使用するとインターバルがあり、同じカードを連続して発動することができないようになっている。
そのため、連続で魔法を使うとすると持っているカードを控えのカードの入れ替えや、もう片方の手に持っているカードを使用することが必要である。
マルスは大成の作戦で身体強化して動き回り、両手には攻撃魔法が刻印されたカードを持って、インターバルのタイミングに合わせて交互に次々に発動して攻める。
普通はバダみたいに片手に防御カード、もう片手に攻撃カードを持って攻防バランスよくするのが定石だ。
大成は、勿論その定石も考えていた。
だが、マルスは他の生徒よりも体は大柄で筋肉質で頑丈だったことや少しだけ動体視力も高かったので、あえて超攻撃型を進めたのだ。
【過去・グランド・クラスマッチ練習】
超攻撃型の練習をしていたマルスは被弾が激しくボロボロになり周囲の皆も大成の作戦に反対したが、大成は反対するクラスメイトとやる気のあるマルス本人を集めて説明する。
「この魔法カードバトルは、攻撃魔法の種類が炎、土、氷、風だけで、1枚のカードには1種類の初級のショット系の魔法しか使えない。しかも、競技用のため安全を考慮して威力と共に弾速も遅く設定されている。だから、これくらいの弾速ならマルスの動体視力なら落ち着いて冷静になれば避けることが十分可能なんだ」
大成は、説明しながら氷の攻撃カードを発動させカードから氷の矢が1本だけ放たれ壁に当たると砕けた。
大成の説明通りに、カードを使用せずに個人で氷魔法アイス・ショットを唱えたよりも弾速や威力は遥かに低かった。
皆は納得し、マルスも
それから練習をして、半日で7割程度だが避けることが出来るようになったのだ。
【クラスマッチ・魔法カードバトル】
バダは動きながら必死に魔法攻撃や防御壁を作り出してマルスの攻撃を防いだりしていたが、マルスは余裕があるようにバダの攻撃を避けながら両手から氷と土の攻撃魔法を発動してバダを追い込んでいく。
マルスはバダの防御壁で攻撃を防がれない様に動きながら左右の手に持っているカードで次々に魔法攻撃する。
「く、糞!なぜ、魔法が当たらないんだ!しかも、当てても何で倒れないんだ。それに、何て数の魔法攻撃をしてくるんだ。くっ、これじゃあ、1枚の防御スキルだと耐えきれない。糞、早く…うぁ…」
バダは、氷と土の弾丸の雨を防御カード1枚ではインターバルがあるので連続で防御壁を作り出すことはできず、被弾しながらポケットに入れていた土の防御壁のカードを取り出そうしたが間に合わずに被弾して倒れた。
会場は、いつの間にか静寂になっていた。
マルスの戦闘スタイルは男子ならば誰もが1度は憧れて試したことのある戦術だったが、相手の魔法攻撃が被弾するので挫折して諦めたスタイルだった。
そんな憧れたスタイルを目の当たりにし、観戦していた全員は驚愕して言葉を失っていた。
「勝者マルス君!」
「すげぇ~ぞ!小僧!」
「きゃ~、格好いい」
「「ウオォォ」」
ジャッジをしていた先生も驚いていたが我に返り、勝利宣言したことで会場が盛り上がった。
そして、副将戦が始まった。
ナハールは、マルスと正反対で両手には防御カードを持って挑み、相手が疲労したところで攻撃魔法に持ち変え勝利した。
ナハールは、魔力量が他の皆と比べて多かったので、それを生かした戦術を大成が進めた。
この闘いは、欠点がある。
時間が掛かりすぎて、見る方も闘う方もキツイという点だった。
次の試合3組との試合も問題なく勝ち、決勝戦が始まる。
【魔法カードバトル・男子決勝戦】
先に試合が終わった大成達は、1組と5組の闘いを見ていた。
勝ったクラスと決勝戦で当たる。
試合は、またしても2ー0のストレートで1組が勝利した。
「やはり、大和の言う通りになったな。相手は去年優勝した1組か…。今までの相手とはレベルが違う。気を引き締めて行くぞ!」
マーケンスは、真剣な面持ちで1組を見て呟いた。
これまで、大成はマーケンス達に闘う選手の特徴やスタイルを全て言い当てていた。
「「おう!」」
マルスとナハールの2人は、片手でマーケンスとハイタッチする。
そして、決勝戦が始まった。
大成はランドニー先生と握手をしようと手を差し伸べる。
「ランドニー先生?握手を」
ジャッジを担当する先生も話し掛ける。
「なぜ、握手をしなければならんのだ?さっさと、その薄汚れている手を引っ込めろ!私は、人間なんかと握手などするつもりはない!しかも、お前みたいな魔力値2の落ちこぼれなんかとはな」
ランドニーは握手を拒否し、背を向けて自分のチームのベンチに向かい座った。
会場がざわめき出した。
「「あの野郎っ!」」
ランドニーの態度にマーケンス達は激怒し、ランドニーに突撃しようとする。
「止まれ!この試合で、僕達が勝てば良いだけのことだ」
大成は、わざとランドニーに聞こえる様に大きな声で止めた。
「何だと!ガキが!」
ランドニーは腕を組んだまま、眉間にシワを寄せて殺気を放つ。
マーケンスや生徒達だけでなく、ジャッジする先生もランドニーの殺気に怯んだが、大成だけは怯まず口元に笑みを浮かべた。
「チッ、集まれ。良いか、あんな落ちこぼれのクラスなんかに負けるなよ!絶対にだ!」
ランドニーは舌打ちしながら、自分の生徒達3人に言った。
「「は、はい!」」
生徒達は、息を呑みながら返事をする。
そんな、やり取りをしている中。
「そ、それではマルス君、ケイン君リングへ上がって下さい」
ランドニーの殺気に怯みながらも、ジャッジの先生は進行を進める。
そして、試合が始まった。
「調子に乗りやがって!ランドニー先生の言う通り、落ちこぼれは落ちこぼれらしく、負けていれば良いんだ!」
ケインはマルスの闘いを見ていたので、マルスに対抗するため、両手には防御カードを持っていた。
「今のうちに言ってろ!お前達は、今日、その落ちこぼれに負けるのだからな」
マルスは今まで通り両手には攻撃カードを持ち、氷と土の魔法で攻撃をする。
「お前の戦闘スタイルは、もう対策済みなんだよ!馬鹿が」
(魔力と魔法容量は俺の方が上だ。面倒だが、確実に勝つためにスタミナ切れを待つか。土の防御壁だと見失う可能性があるから、ここは…)
ケインは、風魔法の防御カードで風の防御壁を作り出して氷と土の弾丸を弾く。
「くっ、これなら、どうだ?」
前の試合も風の防御カードで防がれていたが、マルスは動きながら次々と氷と土の弾丸の雨を降らせながら防御壁の横からケインを狙う。
だが、ケインはもう片方にも風の防御カードで防いだ。
「ハハハ…。俺が被弾すると思ったのか?残念だったな」
笑いながら勝利を確信するケイン。
しかし、ケインが笑っている時にマルスはカードを持ち変えており、左右の手には炎魔法の攻撃カードを持って構える。
「俺は、それを待っていたんだ!」
マルスは2枚の攻撃カードを同時に使用し、2つの炎の玉を放った。
「まさか…ヤバい!」
炎の玉が飛んできて、ケインは慌てて解除しようとするが間に合わなかった。
「お、おい!止め…止めろ~!ぎゃ~!」
炎の玉が風の防御壁に当たり、炎の火力が増した。
風が強ければ炎は消えるが、強さが等しい場合や炎の方が強い場合は、風の防御壁は酸素の塊みたいな壁なので炎は火力を増す。
しかも、今回のカードバトルは、どんなに魔力を込めても最大値が決められ、等しくなるようになっている。
結果は、炎が勝つのは当たり前だった。
「アクア!ヒール!」
慌てて、ジャッジしていた先生が急いでケインを助ける。
「だ、大丈夫ですか?ケイン君」
「う、ううっ」
ケインは意識があり、先生はホッとした。
「勝者マルス君!」
勝利宣言をすると、控えていた医療班がケインをタンカーに乗せて医務室に運ぶ。
「チッ、使えない奴だ」
担任のランドニーは、自分の生徒を心配した様子もなく舌打ちをした。
この作戦も大成が考えた作戦だった。
ケインは理屈で動くタイプなので、氷と土の攻撃したらほぼ確実に風属性で防御するだろうと伝えていた。
土と氷の防御を発動したら、一回戦のバダみたいに動きと視界が制限されるとケインなら注意する。
炎の魔法防御壁だと氷魔法は防げるが、土魔法は防げない。
落ちこぼれのクラスと周りから言われているのを利用し、炎の攻撃の時はわざと火力を弱めて、風防御でも消せると思わせていた。
そして、わざと弱点を見せて対策させて利用する。
作戦を聞いたクラスの皆は、誰もが上手くいくわけがないと思っていたが、実際に大成の言う通りになり、応援していたクラスメイト全員が驚愕していた。
次の副将戦が始まり、今回もナハールは普段通り両手に防御カードを持っていた。
相手の選手もナハールの戦い方を見て、両手には攻撃カードを持っていたが、開始直後にナハールは動き回りながら氷と土の防御魔法を発動した。
しかし、自分の前ではなく、相手の周りに氷と土の防御壁を作り出して動きを封じていく。
「糞!」
相手は、途中で気付いて氷と土の防御壁を破壊するが、既に周囲の5分の4は防御壁に囲まれており、ナハールを見失っていた。
「そこだ!」
「な、何だと!?」
相手の選手はナハールの声が聞こえた方向を向くと、目の前には火の玉ではなく火炎放射の様な勢いのある炎が防御壁を飲み込みながら迫ってきていた。
「こ、降参する!助けてくれ~!」
相手の選手は腰を抜かして尻をついて降参を宣言するが、ジャッジをしている先生や待機している先生も驚愕しており出遅れる。
しかし、大成はこうなることは予想していたので直ぐに相手の選手に駆けつけて相手の選手の襟元を掴んで避難する。
大成は、わざとナハールに大声を出させて相手の選手に気付かせる様に指示を出していた。
火の玉が火炎放射みたいになったのは、炎の攻撃カードを使用した直後、もう片方の手に持っている風の攻撃カードを使用して火の玉に風の玉をぶつけると同時に炎のカードを捨てて直ぐに風の攻撃魔法カードに持ち替え、次々に大きくなっていく火の玉に風の玉を当てることで火炎放射みたいになったのだった。
「勝者ナハール君!」
「これにより、チームイーターの優勝が決まりました」
ジャッジをしている先生が勝利宣言するとアナウンスで優勝したことを発表した。
「本当にチーム朱雀連合を喰らいやがったぞ」
「今年は、優勝できるかも!なぁ?」
「ああ、そうだな。可能性は十分ある」
会場は、盛り上がった。
そんな中、1試合も出場しなかったマーケンスは、ただ1人、落ち込んでいた。
「おいおい、俺の出番がなかった…」
マーケンスは溜め息をして表彰式が始まるのでリングに上がり、先生から首にメダルを掛けて貰った。
大成は、嫌そうな表情をしているランドニーと握手するとランドニーから睨みつけられる。
「人間風情が!お前、覚えていろ!いや、後悔するだろう。ハハハ…」
ランドニーは怒っていたが、最後に笑いながらその場を立ち去った。
「何だ?負け惜しみ言いやがって、今年は俺達が優勝するぜ!なぁ、皆」
「「オオォ~!」」
クラスの皆はマーケンスに賛同したが、大成は静かにランドニーの台詞の意味を考え込んでいた。
クラスマッチの日がやってきた。
大成、ジャンヌ、ウルミラ、イシリアの4人は、いつものように朝練をこなして学園に向かっていた。
ジャンヌ達は張り切っていた。
「やっと、この日が来たわね!今年こそは優勝を頂くわよ」
「そうですね!」
「そうね!」
「……」
ジャンヌに賛同するウルミラとイシリア。
しかし、無言の大成はというと窶(やつ)れていた。
なぜかというと…。
大成は、学園ではクラスメイト全員の練習プランを考え教えていく日常を送り、帰ったら帰ったで同盟を結びたいという国々の王達が交渉に来て話し合いをし、そのあと、契約書や書類を作ったりして深夜遅くまで時間が掛かる。
同盟は嬉しいのだが、正直、流石の大成も休ませて欲しいと心の底から思った。
そんなこんなで、大成は痩せ細っていた。
「あ、あの…大丈夫ですか?大成さん」
「大成の自業自得だから気にしないで良いわよ。ウルミラ」
「そうよ、ウルミラ。断らなかった大成君が悪いのだから」
心配そうに声を掛けるウルミラだったが、ジャンヌとイシリアは少しムスッとしており不機嫌だった。
理由はジャンヌとイシリアは、大成がクラスの女子にも教えていることが気に入らなかったのだ。
なぜかというと、クラス女子の数名はわざとらしく手を抜いた武器の使い方をして大成に尋ね、そして、大成が手取り足取りで教えている。
1回や2回ならまだしも、同じことを何回もだ。
所謂、媚び得るかまってちゃんだった。
大成は仕方なく教えているのはわかっていたが、ジャンヌとイシリアは見ていてストレスが貯まり矛先が大成に向かっていた。
そんな時、大成達の後ろにいた大人のカップルが大成達の横を通り前に出る。
カップル2人が手を繋いで幸せそうな姿を見たジャンヌ、ウルミラ、イシリアの3人は、自然と大成の手に視線が集まった。
ジャンヌ達3人は息を呑み、先に大成の手を取ろうとしたが、カップルが気になる話題をし始めたので手が止まる。
「ねぇ、ドトール。今年は、どこのクラスが優勝すると思う?」
「そうだな…。俺は、今年もランドニー先生が率いるクラスが優勝すると思うな。ミシナは?」
「ん?優勝するクラスはドトールと同じかな。あ、でも気になるのはマミューラ先生のクラスね」
ミシナは人差し指を立て口元に当てて考え、思ったことを口にした。
「ああ、気持ちはわかる。でも、あのクラスは駄目だな。確かに優秀なジャンヌ様、ウルミラ様、ローケンス様の娘であるイシリア様、息子であるマーケンス様は居るが他の生徒達が弱いから駄目だと思うぞ。だから、ずっと優勝してない。いや、できないと言った方がいいか」
ドトールは、空いた手で顔の前で手を振って否定する。
ドトールの言葉で、ジャンヌ、ウルミラ、イシリアの威圧感が増した。
「お、落ち着いて…」
慌てた大成は小さな声で落ち着かせ、どうにか落ち着いた3人を見てホッとした。
「でも、ほら、噂になっているじゃない?最近、特例でランキングマッチしてイシリア様とマーケンス様を倒した人間が加わったらしいって。えっと、確か名前は…。大和大成君って名前だったかしら?」
ミシナは、自分の口元に人差し指を当てて頭を傾げた。
「ああ…そういえば、そんな噂もあったな。でも、その情報は偽情報とか言われているぞ。魔力値2の大和大成が魔力値6のイシリア様、マーケンス様に勝てるわけがないからな。噂では、修羅様は人間と同盟を組むとか言っていたから、その時のために偽情報を流して人間を見下すことなく、すぐに仲良くできるように計らっているとか言われているぞ」
「それは、あり得るわね。修羅様も人間だから、同じ人間と争いたくないかもねぇ。それか、【時の勇者】が恐いとか?でも、流石にそれはないか。あんなに強ければ勇者も倒せそうだし。フフフ…」
ミシナは笑いながらドトールのうでに抱きつき、ラーバス学園に入った。
カップルの姿が見えなくなった瞬間…。
再び、ジャンヌ達の威圧感が増した。
「ちょっ、ちょっと、お、落ち着いて…」
「大成!あなた、馬鹿にされたのよ!悔しくないの!?」
「そうですよ。大成さん!」
「ねぇ、今からあの2人を追ってバレないように闇討ちにしない?」
「それは、良いわねイシリア」
「はい、良い提案です」
「ちょ、ちょっと待って、3人共。まずは、落ち着いて」
再び大成が止めようとしたが、ジャンヌ達は大好きな大成を馬鹿にされて激怒しており、イシリアに至っては恐ろしいことを言い出してジャンヌとウルミラはそれに賛同する。
「まぁ、正直、馬鹿にされて悔しいけど。でも、こうなることはわかっていて、あの式典の時に何も隠さず、これからすることを公にして少しでも信頼されるようにね。結果を出せば、周りも少しずつでも良いから変わると僕はそう信じているんだ」
大成は手を太陽に向けて前に出して、太陽を摑むかの様に手を握った。
「大成…」
大成の意気込みに、ジャンヌ達は威圧感が霧のように霧散してうっとりした表情で大成を見つめた。
そして、大成達はクラスに合流するために教室に向かう。
【ラーバス学園・正門】
その頃、ドトールとミシナは大成達と距離をとり、誰もいない場所で精神干渉魔法レゾナンスで仲間達と連絡を取っていた。
「で、間近でターゲットを見てどうだったか?」
ドトールとミシナの頭の中に男の声が響く。
「はい。実際に間近で見ましたが、ダビルド様が仰っていた通りイシリアとマーケンスに勝ったという情報は偽装の可能性が高いと思いました。気配、動作が普通の子供と同じでした」
ミシナが報告した。
「あれなら、正直、俺1人でも任務を遂行できるかと思われます。ですので、今すぐにでも終わらせることができますがどうしますか?」
「いや、今回の依頼は報酬が破格だ。失敗は絶対に許されん。念のため、そちらに部下を30人ほど手配している。昼ぐらいに到着する予定だ。それまで、相手が普通の子供といって決して油断するな。ターゲットの近くには魔人の姫ジャンヌや【ヘルレウス】のウルミラも居るから絶対に悟られるなよ、面倒になる。では、期待しているぞ2人共」
ドトールがアピールしたが、ダビルドは念のために先に部下を30人ほど手配していた。
「「了解です、ボス」」
ドトールとミシナは誰もいないが敬礼し、レゾナンスを解除した。
ドトールとミシナは、闇組織でも有名な【ノルダン】のメンバーだった。
今回の依頼された任務は、大和大成の暗殺又は殺害だった。
「今回は報酬が破格だったから期待はしていたんだが。そのターゲットが、まさかのただの普通の子供だったとはな…」
「ええ、そうね。私も残念だわ。あなたと同じで、骨のある任務かと思ったのだけどね。今回もスムーズに任務達成出来そうだけど、先走ちゃ駄目よ。ダビルド様の言う通り油断は禁物よ。ドトール」
「ああ、わかっているさ」
ドトールとミシナは、再び人混みに紛れて身を隠した。
【教室】
大成達が教室に入ると、マーケンスが教壇に立っておりクラスメイト達を鼓舞していた。
「今日、このために頑張ってきたんだ。今までの雪辱を果たすぞ!絶対に勝つぞ!お前達!」
「「オオ~!」」
代表に選ばれたクラスメイト達、選ばれなかったクラスメイト達など関係無く皆のやる気十分だった。
「誰かさんと違い、皆はやる気があるわね」
「アハハハ…」
ジャンヌのとげのある言葉に大成は苦笑いした。
「「おはようございます」」
大成達に気付いたクラスメイト達は挨拶した。
「「皆、おはよう」」
「おはようございます、皆さん」
「お~!凄いやる気がある様だな、お前ら。良いことだ。まぁ、後悔しないように頑張れよ」
大成達が挨拶した時、担任のマミューラが他人事のような言いぐさで教室に入って来た。
「「はい!」」
出場するクラスメイト達は、作戦を再確認して会場に向かった。
【教室の廊下】
大成は廊下に出て、後ろを振り向いた。
「……。」
「どうしたのですか?大成さん」
ウルミラは、大成に尋ねながら大成が向いている方向を見たが何もなかった。
「何しているの?2人共。早くしないと遅れるわよ」
「は、はい、姫様。行きましょう、大成さん」
ジャンヌの呼び掛けに、ウルミラは慌てながら最後に再び大成に尋ねる。
「……いや、何でもない。行こう」
大成は、廊下の角を一瞥してウルミラの後を追った。
大成が見ていた廊下の角には、ドトールとミシナが気配を消して隠れていた。
「ふぅ、危なかったな…」
「ええ、そうね。強くはないけど、代わりに直感が鋭いみたいね。気を付けないと」
「ああ、そうだな」
ドトールとミシナは、心拍数が上がったので一度深呼吸をして落ち着かせる。
この時、ドトールとミシナは、本当に大和大成は本当に弱いのかと疑問が湧いたが、でも、大成の動作は相変わらず隙だらけだったので判断を改めなかった。
【グランド】
時間になり、音楽が流れて入場式が始まった。
クラスごと紹介のアナウンスが流れて各クラスはグランドの中を行進して回る。
「毎年、優勝している1組ランドニー先生が率いるクラス。チーム名・朱雀連合の入場です。今年も、優勝し連覇なるのか見ものですね。皆さん、拍手を!」
「「きゃ~!ランドニー先生!こっち向いて~!」」
アナウンスが流れ、ランドニーが先頭を歩く。
ランドニーの姿を見た保護者、一般の女性達は騒ぎ、ランドニーは笑顔を浮かべながら軽く手を振って行進した。
「続いては2組マミューラ先生の率いるクラスが入場します。チーム名は…何これ?文字が間違っているよね?えっと、チーム名は…チームイーターです。今年は噂になっている人間の優秀な編入生がおり、今年は優勝できるといいですね」
「「文字ぐらい、ちゃんと書けよ!しかも、チーム名が悪趣味だな!おい!」」
「痛たたた…」
戸惑いのアナウンスが流れたと同時に、大成は男子達に突っ込まれながら攻撃される。
始めはイシリアが指揮をとっていたが、皆が大成を頼り、いつの間にか大成が指揮をとることになっていた。
「ごめん、ごめんって。じゃあ、チームイーターよりソウルイーターの方が良かったかな?」
「「どっちもどっちだ!!」」
謝りながら提案して聞いた大成だったが、逆に反感をかってしまい男子達から再び攻撃される。
「「アハハハ」」
大成達のやり取りを見て、観客達は盛大に笑った。
「ククク…」
先頭を歩くマミューラもクスクスと笑い、その後ろでは生徒達は恥ずかしく頬を赤く染めて行進した。
そして、次々とクラスの紹介があり、全部で8クラスが出揃った。
そして、開催式は順調に進んでいく。
「「正々堂々と闘うことを誓います!」」
宣誓したのは、去年優勝したランドニーのクラスの男女だった。
開催式が終わり、クラスマッチの競技が始まる。
【魔法カードバトル・男子】
始めの競技は、魔法カードバトル男女別で始まるとのことでアドバイザーを男チーム女チームに1人ずつ置ける。
女子の選手はジャンヌ、ウルミラ、イシリアの3人にはマミューラが就くことになった。
男子の選手はマーケンスと他の男子2人、アドバイザーは大成に決まっていた。
大成は、想定外な問題に直面していた。
それは、競技がトーナメント制の団体戦だったことだった。
3人で1人1戦ずつ闘い、先に2勝したクラスが勝ちとなる。
大成は、1回戦の優勝候補のランドニーが率いる1組と8組の対戦を偵察していたのだが…。
(キツイな。1組以外は大丈夫な感じみたいだけど、予想以上に1組のクラスは強い…。というより、マーケンスなら問題ないけど、他の2人だと厳しいそうだな)
ランドニーのクラスの1組の戦力を見て不安になった大成だったが、観戦しながら作戦を考えながら組み立てていく。
「勝者、1組朱雀連合!」
結局、この試合は2ー0で1組のストレート勝ちだった。
1組と8組の試合が終わった後、大成はマーケンス達を集めて順番を相談する。
「あ、悪い!そういえば、団体戦と言ってなかったな。で、どうするんだ?大和」
マーケンスが深刻そうな顔で大成に視線を送り、他の男子2人も大成を見た。
「ある程度観戦したけど、1組以外は皆の敵ではないよ。そこで、こういうのはどうだろう…」
大成が提案した作戦は主将にマーケンス、初戦に2番目に強いマルス、副将にナハールにした。
決めた理由は、どのみち2勝しないといけないのでマルス、ナハールのどちらかが、最低でも勝たないといけないからだ。
皆は納得し、こうして順番が決まったのだった。
そして、3組と6組の試合が終わり、大成達2組は7組と試合が始まる。
「「よろしくお願いします」」
アドバイザーの大成は7組のアドバイザーの先生と握手した。
「それでは、初戦を始めます。マルス君、バダ君、リングへ」
審判する先生の掛け声により、マルスとバダはリングに上がった。
「よっ、久しぶりだなマルス。身体だけ大きいことしか取り柄がないお前がクラス代表に選ばれるとわな。流石、落ちこぼれのクラスだぜ。しかも、アドバイザーが人間とか、お前らは本当にやる気あるのか?」
昔から人を引き付けるマルスのことが気に入らなかったバダはマルスが代表に選ばれたことに苛立っていた。
「アドバイザーに人間とか関係ないだろう。バダ」
マルスは、バダの発言に不機嫌になり睨みつける。
「主語はやめなさい!これからするのは、喧嘩ではなく競技ですよ。そのことを忘れないで下さい。2人共、わかりましたか?」
「「……。」」
「マルス、練習通りにすれば余裕に勝てる相手だ。この試合に勝って、昔の自分じゃないことを皆に証明すれば良い」
「何だと!!人間の分際で!」
「わかったぜ。大和がそう言うなら」
「大和君も、怒りたい気持ちはわかりますが」
「すみません、先生。僕は、もう口出しはしませんので」
「はぁ、わかりました。あなた方も良いですね?」
「「はい…」」
「では、始めますよ」
「「お願いします!」」
「それでは始め!」
先生は、溜息をついて試合開始をした。
バダは身体強化して片手防御魔法が刻印されたカード、もう片方に攻撃魔法が刻印されたカードを持って攻撃しながらでも防御魔法も使って対応する。
カードの魔法を使用するとインターバルがあり、同じカードを連続して発動することができないようになっている。
そのため、連続で魔法を使うとすると持っているカードを控えのカードの入れ替えや、もう片方の手に持っているカードを使用することが必要である。
マルスは大成の作戦で身体強化して動き回り、両手には攻撃魔法が刻印されたカードを持って、インターバルのタイミングに合わせて交互に次々に発動して攻める。
普通はバダみたいに片手に防御カード、もう片手に攻撃カードを持って攻防バランスよくするのが定石だ。
大成は、勿論その定石も考えていた。
だが、マルスは他の生徒よりも体は大柄で筋肉質で頑丈だったことや少しだけ動体視力も高かったので、あえて超攻撃型を進めたのだ。
【過去・グランド・クラスマッチ練習】
超攻撃型の練習をしていたマルスは被弾が激しくボロボロになり周囲の皆も大成の作戦に反対したが、大成は反対するクラスメイトとやる気のあるマルス本人を集めて説明する。
「この魔法カードバトルは、攻撃魔法の種類が炎、土、氷、風だけで、1枚のカードには1種類の初級のショット系の魔法しか使えない。しかも、競技用のため安全を考慮して威力と共に弾速も遅く設定されている。だから、これくらいの弾速ならマルスの動体視力なら落ち着いて冷静になれば避けることが十分可能なんだ」
大成は、説明しながら氷の攻撃カードを発動させカードから氷の矢が1本だけ放たれ壁に当たると砕けた。
大成の説明通りに、カードを使用せずに個人で氷魔法アイス・ショットを唱えたよりも弾速や威力は遥かに低かった。
皆は納得し、マルスも
それから練習をして、半日で7割程度だが避けることが出来るようになったのだ。
【クラスマッチ・魔法カードバトル】
バダは動きながら必死に魔法攻撃や防御壁を作り出してマルスの攻撃を防いだりしていたが、マルスは余裕があるようにバダの攻撃を避けながら両手から氷と土の攻撃魔法を発動してバダを追い込んでいく。
マルスはバダの防御壁で攻撃を防がれない様に動きながら左右の手に持っているカードで次々に魔法攻撃する。
「く、糞!なぜ、魔法が当たらないんだ!しかも、当てても何で倒れないんだ。それに、何て数の魔法攻撃をしてくるんだ。くっ、これじゃあ、1枚の防御スキルだと耐えきれない。糞、早く…うぁ…」
バダは、氷と土の弾丸の雨を防御カード1枚ではインターバルがあるので連続で防御壁を作り出すことはできず、被弾しながらポケットに入れていた土の防御壁のカードを取り出そうしたが間に合わずに被弾して倒れた。
会場は、いつの間にか静寂になっていた。
マルスの戦闘スタイルは男子ならば誰もが1度は憧れて試したことのある戦術だったが、相手の魔法攻撃が被弾するので挫折して諦めたスタイルだった。
そんな憧れたスタイルを目の当たりにし、観戦していた全員は驚愕して言葉を失っていた。
「勝者マルス君!」
「すげぇ~ぞ!小僧!」
「きゃ~、格好いい」
「「ウオォォ」」
ジャッジをしていた先生も驚いていたが我に返り、勝利宣言したことで会場が盛り上がった。
そして、副将戦が始まった。
ナハールは、マルスと正反対で両手には防御カードを持って挑み、相手が疲労したところで攻撃魔法に持ち変え勝利した。
ナハールは、魔力量が他の皆と比べて多かったので、それを生かした戦術を大成が進めた。
この闘いは、欠点がある。
時間が掛かりすぎて、見る方も闘う方もキツイという点だった。
次の試合3組との試合も問題なく勝ち、決勝戦が始まる。
【魔法カードバトル・男子決勝戦】
先に試合が終わった大成達は、1組と5組の闘いを見ていた。
勝ったクラスと決勝戦で当たる。
試合は、またしても2ー0のストレートで1組が勝利した。
「やはり、大和の言う通りになったな。相手は去年優勝した1組か…。今までの相手とはレベルが違う。気を引き締めて行くぞ!」
マーケンスは、真剣な面持ちで1組を見て呟いた。
これまで、大成はマーケンス達に闘う選手の特徴やスタイルを全て言い当てていた。
「「おう!」」
マルスとナハールの2人は、片手でマーケンスとハイタッチする。
そして、決勝戦が始まった。
大成はランドニー先生と握手をしようと手を差し伸べる。
「ランドニー先生?握手を」
ジャッジを担当する先生も話し掛ける。
「なぜ、握手をしなければならんのだ?さっさと、その薄汚れている手を引っ込めろ!私は、人間なんかと握手などするつもりはない!しかも、お前みたいな魔力値2の落ちこぼれなんかとはな」
ランドニーは握手を拒否し、背を向けて自分のチームのベンチに向かい座った。
会場がざわめき出した。
「「あの野郎っ!」」
ランドニーの態度にマーケンス達は激怒し、ランドニーに突撃しようとする。
「止まれ!この試合で、僕達が勝てば良いだけのことだ」
大成は、わざとランドニーに聞こえる様に大きな声で止めた。
「何だと!ガキが!」
ランドニーは腕を組んだまま、眉間にシワを寄せて殺気を放つ。
マーケンスや生徒達だけでなく、ジャッジする先生もランドニーの殺気に怯んだが、大成だけは怯まず口元に笑みを浮かべた。
「チッ、集まれ。良いか、あんな落ちこぼれのクラスなんかに負けるなよ!絶対にだ!」
ランドニーは舌打ちしながら、自分の生徒達3人に言った。
「「は、はい!」」
生徒達は、息を呑みながら返事をする。
そんな、やり取りをしている中。
「そ、それではマルス君、ケイン君リングへ上がって下さい」
ランドニーの殺気に怯みながらも、ジャッジの先生は進行を進める。
そして、試合が始まった。
「調子に乗りやがって!ランドニー先生の言う通り、落ちこぼれは落ちこぼれらしく、負けていれば良いんだ!」
ケインはマルスの闘いを見ていたので、マルスに対抗するため、両手には防御カードを持っていた。
「今のうちに言ってろ!お前達は、今日、その落ちこぼれに負けるのだからな」
マルスは今まで通り両手には攻撃カードを持ち、氷と土の魔法で攻撃をする。
「お前の戦闘スタイルは、もう対策済みなんだよ!馬鹿が」
(魔力と魔法容量は俺の方が上だ。面倒だが、確実に勝つためにスタミナ切れを待つか。土の防御壁だと見失う可能性があるから、ここは…)
ケインは、風魔法の防御カードで風の防御壁を作り出して氷と土の弾丸を弾く。
「くっ、これなら、どうだ?」
前の試合も風の防御カードで防がれていたが、マルスは動きながら次々と氷と土の弾丸の雨を降らせながら防御壁の横からケインを狙う。
だが、ケインはもう片方にも風の防御カードで防いだ。
「ハハハ…。俺が被弾すると思ったのか?残念だったな」
笑いながら勝利を確信するケイン。
しかし、ケインが笑っている時にマルスはカードを持ち変えており、左右の手には炎魔法の攻撃カードを持って構える。
「俺は、それを待っていたんだ!」
マルスは2枚の攻撃カードを同時に使用し、2つの炎の玉を放った。
「まさか…ヤバい!」
炎の玉が飛んできて、ケインは慌てて解除しようとするが間に合わなかった。
「お、おい!止め…止めろ~!ぎゃ~!」
炎の玉が風の防御壁に当たり、炎の火力が増した。
風が強ければ炎は消えるが、強さが等しい場合や炎の方が強い場合は、風の防御壁は酸素の塊みたいな壁なので炎は火力を増す。
しかも、今回のカードバトルは、どんなに魔力を込めても最大値が決められ、等しくなるようになっている。
結果は、炎が勝つのは当たり前だった。
「アクア!ヒール!」
慌てて、ジャッジしていた先生が急いでケインを助ける。
「だ、大丈夫ですか?ケイン君」
「う、ううっ」
ケインは意識があり、先生はホッとした。
「勝者マルス君!」
勝利宣言をすると、控えていた医療班がケインをタンカーに乗せて医務室に運ぶ。
「チッ、使えない奴だ」
担任のランドニーは、自分の生徒を心配した様子もなく舌打ちをした。
この作戦も大成が考えた作戦だった。
ケインは理屈で動くタイプなので、氷と土の攻撃したらほぼ確実に風属性で防御するだろうと伝えていた。
土と氷の防御を発動したら、一回戦のバダみたいに動きと視界が制限されるとケインなら注意する。
炎の魔法防御壁だと氷魔法は防げるが、土魔法は防げない。
落ちこぼれのクラスと周りから言われているのを利用し、炎の攻撃の時はわざと火力を弱めて、風防御でも消せると思わせていた。
そして、わざと弱点を見せて対策させて利用する。
作戦を聞いたクラスの皆は、誰もが上手くいくわけがないと思っていたが、実際に大成の言う通りになり、応援していたクラスメイト全員が驚愕していた。
次の副将戦が始まり、今回もナハールは普段通り両手に防御カードを持っていた。
相手の選手もナハールの戦い方を見て、両手には攻撃カードを持っていたが、開始直後にナハールは動き回りながら氷と土の防御魔法を発動した。
しかし、自分の前ではなく、相手の周りに氷と土の防御壁を作り出して動きを封じていく。
「糞!」
相手は、途中で気付いて氷と土の防御壁を破壊するが、既に周囲の5分の4は防御壁に囲まれており、ナハールを見失っていた。
「そこだ!」
「な、何だと!?」
相手の選手はナハールの声が聞こえた方向を向くと、目の前には火の玉ではなく火炎放射の様な勢いのある炎が防御壁を飲み込みながら迫ってきていた。
「こ、降参する!助けてくれ~!」
相手の選手は腰を抜かして尻をついて降参を宣言するが、ジャッジをしている先生や待機している先生も驚愕しており出遅れる。
しかし、大成はこうなることは予想していたので直ぐに相手の選手に駆けつけて相手の選手の襟元を掴んで避難する。
大成は、わざとナハールに大声を出させて相手の選手に気付かせる様に指示を出していた。
火の玉が火炎放射みたいになったのは、炎の攻撃カードを使用した直後、もう片方の手に持っている風の攻撃カードを使用して火の玉に風の玉をぶつけると同時に炎のカードを捨てて直ぐに風の攻撃魔法カードに持ち替え、次々に大きくなっていく火の玉に風の玉を当てることで火炎放射みたいになったのだった。
「勝者ナハール君!」
「これにより、チームイーターの優勝が決まりました」
ジャッジをしている先生が勝利宣言するとアナウンスで優勝したことを発表した。
「本当にチーム朱雀連合を喰らいやがったぞ」
「今年は、優勝できるかも!なぁ?」
「ああ、そうだな。可能性は十分ある」
会場は、盛り上がった。
そんな中、1試合も出場しなかったマーケンスは、ただ1人、落ち込んでいた。
「おいおい、俺の出番がなかった…」
マーケンスは溜め息をして表彰式が始まるのでリングに上がり、先生から首にメダルを掛けて貰った。
大成は、嫌そうな表情をしているランドニーと握手するとランドニーから睨みつけられる。
「人間風情が!お前、覚えていろ!いや、後悔するだろう。ハハハ…」
ランドニーは怒っていたが、最後に笑いながらその場を立ち去った。
「何だ?負け惜しみ言いやがって、今年は俺達が優勝するぜ!なぁ、皆」
「「オオォ~!」」
クラスの皆はマーケンスに賛同したが、大成は静かにランドニーの台詞の意味を考え込んでいた。
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