噂の悪役令嬢に転生してしまった話(仮

哀川 羽純

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【第5章】イケメンの好きはやばい(やばい)

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仮病を使った私はジョーにも外に出てもらった。
さっきの本が気になって仕方ないけど取り敢えず、今の状況を、前世? の記憶を書き出さないと、この世界に、埋もれる。

ノートに書き出す。
左のページには【分かった事】
今から書き出す右ページは【前作? の記憶】

*私の名前は赤坂明美
* どうやら前世の父親は優しいらしい
* 母親は料理上手
* シャルルに既視感アリ
* どうやらギャルゲーの世界らしい
* 前の世界に大切な人がいた
* 小学生の頃のお気に入りの遊びはドロケイ
* 時間軸はここと同じ
* 前の世界に魔法はない
* 日本に住んでた


こんな感じかしら?

もっと、思い出さないと。
今の、私には、お兄さんが2人いるみたい。

今の世界で分かったことも増やしておこう。

【分かった事】
* 私の名前はシャルル(・アンドレア?)
* 貴族らしい
* この屋敷は広い
* どうやら私の行動は以前の私でない
* おそらく向こうの世界で流行っていた異世界転生を遂げた
* シャルルは美少女
* 専属メイドが少なくとも2人
* 専属執事は少なくとも1人
* 何処か見覚えのある景色。

って、とこまで書き出せたのよね。
さらに分かった事を追加する

* 私は魔法が使える
* 前のシャルルは使えなかった
* シャルルのお父さんはハイパーすごい魔導士
* ジョーは無魔力
* アテネは魔力持ち
* 兄貴が2人いるらしい


こんなもんかしら、、、
また分かり次第追加していかないとわけさわからなくなるわ。

トントントン

小気味いい音がする。
ジョーかしら?

「はい」

「シャルル! 目が醒めたんだって? 調子はどう? 何処か痛いところは無い??」

目の前には碧眼のイケメンが……!! なぜ! 誰!!!

「兄貴の名前まで忘れちまったのか?? 悲しいぜ……俺だよ。俺。ディーン」

ディーーン!
魔物ハンター??

あれ? これって前の世界の記憶?
この世界は魔物っているのかしら、
某魔法学校を舞台にした小説には出てしたなぁ……

うーーーん、
でも、前の世界には魔物なんて当然いなくて。

どうしたら記憶が戻るかしら。
こういう世界ってだいたい、〈聖女様〉とか〈勇者様〉とか〈魔王〉とかとかとか、、

って、何でこういう中途半端な記憶ばっかりなの。。
ハゲそう。

「おい、シャルル?」

「ごめんなさい。お兄様。私まだ体調が優れないの」

そういうと、兄貴は狐に摘まれた様な顔をした。

「シャルル、おまえ、記憶がないって本当なのか?」

「えぇ、何故か産まれてきてからいままでの記憶がないの」

シャルルとしての……

「シャルル姉?」

扉の外から可愛い声がした。

「?」

兄貴が2人と聞いていたが、、、

「お前のいとこだよ。おいで、ジョン、アリス」

その声を合図に、ちびっ子達が駆けてきた。

げ、私、子ども苦手なのに。

? これも前の世界の記憶?
苦手なのか? 私。
でも、目の前にいる小学生くらいのチビ達はすごい可愛い。

「シャルル姉がおめめさめたってきいてきたの。げんき?」

舌足らずな声で聞いてくるジョン。可愛い。

「シャルル姉、げんきない? これあげる!」

なんか、小瓶を貰った。
回復薬的なやつ? 

小さくて可愛い小瓶。
涼しいブルーにコルクの線。

くびれの部分な何かの紐がついてきて、首から下げられる様になってる。素敵。

「これはね、りゅうさんのひげだよ!」

硫酸の卑下? 

「シャルルは難しい言葉を知っているね。でも、もっと簡単なものだよ。龍、ドラゴンの髭だよ」

ああ、ドラゴンね。
って、ドラゴン!?!!?!!

この世界は未知が沢山~


*****


双子はあれから色々な話しを私にしてくれたんだけど、途中で疲れて寝落ちてしまい、朝を迎えた。

気持ちの良い朝だ。
双子の寝顔が可愛い。

「おはよう。シャルル。よく眠れたか?」

イケメン!!
寝起きにイケメンは心臓に悪い。
髪の毛とか服装とか胸元とか大丈夫かな。

シャルルは美少女ロリだからいずれも心配ないか……
あ、そうそう!

「ディーン兄様? 兄様は魔法を使えるの?」

フッと口元を緩めて、私に近寄る。
イケメンの顔が近い。近い。
あの、寝起きなので近付かないで下さい。

「ホン・ジュマモノウ」

ポンッ

気味の良い音と供に花束が現れた。

綺麗な花束!

杖なしだから彼も魔力が強いのね。

「ありがとう。兄様」

兄貴から花束を受け取る。
クリスマスによく見るあの花……
確か名前は

「ポインセチア。花言葉は『祝福』『幸運を祈る』だ」

なるほど……

「シャルルが覚醒したお祝いとこれからの魔女人生、うまくいく様幸運を祈るよって意味だよ」

「ありがとう……!」

なんか、こっちにきて初めて、思いっきり笑顔になれたかも。

にこにこで花束を眺めてふと、兄貴を見ると……
なんか、すごい、照れてる?

「シャルル、俺らが何してもそんなにストレートに喜んだ事ないからつい。ホントにどうしたんだよ。まぁ、今のシャルルの方が俺は好きだよ」

イケメンの好きはやばい(やばい)


なんか、赤い中にひとつ黄色がいるな、これは?

「おっと、時間だすまない。きっとそのうちにサムもくるよ」

いやいやいやこれじゃ完璧にハンター()

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