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第一部 エルマの町
第十九話 魔界からの襲来1
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特異点から飛び出してきた魔人たちがリードに剣を持って攻撃を仕掛けると、リードも槍で応戦した。
ガキ―ン!!と剣同士がぶつかり火花を散らす。
リードは魔人たちの剣を受け止めはじき返し、二人は距離をとってリードを睨んだ。
特異点から現れた魔人は男性で、大きな大剣を携えたガストロンと小さい双剣を携えたゾーマの二人である。
「どうするよ、ゾーマ。この人間はなかなかやるようだぞ」
「そうだな相棒、こんな人間生まれて初めてだ。その分楽しみが増えるってわけだ」
「じゃあ、いつものあれでいくか?」
「ああ」
話し合いが終わると、ゾーマが一瞬でリードの傍に近づき剣でで目にもとまらぬ速さで何度も切りつける。
ゾーマが振るった剣を綺麗にリードはよけている。
「何だただ速いだけか…」
ゾーマの剣さばきは速いだけでなく洗練されたものであったが、リードにとってはそこまで速くなく表情を変えずに余裕をもって躱していたが、いきなり剣が風に覆われ剣全体が大きな刃のようになり、リードに刺突した。
「なッ!?」
驚いたリードは間一髪逃れたが、攻撃は刃の前方にあるものを数十メートルにわたって地面と共に抉り取られていた。
逃げた先にもゾーマは追撃してリードに反撃する時間を与えさせない。
ゾーマの攻撃をよけていると、突然リードの体が動けなくなった。
「死ね。これで終わりだ」
ゾーマがそう言うと、頭上からはガストロン、地上からはゾーマが一斉に攻撃を仕掛けた。
「兄さん!!!」「リード!!」
攻撃を受けて砂ぼこりが巻き上がり、リードの姿が見えなくなった二人は心配してリードの名を呼ぶが返事がない。
すると、砂ぼこりの中からガストロンとゾーマが吹き飛ばされてきた。そして、リードは無傷で砂ぼこりの中から姿を現した。
リードの無事な姿を見た二人は安堵した。
「おい! ガス、ちゃんと止めていろよ!」
「悪りぃ悪りぃ。でも、俺の抑圧されるものがあっさり破られるとは思わなかったからさ~」
「言い訳はいい、こんなんじゃ俺たちの目標にはたどり着けないぞ」
「わかっているよそんなこと。じゃあ、もう一回だ」
「ああ」
口争いを終え、リードの方へと目を向けると、リードは二人が眼中になく開かれた特異点を睨んでいた。
「おい人間、どこを見ている? まだ勝負は終わってないぞ」
ゾーマは戦いに最中によそ見をしているリードに言った。
「もうお前たちの手の内はわかったから、もう用はない。あそこにいる俺の弟たちに遊んでもらえ。俺にはあそこから出てくる虫を排除しなきゃいけないからな」
「何だと? 人間の分際で俺たちを足蹴にするのか… なめやがってぇ!」
「まあ待て」
人間であるリードに侮辱されたと感じたガストロンは、リードに向かって行こうとしていた所をゾーマに制止させられた。
「ああ!? どうしてだよ? 俺たちが組めばどんな奴でも倒せるんだ!」
「落ち着けよ、ガス。別にアイツ相手にこだわる必要はない、俺たちの目標はカオスの遺子なんだからな。それに、コイツの前にあのガキどもの首を突き出して、あいつの絶望した面を拝んでやろうぜ」
「そうだな」
二人はロード達の方を見て笑みを浮かべると、ロード達の方へと飛び去った。
(頑張れよロード。これが、お前の夢への第一歩だ!)
ロードが魔人たちと戦い、強くなることを願いながら特異点を見上げた。
「さてと、やるか」
リードは再び溢れ出てくる魔物たちに槍を向けた。
場面は変わって、ガストロンとゾーマはロード達二人の前に立ちふさがった。
「メリナどうしよう。魔人が二人も!」
「お落ち着いて、二人でも相手の魔法はよく見ていたから大丈夫よ。……多分」
先ほどのリードの戦闘を見て、魔人たちの魔法がどのようなものか理解していたが、この状況は非常にまずい。
ロードとメリナには未だ魔人を倒した経験がなく、加えて魔人が二人もいて、戦える味方がロードとメリナしかいない状況は、二人の不安を加速させ絶望の二文字が心の中に巣食おうとしていた。
「フハハハハハ、なんだよガキと女かよ。こんな奴ら相手にもならねえよ、さっさとぶっ殺して戻ろうぜ」
「油断するなよガス。こいつらには丁寧に、確実に、そして残酷に確実な死を与える」
「お前がそう言うなら従うよ。じゃあ俺ははあのチビをやるぜ!」
そう言うとガスは、ロードに飛び掛かって上空から大剣を振り下ろした。
「うわあ!」
悲鳴を上げながらよけるが、ガストロンは追撃をしてロードを追い詰めていく。
「ロード!!」
「おい、よそ見するな。お前の相手は俺だ」
ゾーマは剣に風魔法をまとわせた風魔剣でメリナに襲い掛かる。
「クラリス!!」
魔法が野外にぶつかり、緑の爆風が吹き上がる。
風魔法同士とはいえ、メリナは自身と比べて遥かに強いゾーマの攻撃を相殺することができず、吹き飛ばされてしまった。
地面に叩きつけられたメリナは痛みを我慢して立ち上がるが、額いからは鈍い汗が流れてメリナはどんどん追い込まれていく。
(まずいわ… さっきの戦いを見ていたとはいえ、この威力の魔法、私の「クラリス」とは比べもならない)
メリナの「クラリス」という魔法は幼いころ、メリナの母クラリスによって教えられた中級の風魔法であり、本来の名は「風斬撃」という名前ではあるが、メリナの家族に対する思いから習得した魔法には彼女の家族の名をつけることにしていた。
(お母様、どうか私にこの魔を退ける勇気と力をください)
メリナは胸に手を当て亡き母に祈ると、向かってくるゾーマに、「さあ、来なさい。悪しき魔人よ! この私、クラリスの娘メリナが相手になるわ!!」と叫んで構えた。
「そうか。死ぬ覚悟はできたか? 人間」
ゾーマは覚悟を決めたメリナを次の一撃で殺そうと踏み込もうとした瞬間、、、
「今よ、風斬撃!」
メリナは踏み込もうとしてくるゾーマを魔法ではじき返した。
「クソ、このアマぁあ!!」
「風斬撃!」
「ぐあぁあ!!」
メリナの魔法でゾーマは、その場所から近くに踏み込むことができないでいた。
(やっぱりね、この男は踏み込んでくるときに、魔法を使って自身の足に風力を持たせて至近距離まで跳躍しているのね。だから、踏み込んでくる直前に足元を攻撃すれば、体が不安定化して近寄れない)
「でも、、、、 このままじゃ私も魔力が尽きてじり貧になる。その前に何とかして倒さないと」
ゾーマに攻撃を当てている間、メリナには考える時間が生まれたが、すでに三回も「風斬撃」を放っており、残りうてる魔力量は九回分しか残っていない。
しかし、「風斬撃」ではゾーマに攻撃したとしても、ガードされれば確実に仕留められる威力ではないとメリナも自覚していた。
魔力コントロールの練習により魔力の無駄遣いは軽減されたが、本に書かれていた上級魔法「漸氏雷撃」を使うには、魔力総量の半分ほどを用いる必要がある。
したがって、メリナに残された魔力は「風斬撃」三回分であり、その間に近づいて「漸氏雷撃」をゾーマの魔核にぶつけなければならない。
「風斬撃! あと二回…」
覚悟を決めたメリナはゾーマに向かって走り出した。
ゾーマとの距離は二十メートルほどで、メリナはどんどん近づいていく。
(クソ、こんな奴に俺が身動きできないなんて)
身動きが取れないでいるゾーマは自分のふがいなさに、怒りが湧いて頭の中が真っ白になっていたが、冷静になって前を見ると、さっきまで自信を近づかせないようにしていた人間が目の前まで走ってきた。
(この女の目的は何だ? 俺を近づかせないようにしていたのが今では俺に近づいてくる。だが、これでいい。さあもっと近づいてこい)
不敵な笑みを浮かべると、気づかれないように風魔剣のために魔力をためだした。
(何この不気味な雰囲気は? でも、迷ってる暇じゃない。もっと近づかないと)
メリナがゾーマの射程範囲に入った瞬間、ゾーマはためていた魔力で今までにないほどの大きさの風魔剣を作り出してメリナに突き出した。
「刺針牙突!!」
「漸氏雷撃!!」
メリナも覚えたての漸氏雷撃で反撃した。
漸氏雷撃は雷のように放射状に広がった風の斬撃が前方にあるものをすべて切り刻んでいく魔法である。
「「うおおおおお!!!」」
二人が放った魔法は拮抗しているように見えたが、メリナの放った魔法の方が強くゾーマは吹き飛ばされたが、メリナも反動で吹き飛ばされた。
「クソおおおお!! 絶対ぶっ殺してやる!!!」
もろに食らってないとはいえ、片手が吹き飛び体中を小さな刃でズタボロにされたゾーマは、メリナにありえないぐらいの殺意を向けるが、体がうまく動かない。
しかし、魔核が残っている以上何度でも体は元に戻る、それを今か今かと待っていた。
「早く回復しろ! 手足があればいい!!」
回復を待ちわびていたゾーマの前にメリナが急に現れた。
「何故だ? いつの間にこんなところにいる? ああそうか… 俺と同じように移動してきたのか」
ゾーマはメリナの足が自身と同じように風魔法でおおわれているのを見て納得した。
「これで終わりよ。風斬撃!」
メリナが魔法を放つと、魔核が粉々にはじけ飛んでゾーマは絶命した。
決着がつくとメリナはその場に寝転がって空を見上げてぐったりしていた。
(もう魔力も体力も尽きて動けそうにないわ… ロード、そっちは任せたわよ)
「ああ、お母様、ロゼ… 力を貸してくれてありがとう。私はこれからも頑張っていきます」
戦いを終えたメリナはロードの無事を祈り亡き母や親友の存在に感謝すると、死人のようにぐったりして眠ってしまった。
ガキ―ン!!と剣同士がぶつかり火花を散らす。
リードは魔人たちの剣を受け止めはじき返し、二人は距離をとってリードを睨んだ。
特異点から現れた魔人は男性で、大きな大剣を携えたガストロンと小さい双剣を携えたゾーマの二人である。
「どうするよ、ゾーマ。この人間はなかなかやるようだぞ」
「そうだな相棒、こんな人間生まれて初めてだ。その分楽しみが増えるってわけだ」
「じゃあ、いつものあれでいくか?」
「ああ」
話し合いが終わると、ゾーマが一瞬でリードの傍に近づき剣でで目にもとまらぬ速さで何度も切りつける。
ゾーマが振るった剣を綺麗にリードはよけている。
「何だただ速いだけか…」
ゾーマの剣さばきは速いだけでなく洗練されたものであったが、リードにとってはそこまで速くなく表情を変えずに余裕をもって躱していたが、いきなり剣が風に覆われ剣全体が大きな刃のようになり、リードに刺突した。
「なッ!?」
驚いたリードは間一髪逃れたが、攻撃は刃の前方にあるものを数十メートルにわたって地面と共に抉り取られていた。
逃げた先にもゾーマは追撃してリードに反撃する時間を与えさせない。
ゾーマの攻撃をよけていると、突然リードの体が動けなくなった。
「死ね。これで終わりだ」
ゾーマがそう言うと、頭上からはガストロン、地上からはゾーマが一斉に攻撃を仕掛けた。
「兄さん!!!」「リード!!」
攻撃を受けて砂ぼこりが巻き上がり、リードの姿が見えなくなった二人は心配してリードの名を呼ぶが返事がない。
すると、砂ぼこりの中からガストロンとゾーマが吹き飛ばされてきた。そして、リードは無傷で砂ぼこりの中から姿を現した。
リードの無事な姿を見た二人は安堵した。
「おい! ガス、ちゃんと止めていろよ!」
「悪りぃ悪りぃ。でも、俺の抑圧されるものがあっさり破られるとは思わなかったからさ~」
「言い訳はいい、こんなんじゃ俺たちの目標にはたどり着けないぞ」
「わかっているよそんなこと。じゃあ、もう一回だ」
「ああ」
口争いを終え、リードの方へと目を向けると、リードは二人が眼中になく開かれた特異点を睨んでいた。
「おい人間、どこを見ている? まだ勝負は終わってないぞ」
ゾーマは戦いに最中によそ見をしているリードに言った。
「もうお前たちの手の内はわかったから、もう用はない。あそこにいる俺の弟たちに遊んでもらえ。俺にはあそこから出てくる虫を排除しなきゃいけないからな」
「何だと? 人間の分際で俺たちを足蹴にするのか… なめやがってぇ!」
「まあ待て」
人間であるリードに侮辱されたと感じたガストロンは、リードに向かって行こうとしていた所をゾーマに制止させられた。
「ああ!? どうしてだよ? 俺たちが組めばどんな奴でも倒せるんだ!」
「落ち着けよ、ガス。別にアイツ相手にこだわる必要はない、俺たちの目標はカオスの遺子なんだからな。それに、コイツの前にあのガキどもの首を突き出して、あいつの絶望した面を拝んでやろうぜ」
「そうだな」
二人はロード達の方を見て笑みを浮かべると、ロード達の方へと飛び去った。
(頑張れよロード。これが、お前の夢への第一歩だ!)
ロードが魔人たちと戦い、強くなることを願いながら特異点を見上げた。
「さてと、やるか」
リードは再び溢れ出てくる魔物たちに槍を向けた。
場面は変わって、ガストロンとゾーマはロード達二人の前に立ちふさがった。
「メリナどうしよう。魔人が二人も!」
「お落ち着いて、二人でも相手の魔法はよく見ていたから大丈夫よ。……多分」
先ほどのリードの戦闘を見て、魔人たちの魔法がどのようなものか理解していたが、この状況は非常にまずい。
ロードとメリナには未だ魔人を倒した経験がなく、加えて魔人が二人もいて、戦える味方がロードとメリナしかいない状況は、二人の不安を加速させ絶望の二文字が心の中に巣食おうとしていた。
「フハハハハハ、なんだよガキと女かよ。こんな奴ら相手にもならねえよ、さっさとぶっ殺して戻ろうぜ」
「油断するなよガス。こいつらには丁寧に、確実に、そして残酷に確実な死を与える」
「お前がそう言うなら従うよ。じゃあ俺ははあのチビをやるぜ!」
そう言うとガスは、ロードに飛び掛かって上空から大剣を振り下ろした。
「うわあ!」
悲鳴を上げながらよけるが、ガストロンは追撃をしてロードを追い詰めていく。
「ロード!!」
「おい、よそ見するな。お前の相手は俺だ」
ゾーマは剣に風魔法をまとわせた風魔剣でメリナに襲い掛かる。
「クラリス!!」
魔法が野外にぶつかり、緑の爆風が吹き上がる。
風魔法同士とはいえ、メリナは自身と比べて遥かに強いゾーマの攻撃を相殺することができず、吹き飛ばされてしまった。
地面に叩きつけられたメリナは痛みを我慢して立ち上がるが、額いからは鈍い汗が流れてメリナはどんどん追い込まれていく。
(まずいわ… さっきの戦いを見ていたとはいえ、この威力の魔法、私の「クラリス」とは比べもならない)
メリナの「クラリス」という魔法は幼いころ、メリナの母クラリスによって教えられた中級の風魔法であり、本来の名は「風斬撃」という名前ではあるが、メリナの家族に対する思いから習得した魔法には彼女の家族の名をつけることにしていた。
(お母様、どうか私にこの魔を退ける勇気と力をください)
メリナは胸に手を当て亡き母に祈ると、向かってくるゾーマに、「さあ、来なさい。悪しき魔人よ! この私、クラリスの娘メリナが相手になるわ!!」と叫んで構えた。
「そうか。死ぬ覚悟はできたか? 人間」
ゾーマは覚悟を決めたメリナを次の一撃で殺そうと踏み込もうとした瞬間、、、
「今よ、風斬撃!」
メリナは踏み込もうとしてくるゾーマを魔法ではじき返した。
「クソ、このアマぁあ!!」
「風斬撃!」
「ぐあぁあ!!」
メリナの魔法でゾーマは、その場所から近くに踏み込むことができないでいた。
(やっぱりね、この男は踏み込んでくるときに、魔法を使って自身の足に風力を持たせて至近距離まで跳躍しているのね。だから、踏み込んでくる直前に足元を攻撃すれば、体が不安定化して近寄れない)
「でも、、、、 このままじゃ私も魔力が尽きてじり貧になる。その前に何とかして倒さないと」
ゾーマに攻撃を当てている間、メリナには考える時間が生まれたが、すでに三回も「風斬撃」を放っており、残りうてる魔力量は九回分しか残っていない。
しかし、「風斬撃」ではゾーマに攻撃したとしても、ガードされれば確実に仕留められる威力ではないとメリナも自覚していた。
魔力コントロールの練習により魔力の無駄遣いは軽減されたが、本に書かれていた上級魔法「漸氏雷撃」を使うには、魔力総量の半分ほどを用いる必要がある。
したがって、メリナに残された魔力は「風斬撃」三回分であり、その間に近づいて「漸氏雷撃」をゾーマの魔核にぶつけなければならない。
「風斬撃! あと二回…」
覚悟を決めたメリナはゾーマに向かって走り出した。
ゾーマとの距離は二十メートルほどで、メリナはどんどん近づいていく。
(クソ、こんな奴に俺が身動きできないなんて)
身動きが取れないでいるゾーマは自分のふがいなさに、怒りが湧いて頭の中が真っ白になっていたが、冷静になって前を見ると、さっきまで自信を近づかせないようにしていた人間が目の前まで走ってきた。
(この女の目的は何だ? 俺を近づかせないようにしていたのが今では俺に近づいてくる。だが、これでいい。さあもっと近づいてこい)
不敵な笑みを浮かべると、気づかれないように風魔剣のために魔力をためだした。
(何この不気味な雰囲気は? でも、迷ってる暇じゃない。もっと近づかないと)
メリナがゾーマの射程範囲に入った瞬間、ゾーマはためていた魔力で今までにないほどの大きさの風魔剣を作り出してメリナに突き出した。
「刺針牙突!!」
「漸氏雷撃!!」
メリナも覚えたての漸氏雷撃で反撃した。
漸氏雷撃は雷のように放射状に広がった風の斬撃が前方にあるものをすべて切り刻んでいく魔法である。
「「うおおおおお!!!」」
二人が放った魔法は拮抗しているように見えたが、メリナの放った魔法の方が強くゾーマは吹き飛ばされたが、メリナも反動で吹き飛ばされた。
「クソおおおお!! 絶対ぶっ殺してやる!!!」
もろに食らってないとはいえ、片手が吹き飛び体中を小さな刃でズタボロにされたゾーマは、メリナにありえないぐらいの殺意を向けるが、体がうまく動かない。
しかし、魔核が残っている以上何度でも体は元に戻る、それを今か今かと待っていた。
「早く回復しろ! 手足があればいい!!」
回復を待ちわびていたゾーマの前にメリナが急に現れた。
「何故だ? いつの間にこんなところにいる? ああそうか… 俺と同じように移動してきたのか」
ゾーマはメリナの足が自身と同じように風魔法でおおわれているのを見て納得した。
「これで終わりよ。風斬撃!」
メリナが魔法を放つと、魔核が粉々にはじけ飛んでゾーマは絶命した。
決着がつくとメリナはその場に寝転がって空を見上げてぐったりしていた。
(もう魔力も体力も尽きて動けそうにないわ… ロード、そっちは任せたわよ)
「ああ、お母様、ロゼ… 力を貸してくれてありがとう。私はこれからも頑張っていきます」
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