Galaxy Day's

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ここは戦って食べる飲食店です

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はいというわけで!今回はオレ、
クラーケ・デム・ザップの!
鼻の中大探検スペシャル~!!

…!? えっ、ちょっと!?待ってくださいよ
ラフレシア役のアオイヤル様!
そんなデカいハリセンどこから… アウチ○コッ!!

「その数字間のどこでぼく 
ラフレシア役やってたん?」




アカイヤル様、アオイヤル様、ミドイヤル様の
心とゾードがひとつになったその時、
新たなメガゾード、ジャックゼノンが誕生!
これでロワイヤル様お一人に巨大戦をやらせずに
すみますね!しかし、この現状にエレーネア様は
自分はまだなのか!となおも、不満げらしいです…



ジャークネスの街での煌びやかな喧騒、
そこから少し離れた静かな風が吹く場所に、
レンガで作られたオシャレなカフェがある。

このボク、コズモル・オリンピアス行きつけの
Le nid d' Pigeonル・ニイド・ピジョン。全体的な内装は、
シックでオシャレな雰囲気でまとめている。
ジャークネスの建物特有のサイバー的な雰囲気は
もちろんのこと、どこか懐かしいレトロチックさも
感じさせる、刺さる人には刺さる内装だ。えぇ、
このボクも容赦なく刺さりましたよ。もちろん、
内装のみならずメニューも美味しい。ボクは
コーヒーを苦いと感じる子供舌なので、専らコーラ
を頼んでいる。え?まだまだ半人前だって?
うっさい!子供だから子供舌なのは当然でしょうが!
まぁとにかく、このコーラをはじめとして、
本格ボロネーゼ、ボクイチオシの激ウマ
ピザトースト、旬のゴクジョー素材を
ふんだんに使ったサンドイッチなどなど、
刺さる人には刺さるメニューだ。えぇ、
このボクも容赦なく刺さりましたよ。

「はぁ…」

おっとぉ、ついさっきのことを思い出して
思わずため息が出てしまっていた。ソレに気づいた
ハトのような姿をしたエイリアン… このカフェの
マスターが、ボクに問いかけてくる。

「何か、悪いことでもあったのですか?
オリンピアス様」

カウンター席に座っていて、目の前で皿を拭いてる
カフェのマスター。ボクの一挙手一投足に気づくのは
容易だ。刺さったのは結構前だが、ぼくはそれなりの
頻度でここに来ている、いわばこのカフェの常連。
最初は一言二言くらいしか会話しなかった この
カフェのマスターとも、何度か会話をしている
うちに、いつのまにかボクの数少ない理解者のような
存在になっていたのだ。ボク自信も、カフェの
マスターには、ついついココロを許している。
身内以外にココロを許しちゃ、悪役としては
命取りも同然。でも、マスターにはボクに気を
許させて、どうにかしようという邪念はそんなに
感じられなかった。もしかしたらこのマスターの
人柄こそ、このカフェが愛される所以のひとつ
なのかもしれない。…まぁとはいっても、

今はボクくらいしか人いないんですけどね!!
ボクと、小柄なエイリアンと、コーヒーを飲んでいる
コートを着て帽子を被ったエイリアンの、合計3人。
今くらいの時間帯は大抵こんな感じ。昼頃には
結構 客が来て、アンドロイド兵隊 ジャーディアン
を使わないと店が回らないくらいだ。ボクも
バイトとして、手伝ったことがあるからわかるのだ。

「オリンピアス様?いかがなされました?」
「…ハッ!あぁ、いえいえ。何でしたっけ?」
「ため息をつかれていたので、何かあったのかと…」
「あぁ… ついさっき荒らしまわった惑星ほしでちょいと
ばかしムカつくことがあってですねぇ…」

それはボクがヒマだったので、父さんと母さんの
惑星侵略について行った惑星 ムエンカで起きた
出来事… ちなみにこの惑星侵略も、父さんと
母さんはヒマつぶしに急遽 思い立ったことらしい。
いやはや、流石は我が両親。悪役の中の悪役!
なんておっそろしいことを考えつくことか。

クアドラーやカオスキングドラゴンの大群によって
破壊され、混乱の様相を呈している街並みの中で、
ボクはまだ侵略していないところを下見しに
飛んでいた。そこで偶然 目に入ったのは、とある
学校の屋上。そこにおわすはふたりの男女。
男の方は女を見て、モジモジしている。

「あら?こんな屋上に
呼び出して、一体何の用?」
「急に呼び出してごめんね。でも、
どうしても君に伝えたいことがあるんだ。
そ、その… ずっと前から… その、君の
ことが… 好きだったんです!!
もしよければ、俺と… 付き合ってください!」

この場に女がいれば、紛れもなく誰か興奮の
あまり叫んでいたことは想像に難くない。
そして、しばしの静寂の後、女からの返答は…



「はっ?きっしょ」



「………え?」
「ちょっと優しくしてあげてるからって、
なぁに勘違いしちゃってるワケ?
私に告白だなんて… 鏡見てないの?
せめて私と付き合いたいって言うなら、顔面は
佐● 健か、菅田 ●暉レベルくらいないと…
それとも、アンタんちって金持ち?総資産で
最低でも100憶くらいあるなら
付き合ってあげないこともないわよ?」
「そんな… 俺の家は普通くらいで… 
でっ、でも!俺だったら
誰よりも君を幸せにできる!お金もないし、
顔もよくないかもしれないけど…
でも、中身を見てほしいんだ!」
「ハッ!バッカじゃないの?今は令和よ?
中身が大事だとか、そんな昭和みたいな
こと言ってる人初めて見たわ。
男は顔か金よ。それ以外に何があるの?
貧乏で、しかも地味でパッとしない顔。
せめて整形してアイドル並みのイケメンに
生まれ変わってきてちょうだい」

ボクはこのクソ女っぷりに耐えきれず、
オリンピアスラッシャーをブン投げまくり、
女を穴だらけにしてやった。絶望しきっていた
顔をした男は この光景に震え上がりながら
逃げて行った。そして程なくして ボクの指示の元、
お次はこの街を襲撃したのだった。結果的に
惑星 ムエンカは滅ぼしたからいいけど、
僕のココロにはムカムカだけが残った。

「…それはまた、ひどい悪意ですね…」
「でしょ?最近の女っていっつもそう!身の丈に
合わない理想ばかり求めやがって… そんなヤツ、
たとえイケメンでも寄り付かねーわ!!別に
女全部を悪く言ってるわけじゃない…。むしろ、
いい女だっているにはいる…。イエーネアさんや
ブルーネアさん、グリーネアさんみたいに…。
でもさぁ!?あーゆーのほどす~ぐ イケメンか
金持ちに取られるモンだ!そしたらもう、あんな
搾りカスみたいなヤツしかいないわけよ!!
ねぇなんでみんなさぁ!?ハードル高いヤツばっか
高望みすんの!?ねぇなんでなのよ最近のヤツァ…」

ボクは当分 止められない怒りを吐露しまくる。
マスターは頷くだけでしっかりと聞いている。
そーゆーところも、ここが刺さったワケのひとつだ。

「まぁぼく自身… あーゆーのを
殺す資格は、ないんだがねぇ…」
「確かに。ウワサは聞きましたよ?
オリンピアス様、この間 告白しに来た
女性をまたまた冥界送りにしたと」
「…まぁ、ソーナンスよね」

そう、かくいうこのぼくもまた、同じような
ことをしたのだ。しかし同じような とは
言っても、先ほど述べたクソ女の所業が
可愛く感じるレベルのことである。

この前、路地裏に呼び出されたぼく。ぼくと同じ
ヒューマノイドタイプの容姿をした女は
しばしのモジモジの後、意を決してぼくに言った。

『好きですっ!!よろしければ、私と付きa…』

最後まで言い終わらないうちにぼくは彼女の
首を斬り落とし、手から放つビームで
首なき遺体を焼き払った。

女に対し 純粋な想いを踏み躙り、あまつさえ
殺してしまう。こんな外道は他にないと思ってる。
いや、純粋とも限るまい。あの女ももしかしたら
ぼくが見たようなクソ女の同類なのかもしれない。
確証こそないし、流石にやりすぎな行為なのも
殺したぼく自身が誰よりも自覚している。
だが、ぼくはコズモルチーの皇子おうじとも呼べる存在。
力もなければ、これといって特殊な能力もない、
その辺にいるようなザコが惚れていいような
存在ではないのだ。これは高望みではない。
それ相応の存在の生涯を寄り添う相手には、
それに見合った存在でなくてはならないという、
なんてことない この大宇宙の道理だ。
それに、ぼくの愛は両親や家族に全て
捧げるものとも思っている。あんな誰だかも
知らんヤツに、簡単にあげれるかってーの!
コーラのおかわりを飲みながら、ぼくは呟く。

「ボクに、惚れるのが間違いなんだよ…」
「オリンピアス様…」

マスターは一呼吸おくと、優しい声でこう言った。

「まぁ… 今日はじっくりここで、その心の
お傷を癒してくだされば。あなたのような
豆腐メンタルに、無理は禁物です」
「ク~~~ッ!!ありがとうございます…!
こんなに料理も美味くて、人格者なマスター…!
ココの店は宇宙一でございますよっ!!」

ボクが大声で褒めそやしたその時、
なにやら後ろの方で野太い声が響いた。



「…フンッ、この店が宇宙一!?しゃらくせぇ!!」



ボクが振り向くと、そこにはコーヒーを
飲んでいた、コート着て 帽子を被った男が
立っていた。さっきの発言は彼発らしい。

「あぁ!?ちょっとそりゃどういう…」

ボクが抗議しようとしたその時、その男は
コートを脱ぎ、ゴリラのようで猿のような
顔をした、居酒屋 ファルファンテの
マスターとしての真の姿を堂々と晒した。

「あ、あなたはっ!」
「聞き捨てならねぇぜ、オリ坊ちゃまよぉ…!
確かにこの店、コーヒーはいいセン行ってるし、
メシもいいセンな方だと思う。だがな!いつも
活気に溢れていて、ここよりはるかに美味いはずの
俺の店の方が宇宙一に決まってらぁ!!」

そう啖呵を切るファルファンテのマスター。
しかし、狼狽える僕とは違い、ハトのマスターは
涼しい顔。さして気にもしてないように見える。

「おい、ちゃんと聞いとんのか!?」
「怒鳴らなくても聞こえていますよ。私は
誰が一番とか、そーゆーことに興味はありません。
えぇ、あなたの店の方がここより断然…」
「ムッキィ~ッ!!もっと競争心持てやお前!
よーし決めたぞ!明日の正午きっかり・
マントルプレミアアリーナで、この俺と勝負だ!
どっちの料理が美味いのか、なっ!!」
「えええぇっ!?」
「えええぇぇぇ~~~~~っ!?」

驚くハトのマスターと僕。こうして
小料理店と喫茶店。それぞれの店主の意地と
プライドをかけた戦いが、半ば強引に始まった
のだった。そして、それに強引に巻き込まれて
しまったぼく。はてさてこれからどうなるのか…



「…とりま、あっちに言ってきたぜ。あとは
明日までに腕を磨けばいいってこったな」
「ふぅん… ありがチュー、マスター。コレで
明日の特番は久々にいいモノができそうだ」
「でも大丈夫なの?元々はイエーネアの
格闘特集の予定だったのに…」
「寝る前にパッと思いついたんだから、ココは
やるっきゃねーだろ。なんせ久々の俺ら夫婦の
プロデュース作品の完全新作なんだから!」
「久々って… アンタら ちょっと前にスーパー戦隊と
惑星 クレイの特集やったばかりじゃあ…」

ジャークネスにあるビルの屋内のカフェテリア
にて。俺、コズモル・ロワイヤルと
我が愛妻マイラブ・ワイフエレーネアは、ファルファンテのマスターと
話し込んでいた。そう!ファルファンテの
マスターがさっきまでハトのマスターに
喧嘩吹っかけてたのは、俺がパッと思いついた 
新企画を行うための布石だったのだ。
元々はイエーネアの格闘特集をやる予定
だったんだけどなぁ…。ちなみに、その肝心の
イエーネアの方に連絡はまだしてない。
まっ、後でやるから大丈夫っしょ!

「まぁいい、ちょうど俺もそろそろ白黒つけたい
たぁ思っていた。オリ坊ちゃん御贔屓のあの店
より、そっちらふたりが御贔屓にしてる
俺の店の方がスゲェってな!!」
「まぁ、あそこは俺らもたまに行くけど
美味しさは… まぁドッコイドッコイって感じかな」
「あたしもそう思うな~。でも、あそこは
なんというか、静謐? まぁそんな雰囲気がする」
「まぁある場所が繁華街と拓けた場所って違い
だからだなそりゃ。俺もあそこの味は認めざるを
得ないさ。でも、俺の方がすごいと思う!
こりゃあ、料理人としちゃあ譲れないプライドよ…」
「だったら、それを明日の特番で民達に
証明してやるのよ!あたし達が力を貸すよぉ…」
「もし俺の方が勝ったら、お代は勿論、
最高のサービスもしてやるぜぇ…!ヘヘヘヘヘ…」
「楽しみにしてるぜぇ…!ヘヘヘヘヘ…」
「「「ヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ…」」」

俺たちはこんな風に不敵な笑みを浮かべ合った。
側から見たら気持ち悪い以外の何者でもないので、
周囲にドン引きされたけど、それを悟ると
慌ててごまかすようにカフェテリアで
飲み物を各自 頼んだのだった。



「…それで、どうするんですか?
半強制的に取り付けられましたけど」

ファルファンテのマスターが去って行き、
小柄なエイリアンの客もいなくなって
ぼくとハトのマスターの2人きりになった店。
ボクはマスターに今後のことを聞くと、
マスターは落ちつきつつも 確かに芯の感じる
声でこう言った。

「やるしかないでしょう…!なるべく争いは
したくはありませんが、喧嘩を売られてしまった
以上、買わねばならないのがこの世の道理。
それに棄権なんてしたところで、彼の怒りも
増して、さらにめんどくさいことになりかねません」
「…! やるんですね!ボクでよければ、力に
なります!人手が必要ならば他にも…」
「ウフッ、ありがとうございますオリンピアス様。
こんな内乱に巻き込んでしまったみたいで…」
「なぁに… 巻き込まれようと乗りかかった船
ですし、何より常連のよしみです。
日頃なら美味しい料理で 元気をもらってるわけ
ですし、今こそその恩返しをしなくてはね」
「何から何まで、本当にありがとうございます…」

こうして、ぼく… コズモル・オリンピアスは
ハトのマスターに味方することとなった。
明日の正午までにまだまだ時間はある。さぁ、
勝ってみせよう。目指せ、打倒ファルファンテ!


一方その頃、ジャークネスがまもなく通過せんと
していた惑星の喫茶店にて、ひとりの壮年男性が
正視に耐えないクレームを喚き散らしていた。

「違う!!コレじゃない!!」
「しかし、お客様… ご注文の通り、
こちらは当店オススメの…」
「えぇいうるさいうるさい!!これがこの店で
一番うまいというのか!?違う…!!
ご注文は… こんなんではなぁーーーーーいっ!!」

獣のように叫んだ次の瞬間、禍々しいオーラと
共に、男性はウサギのような怪物に変貌。
喫茶店にいた者達全てに、ココアのような
茶色い波動を放ち、一瞬にしてそれらを
爆破していった。そして怪物は炎に溢れ 
半壊した喫茶店を出て、宇宙そらへと飛び去った。


ジャークネスの水辺のテラス。正面には
未来的なネオンシティが立ち並ぶ。
俺、コズモル・ロワイヤルはそれを見ながら、
振り向かずに 後ろにいる
アカイヤル、アオイヤル、ミドイヤルに
事のあらましを話し、協力を要請した。

「…というワケで、日頃 俺たちが飲み会とかで
世話になってるファルファンテのマスターの
誇りのためにも、前回 ジャックゼノンを完成させ、
大活躍してくれた お前たちの力を見込んで、
是非とも借りたいと思っている!」
「え?え!?いやいやいや、イエーネアちゃんの
特番はどうなっちゃうの!?とゆーか、まずは
それがなくなること本人にいうべきじゃ!?」

アオイヤルは困惑しながらも安定のツッコミ。

「なんだぁ… イエーネアのヤツのアレ 
やんねーのかよ…。俺、アレ
楽しみにしてたんだぜ?」
「う~ん、俺はやってもいいよ?
料理の事はサッパリだけど!」

落胆するアカイヤルと意外にも乗り気なミドイヤル。

「意外って何さ!?」
「いや、文字通りだけど?おめぇも
そーゆーことを楽しむ心があったとはねぇ…。
強さ強さ言ってるおめぇがよぉ」

三人の方に身体を向けて俺は嗤う。案の定、
ミドイヤルが真っ先に突っかかってきた。

「マジやめろやそんな偏見!!そんなん
やったら俺、この組織にいねぇっつーの!!」
「うん、だよなぁ…。んで、どうすんの?
引き受けてくれたら ちったぁ礼は出すけど…」
「いや、どうせヒマだしなぁ… うっし!やるよ!」
「兄貴に同じく!」
「ん… じゃ、じゃぁボクも同じく…」
「お~し、大丈夫。イエーネアの方に関しては、
エレーネアの方から今頃 連絡してるからさ」
「う~ん… 大丈夫かなぁ…」

こうして、なんとか三名をこっち側に
引き入れた俺は、エレーネアと一緒に
明日の特番に向けての プロデュース業に
本腰を入れるのだった。

「そういやエレーネア」
「うん?何?」
「お前から三人に声はかけたんだよな?」
「あぁ~、ブルーネアはあたし専用の
新しいメガゾードを作ってるからって
諦めたしぃ、グリーネアのアッチの
喫茶店の側に行っちゃったしぃ…」
「イエーネアは?」
「いや、明日に向けて気合マンマンで
特訓してて… 言うに言えなかったの…。
もしやらないなんてこと言ったらさ、
どうなるかわかったモンじゃないしさぁ…」

エレーネアは冷や汗をかきながらそう言う。
確かに、気合マンマンで頑張ったってのに
それを土壇場で中止なんて言われたら、アイツは
ショックのあまり 何をしでかすかわかったモン
じゃない。よくて手刀で首を飛ばされるか、
最悪のケースとして、電流を足に織り交ぜた
キックで首を飛ばされるか… 想像しただけでも
恐怖のあまりシ~ビれちゃってぇもうっ!

「うん、確かにねぇ…」

その頃、あの三人はファルファンテのマスターに
手を貸す… ハズが、いつの間にかバイトを
させられていたというのだ。まぁ、たまにはいっか。
話によると、アカイヤルが必要以上に串焼きを
加熱して炭に変えて 怒られたり、ホールで
料理持ってく担当のアオイヤルが 客のボケに
反応し ツッコんだ結果、料理を落として怒られたり、
ミドイヤルが料理を速い動きで持ってった結果、
アオイヤルとぶつかって料理台無しにして
怒られたり、なにかと苦難続きだったらしいが、
時間が経っていくに連れて、徐々にサマになって
いったらしいのだ。うんうん、やっぱたまには
こーゆー労働をするのもいいだろう。
みんなこうして金を稼いでるモンだ。



グリーネアさんが加わってくれたのは
個人的にはありがたかった。この調子で、
ヴァルーナやミギヒダ、ジイに連絡しても
何やら他に用があるとかで断られた。
まぁ三人だけでもやるほかはない。
ぼくは敵情視察をせんと、夕食も兼ねて
ファルファンテへ客として潜り込んだ。
黒いパーカーに、青黒いズボン。そして
極めつけはチェーン付きの黒いキャップ。
ぼくのよそ行きの変装だ。民には
明かしていないから、ボクだとは
恐らくバレないハズだ。接客のジャーディアンに
案内され、ボクは希望通りの個室の席へと
案内された。僕のような陰キャにはありがたい
御用達みたいな席。といっても、カップルと
いった陽キャも利用することもあれば、
接待なんかにも使われるそうだ。

やがて注文したコーラとシーザーサラダ、
鶏のからあげが運ばれてきた。

「お待たせいたしましたぁ~…。
コーラとシーザーサラダ、鶏のからあげ、
そして大方 敵情視察故に来たのだろうと
いう推察でございま~す… オリ坊ちゃん」

ココのマスターが直々に。それも、
変装はバレていたようだ。ボクは
名前を呼ばれた後にビクッとしつつも、
すぐに持ち直して 尋ねた。

「ナゼ… わかったんですか?」
「俺は鼻が利くんでね。どんな奴でも、
匂いでだいたいわかっちまう…」

ボクは一口コーラを飲んだ。
別にはじめてではない。ここにも
あの喫茶店ほどではないにしろ来ている。
ただ騒がしいノリが嫌いでそんなに
来ないだけ。来たらいつも個室席。
その習慣も、バレる一助になったのカモ。

「ココのコーラも美味しいですよ…
張り合ったって、なんにもなりません」
「…まぁな。俺もアソコの料理は認めてる。
でも、どっちがいいかって言われたらよ、
甲乙つけがたいだろ?」
「えぇ、ココのコーラ、アソコと同じくらい
美味いです。比較のしようがありませんな…」
「それじゃあなんか… ダメなんだよ。誰かと
同じくらいとかじゃあ。もっと、誰かを超える
くらいの気概を持たないと、料理人としては
いつまでも半人前だって俺は思う。いつだって、
上へ上へと目指していかないと!そうしなきゃ、
なんだか、ダメになっちまいそうな気がして…」
「……」

コーラを飲もうとする手が止まる。

「まぁ、とにもかくにも全ては明日だ。
楽しみにしてるぜ。あぁ、お土産だったら
今のうちにオーダーを受け付けるから」
「…あぁ、はい」

誰かを超えるくらいの気概… 
いつだって、上へ上へと目指す…。

あのハトのマスターにはない精神だ。
あの人には 誰かを超えたいとか、
謙虚すぎてそーゆー闘争心を感じていない。
まぁそれがあの人のいいところでもあるけど。

とにかく、参考にまではしておこう。
決戦の時間はもう、迫っている。



マントルプレミアアリーナ。ジャークネスの
ダークパレスから北西辺りに点在する
多目的アリーナ。スポーツイベントやコンサートは
もちろんのこと、テレビ番組の収録だったり…
さまざまな用途に対応できるつくりになっている。
あたし達がプロデュースする番組や特番でも
たびたびよく使っている。今回で… 
14回目になるかなぁ。まぁプレミアアリーナの
ことはともかく!今、ホールは歓声に沸いていた。
ファルファンテ VS Le nid d' Pigeonル・ニイド・ピジョン
料理人同士のプライドを賭けたガチンコバトルの
特番が今!始まったのであ~~~るっ!!

「さぁさぁさぁ始まりました~っ!!俺たち
ロワエレ夫婦 久々の完全新規プロデュース特番!
司会はいつも通り、ジャークネスの皇帝にして
宇宙最強 コズモルチー・ファミリーの皇帝、
コズモル・ロワイヤルと!我が愛妻マイラブ・ワイフ…」
「そうそうっ♡ ジャークネスの皇妃にして、
最光の美貌を誇る、コズモル・エレーネアが
お送りしちゃうわよベイビ~~~♡」
「さてさてエレピー!今特番のルールを
教えてクレメンスだぜィ!!」
「ファルファンテ VS Le nid d' Pigeonル・ニイド・ピジョン
この2つの店のマスターが料理を作り…」

中央の席から椅子が迫り上がって来た。そこに
おわすのはジイことクラーケ・デム・ザップ!

「審査担当のジイを満足させた方が優勝よ~っ!!」
「今回!このガ・チンコバトルに…」
「いややめろや!!その区切り方…」
「挑むのは、この二チームだぁ~~~っ!!」

あたしはウィンクで僅かな金色の光を発し、
後方の方へ合図を送った。撮影担当のウミギロン、
音響担当のサヒダロン、そして操作担当の
ヴァルーナだ。僅かに煙の匂いが!
どうやら、わかってくれたみたい。

「右コーナー!!居酒屋・ファルファンテ!!」

右の方から現れたのはファルファンテのマスター、
そしてアカイヤル、アオイヤル、ミドイヤル。

「左コーナー!!喫茶店・Le nid d' Pigeonル・ニイド・ピジョン!!」

そして左の方から現れたのはハトのマスター、
そしてオリンピアス、グリーネア。

「この二チームが!料理人としてプライドを
かけて、ガチンコバトルしちゃうわよ~~~!!」

観客達とのボルテージもドチャクソ爆上がってる。

「フヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!いやぁ
楽しみっすねぇ~ バルムのおやびん!
おやびんはどっちを応援するんスか~?
やっぱファルファン?」
「なぁに言ってんだスカーグ!
俺はこう見えても、穏健派で通してるのさ。
だから、ピジョンの方を推すぜぇ?」
「フヒャ~ッ!俺もっスよおやびん!
ファルファンテには結構行ってるけど、
たまには違うのを推してもイイっスよね~!」
「そーゆーことだ。バッハッハッハッ!」
「フヒャヒャヒャヒャヒャヒャ~~~!!」

特に爆上ってるらしいのが、あのおやびん
って呼ばれてるバルムとかいうデブと、おやびん
って呼んでたスカーグっていう痩男の2人みたい。
まぁそんなことは別にどうでもイイけどさ…

「それじゃあお前ら、Are You Ready…?準備はいいか

「「ヒア・ウィー…」」



「グオオォォォ~~~~~ッ!!!」

〆のゴーをふたりで言おうとした矢先、突如
後ろの扉から目がイってる壮年男性が現れた!

「えぇっ!?ちょっ、なに!?」
「な、なんだてめぇは!?」

困惑する私とロワイヤル。無論、
その場にいる全員も。

「匂う… 匂うぞ… 美味そうな料理の匂い…
今度こそ俺の求める料理に辿り着きそうだ…
ご注文は… コレなんですよーーーーーっ!!」

そう、獣のように叫んだ次の瞬間、男性は
おどろおどしいオーラと共にウサギのような
怪物に変貌。なるほど、コイツが今週の怪人ね。

「んなこと言うんじゃないよっ!!」

アオちゃんナイスツッコミ。便宜上、
コイツは…そうね、 『フラッペア』と
名付けることにしよう!民達は困惑しながらも
フラッペアに各々の得物で攻撃をするが、
フラッペアの肉体にはなんら響く様子がない。

「フヒャ~ッ!コイツ強いっスよ~!」
「よ~し!ココは俺がっ!コイツを倒して、
手柄をあげてやる!!」

そう言ってバルムはその体格を活かして
体当たりするも、フラッペアに一蹴、
跳ね飛ばされ ココアのような茶色い波動を放つ。
それが当たった私たちは身体が赤くなるほど、
めちゃくちゃに暑がった。それほどの高温よ…
即座にアオイヤルとグリーネアが魔術で
上から大量の水を出して、全員に
被せることでことなきは得たけど…

「こりゃあ民が相手できるような奴じゃねぇな…」
「ココはジャークネス最終兵器の私たちの出番ね」
「あぁ。ジイ!みんなを避難させるんだ。
ヴァルーナ!加勢してくれぃ!!」

後方から現れたヴァルーナは私たちの方へ立つ。

「ギョイサッサー!ロワイヤル様!皆様 こちらへ…」
「はいなっ!!」
「それとミギヒダ、お前達はこのまま作業を
続けろ。俺たちの戦いぶりの方が… 
よっぽど視聴率とれっからなぁ!!」
「ホントかよ…」
「よっしゃあ!!行くぜぇっ!!」

アカイヤルが声を張り上げて、ロワイヤルと共に
各々の剣から衝撃波を放つ。それでフラッペアは
吹っ飛び、プレミアアリーナの外へ投げ出された。
カメラを止めないウミギロンと ガンマイクを
私たちの上へと伸ばしたサヒダロンの頑張りに
答えるべく、こっちも頑張るわよっ!

アカイヤルとミドイヤルはジャンプし、
各々の剣をフラッペアに振り下ろそうとする。

「宇治抹茶・タイフーン!!」

しかしフラッペアは即座に、抹茶の匂いがする
竜巻を発生させてふたりを吹っ飛ばしてしまう。
なんとかその風に乗って 再度飛びかからんと
したミドイヤルも、デザリゼガンとか言う
モデルガンの前に撃たれ、ダメージを負う。

「ならコイツを受けな!」
「あたしも一緒にやる!」
「OK マミー」

ヴァルーナはヒューメライフルを。
あたしはエレネアローを同時に発射し、
デザリゼガンをフラッペアの手から落とした。

「「次は僕たちが!」」
「行きますよ~っ!」

すかさずアオイヤルとオリンピアスが各々の
得物で攻撃を加え、グリーネアがローズティッカー
で一突き。こうしてフラッペアは倒れ、
あとはトドメのターン… と思いきや、
なんと!?予想外の出来事が起こった。

「ちょっと… 早く逃げないと」
「なぁに、せっかく邪魔したんだ… 
一発殴らねぇと気がすまねぇ…!」
「いやいやいや、ココはいのちだいじに…」

なんと、ジイの避難から逸れたのか…
ファルファンテとハトのマスターがいたのだ。

「おいお前!!よくも邪魔してくれたな!!
俺もコイツも、今日にかけてきたってのに…
てめぇみたいなやつに、食わせるメシはねぇ!!」
「なんだと貴様!?喰らえ!カプチーノビーム!!」

フラッペアは強力そうなビームを手から放射する。
私たちは慌てて、ふたりを守ろうと向かうが…

「キリマンジャロリング!!」

金色のリングにより、拘束されてしまう。
さらに、突如飛んできたイエーネアによって
私たちは一斉に倒れ込んでしまう。

「2人とも逃げるんだ!!」

オリンピアスが声を張り上げるが、
ファルファンテのマスターは言う。

「このくらい、なんてこと… …ッ!?」

だが次の瞬間、信じられないことに…


「グワーッ!!」


咄嗟に前に出たハトのマスターが、
そのビームをまともに受け、倒れ込んでしまう。
ファルファンテのマスターは動揺し、
ハトのマスターの元へと駆け寄る。

「あぁ…!!お、おい!!しっかりしろ!!」
「…ッ、大丈夫… だったようですね…!」
「なんのつもりなんだよ… まだ勝負は
ついてねぇし、してすらもいねぇんだぞ!?」
「…ぁぁっ、勝負なんて、どうでもいいですよ…
こうして、あなたが無事でいれば…」
「…ッ!」

ファルファンテのマスターの目に涙が浮かんだ。

「あなたの料理は、宇宙一だと思います…!
その料理で、コレからも… お腹を空かせて
人たちを… 幸せにしてあげてください…!」

ハトのマスターはその言葉を最後に…
ウソ!?事切れちゃったよ…!そんな…!!

「おいっ!!冗談はナシだぜ!?おいっ!!
起きろよっ!!起きろバカヤロォーッ!!!」
「ハッハッハッハッハッ…」

嘲笑するフラッペアはこっちを向いた。怒りに
満ちた表情で私たちが行こうとしたその時…

「おい…!」

殺気に満ち溢れた声が響いた。ソレは
ファルファンテのマスターのモノだった。

「いいかよく聞け、ゴミ野郎…。俺ぁ暴言を
吐かれようが、服を汚されようが、
大概は気にせず流す。けどなぁ…!
どんな理由わけがあろうとも!!
俺はメシを残す奴を許さねぇ!!
コイツの生命いのちはいわばメシ、お前は
それを奪って、死骸だけ残したんだ…」
「ほぉ、だったらその死骸を消してやる…!」

腕にエネルギーを溜めるフラッペア。

「無理だと思うぜ…!俺がいる限りな…!」

フラッペアはエネルギーを放つが、
ファルファンテのマスターは右腕につけている
ブレスレットのボタンを押して、鎧を装着する。
そしてその鎧は、エネルギーを一瞬で弾いた。

「何!?」
「アレって、マッスルギアか…?」
「あぁ… かつて20年ほど前、宇宙の
武器商人が開発して、ソイツが死んだ後も
売れ続けているあの…!?」
「なんでこの作品は既存のヤツを出すかな
もう…!オリジナルじゃないのよソレ…」

アオイヤルがツッコんでいるのにはともかく。
ファルファンテのマスターは力強くワイルドな
アクションでフラッペアを攻め立てていく。
そして渾身のアッパーでフラッペアをぶっ飛ばす
と、すかさず両腕のパンチで大ダメージを与えた。
ようやく拘束を振り払い、自由の身になった
あたし達はファルファンテのマスターに駆け寄った。

「いやぁ、すげぇ強いねマスター!」
「だろぉ?俺もお前らほどじゃないけど、
強い自信はあると思うぜ?」
「いいなぁ~、あのパワフルさ…」
「俺も見習てぇところだぜ…」
「うんうん、あたしも!あの格闘術は
なかなかイイ動きしてると思うよ~」
「ってゆーか… ずっとツッコミたかったけど、
イエーネアちゃん!?なんでキミがここに!?」
「せっかくの特番が違う内容になったから、
ロワイヤルとエレーネアをぶっ飛ばしに行った
矢先、マスターを助けようと思ったら
拘束されて、今に至るワケよ」
「お前ら言ってなかったのかよ!?
報連相しろやちゃんと!!」
「「い、いやぁ~、ごめんごめん…」」
「いやぁ~、お見事お見事!!あれほどの
戦闘力を秘めていたとは!」
『…!? アイエェェェーーーッ!?』

その場にいた全員は驚愕の叫びをあげる。
だって、死んだはずのハトのマスターが、
何食わぬ顔で話に混ざっているのだから。

「お、お前!?死んだんじゃなかったのかよ!?」
「いやぁ… どうやら私、如何なる攻撃を受けても、
うんともすんともならない体質のようで…」
「ようは天の助みたいな?」
「なにナチュラルに他のキャラ名
出してんのイエーネアちゃん!?」
「おそらく、そうかもしれませんねぇ…」
「そうかい、それじゃあ… さっそく利用させて
もらうぜ!ハトのマスター!!」
「えっ!?ええっ!?ちょっと何を…」

ロワイヤルはそう言うと、ハトのマスターを
持ち上げると、なんとか体勢を立て直した
フラッペアに向かっていった。

「…おっ、おのれぇ…!ん…?えっ!?」
「喰らえやぁぁぁぁ~~~っ!!」
「あぁっ!やめてください!痛みは来るんで…」

そしてそのままハトのマスターを武器にして、
フラッペアを殴りまくる。思いのほか効いてるし…

「トドメだ!ピジョンシップアタック!!」

そう言ってロワイヤルはハトのマスターを
そのまま投げて、フラッペアの肉体を貫いた
のだった…!いや、頭突きで貫いたの!?
まぁ何はともあれ、フラッペアは苦しみながら
爆発四散。しかし、程なくしてアンゴラウサギを
彷彿とさせる鎧を纏った姿に パワーアップ
しながら、巨大化したのだった。

「パワーアップしながら巨大化って…
まるでゴレムサイマ獣みたい」
「またマニアにしかわからないことを…
とにかく!メガゾードの出番だよ!」
「行くぞアカ、アオ、ミド!」

4人はメガゾード召喚アプリを起動し、
各々のゾードを呼び出す。

暗黒召喚サモライズ!ロワドルーン!」
暗黒召喚サモライズ!アカトライカー!」
暗黒召喚サモライズ!アオザブダイバー!」
暗黒召喚サモライズ!ミドルジェット!」

そして、やって来た4体のゾード。
それに乗り込む4人。

「先手必勝!ウィングカッター!!」

ミドルジェットの鋭利な刃物になっている
翼がフラッペアにダメージを与える。

「よし、行くぞ!巨人変形メガゾードライズ!デストロワイヤル!」
「俺たちも行くぜ!」
「「三位一体・大合体!!!」」
「あっ、それが合体コードなんだ…」

そして!ロワドルーンは変形し、
デストロワイヤルとなり、残る三体のゾードも
合体して、ジャックゼノンとなった。

「デストロワイヤル!活動開始アクティビティオン!」
「「「ジャックゼノン!活動開始アクティビティオン!」」」

ジャークネスのネオンが映える大都市に
並び立つ2体のメガゾード。あぁ、ロワイヤルの
妻でありながら、巨大戦では何もできない
あたし… そしてイエーネアにグリーネア…
なんとも歯痒いことやら…。そうこうしてる
うちに、フラッペアは毛玉型の爆弾を発射する。
しかし、デストロワイヤルのキングレイモアの
斬撃波に全て破壊されてしまう。すると、
フラッペアは身体を丸めて、モフモフのでっかい
毛玉になって、デストロワイヤルの頭上に
乗ろうとするが、素早く動いたジャックゼノンに
よって蹴飛ばされ、元の姿に戻って倒れた。

「サンキューお前ら、よし… トドメだっ!!」
「「「「アビリティギア全開!!」」」」

デストロワイヤルはキングレイモアに、内部メカに
組み込まれているアビリティギアのエネルギーを
全て込めて、満月を描いてエネルギーを溜め…
ジャックゼノンは肩から腕に爪型の手甲を装着し、
内部メカに組み込まれているアビリティギアの
エネルギーを全て込めて、炎と水と風を纏った
エネルギーをヨーヨーの如く振り回し…

「三将団撃!!」
「「「ゼノン・ストライクアウト!!」」」
「ギガンティック・ダイナミック!!」

ぶった斬り&エネルギーで打撃!!
この二連続攻撃を受けた、フラッペアは肉体から
火花を散らせながら、大爆発したのだった。
最期にこんな断末魔を残して。

「グワーッ!!ご、ご注文は… 美少j…」

最後まで言えぬまま大爆発。

「いよっしゃーーー!!大勝利だぜ~っ!!」
「あぁ、この達成感… やっぱりイイ~…!」
「…楽しかったよ!アッハッハ~ッ!」
「ハ~ッハッハッハッハッハッハッハ~!!」

4人は盛大な高笑いを響かせたのだった。
その光景をブルーネアがとあるビルの屋上から
覗いていたのは、後で本人から聞いた話…

「やはりまだまだ四体合体は先か… コレを元に、
も、早いうちに進めないとねぇ…。
ん?なんかメール来た。…!? こ、コレは…!」



「コラーッ!!一発加えさせなさ~いっ!!」
「「ごめんなさ~~~い!!」」

戦いが終わった後、あたし… イエーネアは
ロワイヤルとエレーネアは追い回していた。

「やれやれ… コレばっかりは自業自得ですよ」
「んまぁ、今回はおじゃんになっちまったけど、
いつか必ず、この続きをやろうぜ」
「あんな目に遭ったのに、
まだ懲りないんですか?」
「同然だろ。お前と…、誰かと競い合えば、
もっと自分の料理の腕は精進する。切磋琢磨だ!」
「まぁ、そーゆーこともたまにはイイかもですね…」

ファルファンテのマスターとハトのマスターは
両腕でグーパンチをし合った。この2人にも
確かな情は、存在するってワケね!

「…それで、ウミギロンにサヒダロン、
アンタ、まだ撮ってんの?」
「当たり前ですよオリンピアス様!」
「こーゆーシーンこそ、やっぱりジャークネスの
民が一番に求めているものなのですからね!」
「「いや別にコレは撮らんでええわぁ~~っ!!」」
「待ちなさーいっ!!」

あたしとロワエレ以外の一同は、笑い合った。
その笑い声は、ジャークネス中に輝く
ネオンサインをよりキラメかせるような気がした。
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