Galaxy Day's

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儲かりマンガ道

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前回のあらすじで起こったこと3つ!
1つ!外道でクソなサークルのなり損ない共に
攫われてしまったロワイヤル様達。
2つ!そこでエレーネア様達、
『エレネアガールズ』を力を併せて 
クソサークル共を撃退!
そして3つ!ブルーネア様専用の新ゾード、
ブルバルカン… じゃなかった、『ブルバルカー』
お披露目!そしてエレーネアークと合体!
新形態『エレーネアーク・バスターブリザード』の
完成!大海原を吹雪に包み込むというカミワザ!
コレは… 今回の漫画のいいネタになりますよ~!



パッピーたちが訪れている惑星 ケンジンの隣の
隣にある、惑星 イリーヤンのミミー街では…
マゼンタと黒寄りの灰色の 手のひらサイズの
球体がゴロゴロとたくさん転がった。
そのうち、球体のひとつは新聞を
読んでるメガネのおっさんの足元に
転がり… おっさんがそれを見た瞬間、
球体は眩い光を放ち…

大爆発だ~~♫ ダ・ダッ・ダン♫
風が… じゃなかった、その大爆発に
逃げ惑う人々。転がっていた別の球体を
逃げてる誰かが踏むと、それもまた…
大爆発だ~~♫ ダ・ダッ・ダン♫

「フッハッハッハッハッハッハッハッ…
ヘハハハハハハハハハハハ…
ハーッハッハッハッハッハッハッハッ!!」

そう、この球体はあたしの手榴弾。
そしていたるところで起こる爆発の中、
倒れる屍、悲鳴をあげて逃げ惑う人々。
この地獄のカオスを高所から高笑いしながら
見下ろすのはあたし… コズモル・ヴァルーナ様!

「どうだぁ世間の者ども!!これが
ホントの悪役令嬢のすべきことだぁ!!」
「『悪役』の名を冠す者ならば奪え!」
「『悪役』の名を冠す者ならば壊せ!」
「そして『悪役』の名を冠す者ならば!
殺しに殺して、殺しまくれぇ!!」

ウミギロン、サヒダロン、兄さんの順に
そう言って 高笑いをし合うあたし達。

「それにしても… ミギヒダ、特に
ウミギロン… もう、大丈夫なの?」
「大丈夫って、何がです?」
「ホラ、あの… 先々週の… そのぉ、夏祭りの件…」
「あぁ… アレならもう吹っ切れました!
いちいちそんなこと気にしてたら、私たちの
は果たせませんし、何より殺らなければ
私たちが殺られるだけですし」
「そう!何より… 私たちは『悪役』ですし?その誇り
さえあれば、いつだって立ち直れますしね!」
「「We are Villans!!」」

そう言って肩を組むミギヒダに、
兄さんはため息をつきながら言う。

「…見習いたいよ、その吹っ切れ具合…」
「うんうん、お前だったらだいたい
2週間くらいは引きずってそうだもんね」
「いやお前!そんなには引きずる… カモしれない」
「いや肯定するんかい!」

あたしがツッコむと同時に、私たちは大笑い。
さて、そろそろちゃんと説明しておこう。
何故こうなったのかというと…

あたし・兄さん・ミギヒダは、ジイ先導のもと、
惑星 イリーヤンでデモール家、または
マッド・ギランについての情報収集を
行っていた。データベースがダメならば、
やはり地道に探すしか方法はない。
マッド・ギランの情報収集についてはジイの発案。
『デモール』の名を唯一 冠す存在ならば
彼の存在そのものが手掛かりだと。
しかし… やはりというか なんというか、
明確な情報は特にこれといって得られず、
この街を破壊することにしたのだ。
なんでもアオイヤルさんの情報によると、
この街には 『男は男同士で、女は女同士で
恋愛することが当たり前になるという薬品』を
独自に開発しているとか。しかもそれだけなら
まだしも… 街の連中全体がそれを望んでいるとか。
勿論、コズモルチーがソレを見逃すはずが
ないので、両親から ミミー街をぶっ壊せとの
命令が入ったのだ。

「街の連中が全員 賛同してるなんて… 
一体 何を考えてるんだか…」
「あぁ、全くふざけておるわ!そんなことを
やってみろ?銀河のダルマが乱れに乱れ、
崩壊は一瞬にして訪れる!」
「別に否定する気はないけどさ… 世も末だよな」

憤るサヒダロンと兄さんと、呆れるあたし。
すると、左の方から拍手しながらジイが現れる。

「いやぁ~はっはっは!ヴァルーナ様 お見事~!
ダイナミックな殺しっぷりですね~」
「まぁ、あたしは暗殺がメインだし? だから
たまには 大っぴらに殺りたい時もあるでしょ」
「あっ、そうだ!ヴァルーナ様、街の中心の
時計塔に仕掛けた爆弾が、あとちょっとで!」

そう言ってスマホを見せるウミギロン。
そこには爆破までの時間が。2:00を切った。
それを見て 兄さんが言う。

「よし、じゃあさっさとズラかるか」
「ここを出たら キョーゴハ街に向かいましょう!
アソコのメシはもう最っ高でねぇ!」
「ジイ 行ったことあんの?」
「3回くらいは… 行ってますかね」
「ぼくたちは行ったことないぞ!?」
「コレから行きましょうっての!」

そう言って、ジイは飛び降りながら
紫のハデハデな車を出した。そして着地すると
同時に運転席に乗って、私たちも乗り込んだ。

「さぁ、行くぜぇッ!!」

ジイはそう威勢よく言いながら 車を発進させた。
猛スピードで突っ走り、比較的 拓けた場所に
来たと同時に、微かに爆発音が響いた。
街ひとつ壊したところで、惑星の破壊に
比べりゃ、なんてことはないってこと。
むしろ悪役としては勲章みたいなモンだし。



「う~ん、とにかく各々の色を出して
頑張ってるって感じだな~…」

ジャークネスのとある本屋にて、俺…
コズモル・ロワイヤルは、ありとあらゆる
漫画雑誌を読み耽っていた。
普通この手の場合、立ち読みが
基本だろう。だが俺はそんじょそこらの
立ち読み系男子じゃない。

「見てくださいよオヤビン、ロワ様のアレ…」
「いやぁ、流石 ロワ様!人目も気にしないで 
俺たちにできないあんなことを 平然と
やってのけるッ!そこにシビれる憧れるゥッ!!
…一周回って」

いつぞやのバルムとスカーグが言う通り…
俺の本屋での読み方はこうだ。
堂々と床に座りながら読む。これぞ、
新時代の座り読み系男子だ。
読みたい本は、読みたい順に
周りに積み上げている。

「しっかし、今の漫画は軒並み
人気作品が完結していってるが…
ぶっちゃけ俺様的には、今の作品は
正直 完結したヤツほど人気には…」
「ロワピ~もう済んだ~?こっち
ちょい限界になって来たんだけど」

遠くから店主や店員を右腕から
発する光の鞭で拘束しながら、
左手でエッセイを読んでいる
我妻マイ・ハニー、エレーネアの声がする。

「あぁ、もうちょい踏ん張ってエレピ~
もう少し 買うモン吟味したいからさぁ~」

そう言って俺は再び漫画の
方へ目を向けた。

「しっかし、永遠の疑問だよなぁ。
なぁんで今流行りの異世界って 中世や西洋的な
世界ばっかなんだろうなぁ…。俺等から
したら、石器時代だぜ。文明レベルがよぉ…
あぁ 今いいとこなの邪魔しないで」

誰かに肩を叩かれたが、俺は適当に
あしらい、漫画の方へ目を向けた。

「そもそもさぁ、今の時代はAIに
メタバースにお手伝いロボット!
最先端の技術が織りなす
ハーモニーの宝石箱だっちゅ~に…
あぁ 待って待って もうあと少しだから」

また誰かに肩を叩かれたが、俺はまた
適当にあしらい、漫画の方へ目を向けた。

「そりゃあまぁ分かるよ?今の時代、
未来に希望が持てないのはさぁ!
でもいくら未来が絶望的だから
たって、過去に現実逃避すんのは
違うと思うのよ… 魔法や貴族が
どうこうしようが、結局 夢は夢なんだから
さぁ。それかもっと物語にある程度の
現実味リアリティを帯びさせてさ… って、
あぁもうさっきからしつけぇぞ!!」

三度 誰かに肩を叩かれ、俺は
怒鳴りながら振り向いた。そして、
目の前の相手を見て俺は驚愕。

「なぁっ!?ア、アオイヤル!!」

そこには、恐ろしい形相で俺を見つめる
ブルース・アオイヤルの姿がそこにいたのだ。

「アァ、アオイヤル!おぉ、お前も来たの?
なになに、お前もマンガに興味あんの?
お前 一番本読んでっけど、小説か
ビジネス書か図鑑読んでっからなぁ~…
あっ、俺のオススメの漫画はね…」
「この愚か者めが!!!!
ぼくは客として来たんじゃない!!」

青いハリセンで俺の頭をひっぱたいた
後、俺の胸倉をつかむアオイヤル。

「迷惑にも 本屋で座って読んでる
アホがいるって話を聞いて来てみれば、
やっぱりお前かロワイヤル~~~!!」
「ヒ、ヒィ!?いやでもちゃんとそのお詫びとして
一冊くらいは買おうと思って今吟味を…」
「そーゆー問題じゃねぇだろうが!!」

アオイヤルは俺の胸ぐらから手を離すと、
右手を横に突き出し、何かを引き寄せる。
見るとそれは、いつのまにか青い鎖で拘束
されていた我妻マイ・ハニー、エレーネアの姿だった。

「あっ!エレーネア!?」
「ちょっと涼みたかっただけなのよ~!」
「そうそう、そうなの!」
「うるさい!!とにかく帰るよ!!」

アオイヤルは左腕で持っていたバシャバシャフトを
振るい、俺も青い鎖で拘束して エレーネア共々
ひっぱって行った。ついでに指パッチンフィンガースナップで、
積み上げていた本を 全部元の場所に
戻すというオマケの術つきで。

「いや~、お騒がせして本当にすみません…
ちゃんとキツく言っときますんで」

そう店主や店員に頭を下げ、俺たちをひっぱり
あげながら、アオイヤルは本屋を出ていった。

「ダ~っ!!暑いモンは暑い~!!」
「もっと涼ませてよ~!!」
「黙れこの大バカ夫婦めが!!ダークパレスでも
この季節はクーラーガンガンなクセに!」

そんないつも通りな会話の応酬をしながら、
アオイヤルが俺たちをひっぱり、俺たちの
住処、ダークパレスへ戻ろうした矢先、
曲がり角でとある人とぶつかった。その拍子に、
その人が持っていたらしき紙が周囲に散らばった。
アオイヤルはそんなの持ってなかったし。

「あぁっ!ごめん!大丈夫かい?」
「あっ… はい、すみませんこちらこそ…」
「ホラ~ 俺ら拘束してるからこんな~」
「いや関係ねぇだろ!」
「とりあえずこれ解いてくんない?
この散らばった紙、拾いたいから… ん?」

エレーネアが何かに気付いた様子で、紙を
まじまじと見ている。俺もまじまじと
見てみると、その紙に描かれていたのは
漫画だった。しかも… 画力はなかなかのモノ。
それを拾い上げるアオイヤルも、その漫画に
小さく歓声を上げながら 目を奪われている。

「…これ、もしかしてキミが描いたのかい?」
「あっ、はい…」

改めて俺たちはぶつかった人を見てみると、
比較的小柄… それもだいたい中学女子くらいに
小柄でしかも童顔な、ヒューマノイドタイプの
女性だった。黒い水玉に 青い一つの
ドットリボンが目を引く。

「女性と角でぶつかって… そしてこの漫画…
もしかして… これは、少女漫画かしら~~~!?」
「いや違うから!!これは偶然だから!」
「そうだよ、この作品は漫画にするとしても
ギャグマンガだろーがよ。いや… ギャグマンガに
すらならないか、こんなクソ…。あとアオイヤル
そろそろこれ解いてくれない?」



ガカ座系にある惑星 バキーヅ。絵画やイラストと
いった、絵に関する芸術において ここ数年で
影響力を高めつつある惑星ほしだ。ここ出身のヤツは、
絵を描くことが本能的な喜びのひとつにあるので、
画家やイラストレーター、漫画家といった、
それにちなんだ職に就いている者が多い。
んで、その職に就いている者達がここ数年で
メキメキと頭角を表し出したので、バキーヅは
一躍 絵の業界トップの惑星に躍り出つつあるのだ。
その事実は伊達ではなく、今 私がいる街、
ロマンローはまるで、その全てが絵で描かれた
ような美しい光景を放っていた。今流行りの
異世界ではなく、『世界』。そう言っても過言でない
くらいのモノだった。無論、多少なりとも
街には中世っぽさこそあれど、ちゃんと
高層ビルも建っているし、空飛ぶ車とかもある。
今なお流行りの異世界と違って、ちゃんと
技術発展の時代に遅れてはいないようで少し安心。

「ホンに美しい風景だね~ ト~ラちゃ~ん♬」
「…あぁ、なんだか絵が描きたくなっちゃうねぇ」

さてさて、読者の皆様   Tanto tiempoお久しぶり
こうして物語に本格的に出てくるのは
14話以来かな?人呼んで、星の旅人…
マルチー・トラキーネですっと!

「ねぇねぇトラちゃん」
「なっ、なんだいドルちゃん今あたし 
久々に 本格的に語り部るから自己紹介をば…」
「急にスペイン語喋っても 別にカッコよくないよ~
キザぶるのやめて~ あと久しぶりっつても、
これの前々回に出てるよ~」
「いや雰囲気壊すのやめてよドルちゃん…
つかいつからそんな毒舌になったんや」

まぁそんな与太漫才はさておき。私は今、
このバキーヅの中でも、一流の部類に入る
芸術家が、私が惑星 アートで 手に入れた
お宝パレットを100億で買いたいと
言い出したのを端に発する、商談の帰り道だった。
結果、いつも通りに見事に商談は成功。
私の手元には100億が手に入ってホクホク。
しっかし、金持ちで芸術家ってのはおっそろしい
ですよねぇ。一流の存在は使うものも一流とは
よく言ったモンですが、あそこまで金を出すとは…
私はトルちゃんが懐に入れている3本目くらいの
ミネラルウォーターを手にし 飲もうとした瞬間、
ソンブレロについている触覚が異様な感覚を
示した。私は一口飲むと、妖しくこう呟いた。

「感じる、強い嘆きを…。スコルトンに
なるに相応しい、極上の負を…!」



ぶつかった彼女の名は『ノザキ・ウメヨ』。
彼女の漫画に興味を持った俺たちは、
彼女の自宅兼仕事場に行くことになった。

「私、父が売れっ子の少女漫画家で、
母もそのアシスタントをしていて…、
なんでもその始まりは、父は高校生の時に
漫画を描こうとして、その同級生で 父に
恋していた母が、父に告白しようとした
ところ、勘違いで そんで半ば成り行きで
父の漫画活動のアシスタントを
することになったわけなんですよ」
「なるほど… んで、そんな活動を続けていく
うちに、お互いの距離が深まって 御両親は
結婚した… というワケかな?んで、
ウメヨちゃん自身も、そんな御両親の
背中を追いかけて、漫画家に… かな?」
「流石は策将・アオイヤル様!すごい
洞察力!はい、そうなんです!父の漫画を
読んで育った私なので、私も父みたいな
漫画家になりたいって思ってるんです!」
「すっご~い!それだけで十分 
漫画のネタになるんじゃない?」
「でもよぉ、見た感じ お前悪い
ことをしている悪人とは思えねぇが…」
「あぁ、私の今の所持金で借りられる
物件が、このジャークネスくらいしかなくて…」
「なんと世知辛い…」

俺が愕然とすると、ウメヨちゃんは
明るくこう言った。

「いやでも、住んでみたらホントに
いいところで!ホントに悪の巣窟!?
…って、何回か思いましたよ。これも、
このジャークネスを治めるロワイヤル様の
手腕あってこそですねっ!」
「いやはや~、それほどでも~
ジャークネスを統べる皇帝として~♬
その言葉は~♪ 大変名誉です~♫」

ジャークネスを統べる皇帝の立場から
すれば、そう言われることは大変うれしい。
俺は嬉しさのあまり、うだるような暑さも忘れ、
天使のような恰好でダンスを踊り、
溢れんばかりの喜びを表現した。

「あっ!あそこです!私の家!」
「あぁ~ やっと着いたの~?
涼ませてもらお~っと」
「あっ、よければお茶も出しますよ!」
「本当かい?いやぁ、悪いねぇ」

みんなにはガン無視されたけど!!!
ダンスしてた時は忘れていた 
うだるような暑さが 俺の身体に一気に
来て、その肉体を砂へと変えた。
某オルフェ●クの如く。よし、傷ついたから
アオイヤル、次はお前が語り部やれ。

「なんでや!!!!」
「やらねぇとてめぇがこないだ 気分転換に
御子柴の舞を踊っていたのバラすぞ」



というわけでぼくたちはウメヨちゃんの
家に足を踏み入れた。豪奢というわけでも、
貧相というわけでもない 至って普通の部屋。
でも、取り揃えている漫画の道具は本格的な
モノで、見た瞬間 思わずぼくは感心した。
すると、後ろにいたロワイヤルと
エレーネアちゃんのふたりは、部屋を
見回した後、突然 揃って叫び出した。

「ひらめキーング!!」
「ひらめクイーン!!」

「うわぁっ!?な、何!?何閃いたの!?」
「ひゃあっ!?ひ、ひらめ!?あのふたり、
ひらめの王と女王だったんですか?」
「違う違う 閃いたってことなの」

するとふたりは、ウメヨちゃんに近づくと、

「ウメヨちゃん!…どうか俺たちを、キミの
アシスタントにしてくれないかな?」
「…はいっ!?」
「…ファッ!?」

何言ってんだと思うだろうけど、ぼくは
この時点で このふたりの魂胆はもう読めた。

「私たち…、あなたの漫画を見て、思ったの。
こーゆーキラキラしたモノを描ける人が、
異世界やら 追放やらで停滞しつつある
現代の創作業界を、変えることが
できるんじゃないかって!」
「え…?そんなに… ですか?そんなに、
私の漫画、キラキラしてますか?」
「キラキラしてるともさ!最凶である俺たちが
キミのアシスタントとすれば、キミも
最凶の漫画家になって、いずれは宇宙一の…」
「おいちょっと待て」

ぼくはふたりを制止し、問い詰め始めた。
ウメヨちゃんが聞こえているとも忘れて。

「そんなこと言って、お前らのホントの
目的はもうわかるよ?彼女を有名にして、
それでいろいろと儲けようって魂胆だろ!?」

ふたりは一瞬 ビクッとしつつも すぐに平静に
なり、ロワイヤルは何やら逃げるように
駆け出し、エレーネアちゃんの方は語り出した。

「な~にを言っているのだいアオイヤルくん!
民の夢を応援するのも、皇帝皇妃として
ジャークネスを統べる私たちの務めじゃない♡
あたし達はそのために…」
「嘘コケ!!これまでもそうやって
金儲けしようとして、変なことに手を出しては 
結局 悉くダメになってたじゃないか!!」
「こ、今回は大丈夫… じゃなくて!
そんなぁ!ひどい!金儲けなんてあたし達
そんなこと微塵も考えてないもんね~っ!」

そう言いながら彼女の瞳には[$]マークが
映っている。金儲けのことしか考えてない証だ。
ロワイヤルは後ろで、部屋に置いてあった
何枚かの紙にすごい勢いで何かを書いている。
彼もまた、瞳に[¥]のマークが映っている。
こんな風に似たもの同士だからこそ、
このふたりは産まれた時から 今に至るまで長く
付き合えてるのかもしれないと、ぼくは思った。
ぼくが呆れる中、ウメヨちゃんが

「いいんじゃないですか?このふたり、
ジャークネスでも色々な番組をプロデュースして
きた、敏腕プロデューサー夫婦って言って
ましたし。話くらいは聞いてあげましょうよ」
「ウメヨちゃん、いいのかい…?」
「でも漫画のアイデアはそういうのとは
ちょっとワケ違うからなぁ…」

すると書き終えたらしいロワイヤルが
エレーネアちゃんの後ろからやってきて…

「アイデアなら心配いらないぜ!
今しがた 光の速度で考えたからな!!」
「ロワピーのアイデアは最光よ!
是非是非 見てちょうだいっ!」

ウメヨちゃんは何も疑わずにそのアイデアと
やらが 書かれた紙を見やる。ぼくは
顔を顰めながら こう呟くしかなかった。

「イヤな予感しかしねぇんだけど…」

ウメヨちゃんが読み上げたアイデアは
以下の通りだった。

『海賊が歴代キャラクターの力を
受け継いで、宇宙帝国と戦う』

『学園に蔓延るモンスター達に
宇宙の力を内包したスイッチで戦う』

『小さいロボット同士が戦う』

『虹色の列車に乗って、少年少女5人が旅をする』

『警察が車に乗って、機械生命体を逮捕する』

『妖怪達と友達になる』

キラキラした目で期待したであろうウメヨちゃんも
読み上げるにつれ、どんどんドン引きしていった。
まぁ、当然ちゃ当然だろうけど…

「どうだ!!俺様の素晴らしいアイデアは!俺様
達と組めば、キミも一流漫画家の仲間入りだ!!」

「「ハーッハッハッハッハッハッハッ!!」」

高笑いするふたりに耐えきれなくなったぼくは
ウメヨちゃんからアイデアが書かれてある紙を
取り上げ、腕から放つ青い炎で燃やしていった。

「ありゃ…」
「「ハッハッ、ハァァァンッ!?」」
「ちょっと何すんのアオイヤル!?」
「せっかくの俺様のアイデアを!!」
「何が素晴らしいアイデアだ!!!
おもっくそ全部パクリじゃねぇか!!!!」
「リスペクトと言いなさいよリスペクトと!!」
「わかったでしょウメヨちゃん。
コイツらはキミを、自分たちの金蔓と
しか考えていないんだよ。だからキミには
もっとちゃんとしたアシスタントを…」
「今度は大丈夫!!次はあたしがアイデアを
出すから!ロワイヤルのより数倍、
最光なの出してみせマッスルだから!!」

捲し立てるようにいうエレーネアちゃんに
ただただ呆れるしかないぼく。ウメヨちゃんは
同じく呆れつつも、こんな時でも寛容だった。

「…まぁ、話くらいは聞いたげましょう」



ジャークネスのとあるパーキングの上にて。
あたし… イエーネアは、グリーネアに向かって 
左腕から雷撃を放射した。グリーネアは右の方に
疾走しながら 鮮やかな動きでかわし続ける。
あたしも並走しながら、雷撃を放射し続ける。
グリーネアは得物のローズティッカーを出すと、
細身の剣部分に、その雷撃を まるでわたあめを
作るかのように絡め取って、纏わせる。そして
プラズマボールの形状にして、あたしに向かって
発射!あたしは即座に手刀をしようとしたけど、
身体が動かない。見ると、両腕にオーラ状の茨が
あたしの両腕を拘束していたではないか。
両脚の方も、既に同じことに。

「…い、いつの間にこんな!」
「大人しくこの攻撃、受けてくださいっ!」

プラズマボールはもうすぐそばまでに
迫っている…!この攻撃、ライフで受けろと
言われて、受けるあたしじゃないって!!

「このあたしを… なめるなよっ!!」

そう啖呵を切って、全身にありったけの力を
込めた瞬間、凄まじい放電と共に あたしは
四肢を拘束していた茨を思いっきり粉砕した。
粉砕された茨は一瞬にして消滅。そして
すかさず電撃を纏わせた 両腕の手刀を構えた。

「電撃雷剣!!」

斜め下からX字に切り裂くと、プラズマボールは
空高く打ち上がり、大爆発していった。

「まさか!?」

驚愕するグリーネア。そしてそのグリーネアに
あたしはキックを打ち込む… 寸前で止めた。

「ハァァァ~~~… 相変わらずすごいですねぇ、
文字通り、ド根性であの拘束を…」

グリーネアは力が抜けたかのように、
地面にへたり込んだ。あたしはそんな
グリーネアに手を差し伸べ、グリーネアも
それを受け取った。…そう、この戦いは
ただの手合わせ。こーゆーの、やっぱお互いに
とっていい刺激になるしねっ!

「まぁね、それがあたしの
一番の武器ってヤツだし」
「エレーネアさん言ってましたよ。17話は
もうそれがめちゃくちゃ輝いてて最光だったって」
「あぁ、三兄弟が来た頃のね。あ、詳しい話は
第17話、『地獄のパズルと根性勝負』を見てね!」
「宣伝乙… ですっ!」
「まぁアレはさ、長姉としてのプライドも
あったワケよ。ほらやっぱ、1番の上の
お姉ちゃんとして、カッコ悪いとこは
なるべく見せらんないしさ」
「…やっぱりそーゆーものなのですかね」

グリーネアが意味深に呟く。あたしは
その表情が少しばかり気になった。

「そーゆーモンかもよ、お姉ちゃんは。
アンタんとこの姉ちゃんも、そうなんじゃない?」
「いえ、私の姉はそーゆーことは…」

会ったことはないけど、グリーネアには
お姉さんがいる。名前は『』。
まぁとどのつまり、グリーネアはあたしや
エレーネアとは逆の立場。妹なのだ。

「…とりあえず、私 飲み物買ってきますね!
暑い中 こんなに動いて 水分補給もしなかったら
熱中症になっちゃいますし!!」
「う、うんそうだね!お願いしまうまっ!」

誤魔化すように言ったグリーネア。あたしも
それ以上の追求は無駄かと踏み、やめた。
…でも、やっぱ追求しとけばよかったかなって、
下の自販機の方へ向かったグリーネアの
背中を見て、ちょいとだけ後悔した。

「イエーネアさんがあそこまで…!
やっぱり、私もまだまだ…!もっと
強くならないと…!!お姉様…!」

そうグリーネアが焦燥気味に言ったことは、
ジャークネスの上に輝く星空だけが知っている…
そして、そのグリーネアの様子を黒ずくめの男が
コッソリ撮っていたこともまた、
ジャークネスの上に輝く星の海のみぞ知る…。



「そもそもロワイヤル、あんた ウメヨちゃんの
作風見ないで あんなアイデア出したでしょ」
「作風?」
「パッと見でわかるでしょ?目がこんなに
キラキラしていて キャラが揃いも揃って美形。
…どう考えても これは少女漫画じゃない」
「少女漫画といえばお前の方が適任だな
エレーネア。…でもお前、お前が
プロデュースした作品、少女漫画じゃなくても
何かしらの形で恋愛要素を入れて…」
「宇宙キターーーー郎ッ!!」

そういってあたしはロワイヤルに
アッパーを繰り出した。すると、
ウメヨちゃんが搾り出すように言った。

「あの~… エレーネア様」
「どうしたの?ウメヨちゃん」
「…私、少女漫画は作風じゃないんです!!」
「「「なっ、なんだってェーーーーー!?」」」

漫画みたいなエフェクトで驚く私たち。
ロワイヤルが慌てて ウメヨちゃんに聞く。

「でも、お父さんは少女漫画家だって 
言ってたし、んで娘のキミも…」
「確かに。この原稿に描かれているのは
少女漫画です。…でも、描いてみたら
なんだか妙にしっくり来なくて… なんというか、
型にハマってるようなモノを、私は
描きたくないんじゃないかって思ってて…」
「型にハマってる…?それはどういう…?」

アオイヤルが質問した後に、答えたのは
ウメヨちゃんではなく あたしだった。

「なんか分かる!!」
「え!?エレーネアちゃん!?
つかなんかって何!?」
「なんか分かるわウメヨちゃん!!
確かに、少女漫画は型にハマってる
ってのがほとんどよね」
「え…?そうなの…?」
「そうよアオイヤル!!型にハマってるって
言うのはね…  あたし達じゃ足りないか」

ちょっとわかってないアオイヤルや読者の
皆様に対して、実際に実演してみたいけど
私たちふたりじゃ役者が足りないわね…。
私はロワイヤルに向かってこう頼んだ。

「ねぇロワピー、ちょっと実演したいんで
役者 増やしたいからアイツら呼んで」
「…おん、いいぜ ちょうど任務も
終わった頃だろうしな。生類憐みの~!」
「「令!!」」
「「?????」」

「え?え?待って理解が追いつかない
なんかロワイヤルのヤツが 生類憐みの
とか言ったら、犬耳と犬グローブを
つけたミギヒダちゃん達が出てきたんだけど!?
うんまぁ確かに、『生類憐みの令』って
言うのは徳川 綱吉が発布した、
生物 (特に犬)を大切にするっていう
法令だけどさ!!なんでそれ言ったら
ミギヒダちゃんが召喚されたわけ!?」

アオイヤルがわざわざ律儀に言った
説明台詞の通り、ミギヒダを召喚した。以上!
ウメヨちゃんは案の定 驚愕してる。
「いやもっと詳細なことを教えてくれよ!!
どうやってこの2人を出したんだよ!?」

「えぇ~~~っ!?なんか金色と銀色の
メイドが出てきたんですけど~!?
えっ!?今の、どうやったんですか!?」
「いやそれはぼくが聞きたいんだけど…」

驚く2人を尻目に、ミギヒダ2名は
犬耳と犬グローブを外しながら言う。

「私達を呼び出すとは、何かあったんですか?」
「私達が来たからには安心してください!」
「実はな、かくかくしかじか
ダ●ハツムーブなのよ」

事情を説明するロワイヤル。
ホントこの手の創作って便利よね~。
つーかこのネタ、覚えてる人いる?

「「だいたいわかった」」

キメ顔で言うミギヒダ。
うん!わかったんならいい!
「ホントにわかったの~…?」
「んで改めてアオイヤルくん!!少女漫画で
型にハマってるって言うのはね…」

少女漫画といやぁ恋愛は避けては通れぬ道。
主役の女子は転校生のハイスペイケメンで、
付き合い出したらスパダリに1000%
なってくれそうな 万能系男子を好きになる!!
コレ、型にハマってる例その1!!!

主役は読者様の共感を得られるように
ちょっぴりドジな女子にしておく!
コレは型にハマってる例その2!!!

そして、自分よりも完璧な美女の
ライバルが現れて 苦悩する主役!
コレが型にハマってる例その3!!!

くっつきそうでくっつかない。あー畜生!!
好きなら好きってハッキリ言わんかい!!!
言わないで他のやつに男獲られたら後悔する
だけやぞおい!!!イマドキ女子がこんな
ナヨナヨしまくってて ええんかボケナス!!!
…と、いった具合に 読者様の情緒を
翻弄するだけ翻弄しまくって、

「あなたが、好きです…」

クライマックスでそう告白!!…すると、
男子側も、最初から主役を好きだった。
そして付き合ってハッピーエンド~♡
コレこそ、型にハマってる例その4!!!

とゆーかコレ、現実では都合よすぎて
ぜ~~~ったいにありえないことなのっ!!
しかしこんなふざけたご都合エンドが
ほとんどの最近の創作… ゲフンゲフン、
ほとんどの少女漫画の定番と言ってもいい!
でもだからこそ、少女漫画が世で評価される
一因となったワケ。どんな展開だろうと、
読者様は やはり主役と男子が付き合うことを
望んでいる。この付き合い出す時にのみ、
発生する尊さを欲してやまない。だから最終的に
尊ければよかろうなのだ… というコトで、
少女漫画が世で評価される一因となったワケ。

注意:全部 あたしの個人的な主観かつ、クソ感想
でしかないから 本気にしちゃダメダメよんっ♡



実演の服装を脱いで、元の姿に戻った私たち。
ちなみにさっきの説明でやっていた実演。
主役の女子役はあたし。相手の男子役は
当然のことながらロワイヤル。つーか
ロワイヤル以外だったらあたしはやりません。
相手の美女役はサヒダロン。そして
ウミギロンは木とか背景とかそーゆーの!

「いや私だけ役 適当すぎません!?」
「ねぇ?わかったでしょ?こーゆーのは、
よくいえば王道だけど、悪くいえばベタ。
もしくは型にハマってる。…それを避けるべく
世の少女漫画家達は、あの手この手で
独自の要素をねじ込んで、斬新な作品を
創ろうと躍起になってるってワケ」
「…わかってますよそれは。でも私は!!」

次の瞬間、ウメヨちゃんは自棄になったかの
ように、少女漫画の原稿を破り始める。
慌てて私たちは止めに入ったけど、
ウメヨちゃんは私達を突き飛ばして相手にせず、
原稿だった紙切れは、そこら中に宙を舞った。

「…わからないんですよ。どうすればいいのか…!
斬新ってなんなんですか…!?
独自ってなんなんですか…!?
『面白さ』ってなんなんですか…!?」

俯くウメヨちゃんに、私たちは何も
言えなかった。この作品らしからぬ
シリアスな雰囲気… さぁ、どうなるのかしら。



私… トラキーネが被っているソンブレロに
ついている触覚が感じた、負の感情。
怒りやら 哀しみやら 怨みやら 嘆きやら 
悩みやら ストレスやら ショックやら 
そして、憎しみやらといった感情。
もちろんどの惑星ほしでも負の感情はそこらにあるけど、
私の触覚がそう感じたということはそれが
一際 強いということ。そしてそういった奴を
私は怪物、『スコルトン』に変えている。
昆虫を手本に、その人物を連想させる無機物、
動物、果てには概念を模した姿の怪物。
この姿になることで、その人物はその負の感情が
増幅し、その負の感情のままにアバレ続ける。
やがて私が負の感情の発生源に近づくと、下には
とあるイケメンが、ベンチで項垂れていた。

「はぁ… なんでボクがクビになるんだろう…。
ボクの何が悪いんだ!担当した漫画に
やたら無駄にタヌキが多い?いいじゃないか
ボクはタヌキが好きなんだから!!
編集部のブログだってボクのことばかり
書いてる?ボクしか書くことないんだから
しょうがないじゃないか!!はぁ~~~…
どうしてホントにボクがクビになるんだろう…」
「そりゃクビになるでしょあのバカ」
「…フッ、ハッキリ言うねドルちゃん」

負の感情の発生源はあの男か。
私は懐から石のようなデバイス、
『スコルストーン』を取り出した。

直接 私が相手に接触してスコルストーンを渡すか、
あるいは私が スコルストーンを相手の元に
落とすか。基本的にこの2つでスコルストーンを
生み出してるけど、私は後者を選択。
イケメン編集者の足元にスコルストーンを投げた。

「ん?なんだろう、コレ?」

イケメン編集者が スコルストーンの右にある
ボタンを押した瞬間、イケメン編集者は
狼狽えながら悲鳴をあげ、タヌキと漫画、
そしてバッタを混ぜたようなスコルトンに
変貌。そのまま、宙へ飛び去っていった。

「どこ行くんだろうね~ あのスコルトン」

ドルちゃんが遠い目でそう呟く。
…え?どうして負を抱えてる人をスコルトンに
変えているんですって?そりゃあ、商人業に
並ぶ、私の悪役としての仕事ですからねぇ…

生命体が心に抱えている、負の感情という名の
スキマを、スコルトンにして解放させる。
コレはすなわち、心のスキマを解放する
彼等への救済に他なりません。…まぁ、もう一つ
その心のスキマを解放して、スコルトンとして
アバレさせるということは、この大宇宙を
変革するモノに力を与え、私がを超える
という打算も、少なからずありますがねぇ…
ホーッホッホッホッホッ…



「面白さってなんでしょうか…」

未だに項垂れるウメヨちゃん。ぼくが
必死に励ましの言葉を考えていると、
ロワイヤルの声でこう言った。

「面白さかぁ…。なんなんだろうなぁ。
なんでそんな答えを求めるんだ?」
「え?…そりゃあ漫画を面白くして、読者様から
認められて、父のように漫画家のプロに…」
「なんでそんな答えが必要なのか、
その答えはなんなんだろうなぁ…」
「…何が言いたいんですか?
ワケが分かりません…!」

うん、確かにワケがわからない。ボクが
ロワイヤルの何のフォローにも励ましに
なってない言葉に 耐えかねてツッコもうと
した時、外の辺りから轟音が響く。

「なっ、何だ!?」
「ロワイヤル様、民からミュズン文化センターで
謎の怪物が現れたとの通報が!」
「ミュズン文化センターといえば、
ここの近くよ!」
「よし、すぐに行くぞ!」

ロワイヤル達はすぐに部屋を出た。ぼくは
慌てて ウメヨちゃんにフォローだけして
ロワイヤル達の後を追った。

「急にごめん!アイツにはキツく言っとくから!
とにかく、事が終わったらすぐ戻るからね!」

ミュズン文化センターでは、サヒダロンちゃんが
言っていた謎の怪物が理性的ですらなく、
ただ見境もないといった感じでアバレていた。

「うわぁぁ…!!ボクの何が悪いんだ!!
タヌキが好きで何が悪いんだ!!」

タヌキと漫画が合わさったような姿をしている。
それと、何だか下半身が見覚えあるような…
謎の怪物を見て、ロワイヤルと
エレーネアちゃんはハッとする。

「あの怪物は… デリィーハが変貌したヤツと
同じじゃねぇか!…ってことは、まさか…!」
「アイツはスコルトン…!!トラキーネ…!!」

エレーネアちゃんの妹、トラキーネちゃんが
生み出した怪物、スコルトン。
まさか、ジャークネスにまた来るなんて…!

「まさか、あの人がジャークネスに?」
「いや、トラキーネちゃんはジャークネスに
それなりの愛着を持っているハズ…。こんな
わざとジャークネスにスコルトンを放って、
民達を襲わせるようなマネはしないハズだ」

そう、前のデリィーハだってスコルトンに
変えたのはトラキーネちゃんだろうけど、
アレは裏に事情があったのと、何よりその
スコルトンを使って、民は襲ったりはしなかった。
ぼくがそう述べると、ロワイヤルは武器の
エンペライトセーバーを構えて、啖呵を切った。

「とにかくヤツを倒す!行くぞ!!」

その言葉を合図に、ぼくたちは各々の武器を
携え、あのスコルトン… そうだね、
便宜上として 今ぼくが名付けた、
『コミックーンスコルトン』に向かっていった。
それを、ついてきていたウメヨちゃんが
見ていたことは、今は誰も知らない。

「合コンは仕事よりも大事だろ!!
先生の引き継ぎの日に、急に合コンに
呼ばれちゃったんだから仕方ないだろ!!」

コミックーンスコルトンはそう言いながら、
ペンのインクみたいな液体を僕たちに
向かって発射する。それを全員、ジャンプしたり
スライディングしたりで かわしたけど、
液体が被弾したところが、溶けていたので
どうやらアレは溶解液の類らしい…

「なめんじゃねぇぞテメェ!!
社会人たる者 仕事が第一だろーが!!」

ロワイヤルはそうオリンピアス君みたいなことを
言いながら、エンペライトセーバーで
コミックーンスコルトンを斬りまくる。
しかし、コミックーンスコルトンは
タヌキの尻尾を模した鈍器のような形の
右腕で斬撃を止め、ロワイヤルを殴った。
しかし、それでロワイヤルは倒れたように
見せかけ、左足でコミックーンスコルトンを
キック!怯んだところをロワイヤルの肩を
使ってジャンプした、エレーネアちゃんの
エレネアローサーベルの斬撃と、
バシャバシャフトで叩くぼくの攻撃!
またまた、ロワイヤルの肩を使って
ジャンプした、ミギヒダちゃんたちの攻撃!

「よし、トドメ行くぜぇ!みんな!!」

ロワイヤルの号令で、ぼくたちは輪になり
腕を交差させる。そして、ロワイヤルが
それを踏み台にして、高くジャンプ!

「喰らえ!!ロイヤル・ダイナミック!!」

ロワイヤルの必殺技にして、何人もの
相手を屠ってきた ロイヤル・ダイナミックが
コミックーンスコルトンの頭から直撃!
コミックーンスコルトンは大きく
吹っ飛ばされ、このまま爆発… と思われた。
しかし、吹っ飛ばされた先にはダンボールが
あって、そこに入っていたのものを
どさくさの形で コミックーンスコルトンは
食べてしまったようだ。その瞬間、コイツは
顔を赤くした後、口から煙をあげた後、
みるみるうちにその肉体を肥大にさせていった。

「ボクのどこがウザいんだぁ~~~!!」
「巨大化しましたよ!?まだ自意識が
あるうちに巨大化なんて… デリィーハの
時と同じじゃない!っつーことはまさか…」

僕たちがダンボールの方を見ると、そこには
がたくさん入っていた!
本当に何故か知らないけど、ぼくたちのような
存在が食べたら、巨大化してしまう食物だ。
しかし、ぼくはダンボールの裏を見て
に気づき…
 
「やっぱりデリィーハの時とまんまそこまで
同じじゃねぇか!天丼だよ天丼!」
「とにかく、ヤツを倒さないと…」
「ん?ロワイヤル様、アレを…!!」

ウミギロンちゃんの言葉で振り向くと、
そこにいたのは、ウメヨちゃんだった。

「どうしてここにいるのよ!?
危ないから逃げて!」
「やっとわかりましたよ… 答えが…!」
「え!お前なりに答えを見つけたのか!?」

ロワイヤルが尋ねると、ウメヨちゃんは
紫のような色のオーラを身に纏ったと
思うと、肉体を徐々に変化させていき…

「違いますよ…!私があなたと、あなた達と
戦えば、自ずと… 分かるはず…!!」

なんということでしょう!!本当に何故か、
彼女は漫画のコマを模した全身に、
中央に、ムキムキのブロンズ像を携えた
怪物に変貌し、その肉体を肥大化させていった。

「ええぇぇぇーーーッ!?ウッソ~っ!?」
「譛亥?蟆大・ウ驥主エ弱¥繧」
「やべぇ 驚きのあまり未知の言語で話し始めた」

エレーネアちゃんが驚きの叫びをあげ、
ロワイヤルは未知の言語で話し始める。
こんな言語 ぼくたちは知らない。
少なくともベレノイア星人の公用語たる
ベレノイア語ではない。ちなみにベレノイア語
とは、今こうして僕たちが喋っている言語です。

「2体… よし!あたし、ウメヨちゃんをなんとか
するから、ロワイヤルはスコルトンをお願い!」
「いいのか?」
「いいってことよ!」
「…わかった。アオイヤル、行くぞ!」
「…え、あぁ!うん…」

まぁ、なるには時間がかかるだろうから、
一応 足止めだけはしておこう。

暗黒召喚サモライズ!ロワドルーン!」
暗黒召喚サモライズ!エレドリーン!」
暗黒召喚サモライズ!アオザブダイバー!」

ぼくたちはメガゾード召喚アプリを起動し、
各々のゾードを呼び出し、乗り込んだ。
コミックーンスコルトンと、ウメヨちゃんが
変貌した怪物… 便宜上、彼女は
『月刊魔人 ノザキラー』とでも 名付けようか。
…ネーミングセンスってないって?うっせ!!
ともかく、コミックーンスコルトンと
ノザキラーがゾードに攻撃をしようとした瞬間、
赤い炎と緑色の風のようなビーム、
そして、氷の光弾が2体に直撃した。

「!?…まさかっ!」

振り向くと、そこにはアカトライカー、
ミドルジェット、ブルバルカーの
3体がやって来ていた!

「ロワイヤルにアオイヤル~!助太刀するぜ!」
「兄貴と話してんだけどさ、久々にやろうぜ
ゼノン・デストロワイヤル!」
「そういえば、デリィーハ以来 まともに
戦ってなかったな… よし、やるか!」
「OK~!」
「ブルーネアも助太刀しに来てくれたの!?」
「ブルバルカーと、バスターブリザードの
戦闘データを収集したくてね…
まっ、結果論にそうなるけど」
「よし、合体行くわよ~!!」
「「「「超鎧装スーパーガイズ!!」」」」

4人合わせてそう言うと、ロワドルーンは
人型形態、デストロワイヤルに変形。
そして、分離したアカトライカー、
アオザブダイバー、ミドルジェットが
デストロワイヤルの肉体に鎧として装着され…

「「「「ゼノン・デストロワイヤル!
活動開始アクティビティオン!!」」」」

ゼノン・デストロワイヤルの完成ってわけさ!
そして、あちらの方はというと…

巨人変形メガゾードライズ!エレーネアーク!」

エレーネアちゃんのその言葉とコードとなり、
エレドリーンは人型形態、エレーネアークに変形。

「「武甲鎧装アーマードガイズ!ブルバルカー!!」」

そこにブルバルカーがエレーネアークの
鎧となって、装着され…

「「エレーネアーク・バスターブリザード、
活動開始アクティビティオン!!」」

そちらも完成!
エレーネアーク・バスターブリザード!
合体完了した2体のメガゾードは並び、
同じく並ぶ2体の相手と相対する。


「合体四帝してい…、
ゼノン・デストロワイヤル… 行くぜぇ!!」
「すっ、すごい…!ボクのおかげで
こんなすごいのが出たんですか~!?」
「何だコイツ!?マジウザっ!!」
「ボクのどこがウザいんだ~~~っ!!」

コミックーンスコルトンはそう言いながら、
またもインク型の溶解液を発射するも、
ゼノン・デストロワイヤルの前には意味を
成さない。爆炎の中を進みながら、
コミックーンスコルトンの元へ向かっていく。
右腕の尻尾型鈍器で殴り掛かってくるが、
左腕に持つ キングレイモアがそれを受け止めた。
すかさずアカイヤルの声が飛ぶ。

「喰らいな!炎のネコだまし!!」

肩についた炎を纏った爪型手甲が稼働し、
コミックーンスコルトンは跳ね飛ばされる。
次は…

「次は俺だ!ジャンプからの~~~!」

ミドイヤルの号令と共に、
ゼノン・デストロワイヤルは
背中の翼で空へと飛ぶ。そして…

「ゼノン・ミドルキック!!」

連続キックでさらにコミックーンスコルトンに
大ダメージを与えた。そして間髪入れずぼくが…

「ハァッ!」

左手の爪付き盾に付いてる砲塔から
高圧水流の発射!コミックーンスコルトンは
もう動けない。アカイヤルは声を張り上げる。
え…!?いや、そろそろじゃないの!?

「よっしゃあ!コレでとどめだ!」
「「「「アビリティギア全開!!」」」」

ゼノン・デストロワイヤルはキングレイモアに、
内部メカに組み込まれているアビリティギアの
エネルギーの他、全身に満ちる闇、火、水、風の
四大エネルギーを全て込めて、満月を描きながら
エネルギーを溜めて… 

「超帝魔剣!!」
「「「「ゼノンディック・ダイナミック!!!」」」」

右上から右下に風の斬撃!
左下から左上に水の斬撃!
そして左から右に炎の斬撃!
最後に上からの下の真一文字に闇の斬撃!
コミックーンスコルトンはその強烈な
連続の斬撃をモロに喰らい、悲鳴を上げながら
全身から火花を散らし、爆発… すると思ったら、
突然 顔を青くして、口から煙を吐き始める。
どうやらついにが来たようだ。

「はっ、腹が!!腹がァァァァァ~~~ッ!!!」

コミックーンスコルトンは全身が
溶けるかのように、みるみる小さくなっていき、
素体として使われたであろう 人間の姿に戻った。
コレをみて、ぼく以外の3名は驚愕。

「な、なんで小さくなりやがったんだ…!?」
「こんなこと、マジ初めてなんだけど…!?」
「おい、どういうことだアオイヤル…!?r
「やらなくてもよかったのに。あのダンボールに
小さく在庫処分って書かれてたんだ」
「え!?ってことはつまり…」
「アレはもう腐り始めていたってこと!」
「「え~!?マジかよ!!」」

驚くアカイヤルとミドイヤルを尻目に、
ぼくはエレーネアーク・バスターブリザードの
戦いぶりを見る。先週登場したばかりである
はずのバスターブリザードに結構 喰らいついている
ノザキラー。ウメヨちゃん、実はかなりの
実力者なのかな…?ノザキラーは身体のコマから
コマに書かれている美少女や美男のキャラクター
を実体化させ、バスターブリザードを襲わせる。
しかし、バスターブリザードは少しも慌てず、
両腕の銃砲から氷の弾丸を放ち、キャラを
凍らせ、腕を大きく振り上げて そのキャラを
氷ごと砕いた。動揺している様子のノザキラー。

「「アビリティギア全開!!」」

バスターブリザードは、内部メカ機能に
組み込まれているアビリティギアのエネルギーを
全身に充満させ、両腕の銃砲を構える。
すると、ノザキラーの足が凍り出し、
周りを冷風が包み、空からヒラヒラと雪が
降ってくる。あの2体だけとはいえ、
今の季節でコレは異常気象のソレである。

「面白さなんて人それぞれ…!
考えないで、感じたままにやればいいのっ!!」

おそらくウメヨちゃんに向けた
エレーネアちゃんのこの一言と共に、
両腕の銃砲から傍観するだけでも
背筋が凍るくらいの衝撃が放たれた。

「氷結冷銃!」
「「ブリザード・アイスエイジバースト!!」」

頭の兜や鎧から放たれる氷柱ツララと共に、その絶対零度は
ノザキラーに直撃し、足の下から徐々に
肉体全部が 氷に覆われていき… 完全に凍りつき、
怪物のような悲鳴をあげると同時に その肉体は
頭から崩れ、爆散していった。それを背に
ポーズを決めるバスターブリザード。

「イェ~~~イッ!!それじゃ勝利のポーズ!
最光・完璧・オ~~~ルラ~イトっ♡」

エレーネアちゃんのハツラツとした声が響いた。



「「はぁ~~~……」」

司令室のソファーに座り、落ち込んでいる
様子のロワイヤルとエレーネア。
そのそばには紙の束が置いてある。
声をかけようにもかけ辛く、俺は
お茶を呑みながら マジ優雅に 本を
読んでいる アオイヤルに聞いてみた。

「なぁ… あのふたり、なにかあったの?」
「あぁ… 5日前、戦ったヤツいたでしょ?」
「あぁ、ウメヨっていう漫画家志望の」
「あの子、ようやく目を覚まして あのふたりが
再びアシスタントを志願したんだけど、
あの子 とっくに迷いを捨てて、改めて
漫画家になろうって決めて、あのふたりの
志願を断ったのさ。挙句、あのスコルトンの
素体の人、漫画の編集者だったらしくて 
彼を新たにつけることに決めたそうだよ。
あの子と同じ、惑星 バキーヅの出身だって」
「あのマジウザかったアイツ?大丈夫なの?」
「あぁ、なんかスコルトンにされかけた故か…
ぼく達に殺されかけた故か… はたまた、
腐った芋羊羹食った故かは 知らないけど、
目を覚ましたら、人が変わったかのように
控えめで真面目で、まさしく有能というべき
編集者になったそうだよ。しかも、あのふたり
より、よっぽど使えるアイデアで!!」
「あ~~~… こりゃアイツら勝ち目ないわ」
「まっ、いつものことさ。儲けようとする度に、
ああしてろくな目にあった試しがないんだ」
「金が欲しいのは マジってほどじゃないけど、
まあ分かるっちゃ分かるけどさぁ…」

俺とアオイヤルがそう談笑してると、突然
ロワイヤルとエレーネアはお互いの方向を
向き、抱きしめあって嘆き叫んだのであった。
その衝撃で、さまざまなネタや絵が
描かれてある紙の束が 宙を舞った。
もう… 後片付けマジ大変そうだから
手伝わないよ俺。ふたりでやってよね。

「「チクショ~~~~~ッ!!!!漫画の
ネタなんて もう当分こりごりだ~~~っ!!!」



とある惑星。その某所にある屋敷。
その一室にて、2人の研究者らしき男女は
『厳か』という言葉がそのまま生命体と
なった男女… つまるところ、俺の両親から
ある女の 一枚の写真を見せられていた。
全体的にその姿はで締められている、
ボブヘアの女。そして服装の意図からして、
コズモルチーの関係者であることは明白だ。

研究者らしき男女は 写真を見た後、
不敵な笑みを浮かべ、深く頷いた。

そして、両親は俺の方を見た。
どうやら、次なる策が決まったらしい。
大方、俺の任務は護衛辺りか?まぁなんでもいい。
今度こそ、あの時のような失態は犯さん。
このデモール・マッド・ギランの名にかけて。

コズモルチーよ、待っているがいい…。



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