きっとこれは、パステルカラーの恋愛だろう

水澤玲音

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第1章 誘拐事件編

10話 生徒会長と秘書

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  俺らは教室に入るとそれを追ってかのように矢澤先生が入ってきた。そして、朝のSHRが始まり、先生が出席確認をして、「桜内は休みか?」と聞いたから、俺は学校側は何も聞いてないのかと思い、「玲奈は風邪で休みらしいです。」と言ったら、クラスの何人かが「流石、夫婦。お互いのことを良く分かっている。」といじられたから、「そりゃ~大好きだからな」と軽くあしらった。その後SHRが終わった後、俺は街の木造建築の建物がある地図を貰いにいこうとした。職員室に行き地理を教えている増田先生に「先生、この辺の木造建築の建物の一覧と地図をください。」「木造建築の建物の一覧は全部か?」「はい、全部お願いします。」「なんでだ?」「最近、この街にある木造建築の建物の位置関係に興味を持ち始めたので、まずは自分の町を調べたいと思いました。」すると、増田先生は手元にあったイチゴ大福を食べながら「そうか。職員室には無いと思うから生徒会が管理する資料室に行ったらいいと思うぞ。」と言われたので、「分かりました。ありがとうございます」と言って、職員室を出た。
   職員室を出た俺はそのまま教室に戻った。もう少しで授業が始まりそうだったので、用意をしたら、チャイムが鳴り授業が始まった。授業中俺は犯人の事を考えたため、全く授業を聞いていなかった。そして、最初の授業が終わった後、放送が入り「1年生 羽島一輝君 至急生徒会室まで」とよばれた。
生徒会室の前に立って見て俺は改めて「やっぱり生徒会室はでかいな。流石生徒会は先生と同じで生徒会長は校長先生と同じ権力を持つだけあるな。」と少し考えていたら、中から「羽島君、入らないのかい?」と聞かれて、俺は「入ります。」と答えたら中から髪の長い女の人が開けてくれた。「さあ、どうぞ。会長がお待ちです。」と言われ、進んで行くと、会長はソファーに座りながらコーヒーを飲んでいた。「やあ、羽島君。まあ、席に着きなよ。」と会長はのんびり言ってきた。「失礼します。」といい、座った。会長は「いきなりだけど、羽島君は僕の名前をしっているかい?」と聞いてきた。「すみません。生徒会長の事は生徒会長としか分かりません。」と素直に答えたら、「やっぱりかあ~、僕の名前は山崎 郁人(ヤマザキ イクト)だよ。覚えてね。僕の事はヤマトと呼んでくれるかな。ところで一体、君は何を頼みに来たのかな?」と言われた。俺は「生徒会長さんいや、山崎先輩。生徒会が管理する資料室の鍵を貸してください。」
すると、山崎先輩は「いや~君は素直じゃないね~。まあ、いいや。とりあえず何の為に資料室の鍵を使うのか教えてくれるかい?」と聞いてきたので、「自分は、大事なものを守りるために、とある事件の犯人と真相を突き止めるための手掛かりを得るために使いたいです。」と答えた。すると、山崎先輩は「なるほど、これは詳しく聞く必要があるね。時間がかかりそうだ。飛鳥君」と呼んだ。
「はい、会長。なんでしょうか。」「時間がかかりそうだから職員室に行って机の上に置いている特別欠席書を提出してきてくれるかい。それと、この話し合いが終わるまで、誰もこの部屋に入れないでくれるかい。」「わかりました。では、行ってきます。」と事務的な会話が終わった後、飛鳥君と呼ばれた髪の長い人は生徒会室を出ていった。「ところで山崎先輩、あの女の人はだれですか?」「ああ、彼女は秘書の大柴 飛鳥(オオシバ アスカ)君だよ。」「秘書?ですか?」「うん、そうだよ。生徒会長になると、秘書をつけることが出来るんだよ。秘書がいると凄く便利だよ。」「そうですか。」と話し合っていたら、ドアが鳴って「失礼します。会長、ただいま戻りました。」と飛鳥先輩が戻ってきた。そして、「いま、お茶を用意しますね。」といい、お茶を出してくれた。山崎先輩が「君とこれから真剣な話をするのに敬語で気を使われるのは効率が悪いから、僕の事は山崎と読んでくれ、後、タメ口で良いから」と言ってくれた。俺は、「事件と言うのは女子誘拐殺人事件についてです。」と言ったら、山崎は「君は、誰にも事件を解決するように言われていないのに解決しようとしているのかい?それはあくまで自己満足ではないのかい?」と言われた。俺は「山崎、本当にこの部屋は盗聴とかされてないよな。」と聞いたら、「うん。もちろんだよ。」と答えられた。俺は「事件の解決は確かに自己満足に思われるかも知れない。しかし、俺の幼なじみが誘拐事件に巻き込まれた。そして、72時間以内に見つけないと殺すと犯人に脅された。だから、俺は犯人を見つけないといけないんだ。」と言ったら、山崎が「そんな事があったとは、自己満足と言って悪かったね。確かに桜内君のような優秀な人材を失うのは我が校にとっても大きな損害だ。では、鍵を貸す代わりにいくつかの条件は守ってもらうよ。」と言ってきた。俺が「条件ですか?」と聞いたら、山崎が「条件1.資料室には生徒の個人情報なども沢山あるから、絶対に他言しないように。条件2.資料室には僕と一緒に入ること。条件3.事件が無事解決したら、羽島君は生徒会副会長、桜内君は生徒会書記に就任すること。条件4.資料室に入る前に飛鳥君と決闘をし、飛鳥君を倒すこと。以上の4つが条件だよ。飛鳥君はいつでも戦う事が出来るように準備してくれるかい?」と笑顔で言った。俺は「条件1と2は分かりました。しかし、条件3と4は理解出来ないです。条件3は、まず元々副会長と書記がいますよね?条件4はなんで戦わないといけないのですか?」と強く聞き返した。その瞬間、空気が変わり重たく冷たくなった。
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