稀有ってホメてる?

紙吹雪

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第1章 出会い

増えるもの減るもの #2

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もし前回の試験から腕が上がっていないようであれば腕が鈍っていないかの確認として、前回倒されることになった1段階前の敵までと戦うことになっている。
何度も殺されては恐怖に勝つのがより困難になるためだ。



アキリム、ニーナ、クロトの順番で行われ、試験は終了した。

アキリムは近距離が得意だが遠距離相手は突っ込んでいき、魔法相手には魔法で応戦してなかなかバランスが良かった。
ただ、力押しで勝てない相手には苦戦し、レベルが上がると手も足も出ない様だった。
レベルがある程度上がればまた変わってくるだろう。

ニーナは素早く、判断能力もあるため如何に遠距離を保つかを考えながら戦っていた。
自分をよく理解している。
ただ、近距離を得意とする相手に突っ込まれると苦戦していた。
対処法が見つけられれば戦いに幅が出るだろう。

クロトは戦略家というか狡賢いというか戦う能力がそこまで高くないのに戦えていた。
武器の使用方法には驚いた。
投擲士アンカーが序盤で投げられる物は石礫いしつぶて、何かの欠片、小型ナイフ、瓶の順に増えていく。
クロトはフィールドに落ちている石礫と紐のついた小型ナイフで戦っていた。
石礫は砕かれ難く投げてもフィールドに還る。それを走り回り相手の攻撃をかわしながら拾いまた投げる。
これは投げるものが他に無ければ誰もがやるかも知れない。
それより小型ナイフだ。クロトは投げては紐を伝ってナイフを回収しまた投げていた。
投げナイフは戦闘終了後に回収することはあっても戦闘中に回収することはなく、紐を使って回収するとは思わなかった。

自動回収のエンチャントがされた投げナイフの類があることはそっと教えておいた。



アキリムとニーナはレベル30辺りが勝てるかどうかといった所だった。
苦戦していたため後半辺りから同じレベルの様々な敵と戦っていた。
中には殺される回もあったのでその敵とはレベルが上がってリミルが納得出来るまでは戦わせられない。

もしレベルを上げても恐怖が残っているなら一度フィールドに赴く必要もあるだろう。
経験者が大丈夫だと判断しても恐怖はなかなか消えない。
故にフィールドが普段から解放されているのだ。
冒険者プレイヤーは他の職に比べレベルの上がりが早いため、積極的にフィールドに足を運ぶが他の者達はその限りでない。

特に戦うことに対して消極的な者達は次の試験でも現状維持を望むこともしばしば。
そういった者達が驕って危険に首を突っ込むことはないのでその点は安心だが、どこかで魔物に遭遇して戦えば勝てる場合にでも戦うことから逃げてしまえば命の保証はない。
そのためその者達には怖がらずに倒せる相手を覚えさせる。

試験とは生き残る術を知るための場だ──。



3人の試験が終わったのでギルドの受付まで戻りタグの完成までランクの説明等を受けて待つ。

『ランクは通常ランクと高ランクがある。高位に上がるには条件がいくつかあるが無茶をさせないため条件の公開はしていない』

『え、ランク2つしかないの?俺の知ってる世界だとFかEから始まってD、C、B、A、S、と上がっていって、多いとこだとSS、SSSまであるよ。魔物のレベルの違いがあるならそれに合わせてランク分けすれば倒していい魔物がランクで分かっていいと思うんだけど…』

エフ、イー等の言葉はこの世界には無く、親しみがないが、ランクを魔物に合わせて分けることについては、確かにそれはわかりやすいなと皆で納得していた。この世界ではレベルではなく信頼度でランク分けしていると言っても良い。


『参考にさせて貰う』

そうルシノが言った時、個室にノック音が響く。
アキリムともどもギルドの説明を受けるということで個室に移動して話していた。
アキリムはクロトについて詳しく聞いては来ない。
気にならないのだろうか?

そう思いつつ扉を見ると入ってきた受付嬢はイオンだった。


『おまたせ。これがアキリム君とクロト君、こっちがニーナちゃんのね』

イオンはギルドタグを渡しながら説明をする。
その場で説明を受けながら3人ともタグに自身の情報を記憶させる。
登録をし終えると次はタグの使い方の説明をし、実際に使用して確認するとギルド登録は完了だ。


『ねぇ、リミルちゃん。クライちゃんは一緒じゃないの?』

ジャックの様子がまだ心配なのでクライには一緒に行動してもらっている。
新しく作るクライ用の御手洗について話したいらしい。

有難い。が、ふとギルレイとのやり取りを思い出す。
そんな理由じゃないと思いたい。



『登録も終わったことだし昼飯行くぞ、リミル』

待ってました!
と意気込んだが、ルシノと二人きりでは行けない。
クロトもニーナも所持金がないのだ。
お金を渡して別行動というのも悪くないか、と考えているとルシノが付け足した。

『クロトもニーナも行くぞ』

少し残念に思ったが仕方ないとそっと、誰にも気づかれないように少し落ち込む。


『ならせっかくだしアキリムも一緒にどうかな?試験の度に顔を合わせるんだし仲良くなりたい』

そうニーナが言うので納得した。
目の端に不安そうな不満そうなクロトが映るが恐らくアキリムが来ることにではなくニーナが言い出した事に対してだろうなと思ったのでニーナに同意した。

「そうだな。お昼食べたらイレアに向けて出発するし」

『そうか。なら出る前に受付でハルバーからの受け取って来い』

イレアに帰るタイミングを聞いてルシノが手間を考えてそう言ってくれる。

そう言えば本人が居たので報酬について話す訳にいかず貰っていなかった。
馬を引き取りに行く時にでもとも思ったが転移ポイントについて悟られる可能性もあったのでこちらで受け取れるのはありがたい。
ルシノも気を使って報酬とは言わないでくれた。

ルシノに頷いて受付に向かうため席を立とうとしてアキリムに引き留められた。



『イレアに行くなら僕も連れて行ってくれないか?』

「イレアに用事か?俺たちはクライに乗ってくから流石に4人は無理だと思うぞ?」

クライに聞かずに了承すればまた怒って嫌味を言われかねない。
移動手段なら他にもあるのだからそちらに行って欲しい。
そう思ったのだが。

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