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後編
③
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楽しい時間はあっという間に過ぎていくもの。腹も膨れ酒も結構回ってきた頃には、そろそろ終電が近い時間になっていた。
俺は隣に座る、すっかり酔っ払っている翠に声をかける。
「翠、俺そろそろ帰るわ。終電近いし」
今日の飲み代を再度確認したいが、今の翠に聞いても答えられるかわからない。一応聞いて、答えられなさそうなら明日連絡すればいいだろう。
そう思い再度口を開こうとすると、翠がにっこりと微笑んで俺を見た。
「なに言ってんのー? 泊まってくでしょー?」
「え……い、いや、さすがにそれはちょっと……」
翠の魅力的すぎる提案に胸が高鳴るが、首を横に振って断る。泊まりの準備なんてしてないし、彼の家に泊まってしまえば自分がなにをしでかすかわからない。酔って思考が低下している今は危険すぎる。さすがに襲う勇気はないけど……多分。
俺の返事に翠はむっと唇をとがらせ、ずい、と顔を近づけてきた。
「それにー……まだ確認してないからねえ」
「は……え、っと……」
ニヤリと口角を上げる翠に、ときめきと期待で心臓がバクバクとうるさくなる。いやでも、まだあの話とは限らない。そう思いながらも彼を見つめると、ふ、と唇に吐息がかかる。
「明良の、喘ぎ声。汚くないか確認しないとー。でしょー?」
「……っ! あ、はは。そんなこと、言ってたな……」
思わず声が上擦ってしまった。だって、翠がまさか覚えていたなんて。先ほどまではまったく覚えているそぶりなんてなかったのに、まさか酔ったから思い出したのだろうか。
なんて考えていたら……翠の顔がものすごく近くなっていた。後頭部に、そっと手が添えられる。
「明良……目、閉じて?」
「うん……、ん……っ」
言われたとおり目を閉じると、ちゅ、と音を立てて柔らかい感触が唇に触れた。翠の唇の柔らかさを感じていると、腰にも腕が回され引き寄せられる。
ちゅ、ちゅ、と角度を変えながらのキスを享受していると、かぷ、と舌を甘噛みされた。
「っ!」
思わず目を見開くと、視界にはゼロ距離で翠が映る。にっこりと目を細め、彼はちゅうっと唇を吸った。
「……明良。口、開けてー?」
甘く蕩けた声で囁かれ、身体の奥が熱くなり全身が粟立つ。俺は再び目を閉じながら、震える唇をゆっくりと開く。
「よく、できましたぁ」
「……んっ♡ あ、んぅ……♡」
柔らかな声が聞こえ、すぐにまた翠の唇が重ねられる。温かくぬるりとしたものも口の中に入ってきて、俺の歯列をなぞっていく。
「んん、ぅ……♡」
舌を絡められ、ぬちゅぬちゅと唾液を混ぜ合う。ゴクンと飲んだ唾液は、酒の味がした。
(……あのときと、同じ味……)
舌を吸われくぐもった声を上げる俺の脳裏に浮かぶのは、半年くらい前のとある日の出来事。
その出来事があるまではたまにではあったけど、早めに飲みが終わったときに翠に誘われこのマンションで飲み直すこともあった。下心を隠しながらこの家で飲み、終電で帰る。俺にとってはなによりも幸せな時間だった。
俺は隣に座る、すっかり酔っ払っている翠に声をかける。
「翠、俺そろそろ帰るわ。終電近いし」
今日の飲み代を再度確認したいが、今の翠に聞いても答えられるかわからない。一応聞いて、答えられなさそうなら明日連絡すればいいだろう。
そう思い再度口を開こうとすると、翠がにっこりと微笑んで俺を見た。
「なに言ってんのー? 泊まってくでしょー?」
「え……い、いや、さすがにそれはちょっと……」
翠の魅力的すぎる提案に胸が高鳴るが、首を横に振って断る。泊まりの準備なんてしてないし、彼の家に泊まってしまえば自分がなにをしでかすかわからない。酔って思考が低下している今は危険すぎる。さすがに襲う勇気はないけど……多分。
俺の返事に翠はむっと唇をとがらせ、ずい、と顔を近づけてきた。
「それにー……まだ確認してないからねえ」
「は……え、っと……」
ニヤリと口角を上げる翠に、ときめきと期待で心臓がバクバクとうるさくなる。いやでも、まだあの話とは限らない。そう思いながらも彼を見つめると、ふ、と唇に吐息がかかる。
「明良の、喘ぎ声。汚くないか確認しないとー。でしょー?」
「……っ! あ、はは。そんなこと、言ってたな……」
思わず声が上擦ってしまった。だって、翠がまさか覚えていたなんて。先ほどまではまったく覚えているそぶりなんてなかったのに、まさか酔ったから思い出したのだろうか。
なんて考えていたら……翠の顔がものすごく近くなっていた。後頭部に、そっと手が添えられる。
「明良……目、閉じて?」
「うん……、ん……っ」
言われたとおり目を閉じると、ちゅ、と音を立てて柔らかい感触が唇に触れた。翠の唇の柔らかさを感じていると、腰にも腕が回され引き寄せられる。
ちゅ、ちゅ、と角度を変えながらのキスを享受していると、かぷ、と舌を甘噛みされた。
「っ!」
思わず目を見開くと、視界にはゼロ距離で翠が映る。にっこりと目を細め、彼はちゅうっと唇を吸った。
「……明良。口、開けてー?」
甘く蕩けた声で囁かれ、身体の奥が熱くなり全身が粟立つ。俺は再び目を閉じながら、震える唇をゆっくりと開く。
「よく、できましたぁ」
「……んっ♡ あ、んぅ……♡」
柔らかな声が聞こえ、すぐにまた翠の唇が重ねられる。温かくぬるりとしたものも口の中に入ってきて、俺の歯列をなぞっていく。
「んん、ぅ……♡」
舌を絡められ、ぬちゅぬちゅと唾液を混ぜ合う。ゴクンと飲んだ唾液は、酒の味がした。
(……あのときと、同じ味……)
舌を吸われくぐもった声を上げる俺の脳裏に浮かぶのは、半年くらい前のとある日の出来事。
その出来事があるまではたまにではあったけど、早めに飲みが終わったときに翠に誘われこのマンションで飲み直すこともあった。下心を隠しながらこの家で飲み、終電で帰る。俺にとってはなによりも幸せな時間だった。
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