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プロローグ 中島陽平という男の死に様
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ついさっき自分は死んだ。
乗用車に轢かれたようだ。たぶん俯瞰的に見えているのも死んだからだ。
この死体が自分ごとではないように感じてくる。
そろそろ二月も終わり三月に入る、そんなある日俺はいつも通り会社帰りにコンビニに寄った。ひな祭りが近いからかたまたま雛あられが売られていて少し気分が上がる。自分は季節に沿ったお菓子やご飯を食べることが好きだ。
特に雛あられはいい。あの値段でそこそこの量が入っていて甘いので腹も膨れるし、特に少ししか入っていない大豆が砂糖でコーティングされているのが好きでいつも最後に残している。
しかしあのでかい粒の雛あられは好きではない、なんだか嵩増しされているような気分になるからだ。雛あられを売っている会社はあの大豆だけの雛あられを売ってほしい、きっとよく売れるだろう。
そんなことを考えていた。
確かにこの十字路は事故が多いことで有名だった。俺の前にも何人かがここで轢かれたらしい。だが毎朝見ているニュースでもここで死者が出たなんてやっていなかったから死んだのは俺だけだろう。
ふと目の前が揺らいでいった。だんだんぼやけていくこの感覚は、なんだろうか、そろそろ自分という存在が揺らぎ、薄れ、消えていくような感じがした。
今の肉体のない自分に目があるのかはわからなかったが目を閉じた。
自分の親しい人達は自分が死んだことに驚くのだろうか、悲しむのだろうか、化けて出てみようか、どうしようか。
迷惑をかけてしまうことに申し訳なさを感じた。
目の前はもう何も見えなかった。
乗用車に轢かれたようだ。たぶん俯瞰的に見えているのも死んだからだ。
この死体が自分ごとではないように感じてくる。
そろそろ二月も終わり三月に入る、そんなある日俺はいつも通り会社帰りにコンビニに寄った。ひな祭りが近いからかたまたま雛あられが売られていて少し気分が上がる。自分は季節に沿ったお菓子やご飯を食べることが好きだ。
特に雛あられはいい。あの値段でそこそこの量が入っていて甘いので腹も膨れるし、特に少ししか入っていない大豆が砂糖でコーティングされているのが好きでいつも最後に残している。
しかしあのでかい粒の雛あられは好きではない、なんだか嵩増しされているような気分になるからだ。雛あられを売っている会社はあの大豆だけの雛あられを売ってほしい、きっとよく売れるだろう。
そんなことを考えていた。
確かにこの十字路は事故が多いことで有名だった。俺の前にも何人かがここで轢かれたらしい。だが毎朝見ているニュースでもここで死者が出たなんてやっていなかったから死んだのは俺だけだろう。
ふと目の前が揺らいでいった。だんだんぼやけていくこの感覚は、なんだろうか、そろそろ自分という存在が揺らぎ、薄れ、消えていくような感じがした。
今の肉体のない自分に目があるのかはわからなかったが目を閉じた。
自分の親しい人達は自分が死んだことに驚くのだろうか、悲しむのだろうか、化けて出てみようか、どうしようか。
迷惑をかけてしまうことに申し訳なさを感じた。
目の前はもう何も見えなかった。
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