私の理想の異世界チート

２．私の過去

私の３６年間は、波乱万丈だった。

５才の時に父を事故で亡くし、７才で過労で倒れた母が帰らぬ人となり母方の祖父母は他界していたので、父方の祖父母に引き取られた。

祖父母は私を可愛がってくれたが、高齢だった為 父の兄家族と一緒に暮らしていた。

兄家族には邪魔者扱いされたが、手をあげられる事は無かった為、油断していた……

兄家族には、子供が３人居て 長男は大学生で一人暮らしをしていて家に居らず、次男は高校１年で長女が小学生。

長女は妹が出来たと、とても可愛がってくれたが、次男は昔から会えば 私の嫌いな虫やらキャンディーの包み紙を、私に寄越す。

父と母の生きていた頃には、嫌がらせだと思っていたその行為だが、引き取られて一緒に暮らしていた時に耳にした話によると、私へのプレゼントだったようだ。

私が１０歳で 次男が高校一年の夏休みに、祖母が風邪を拗らせ肺炎になり入院。

祖父は 祖母の見舞いや看病に、家を空けることが多くなった。

伯父と伯母は、親戚の葬式で家を空けることになり、長女を置いておけないので３人で、出掛けて行った。

家には次男と私が残され、次男のご飯やお弁当を頼まれていた。

夜に祖父母の一緒の部屋で暮らす私は、祖父が帰って来るかもと部屋の鍵を閉めずに休んだが、それが失敗だった。

夜中に私の布団に忍び込んだ次男に、暴行と強姦され明け方帰宅した祖父に見つかり、祖父が激怒して次男を追い出したが、そのショックで心臓発作を起こし、祖父が亡くなった。

祖母はその知らせを聞いて、病状が悪化して祖父の後を追うように亡くなり。

伯父夫婦には恨まれ、次男をたぶらかした娼婦として、他の親戚にも拒否された為 施設に預けられた。

施設を出てからは、日中にバイトを掛け持ちして、夜間学校に通った。

大学には行けなかったので、住み込みのバイトから事務の派遣で一人暮らしが出来るようにまでなった。

一人暮らしにも慣れ、傷付いた心も身体も少し前向きになった頃、派遣で行った会社で初めての彼氏が出来たが、ただ遊ばれて三股を掛けられて捨てられた。

それまで痩せていたが、ストレスで過食に走り、ぶくぶくと太っていった…

３３歳で出会った男性と、結婚を夢見たが 年々太る私に愛想をつかし、２ヶ月前に『豚を誰にも紹介できない』っと他の女性と二股を掛けられて 破局。

『あの後 １人でポックリ脳梗塞で死んだのか…』