チート異世界転生したら火炙りになってま死た。

旺璃

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オープニング

怨嗟の声①

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──殺してやる、殺してやる、これまでずっと耐えていたのに、されるがままに息をしていただけなのに!

 恨みに満ちた絶叫は、どうやらこの身体から発せられているようだ。酷く咳き込む喉、全身が焼け爛れ、ぱちぱちと細胞が破裂していく音と激痛、身動き出来ないよう食い込み、肢体を熱された柱に留める針金と棘。視界は溶け落ち耳は歓声と、同じ境遇の者たちの悲鳴、そしてごうごうと燃える炎の音に炙られている。

 絶叫はまもなく鳴り止んだ。痛みと熱がふつ、と消え、全身から力が抜けた。その一瞬の落差で、ああ、と"死"を悟る。途切れた声と反比例的に、より熱狂していく歓声も次第に遠のき、静寂が訪れ──そして、再び音が戻ってきた。

「は!?熱い!!いやそんなでもない!!?」

 飛び起きた拍子に背後の柱へ頭をごち、とぶつける。目の前は炎の海。そしてその向こうにはむさ苦しい男ばかりの観衆の、恐らくこちらを眺めていたのであろう者たちが、ぽかんと口を開けてこちらを凝視していた。まるで死者が生き返った時のように。

「も、も、燃えてるー!!」

 先程までの痛みは消え失せていた。酷い悪夢だったのかと思っていたが、実際に燃やされていたようだ。身体の表面を覆う、恐らくは目が覚める前に炭化した自分の死骸が足元にがさがさと崩れ、火を纏ったまま観衆に向かって転がり落ちて行く。呆けていた何人かが悲鳴をあげながらその死骸から逃げたが、風に吹かれまるで意志を持ったように踊る炎は観衆に燃え移り、あっという間に延焼していった。

 オレはというと、丸裸で、炎の中に取り残されたままであった。始めこそおぞましい光景に怯えもしたが、蜘蛛の子を散らすように逃げる観衆を眺めているうちに冷静になってみると、身を包む炎から熱は感じるがせいぜいは春の日差し程度であることに気付く。身体中に食い込む有刺鉄線をちらと見ると、まるで茹でる前のパスタのようにぴん、ぴんと切れていった。針金が刺さっていた傷はみるみるうちに塞がっていく。

「ま、魔漢マカラだ!本物のマカラだ!!」

 観衆の誰かが叫んだ。その言葉の意味する所は、この状況と、都合よく付与されたこの世界への知識でおおよそ推測が出来た。魔女、の事だろう。あるはずのない記憶と己の記憶が自然と融合されていく。
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