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店の柱時計が夜の時報の音を鳴らす。
それを合図に、ひとり、またひとりと名残惜しそうに帰っていく者が出始めた。
真夜中というわけでもないが、集まったのは皆、明日も朝から仕事がある者がほとんどだ。ここいらで帰らなければ、仕事に支障が出るのは明らかだった。
いつの間にか、店に残ったのは、酒に呑まれて管をまいている酒飲みと、それに付き合う世話焼き、そしてユーダレウスたちだけとなっていた。
管をまく側の一人となった息子を一瞥すると、マーサは席を立ち上がる。
ユーダレウスが把握している限り、マーサも結構な量を飲んでいたはずだが、その足取りはしっかりしており、実に軽やかだ。
「そろそろあんたらの寝床を用意してこよう」
片付けを始めていたメアリが手を止め、水に濡れた手を拭う。
「それじゃあ、家からシーツとか枕とか、いろいろ取ってこないと」
「メアリ、遅いんだから一人で歩くんじゃないよ。トレバー! 何してるんだい、さっさと起きな!」
階段の途中からマーサが怒鳴る。すると、テーブルに突っ伏して眠りかけていたトレバーが「ひゃい!」と情けない叫び声を上げて立ち上がった。
「危ない!」
トレバーの身体がぐらりと傾いだ。ティニの上に倒れ込みそうになるのを、ユーダレウスが隣からティニに覆いかぶさるように身を乗り出して支えた。
慌てて駆けつけたメアリが夫の身体を起こす。
「ありがとう、ユーダレウス。ティニちゃんは大丈夫?」
ユーダレウスの身体の下で、驚いた顔をしたまま、こくんと頷いたティニにメアリはほっと胸をなでおろした。
ぐらりぐらりと揺らめく夫を、メアリが抱き着くようにして介助しながら裏口へと向かう。ほどなくしてメアリの短い悲鳴が上がった。トレバーの足元は相当危ういようだ。
「まったく……あれじゃあ、何かあっても役に立たないね」
「……俺も行こう」
見かねたユーダレウスが席を立つ。
この辺りの治安はマーサが案じるほど悪くはない。むしろ知る中でも上位に入る安全な街だ。
だが、歩くのもやっとなトレバーを、華奢なメアリが支えて歩くのは荷が重すぎる。うっかり転んで怪我でもしたら事だ。
「悪いね、ユーダレウス。頼めるかい」
「ああ。ティニ、すぐ戻るからお前はここで待ってろ」
立ち上がっていたティニは、小さく頷くと大人しく席に座り直した。その顔は少しばかり不安げだ。
――だが、ついてくると言わねえなら、置いて行っても問題ねえだろ。
大人しいわりに頑固という弟子の性格に思いを馳せながら、ユーダレウスは足早にメアリを追った。
客やマーサたちがそれぞれの場所へと散ったせいか、店内は途端に静かになった。柱時計の振り子のカチコチという音と、食器の擦れる小さな音だけが響く。
ぽつんと残され、どこか不安そうに見えるティニに、食器を片づけていたミアが見かねて声をかけた。
「……ねえ、ティニは本当に魔術師になるの?」
振り向いたティニがきょとんとミアを見つめる。
「はい。僕は師匠の弟子ですから」
得意げに質問に答えたティ二に、ミアは空の皿を重ねながらため息をついた。
「どうせまじないも魔術も、インチキでしょうに」
呆れた口ぶりでそう呟きつつ、重ねた皿を厨房の流しに下ろす。
戻ってきたミアはティニの頬にソースが付いているのを見つけ、ハンカチで拭った。大人しく拭かれているが、ティニの目にはどこか不満そうな色がありありと浮かんでいた。
「……まじないと魔術は違います」
「どう違うの? 似たようなもんだってさっきお師匠さんも言ってたじゃない」
むう、とほんの少しだけ師に似た表情をしたティニは、俯いて黙り込んだ。
――しまった、意地の悪いことを言いすぎた。こんな子供が、説明できるわけがない。
ミアは子供の涙を予想して身構えた。しかし、それに反して、ティニが涙を見せることはなかった。
「……師匠はインチキじゃないです」
涙こそ見せなかったが、その声は今にも泣き出してしまいそうに震えていた。よく見ると、小さな手が自分のズボンの膝のあたりをぎゅうと握りしめている。
それを把握した瞬間、ミアの胸がぐっと苦しく高鳴った。
何ていじらしい。思わず抱き締めてしまいたい。
ミアは躊躇いがちにティニに手を伸ばした。しかし、その原因が自分のずるい言葉であるという罪悪感に苛まれ、その手は宙に留まった。
「何をしてる」
低い声に振り返れば、片手で二人分の枕と毛布を抱えたユーダレウスが裏口に立っていた。その後ろから、畳んだシーツを抱えたメアリが「どうかしたの?」とひょっこり顔を出す。姿が見えないトレバーは家に置いてきたのだろう。
ぴょんと椅子からおりたティニが、駆け出して師の腰に迷わず抱き着いた。難なく受け止めたユーダレウスは、曇天色の頭にそっと触れる。
「なんだ、ティニ。何かあったのか」
「……なんでもないです」
どう見ても「何かあった」様子のティニに、ユーダレウスは胡乱げな眼差しでミアを見た。刃物のような色の瞳に見られたミアは、後ろめたさも相まってわずかに青褪める。
「ミア、ティニちゃんに何かしたの?」
「ちがいます」
疑うメアリの言葉を、代わりにティニが否定する。
それに対するミアの後悔しているような顔を見て、面倒そうにため息をついたユーダレウスは、相変わらずしがみついたままのティニの背を、とん、と叩いた。
「違うんならさっさと放れろ。歩けねえだろうが」
「……はい」
鈍い動きで手を放した弟子をユーダレウスは片腕で抱きあげる。一瞬きょとんとしたティニだったが、すかさずその首元にしがみつき、顔を隠すように広い肩に顔を押し付けた。
「あらあら、おねむだったのかしら?」
ふわふわと笑いながら手を伸ばしてメアリはティニの頭を撫でる。ユーダレウスは、違うだろうなと内心で思いながらも、乾いた笑いで誤魔化した。
「それじゃあミア、ちょっとの間だけお店、一人になるけど、お願いね」
手を振るメアリに、ミアは小さく「うん」と頷くと、再びテーブルに並ぶ皿をまとめ始める。その横顔は浮かない表情のままだった。
それを合図に、ひとり、またひとりと名残惜しそうに帰っていく者が出始めた。
真夜中というわけでもないが、集まったのは皆、明日も朝から仕事がある者がほとんどだ。ここいらで帰らなければ、仕事に支障が出るのは明らかだった。
いつの間にか、店に残ったのは、酒に呑まれて管をまいている酒飲みと、それに付き合う世話焼き、そしてユーダレウスたちだけとなっていた。
管をまく側の一人となった息子を一瞥すると、マーサは席を立ち上がる。
ユーダレウスが把握している限り、マーサも結構な量を飲んでいたはずだが、その足取りはしっかりしており、実に軽やかだ。
「そろそろあんたらの寝床を用意してこよう」
片付けを始めていたメアリが手を止め、水に濡れた手を拭う。
「それじゃあ、家からシーツとか枕とか、いろいろ取ってこないと」
「メアリ、遅いんだから一人で歩くんじゃないよ。トレバー! 何してるんだい、さっさと起きな!」
階段の途中からマーサが怒鳴る。すると、テーブルに突っ伏して眠りかけていたトレバーが「ひゃい!」と情けない叫び声を上げて立ち上がった。
「危ない!」
トレバーの身体がぐらりと傾いだ。ティニの上に倒れ込みそうになるのを、ユーダレウスが隣からティニに覆いかぶさるように身を乗り出して支えた。
慌てて駆けつけたメアリが夫の身体を起こす。
「ありがとう、ユーダレウス。ティニちゃんは大丈夫?」
ユーダレウスの身体の下で、驚いた顔をしたまま、こくんと頷いたティニにメアリはほっと胸をなでおろした。
ぐらりぐらりと揺らめく夫を、メアリが抱き着くようにして介助しながら裏口へと向かう。ほどなくしてメアリの短い悲鳴が上がった。トレバーの足元は相当危ういようだ。
「まったく……あれじゃあ、何かあっても役に立たないね」
「……俺も行こう」
見かねたユーダレウスが席を立つ。
この辺りの治安はマーサが案じるほど悪くはない。むしろ知る中でも上位に入る安全な街だ。
だが、歩くのもやっとなトレバーを、華奢なメアリが支えて歩くのは荷が重すぎる。うっかり転んで怪我でもしたら事だ。
「悪いね、ユーダレウス。頼めるかい」
「ああ。ティニ、すぐ戻るからお前はここで待ってろ」
立ち上がっていたティニは、小さく頷くと大人しく席に座り直した。その顔は少しばかり不安げだ。
――だが、ついてくると言わねえなら、置いて行っても問題ねえだろ。
大人しいわりに頑固という弟子の性格に思いを馳せながら、ユーダレウスは足早にメアリを追った。
客やマーサたちがそれぞれの場所へと散ったせいか、店内は途端に静かになった。柱時計の振り子のカチコチという音と、食器の擦れる小さな音だけが響く。
ぽつんと残され、どこか不安そうに見えるティニに、食器を片づけていたミアが見かねて声をかけた。
「……ねえ、ティニは本当に魔術師になるの?」
振り向いたティニがきょとんとミアを見つめる。
「はい。僕は師匠の弟子ですから」
得意げに質問に答えたティ二に、ミアは空の皿を重ねながらため息をついた。
「どうせまじないも魔術も、インチキでしょうに」
呆れた口ぶりでそう呟きつつ、重ねた皿を厨房の流しに下ろす。
戻ってきたミアはティニの頬にソースが付いているのを見つけ、ハンカチで拭った。大人しく拭かれているが、ティニの目にはどこか不満そうな色がありありと浮かんでいた。
「……まじないと魔術は違います」
「どう違うの? 似たようなもんだってさっきお師匠さんも言ってたじゃない」
むう、とほんの少しだけ師に似た表情をしたティニは、俯いて黙り込んだ。
――しまった、意地の悪いことを言いすぎた。こんな子供が、説明できるわけがない。
ミアは子供の涙を予想して身構えた。しかし、それに反して、ティニが涙を見せることはなかった。
「……師匠はインチキじゃないです」
涙こそ見せなかったが、その声は今にも泣き出してしまいそうに震えていた。よく見ると、小さな手が自分のズボンの膝のあたりをぎゅうと握りしめている。
それを把握した瞬間、ミアの胸がぐっと苦しく高鳴った。
何ていじらしい。思わず抱き締めてしまいたい。
ミアは躊躇いがちにティニに手を伸ばした。しかし、その原因が自分のずるい言葉であるという罪悪感に苛まれ、その手は宙に留まった。
「何をしてる」
低い声に振り返れば、片手で二人分の枕と毛布を抱えたユーダレウスが裏口に立っていた。その後ろから、畳んだシーツを抱えたメアリが「どうかしたの?」とひょっこり顔を出す。姿が見えないトレバーは家に置いてきたのだろう。
ぴょんと椅子からおりたティニが、駆け出して師の腰に迷わず抱き着いた。難なく受け止めたユーダレウスは、曇天色の頭にそっと触れる。
「なんだ、ティニ。何かあったのか」
「……なんでもないです」
どう見ても「何かあった」様子のティニに、ユーダレウスは胡乱げな眼差しでミアを見た。刃物のような色の瞳に見られたミアは、後ろめたさも相まってわずかに青褪める。
「ミア、ティニちゃんに何かしたの?」
「ちがいます」
疑うメアリの言葉を、代わりにティニが否定する。
それに対するミアの後悔しているような顔を見て、面倒そうにため息をついたユーダレウスは、相変わらずしがみついたままのティニの背を、とん、と叩いた。
「違うんならさっさと放れろ。歩けねえだろうが」
「……はい」
鈍い動きで手を放した弟子をユーダレウスは片腕で抱きあげる。一瞬きょとんとしたティニだったが、すかさずその首元にしがみつき、顔を隠すように広い肩に顔を押し付けた。
「あらあら、おねむだったのかしら?」
ふわふわと笑いながら手を伸ばしてメアリはティニの頭を撫でる。ユーダレウスは、違うだろうなと内心で思いながらも、乾いた笑いで誤魔化した。
「それじゃあミア、ちょっとの間だけお店、一人になるけど、お願いね」
手を振るメアリに、ミアは小さく「うん」と頷くと、再びテーブルに並ぶ皿をまとめ始める。その横顔は浮かない表情のままだった。
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