フレキ=ゲー編ガップ民話集

神光寺かをり

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鴻鵠の君(あるいは「大きな鳥と王子様」)

かくれんぼする時の鬼決めの歌。

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 今、世界中の地図のどこを見ても、『小さな国』という国名の文字は見えません。

 そういう名前の国はどこにもないのです。
 そう呼ばれた国のことを知っている人も、最早もはや残っていないでしょう。
 
 ただ、こんな「かくれんぼの鬼決め歌」が、私たちの故郷くにに残されています。



 瑠璃るりの水晶が割れた
 鳥が来て泣いた
 王子様が割ったから
 王子様を割った。

 瑠璃の水晶が割れた
 鳥が来て突っついた
 お城の窓を割ってから
 王様達の目玉を



 さても、子供のれ歌といいますものは、かくも美しく、かくも恐ろしいものであると、思し召されませぬかや。
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