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用間篇 第十三
用間篇2・情報の管理は非情&非常に厳しくしなきゃいけないっす。
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三軍の……あこれ、レギュラーの控えの控えのチームってことじゃないですよ。国中の軍隊って意味ですから。
仮に、ですね。
一軍の所属兵隊が、ざっくり一万二千五百人くらいいたとしましょう。んで、全軍で三つ軍があったとして、掛ける三してざっと三万七千五百人、ですか。
つまり、割と大人数ですよね。
っていっても、ここで三万七千五百なんて数字は、どうでもいいことなんですよ。割と大人数、ってことがざっくり掴めれば良いんで。
じゃ、なんで計算したんだよ、って話は、ひとまず棚の上にでも放り投げて頂いて。
よーするに、この場合の三って数字は、ホントの意味の数字の三じゃなくて、沢山とか全部とかいうことの例えです。一、二の次は沢山、と。
だからこの三軍ってのは、「国の軍隊全部」的な意味だと思って下さい。たくさんの戦闘員と、そのバックアップの人達のこと、全部ひっくるめて、一言で言い表すと、三軍、ってことで。
閑話休題。
三軍、つまり全軍の中で、王様や将軍さんと一番「親密な間柄」なのが、間者の役目を負っている人だってことが、オレは言いたいんですよ。
逆から言うと、それだけ信頼の置ける人間に諜報活動を任せよう、よく知らない人にそういうお仕事をさせちゃ駄目だ、ってコトになりますね。
報酬も――内容を表向きに出来るかどうかは別として――普通の人で間者役よりたくさん貰ってるって人はいないでしょう。逆に言うと、凄腕な間諜には、その活動に見合った、十分な報酬を払って下さい、ってコトですよ。
間者以上に軍や国家の秘密を知っている人はいません。てか、むしろ、他の普通の人に国家機密が知られてちゃ、安全保障的にマズイっしょ。
間諜を使うときの心構えを格好良く言うと、こういうことです。
聖智に非らざれば間を用うること能わず。
仁義に非らざれば間を使うこと能わず。
つまり、無茶苦茶公正で目茶苦茶賢明な人じゃなければ、間者・間諜を使いこなせないし、非公正で暗愚な人には間者を活用する能力がないちゅーことですよ。
人の心がよくよく判ってて、何時でも筋の通った言動ができる人でなければ、間者は正しく使えないし、そうじゃ無い人には間者なんていう繊細なモノを使う資格がないってことです。
大体、細かいところまで配慮が出来て、僅かな事でも察することが出来る人じゃなければ、間諜が命懸けで持ってきてくれる情報を正しく使って最大限の利益を得ることなんかできゃしませんよ。
いや、これホントホントに微妙っていうか、絶妙っていうか、ガチにマジな話。
戦争をやるのに、間者と情報を使わないなって場面なんて、ぶっちゃけあり得な~い! ってヤツでしょ?
それで……これかなりシビアな話になっちゃうんですけど、覚悟して聞いて下さい。
もし、ですよ。
間者が集めてきた情報が、まだ他の誰にも発表されてないっていう段階で、間者以外の筋から聞こえて来ちゃったとしたら、って言う、キツイ話……。
それってつまり、どこかから重要機密がダダ漏れしてるって事ですヨね? 安全保障的にダメダメってことになっちゃいますよね?
万が一、そんなことになっちゃったら……残念ですけど、その間諜さんと、その間者さんと接点を持ってた人達、全員、処分して下さい。
もうすこし直球な言い方すると「物理的に首に」して下さい。
ど真ん中真っ直ぐに言うと「皆殺しに」して下さい。
秘密はどこからも漏れちゃイケないんです。漏れた口を徹底的に塞がないと、後で取り返しが付かないことになります。
情報漏洩を切っ掛けに敗戦なんてことになったらどうするってんですか? 最悪、国が滅びるんですよ。
これって、処刑される人達の数万倍の兵隊さんと民衆と、当然王様の命が危うくなるって事ですからね。
命を天秤に掛けるのも、王様や将軍さんの役目なんですよね。
はぁ、我ながらキビシイこと言ってるなぁ……。
さ、気分を切り替えて。
そもそも、こっちの間者・間諜サンになにを調査してもらうのかって事を、これから説明しちゃいましょう。
こっちが攻撃しようって考えてる軍隊、あるいは、攻めかかろうと狙ってるお城、はたまた、サクッとお亡くなりになって頂きたいと思ってる重要人物のいる場所、そのそれぞれに、そこを取り仕切ってる人や、関係者って人がいますでしょ?
将軍さんとかの「一番偉い人」やら、その偉い人の右腕とか左腕とか言われちゃってる「偉い側近さん」たち、そういう偉い人たちに取り次いでくれる「秘書的な人」とか、この辺の人達の身辺調査が重要だってのは、これ当然わかりますよね?
それから、思いの外に重要なのが、その施設とかお城とかお屋敷とかの「門番さん」とか、そこで雑用とか細かい仕事をしている「下っ端の方の家来の人」たち、そういった人たちの人物像も、これまた重要なんで、よく調べて欲しいんですよね。
そうやって、その人の好みとか、弱点とか、家族構成とか、上司との関係とか、部下からどう思われてるかとか、つまりは「ひととなり」ってんですかね? そういうのが判ると、その人を味方に付けちゃう方法とか、失脚させちゃう方法とか、思い付いちゃったりしますでしょ?
逆を言っちゃうと、こっちチームのそういう人達のところには、敵さんチームの間諜さんがこっそり来ちゃうってコトでもあるあり得るってワケですよ。
そしたらこれ、慌てるんでもビビるんでもなく、むしろ、
「絶好のチャンスが来たコレ」
って考えてくださいね。
入り込んできた敵さんチームの間諜さんは、これ絶対見つけ出しちゃって下さい。逃がしちゃイケません。
で、見つけて捕まえちゃったら、ガッツリ買収します。
そんとき、絶対にケチっちゃイケませんよ。
「ああ、こんなに優遇してくれるんなら、もうこっちの国に残っちゃおう」
って思ってくれちゃうようにお誘いしちゃうんです。
ほらこれ、さっき説明したでしょ?
そう、「反間」ですよ。
この反間さんから、まずは敵さんチームの情報をゲットしましょ。
んで、こっちに寝返ってくれた人は、お国に返してあげちゃう。
そうすれば「郷間」……あ、さっきは「因間」って言って説明したヤツのことですね……それとか「内間」として使えるじゃないですか。
またそこから別の情報も仕入れられちゃう。
あとは、こっちチームの「死間」を使って偽情報を作って、この反間さんに持って帰ってもらっちゃう。この偽情報切っ掛けで、また新しい情報がもらえちゃうかも知れない、と。
こうやって、いろんな角度から情報を仕入れるんですよ。そうすれば、敵さんチームの動きがバッチリ判っちゃうってわけですよ。
そうなると敵さんチームに潜り込ませてたこっちチームの「生間」さんだって、予定通りに戻って来やすくなっちゃいますでしょ?
五種類の間者さんは、こうやってアチコチ連携して使うのがグッドです。
んで、王様はこういう五種類の間者さんの活用方法を理解してなきゃイケませんよ。
あ、これは「その時々の間者一人一人の細かい動きを把握しろ」って意味じゃないんです。
そういう役目を負っている人達が、王様と国民と国家のために命懸けで働いてるんだって事実を肝に銘じて下さいってコトっす。
仮に、ですね。
一軍の所属兵隊が、ざっくり一万二千五百人くらいいたとしましょう。んで、全軍で三つ軍があったとして、掛ける三してざっと三万七千五百人、ですか。
つまり、割と大人数ですよね。
っていっても、ここで三万七千五百なんて数字は、どうでもいいことなんですよ。割と大人数、ってことがざっくり掴めれば良いんで。
じゃ、なんで計算したんだよ、って話は、ひとまず棚の上にでも放り投げて頂いて。
よーするに、この場合の三って数字は、ホントの意味の数字の三じゃなくて、沢山とか全部とかいうことの例えです。一、二の次は沢山、と。
だからこの三軍ってのは、「国の軍隊全部」的な意味だと思って下さい。たくさんの戦闘員と、そのバックアップの人達のこと、全部ひっくるめて、一言で言い表すと、三軍、ってことで。
閑話休題。
三軍、つまり全軍の中で、王様や将軍さんと一番「親密な間柄」なのが、間者の役目を負っている人だってことが、オレは言いたいんですよ。
逆から言うと、それだけ信頼の置ける人間に諜報活動を任せよう、よく知らない人にそういうお仕事をさせちゃ駄目だ、ってコトになりますね。
報酬も――内容を表向きに出来るかどうかは別として――普通の人で間者役よりたくさん貰ってるって人はいないでしょう。逆に言うと、凄腕な間諜には、その活動に見合った、十分な報酬を払って下さい、ってコトですよ。
間者以上に軍や国家の秘密を知っている人はいません。てか、むしろ、他の普通の人に国家機密が知られてちゃ、安全保障的にマズイっしょ。
間諜を使うときの心構えを格好良く言うと、こういうことです。
聖智に非らざれば間を用うること能わず。
仁義に非らざれば間を使うこと能わず。
つまり、無茶苦茶公正で目茶苦茶賢明な人じゃなければ、間者・間諜を使いこなせないし、非公正で暗愚な人には間者を活用する能力がないちゅーことですよ。
人の心がよくよく判ってて、何時でも筋の通った言動ができる人でなければ、間者は正しく使えないし、そうじゃ無い人には間者なんていう繊細なモノを使う資格がないってことです。
大体、細かいところまで配慮が出来て、僅かな事でも察することが出来る人じゃなければ、間諜が命懸けで持ってきてくれる情報を正しく使って最大限の利益を得ることなんかできゃしませんよ。
いや、これホントホントに微妙っていうか、絶妙っていうか、ガチにマジな話。
戦争をやるのに、間者と情報を使わないなって場面なんて、ぶっちゃけあり得な~い! ってヤツでしょ?
それで……これかなりシビアな話になっちゃうんですけど、覚悟して聞いて下さい。
もし、ですよ。
間者が集めてきた情報が、まだ他の誰にも発表されてないっていう段階で、間者以外の筋から聞こえて来ちゃったとしたら、って言う、キツイ話……。
それってつまり、どこかから重要機密がダダ漏れしてるって事ですヨね? 安全保障的にダメダメってことになっちゃいますよね?
万が一、そんなことになっちゃったら……残念ですけど、その間諜さんと、その間者さんと接点を持ってた人達、全員、処分して下さい。
もうすこし直球な言い方すると「物理的に首に」して下さい。
ど真ん中真っ直ぐに言うと「皆殺しに」して下さい。
秘密はどこからも漏れちゃイケないんです。漏れた口を徹底的に塞がないと、後で取り返しが付かないことになります。
情報漏洩を切っ掛けに敗戦なんてことになったらどうするってんですか? 最悪、国が滅びるんですよ。
これって、処刑される人達の数万倍の兵隊さんと民衆と、当然王様の命が危うくなるって事ですからね。
命を天秤に掛けるのも、王様や将軍さんの役目なんですよね。
はぁ、我ながらキビシイこと言ってるなぁ……。
さ、気分を切り替えて。
そもそも、こっちの間者・間諜サンになにを調査してもらうのかって事を、これから説明しちゃいましょう。
こっちが攻撃しようって考えてる軍隊、あるいは、攻めかかろうと狙ってるお城、はたまた、サクッとお亡くなりになって頂きたいと思ってる重要人物のいる場所、そのそれぞれに、そこを取り仕切ってる人や、関係者って人がいますでしょ?
将軍さんとかの「一番偉い人」やら、その偉い人の右腕とか左腕とか言われちゃってる「偉い側近さん」たち、そういう偉い人たちに取り次いでくれる「秘書的な人」とか、この辺の人達の身辺調査が重要だってのは、これ当然わかりますよね?
それから、思いの外に重要なのが、その施設とかお城とかお屋敷とかの「門番さん」とか、そこで雑用とか細かい仕事をしている「下っ端の方の家来の人」たち、そういった人たちの人物像も、これまた重要なんで、よく調べて欲しいんですよね。
そうやって、その人の好みとか、弱点とか、家族構成とか、上司との関係とか、部下からどう思われてるかとか、つまりは「ひととなり」ってんですかね? そういうのが判ると、その人を味方に付けちゃう方法とか、失脚させちゃう方法とか、思い付いちゃったりしますでしょ?
逆を言っちゃうと、こっちチームのそういう人達のところには、敵さんチームの間諜さんがこっそり来ちゃうってコトでもあるあり得るってワケですよ。
そしたらこれ、慌てるんでもビビるんでもなく、むしろ、
「絶好のチャンスが来たコレ」
って考えてくださいね。
入り込んできた敵さんチームの間諜さんは、これ絶対見つけ出しちゃって下さい。逃がしちゃイケません。
で、見つけて捕まえちゃったら、ガッツリ買収します。
そんとき、絶対にケチっちゃイケませんよ。
「ああ、こんなに優遇してくれるんなら、もうこっちの国に残っちゃおう」
って思ってくれちゃうようにお誘いしちゃうんです。
ほらこれ、さっき説明したでしょ?
そう、「反間」ですよ。
この反間さんから、まずは敵さんチームの情報をゲットしましょ。
んで、こっちに寝返ってくれた人は、お国に返してあげちゃう。
そうすれば「郷間」……あ、さっきは「因間」って言って説明したヤツのことですね……それとか「内間」として使えるじゃないですか。
またそこから別の情報も仕入れられちゃう。
あとは、こっちチームの「死間」を使って偽情報を作って、この反間さんに持って帰ってもらっちゃう。この偽情報切っ掛けで、また新しい情報がもらえちゃうかも知れない、と。
こうやって、いろんな角度から情報を仕入れるんですよ。そうすれば、敵さんチームの動きがバッチリ判っちゃうってわけですよ。
そうなると敵さんチームに潜り込ませてたこっちチームの「生間」さんだって、予定通りに戻って来やすくなっちゃいますでしょ?
五種類の間者さんは、こうやってアチコチ連携して使うのがグッドです。
んで、王様はこういう五種類の間者さんの活用方法を理解してなきゃイケませんよ。
あ、これは「その時々の間者一人一人の細かい動きを把握しろ」って意味じゃないんです。
そういう役目を負っている人達が、王様と国民と国家のために命懸けで働いてるんだって事実を肝に銘じて下さいってコトっす。
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