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俺、今、女子リア充
今、俺、女子アリバイ計画中
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次の日の昼休み、また俺から避けてか、さっさと教室を出ようと立ち上がった麻生百合に、先に立ち上がった俺は駆け寄って言う。
「今日、昼一緒いいよね。ちょっとどうしても話したいことあって」
「私に?」
びっくりしたような顔の麻生百合。
「でも、私……」
「なんか用事あるの?」
「そう言うわけじゃないですけど……」
「じゃあ、頼まれて……」
俺は少し無理やり気味に麻生百合の手を引っ張ると、そのままあの中庭に行く。
で、
「そう言うことですか」
今日のアリバイ工作を頼まれて麻生百合はきりっとした顔で首肯する。
人を疑うことを知らないようなまっすぐな目。白く小さな顔なのでその決意に満ちた目はとても大きく輝き、まっすぐな長い黒髪とすらりとした体の完璧な美少女……
ああ、俺、女になって良かった。こんな子とこんな女子トークができるなんて。
と俺は感慨に震えながら、
「うん。と言うわけなの、今度お礼するから頼まれて貰ってもいいかしら」と。
「お礼なんて……こんなくらいで」
「いやいや、こんなことぐらいじゃ無いよ。大変だよ。ばれたら百合ちゃんにも迷惑かかるリスクあるんだから。ごめんね。変なこと頼んじゃって。どうしても、親に言えないわけがあって。実は……」
と俺は事前に考えていたでまかせの言訳をしようとするが……
「分りました。それなら仕方ないと思います」と麻生百合。
「……あれ?」
「……?」
「百合ちゃんって聞いてこないんだ」
「『聞いてこない』? 何をですか?」
「だって、高校生女子が親に秘密のアリバイ作り頼んでるんだよ。『それって彼氏関係?』とか普通聞いてきたりしない?」
「彼氏? そうなのですか?」
「違う! 違う! 絶対そうじゃなくて……でも大事な用事なのは本当だから」
「ふふふ」
麻生百合は面白そうに、しかしやさしい笑いを顔に浮かべる。
「美亜さんって面白いですね。もっと違う人だと思ってました」
「違うって、どんな?」
「どんなと言うと……何と言うか……」
「それって……思ってることって……」
「……」
「……リア充?」
はっとした顔の麻生百合。彼女は、自分の言ったことの意味が——意識せずに言ってしまったことの意味に気付いたのだった。
それは、つまり——リア充グループの印象と違った喜多見美亜が面白いのだとしたら——あのグループを「面白くないと思っていたことになると言うことだった。
「いいえ、そんな、美亜さんたちのような素敵な人達と私は……」
慌てて言い繕う麻生百合。
でも、
「あいつら……じゃなかった……私達って少し鬱陶しいよね」
俺も同感。
なので、
「そんなこと……あの、変なこといってしまって申し訳……」
伏せ目がち困ったような表情の麻生百合に、
「でも、俺は違うよ」
と自分の本心を伝えようと思ったのだった。
そのためには、
「『俺」?」
「ああ、百合ちゃんと話すときだけは、本心で話したいから「俺」って使って良い?」
自分の言葉で、「俺」として話す必要が在ったのだった、
それに、
「かまわないですが『俺』って……」
少し当惑気味の麻生百合だったが、
「男みたいな口調だといやかい」
それは、
「そんなことないですが意外で……もしかしてそう言う人なんですが…それだと私、期待にこたえられないかもしれないですが……」
………………んっ?
もしかして何か曲解されている?
——期待にこたえる?
女が男口調で女に接近してきた。
——そう言う人?
頭は急速に回り、はっとなった、俺は、
「あああ! 違う! 違う! 俺はそんなのじゃなくて、百合ちゃんをかわいいなあとは思ってるけど、そう言うのじゃないから。俺……っていうのは……そうなんだっけ、そうそう、物心ついたときには俺って言ってたら、それが癖になってしまっていて……」
俺はあわてて言い訳をする。
いや、言い訳じゃないよな。
女が女に好意を抱いてるんじゃない。女の身体の中にいる男が好意を抱いているんだから——セーフ!
物心ついてから俺が「俺」って言ってるのは本当だから——セーフ!
かな……?
俺は、混乱しながら言うが、
「ふふふ」
すると、そんな俺を見て、
「——そんな必死に否定しなくても、軽い冗談ですよ……美亜さんって本当面白いですね」
と、さらにおかしそうに笑う麻生百合。
「…………えっ」
でも、俺の驚きが、素すぎたからか、
「ごめんなさい。そんな本気に取られるなんて思いもしなくて……でもそんな慌てるなんてもしかして美亜さん本気でそっちの…………?」
とすまなさそうな顔に、
——いや、
「違う! 違う! そうじゃないから!」
男だから。
すると、安心したように、
「ふふふ。だから、また軽い冗談ですって……」
そう言いながら、クスッと笑う麻生百合は、
「………………」
顔を赤くしながら黙った俺に、
「ふふふ、ともかくお願いは承りました」
と言う。
それを見て——よしOK。なんとかごまかした。
俺は、一安心だが……
まだ残っているのが、
「よかった、それならもう一つお願いで……」
「はい? なんですか?」
「直前で何か当たっとき連絡取れないとこまるので携帯の番号とアドレスの交換を……」
と女子に連絡先を聞くと言う自分的、画期的、生涯記念日確定的イベントをこなすことだった。
しかし、あっさりと、ああ、そうかと言う顔の麻生百合。首肯して携帯を取り出す。
——まあ、考えたら、女子が女子に番号教えてるだけだしな。
とは言っても、中の人的に大イベントなそれ、俺もスマホを取り出し——やった、麻生百合とアドレス交換と有頂天になりながら俺は昼休みを終えるのであった。
しかし……
*
放課後、俺は和泉珠琴の厳しい尋問を受けていた。
今日はさっさと学校から出て、あいつとの約束の時間までネットカフェかどこかのファーストフードで何かラノベでも読んで時間をつぶすかと思っていたのだが……
帰り際、
「美亜、少し話しあるんだけど」と言う和泉珠琴につかまって、
今、校舎裏のあまり人の来ない場所で尋問まがいのことを受けている最中だった。
「なんで、この頃、麻生百合にそんな構うのよ。あなた私らの『なかま』じゃないの?」
俺はお前らの「仲間」なんかじゃないよ。
心の中で舌を出しながら、俺は言う。
しかし…
「そんな、なかまに決まってるじゃない。珠琴、何言ってるのよ……でもあの子何時も一人だし……」
「だから、なかまに入れようと思ってるの?」
首肯。
ああ、そうだよ、でも「俺」の仲間ね。
お前なんか入れてやらないよ。
「あ~あ! なんか美亜ってこの頃おかしくない?」
ドキッ!
「何が?」
「微妙に空気読めないって言うか……なんかいけて無くない? あの子? 分かってるでしょ?」
なんだ『分かる?』って。なんか分かっても分かりたくなさそうだから、その言葉は無視をして、
「そういわれても……私は別に変わりはないと思ってるけれど……」
と俺。
「そうかな?」
じっと俺の目を覗き込んでくる和泉珠琴。
「まあいいわ。美亜のことは信じてるから。『分ってる』子だと思ってるから。でも……」
ああまた『分かる』かい。面倒くさい。
「……少し色々試してみるくらいどうこう言う気は無いけど……取り返しがつかなくなる前に、ちゃんと判断しなさいよ。あの子は、私らの仲間になんかなれないのよ」
「……」
ああ、本当に、面倒くせ。
俺なら、とっくにこんな連中は切ってぼっちで心安らかに過ごすとこだけど——あいつの「なかま」なんだもんな——俺がぶち壊すのも体が元に戻ってから少し心苦しいし……
なにしろハードディスク握られてるし……
と思って、俺はなんか自分でも良く覚えてないような、支離滅裂な言いわけをしばらくした。そして、「友達」だってことを散々言葉で確認してくる和泉珠琴に、今度一緒に買い物に行くことを約束して何とか話をごまかすが、——それでもしつこく問いかけてくるこの面倒くさい女に——あいまいな首肯をしながら学校を後にしたのだった。
そして、俺は——逃げるように小走り気味に歩きながら——この事態を不思議に思っていた。
なぜ、あいつ、喜多見美亜は、なぜ、俺が麻生百合に近づくことに対してはまったく止めないんだろうか。
——こうなることがわかってるだろうに。
絶対、ハードディスクで脅して、麻生百合と仲良くなるのを止めてくると思ったのに?
(いや今回はそれでも「やってやる」つもりだったけどね)
なんで放っておくのだろうか。
俺は、今回のあいつの意外な態度に拍子抜けしていた。
普段は、それこそ、(女の子らしい)箸の持ち方までガミガミチェックして来るあの細かいあいつが、なんで自分が「なかま」で無くなるかもしれなくなるようなそんな重大なことを、放っておくのだろうか?
不思議だった。
高校生活では自分の決めた理想に合わせることを至上としていたあいつだった。
「なかま」に溶け込むことを至上としてるあいつだった。
もし俺がこのまま麻生百合と仲良くなって何時もの連中からハブられ始めたら?
それって、あいつは、「あいつ」でいられなくなるってことだ。
つまり、あいつが「あいつ」で無くなることなんじゃね?
それでもあいつは構わないのか?
とかとか……
「ああ——まあどうでもいいや。めんどくせ」
俺はいろいろと考えるのだけれど、答えを何も思いつかないし、あいつがどう考えていたって、自分がやることを何か変える気もないのだ。
なら、そんなこと考えてもしょうがないと思って、俺は、もう考えることはやめた。そして、今日の夜までの時間つぶしの場所に向かうのだった。
——ああもちろんリア充になったからといっておしゃれなカフェとかには行かないよ。
俺は、馴染みのネカフェに入り……
そしてだいぶ時間が経って……
*
「すみません、そろそろ高校生の方は出て行ってもらう時間ですので」
俺は、ネカフェの、茶髪でチャラそうな雰囲気の店員に言われて振り返った。
俺は、今、インターネットの動画サイトを見ている途中だった。夕方に和泉珠琴と別れてから、ここでずっとマンガを読んでいたのだが、ずっとだとさすがに飽きて来たので、ちょっと前からその動画サイトを見始めたところだったのだった。
と言っても、何か特に見たいものがあったわけではない。適当に流して見ていただけ。だらだらと時間つぶしに目についた動画をザッピングしていただけだった。
俺は、見た動画も特に見たくて見たわけでなく、ただ、画面に出て来たサムネを、順番にクリックしていただけだったのだった。
——でも、ちょうど、店員に声をかけられたその時、俺は、なぜか、やたらと気になる動画を見つけて、そのサムネをじっと見つめていたのだった。
それは、踊ってみたのランキングで結構上位に入っていた、マスクをした女子の顔のサムネだった。
俺は、なぜかだが、そのサムネがやたらと気になった。
自分でも何なのか良く分からないが、ひどく、心に引っかかるところがあって——それが何なのかはっきり分からないのがもやもやと気になって——なら、ちょっとだけならと——俺は店員の時間終了の言葉を無視した。
——俺は、もう一度画面に向き直ると、そのサムネをクリックしたのだった。
すると、動画が始まり、まずは無音のまま、画面にテロップが流れる。
『ゆうゆうです。まだまだ下手だけど一生懸命踊りました見てください』
画面中で立っているその女子の顔は、パッと見、結構可愛い感じだったが、コメントは、なんかあまり期待持てなさそうな感じだった。
と言うか、今時、いくらでも可愛い子が踊ってるこのジャンルでは、極々普通な感じ。
だから、何時もの俺ならこんな動画はまったく気ににならないのだけれど——やはりなぜかまだこの子のことが気になる。
なんで?
自分がそう思った理由は?
——もっと見れば分かるのかな?
と、俺はさらに動画をしっかり見ようと身を乗り出すのだが、
「すみません高校生の方にこれ以上いられると店がやばいんで」
と言う店員の若干いらいらした口調に俺はまた振り返る。
すると、そこにいるのは隠していた粗暴な地の出たヤンキーみたいな様子の男。
「はい、すみません」
俺は、素直に謝り動画を流しっぱなしのままで席を立つ。
——いや、何か分からないけど動画が気になる程度のことで、こんな怖そうな奴に怒られるのも馬鹿らしいもんね。
と、俺は、爆速で店員に謝りながら、ソファーから腰を浮かす。
でも、未練がましく、最後にと思ってパソコンの画面を見るのだけれど……
——ちょうど踊り出すその女子。
踊る全身が映るように、少し遠目のカメラで、顔も良く分からないし、そもそもマスクしてるし……
でもスタイルは良いな……
ああ背がでかいからそう見えるのかな?
そうだな、多分、背景と比較して、女にしては背が高いな……
と、一瞬でも見始めると、やはり何かこの女子の姿が気になって、また動きが止まる俺。
でも、
「そろそろいい加減にしてもらわないと困るんですけど」
と、そろそろ本気で起こりそうな店員の口調に
「あ、はい。すみません」
すぐに立ち上がる俺。
やっぱり、なんか、もやもやした感じ残るのだけど。
——時間切れだ。
いや大した話じゃないだろ。
可愛い感じの子が気になるなんて男子高校生としては当たり前すぎで——本当、大した話しじゃない。
でもなんだ、そう……、なんか気になるんだが——。
*
「ご利用ありがとうございました。夜も遅いので気をつけてお帰りください」
俺は清算をした後に、受付の女性店員の事務的なスマイルに向かって、こちらも事務的に一礼するとそのまま夜の駅前に出た。
今は、夜、十時をちょっと回った頃だった。
あいつとは、十一時を待ち合わせ時間にしていたのだけれど、時間は、約束にはちょっと早かった。
この駅前から、今すぐに学校に向かえば、三十分位早めにつく見込みだった。
でも、俺はその方が良いかな、さすがに、女の子をこんな夜に一人で待たせるわけにもいかないし……
と思うが、
「あっ、俺の方が女の子か」
と——俺は、自分が今はその「女の子」なことに気づく。
すると、
「うわっ、ちょっと怖い感じするなこれ……」
俺は小声で呟いた。
気付いて見ると、夜の待ちに一人でふらふらしている美人女子高生って……すげえ危ないシチュエーションな感じがして来たのだった。
なんか、じろじろと見られている——視線を感じた。
駅の前にいる大学生風の集団が俺のことを見て何か言ってるような気がするし、コンビニの前でタバコ吸ってるおっさん二人は明らかに俺をじっと見ているな。
何か嫌らしい感じの視線。仕事帰りのくたびれたサラリーマンが、俺の前を通り過ぎ
過ぎる時にちらりとよこした、そのねっとりとまとわりつくような……
「ちょっと、まだ早いけど……もう行くかな、どうしようか?」
俺は、また小声で呟きながら、スマホ取り出して、待ち合わせのメールを見て、時間をもう一度確かめた。
——約束では、学校には十一時頃に行くことになっていた。
それは、多分その頃なら先生達も殆ど帰っているだろうし、さっさと用事を済ませれば真夜中前までなんとか帰れて、その位の時間が喜多見家の親に過度に勘ぐられない限界なのだと言うことから決まった時間だった。
その約束の時間まで——学校はここから自転車で二十分ちょっとで着くので——今が十時過ぎなので、出発するにはやはり少し時間は早いが……
——うわっ。
また、なんか舐めるような視線を感じて振り向けば、そこには明らかに堅気でないような風貌の人が……
——ギロリ!
「ひえっ……!」
俺はあわてて目をそらす。
そして、歩き出す。
こんな、(今の自分にとって)餓えた狼に囲まれているようにしか思えない駅前はさっさと退去して——学校に行こう。
俺は、そう思うと、ちゃらちゃらした若者(って俺のほうが若いけど)で一杯の駅前のロータリーをさっさとスルーして、自転車置き場から自転車を取ると、そのまま学校に向かって自転車を進めるのだった。
でも……
よく考えると——俺は自転車を走らせ始めてから気付いたが——駅前はまだずいぶんと人に溢れてたから——雑多な視線は嫌だったが——あそこでなら——衆人環境のもとではめったなことは起きなかったのではないのだろうか。
俺は、郊外のベットタウンの、その小さな繁華街を過ぎれば直ぐにさびしくなる風景の中で、すぐにそのことに気付いた。
今、自転車を走らせている通りは暗く、歩く人の姿もまばら。
こんな道だと——もしかして、通り過ぎる車が突然止まり、中から暴漢が現れて俺のか弱き身体を連れ去ろうとするのではないか?
角を曲がった先の暗闇に痴漢が潜んでいて、美少女(俺)が現れたのを見て破廉恥な姿をさらして来るのではないか?
そんなことを思うと、不安は不安を呼び、自分の影が自分を追ってくることにさえ怯える。
俺は震え……
震え……
んっ?
震え……?
「あれ」
俺はスマホが震えているのに気づき、自転車を止め、届いたメールを見る。
——美亜さん。百合です。美亜さんのお母さんには、一緒に勉強しているということで、少し遅くなること電話で話して信じてもらいましたので大丈夫です。こちらの、心配はなさらずに、そちらの方がんばってください。
「よし!」
俺はそのメールを見て、一気に、怖いとかめんどくさいとか言う気持ちが吹き飛んだ。
だって、麻生百合は、余計な詮索などいっさいせずにアリバイ工作を引き受けてくれ、そしてメールをくれ励ましてくれたのだ。
俺は、彼女に感謝しながら俺はスマホをしまう。
あんな純粋な子に嘘をついて、迷惑をかけてまで準備した計画だ。
怖いとか言ってないで、俺もがんばるぞ。
何をがんばるのか良く分からないが……
気合で、今日こそ身体を元に戻して、そして……
でも?
——あれ?
俺はその時気づいたのだった。もし俺が今夜、元に戻ったら、あの子また一人になるんじゃないかと言うことを。
「今日、昼一緒いいよね。ちょっとどうしても話したいことあって」
「私に?」
びっくりしたような顔の麻生百合。
「でも、私……」
「なんか用事あるの?」
「そう言うわけじゃないですけど……」
「じゃあ、頼まれて……」
俺は少し無理やり気味に麻生百合の手を引っ張ると、そのままあの中庭に行く。
で、
「そう言うことですか」
今日のアリバイ工作を頼まれて麻生百合はきりっとした顔で首肯する。
人を疑うことを知らないようなまっすぐな目。白く小さな顔なのでその決意に満ちた目はとても大きく輝き、まっすぐな長い黒髪とすらりとした体の完璧な美少女……
ああ、俺、女になって良かった。こんな子とこんな女子トークができるなんて。
と俺は感慨に震えながら、
「うん。と言うわけなの、今度お礼するから頼まれて貰ってもいいかしら」と。
「お礼なんて……こんなくらいで」
「いやいや、こんなことぐらいじゃ無いよ。大変だよ。ばれたら百合ちゃんにも迷惑かかるリスクあるんだから。ごめんね。変なこと頼んじゃって。どうしても、親に言えないわけがあって。実は……」
と俺は事前に考えていたでまかせの言訳をしようとするが……
「分りました。それなら仕方ないと思います」と麻生百合。
「……あれ?」
「……?」
「百合ちゃんって聞いてこないんだ」
「『聞いてこない』? 何をですか?」
「だって、高校生女子が親に秘密のアリバイ作り頼んでるんだよ。『それって彼氏関係?』とか普通聞いてきたりしない?」
「彼氏? そうなのですか?」
「違う! 違う! 絶対そうじゃなくて……でも大事な用事なのは本当だから」
「ふふふ」
麻生百合は面白そうに、しかしやさしい笑いを顔に浮かべる。
「美亜さんって面白いですね。もっと違う人だと思ってました」
「違うって、どんな?」
「どんなと言うと……何と言うか……」
「それって……思ってることって……」
「……」
「……リア充?」
はっとした顔の麻生百合。彼女は、自分の言ったことの意味が——意識せずに言ってしまったことの意味に気付いたのだった。
それは、つまり——リア充グループの印象と違った喜多見美亜が面白いのだとしたら——あのグループを「面白くないと思っていたことになると言うことだった。
「いいえ、そんな、美亜さんたちのような素敵な人達と私は……」
慌てて言い繕う麻生百合。
でも、
「あいつら……じゃなかった……私達って少し鬱陶しいよね」
俺も同感。
なので、
「そんなこと……あの、変なこといってしまって申し訳……」
伏せ目がち困ったような表情の麻生百合に、
「でも、俺は違うよ」
と自分の本心を伝えようと思ったのだった。
そのためには、
「『俺」?」
「ああ、百合ちゃんと話すときだけは、本心で話したいから「俺」って使って良い?」
自分の言葉で、「俺」として話す必要が在ったのだった、
それに、
「かまわないですが『俺』って……」
少し当惑気味の麻生百合だったが、
「男みたいな口調だといやかい」
それは、
「そんなことないですが意外で……もしかしてそう言う人なんですが…それだと私、期待にこたえられないかもしれないですが……」
………………んっ?
もしかして何か曲解されている?
——期待にこたえる?
女が男口調で女に接近してきた。
——そう言う人?
頭は急速に回り、はっとなった、俺は、
「あああ! 違う! 違う! 俺はそんなのじゃなくて、百合ちゃんをかわいいなあとは思ってるけど、そう言うのじゃないから。俺……っていうのは……そうなんだっけ、そうそう、物心ついたときには俺って言ってたら、それが癖になってしまっていて……」
俺はあわてて言い訳をする。
いや、言い訳じゃないよな。
女が女に好意を抱いてるんじゃない。女の身体の中にいる男が好意を抱いているんだから——セーフ!
物心ついてから俺が「俺」って言ってるのは本当だから——セーフ!
かな……?
俺は、混乱しながら言うが、
「ふふふ」
すると、そんな俺を見て、
「——そんな必死に否定しなくても、軽い冗談ですよ……美亜さんって本当面白いですね」
と、さらにおかしそうに笑う麻生百合。
「…………えっ」
でも、俺の驚きが、素すぎたからか、
「ごめんなさい。そんな本気に取られるなんて思いもしなくて……でもそんな慌てるなんてもしかして美亜さん本気でそっちの…………?」
とすまなさそうな顔に、
——いや、
「違う! 違う! そうじゃないから!」
男だから。
すると、安心したように、
「ふふふ。だから、また軽い冗談ですって……」
そう言いながら、クスッと笑う麻生百合は、
「………………」
顔を赤くしながら黙った俺に、
「ふふふ、ともかくお願いは承りました」
と言う。
それを見て——よしOK。なんとかごまかした。
俺は、一安心だが……
まだ残っているのが、
「よかった、それならもう一つお願いで……」
「はい? なんですか?」
「直前で何か当たっとき連絡取れないとこまるので携帯の番号とアドレスの交換を……」
と女子に連絡先を聞くと言う自分的、画期的、生涯記念日確定的イベントをこなすことだった。
しかし、あっさりと、ああ、そうかと言う顔の麻生百合。首肯して携帯を取り出す。
——まあ、考えたら、女子が女子に番号教えてるだけだしな。
とは言っても、中の人的に大イベントなそれ、俺もスマホを取り出し——やった、麻生百合とアドレス交換と有頂天になりながら俺は昼休みを終えるのであった。
しかし……
*
放課後、俺は和泉珠琴の厳しい尋問を受けていた。
今日はさっさと学校から出て、あいつとの約束の時間までネットカフェかどこかのファーストフードで何かラノベでも読んで時間をつぶすかと思っていたのだが……
帰り際、
「美亜、少し話しあるんだけど」と言う和泉珠琴につかまって、
今、校舎裏のあまり人の来ない場所で尋問まがいのことを受けている最中だった。
「なんで、この頃、麻生百合にそんな構うのよ。あなた私らの『なかま』じゃないの?」
俺はお前らの「仲間」なんかじゃないよ。
心の中で舌を出しながら、俺は言う。
しかし…
「そんな、なかまに決まってるじゃない。珠琴、何言ってるのよ……でもあの子何時も一人だし……」
「だから、なかまに入れようと思ってるの?」
首肯。
ああ、そうだよ、でも「俺」の仲間ね。
お前なんか入れてやらないよ。
「あ~あ! なんか美亜ってこの頃おかしくない?」
ドキッ!
「何が?」
「微妙に空気読めないって言うか……なんかいけて無くない? あの子? 分かってるでしょ?」
なんだ『分かる?』って。なんか分かっても分かりたくなさそうだから、その言葉は無視をして、
「そういわれても……私は別に変わりはないと思ってるけれど……」
と俺。
「そうかな?」
じっと俺の目を覗き込んでくる和泉珠琴。
「まあいいわ。美亜のことは信じてるから。『分ってる』子だと思ってるから。でも……」
ああまた『分かる』かい。面倒くさい。
「……少し色々試してみるくらいどうこう言う気は無いけど……取り返しがつかなくなる前に、ちゃんと判断しなさいよ。あの子は、私らの仲間になんかなれないのよ」
「……」
ああ、本当に、面倒くせ。
俺なら、とっくにこんな連中は切ってぼっちで心安らかに過ごすとこだけど——あいつの「なかま」なんだもんな——俺がぶち壊すのも体が元に戻ってから少し心苦しいし……
なにしろハードディスク握られてるし……
と思って、俺はなんか自分でも良く覚えてないような、支離滅裂な言いわけをしばらくした。そして、「友達」だってことを散々言葉で確認してくる和泉珠琴に、今度一緒に買い物に行くことを約束して何とか話をごまかすが、——それでもしつこく問いかけてくるこの面倒くさい女に——あいまいな首肯をしながら学校を後にしたのだった。
そして、俺は——逃げるように小走り気味に歩きながら——この事態を不思議に思っていた。
なぜ、あいつ、喜多見美亜は、なぜ、俺が麻生百合に近づくことに対してはまったく止めないんだろうか。
——こうなることがわかってるだろうに。
絶対、ハードディスクで脅して、麻生百合と仲良くなるのを止めてくると思ったのに?
(いや今回はそれでも「やってやる」つもりだったけどね)
なんで放っておくのだろうか。
俺は、今回のあいつの意外な態度に拍子抜けしていた。
普段は、それこそ、(女の子らしい)箸の持ち方までガミガミチェックして来るあの細かいあいつが、なんで自分が「なかま」で無くなるかもしれなくなるようなそんな重大なことを、放っておくのだろうか?
不思議だった。
高校生活では自分の決めた理想に合わせることを至上としていたあいつだった。
「なかま」に溶け込むことを至上としてるあいつだった。
もし俺がこのまま麻生百合と仲良くなって何時もの連中からハブられ始めたら?
それって、あいつは、「あいつ」でいられなくなるってことだ。
つまり、あいつが「あいつ」で無くなることなんじゃね?
それでもあいつは構わないのか?
とかとか……
「ああ——まあどうでもいいや。めんどくせ」
俺はいろいろと考えるのだけれど、答えを何も思いつかないし、あいつがどう考えていたって、自分がやることを何か変える気もないのだ。
なら、そんなこと考えてもしょうがないと思って、俺は、もう考えることはやめた。そして、今日の夜までの時間つぶしの場所に向かうのだった。
——ああもちろんリア充になったからといっておしゃれなカフェとかには行かないよ。
俺は、馴染みのネカフェに入り……
そしてだいぶ時間が経って……
*
「すみません、そろそろ高校生の方は出て行ってもらう時間ですので」
俺は、ネカフェの、茶髪でチャラそうな雰囲気の店員に言われて振り返った。
俺は、今、インターネットの動画サイトを見ている途中だった。夕方に和泉珠琴と別れてから、ここでずっとマンガを読んでいたのだが、ずっとだとさすがに飽きて来たので、ちょっと前からその動画サイトを見始めたところだったのだった。
と言っても、何か特に見たいものがあったわけではない。適当に流して見ていただけ。だらだらと時間つぶしに目についた動画をザッピングしていただけだった。
俺は、見た動画も特に見たくて見たわけでなく、ただ、画面に出て来たサムネを、順番にクリックしていただけだったのだった。
——でも、ちょうど、店員に声をかけられたその時、俺は、なぜか、やたらと気になる動画を見つけて、そのサムネをじっと見つめていたのだった。
それは、踊ってみたのランキングで結構上位に入っていた、マスクをした女子の顔のサムネだった。
俺は、なぜかだが、そのサムネがやたらと気になった。
自分でも何なのか良く分からないが、ひどく、心に引っかかるところがあって——それが何なのかはっきり分からないのがもやもやと気になって——なら、ちょっとだけならと——俺は店員の時間終了の言葉を無視した。
——俺は、もう一度画面に向き直ると、そのサムネをクリックしたのだった。
すると、動画が始まり、まずは無音のまま、画面にテロップが流れる。
『ゆうゆうです。まだまだ下手だけど一生懸命踊りました見てください』
画面中で立っているその女子の顔は、パッと見、結構可愛い感じだったが、コメントは、なんかあまり期待持てなさそうな感じだった。
と言うか、今時、いくらでも可愛い子が踊ってるこのジャンルでは、極々普通な感じ。
だから、何時もの俺ならこんな動画はまったく気ににならないのだけれど——やはりなぜかまだこの子のことが気になる。
なんで?
自分がそう思った理由は?
——もっと見れば分かるのかな?
と、俺はさらに動画をしっかり見ようと身を乗り出すのだが、
「すみません高校生の方にこれ以上いられると店がやばいんで」
と言う店員の若干いらいらした口調に俺はまた振り返る。
すると、そこにいるのは隠していた粗暴な地の出たヤンキーみたいな様子の男。
「はい、すみません」
俺は、素直に謝り動画を流しっぱなしのままで席を立つ。
——いや、何か分からないけど動画が気になる程度のことで、こんな怖そうな奴に怒られるのも馬鹿らしいもんね。
と、俺は、爆速で店員に謝りながら、ソファーから腰を浮かす。
でも、未練がましく、最後にと思ってパソコンの画面を見るのだけれど……
——ちょうど踊り出すその女子。
踊る全身が映るように、少し遠目のカメラで、顔も良く分からないし、そもそもマスクしてるし……
でもスタイルは良いな……
ああ背がでかいからそう見えるのかな?
そうだな、多分、背景と比較して、女にしては背が高いな……
と、一瞬でも見始めると、やはり何かこの女子の姿が気になって、また動きが止まる俺。
でも、
「そろそろいい加減にしてもらわないと困るんですけど」
と、そろそろ本気で起こりそうな店員の口調に
「あ、はい。すみません」
すぐに立ち上がる俺。
やっぱり、なんか、もやもやした感じ残るのだけど。
——時間切れだ。
いや大した話じゃないだろ。
可愛い感じの子が気になるなんて男子高校生としては当たり前すぎで——本当、大した話しじゃない。
でもなんだ、そう……、なんか気になるんだが——。
*
「ご利用ありがとうございました。夜も遅いので気をつけてお帰りください」
俺は清算をした後に、受付の女性店員の事務的なスマイルに向かって、こちらも事務的に一礼するとそのまま夜の駅前に出た。
今は、夜、十時をちょっと回った頃だった。
あいつとは、十一時を待ち合わせ時間にしていたのだけれど、時間は、約束にはちょっと早かった。
この駅前から、今すぐに学校に向かえば、三十分位早めにつく見込みだった。
でも、俺はその方が良いかな、さすがに、女の子をこんな夜に一人で待たせるわけにもいかないし……
と思うが、
「あっ、俺の方が女の子か」
と——俺は、自分が今はその「女の子」なことに気づく。
すると、
「うわっ、ちょっと怖い感じするなこれ……」
俺は小声で呟いた。
気付いて見ると、夜の待ちに一人でふらふらしている美人女子高生って……すげえ危ないシチュエーションな感じがして来たのだった。
なんか、じろじろと見られている——視線を感じた。
駅の前にいる大学生風の集団が俺のことを見て何か言ってるような気がするし、コンビニの前でタバコ吸ってるおっさん二人は明らかに俺をじっと見ているな。
何か嫌らしい感じの視線。仕事帰りのくたびれたサラリーマンが、俺の前を通り過ぎ
過ぎる時にちらりとよこした、そのねっとりとまとわりつくような……
「ちょっと、まだ早いけど……もう行くかな、どうしようか?」
俺は、また小声で呟きながら、スマホ取り出して、待ち合わせのメールを見て、時間をもう一度確かめた。
——約束では、学校には十一時頃に行くことになっていた。
それは、多分その頃なら先生達も殆ど帰っているだろうし、さっさと用事を済ませれば真夜中前までなんとか帰れて、その位の時間が喜多見家の親に過度に勘ぐられない限界なのだと言うことから決まった時間だった。
その約束の時間まで——学校はここから自転車で二十分ちょっとで着くので——今が十時過ぎなので、出発するにはやはり少し時間は早いが……
——うわっ。
また、なんか舐めるような視線を感じて振り向けば、そこには明らかに堅気でないような風貌の人が……
——ギロリ!
「ひえっ……!」
俺はあわてて目をそらす。
そして、歩き出す。
こんな、(今の自分にとって)餓えた狼に囲まれているようにしか思えない駅前はさっさと退去して——学校に行こう。
俺は、そう思うと、ちゃらちゃらした若者(って俺のほうが若いけど)で一杯の駅前のロータリーをさっさとスルーして、自転車置き場から自転車を取ると、そのまま学校に向かって自転車を進めるのだった。
でも……
よく考えると——俺は自転車を走らせ始めてから気付いたが——駅前はまだずいぶんと人に溢れてたから——雑多な視線は嫌だったが——あそこでなら——衆人環境のもとではめったなことは起きなかったのではないのだろうか。
俺は、郊外のベットタウンの、その小さな繁華街を過ぎれば直ぐにさびしくなる風景の中で、すぐにそのことに気付いた。
今、自転車を走らせている通りは暗く、歩く人の姿もまばら。
こんな道だと——もしかして、通り過ぎる車が突然止まり、中から暴漢が現れて俺のか弱き身体を連れ去ろうとするのではないか?
角を曲がった先の暗闇に痴漢が潜んでいて、美少女(俺)が現れたのを見て破廉恥な姿をさらして来るのではないか?
そんなことを思うと、不安は不安を呼び、自分の影が自分を追ってくることにさえ怯える。
俺は震え……
震え……
んっ?
震え……?
「あれ」
俺はスマホが震えているのに気づき、自転車を止め、届いたメールを見る。
——美亜さん。百合です。美亜さんのお母さんには、一緒に勉強しているということで、少し遅くなること電話で話して信じてもらいましたので大丈夫です。こちらの、心配はなさらずに、そちらの方がんばってください。
「よし!」
俺はそのメールを見て、一気に、怖いとかめんどくさいとか言う気持ちが吹き飛んだ。
だって、麻生百合は、余計な詮索などいっさいせずにアリバイ工作を引き受けてくれ、そしてメールをくれ励ましてくれたのだ。
俺は、彼女に感謝しながら俺はスマホをしまう。
あんな純粋な子に嘘をついて、迷惑をかけてまで準備した計画だ。
怖いとか言ってないで、俺もがんばるぞ。
何をがんばるのか良く分からないが……
気合で、今日こそ身体を元に戻して、そして……
でも?
——あれ?
俺はその時気づいたのだった。もし俺が今夜、元に戻ったら、あの子また一人になるんじゃないかと言うことを。
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