35 / 99
俺、今、女子オタ充
俺、今、女子(また)キス中
しおりを挟む
予想外のクラスメート、それも男の登場に少し騒然となった俺が拉致されているアパート内であった。あの下北沢花奈に友達が、それも男が? もしかして彼氏? みたいなびっくりした雰囲気ありありのお姉様方二人——代々木公子と赤坂律——は、ともかく男が来たのに下着姿で対応もないだろうから、部屋の隅に転がっていたジャージを着込み、その後に、慌てて玄関のドアの横のインターフォンに戻るであった。
「その、あらためて、何のご用でしょうか?」
言ったのは代々木公子の方だった。彼女は、かなり警戒した様子で言う。
そりゃ騎士だなんてマジで言ってくる相手は警戒して当然と俺も思うよ。
でも、
「はい。花奈さんにクラスの連絡で漏れたものがあって……電話を何度かかけたんですが出てくれなくて」
とまあ順当な理屈を言われると、お姉様方は振り返り、こっちを向いて、「そうあなの?」と言った顔。おっと、俺は首肯をしながら、膝の前あたりに置いてたスマホを手探りで操作して電源を落としておく。辻褄を合わせておかないとね。
でも、一応納得はしているようだが、
「はあ? そんな緊急の用事です?」
まだ警戒してる様子で、今度は赤坂律が言う。
すると、
「ええ、月曜日に数学の課題提出があるのですが、花奈さんがその問題の紙を教室に忘れてしまったようで、最後までクラスに残っていた俺が、届けるようにって担任に言われて……花奈さんの家に電話したら今日は泊まりって言われて……明日の夕方に渡したんじゃやりきれない量の課題なのでどうしてもこの土曜のうちにって思いまして……」
なるほど。俺は、なんの淀みもなくスラスラと嘘八百を並べる喜多見美亜に感心しながら、今日のストーリー設定を確認する。
下北沢花奈は、隣のクラスなんだが、クラスメートと言うことにするんだな。で、課題を忘れたのでわざわざ届けに来てくれたと。家にいなかったからって、わざわざ都内までやってくるなんて、随分親切な男の子だが。そんなしてくれる相手と下北沢花奈の関係は? ——あっ、騎士か。
まあ、それは置いといて、
「それじゃ……受け取りますんで……花奈?」
とりあえず渡すものあるんなら受け取ってさっさと追っぱらおうと思ったのか、なんだかめんどくさそうにそう言った、代々木お姉様は、
「あんたが、受け取る?」
と俺に聞いてくる。
そして、それに首肯しながら、俺が立ち上がりドアに向かうと、
「……ドアが開いた時に逃げようたってそうはいかないからね」
すれ違いざまにそんな言葉を耳元で囁くのだった。
——はん?
俺は気づかれないようにこっそりと鼻で笑った。
なんだこの人。脅かしてるのかな?
俺が逃げないように。
俺がまた修羅場から逃避しないように?
でも、——俺は思った。
いやいや脅かさなくても逃げないよ。体は。
心配しなくても良いよ。逃げないよ。体は。
下北沢花奈の体はな!
俺は、薄笑いを浮かべながらインターフォンに向かって言う。
「来てるのは誰? 向ケ丘勇の他は……」
「百合ちゃんと、あと、も・ち・ろ・ん、美亜も来てるよ」
俺がさりげなく確認した言葉の意図を十分に組んでくれて、「それ」が可能なことを俺に伝えてくれる喜多見美亜だった。
オーケー、ならば、それなら……
「じゃあ、今外出るから……」
俺は少し軋むボロアパートのドアを開け外に出る。玄関先、言った通りの三人が目の前にいるのを確認する。
ニコニコしながら俺を見てる俺の体。他に、百合ちゃんと、中に下北沢花奈が入ってるはずの喜多見美亜の体は神妙な面持ちで、少し顔伏せて、上目使いで俺を見てる。
俺は、その三人の一番後ろにいた、中に下北沢花奈の入っている喜多見美亜の体にに、分かってるなと言うような目配せをする。と、首肯する彼女。俺はつかつかと彼女のところまで歩いて行くと……
ブチュ!
熱烈なキスをするのであった。
*
女の子同士でキスをしているシーンを見て、代々木公子と赤坂律の大学生のお姉様二人は、たちまち大パニックになるのだった。
「えええ! 花奈ってそうなの!」
「うわ、そうだとしても……こんな綺麗な子と……なんであんたが……」
今日のマンガ作成中に色々ちゃちゃ入れてくる話を聞けば、どっちかというと百合好きでなくBL趣味のお二人様なので、女同士のラブシーンには喜ぶというよりは、どうして良いかわからずに当惑しているようだった。キャーキャー言いながら、何もできずに後ろでおろおろしているのが背中から雰囲気で伝わってくる。
それがわかって、——ははは、騒げ騒げ。と俺は思った。
まあ、下北沢花奈はこの後。このお姉様型に少し違った目で見られるだろう、しかし、それも自らの身から出たサビ。この女が、コミケ前の修羅場から逃げたくて俺(喜多見美亜の体)と入れ替わったからこんなことになるのだ。
俺の方というか、キスしている相手の喜多見美亜はもうこの二人と関わることもないだろうから、どうも思われようと関係ないし……
さあ、このクソ修羅場には下北沢花奈を残して、俺はさっさと家に帰って週末の深夜アニメに備えて、お茶でも飲みながらゆったりと心を落ち着けるのだ。こんな、一瞬も気の抜けない監視体制からはオサラバなのだ、と俺は思うのだった。
「どうするの……これどうするの……」
「なんだろ、祝福して赤飯とか炊かないとだめなの……えっ? それ違う?」
ふん。混乱しろクソお姉様方。俺は、「背中」で慌てふためく二人の様子を感じて、口元をニヤリとさせた。
もう、俺はあんた達とは無関係だ。そう、俺は、さっきまでのコミケ前の修羅場と違い、余裕をもって「背中」に感じる視線にも対処できるのだった。もう俺はそれに何もビビらないでいられるのだった。でも「背中」……?
「でも——事情は良くわらないけど。締め切りは変わらないのよ、花奈」
「そうだよ、花奈。と、……君たちも」赤坂お姉様が俺らに向かって言う。「わざわざここまでやって来て、花奈と深い関係なのはわかったけど、——今日は彼女たてこんでいるんだ。と言うか、本気で今日あたりで花奈の仕事進めておかないとまずいんだよ」
なんだか想定外の出来事を見てしまった混乱から、そろそろ現実に戻って、このうやむやで下北沢花奈が今日マンガを描けなくなることを心配しだしたふたりだった。
俺は……その声を「背中」で聞く。
ん?
背中?
って! 背中って!
「入れ替わってないじゃん!」
「…………」
俺の焦った顔を、キョトンとした表情で見つめる下北沢花奈——喜多見美亜の顔であった。
なんだ! キスをしても入れ替わらない!
これこそ——想定外だ。
ブチュ!
俺はそれならと、もう一度熱烈なキスを交わすのだが、
「あっ……うっ」
なんだか色っぽい声を出す、下北沢花奈(喜多見美亜の唇)だが、あの体と心が溶け合うような、入れ替わる時のもやっとした心情はまるでやってこない。感じるのは——俺の心を占めるのは——柔らかい唇の感触と、毎日嗅いでいるはずなのに、他人の匂いとして感じれば、くらっとするような喜多見美亜の爽やかながらなんかちょっと甘い良い匂い。
なに、これ……
もしかして?
これ……だめ?
「だから、花奈……あなたが彼女と熱々なのはわかったけど——もうそろそろ仕事に戻ろう……」
「そうだよ。君たちも、こんな軒先で騒ぎ起こさないで……なんなら中に入ってもらって……あたしたちは、花奈を監禁しているんでも、怪しいものでもないことちゃんと説明するから」
俺はキスをやめて、顔を離し、下北沢花奈の後ろにいる喜多見美亜と百合ちゃんに目配せをする。二人も、俺が入れ替わっていないこと悟って、びっくりとしたような、呆然としたような、——表情を浮かべていた。
なら、もう一度。俺はそう思い。下北沢花奈(喜多見美亜の顔)に向き直るが、彼女は申し訳なさそうに目をふせる。
ああ、だめだな。俺は悟った。なんでかは良く分からないが、下北沢花奈は今自分の体に戻ることはできないらしい。俺と喜多見美亜の時のように元に戻ることができなくなっていまっているのだった。
となると……
「じゃあ、そう言うことでしたら……先ずは中にいれてもらって事情を聞くことにしますか」
喜多見美亜はそういって、このまま追い返されてしまうと言う最悪の事態だけは避けることを選択してくれたのだが……ねえ、いったいこのあとどうすれば良いの?
俺は途方にくれながら振り返り、そこで少しイライラし始めたのか、顔に、どう見ても起こっているのを無理やり隠している、お姉様二人の引きつった笑い顔を見ることになるのだった。
俺はまた修羅に逆戻りとなるしかないようなのだった。
「その、あらためて、何のご用でしょうか?」
言ったのは代々木公子の方だった。彼女は、かなり警戒した様子で言う。
そりゃ騎士だなんてマジで言ってくる相手は警戒して当然と俺も思うよ。
でも、
「はい。花奈さんにクラスの連絡で漏れたものがあって……電話を何度かかけたんですが出てくれなくて」
とまあ順当な理屈を言われると、お姉様方は振り返り、こっちを向いて、「そうあなの?」と言った顔。おっと、俺は首肯をしながら、膝の前あたりに置いてたスマホを手探りで操作して電源を落としておく。辻褄を合わせておかないとね。
でも、一応納得はしているようだが、
「はあ? そんな緊急の用事です?」
まだ警戒してる様子で、今度は赤坂律が言う。
すると、
「ええ、月曜日に数学の課題提出があるのですが、花奈さんがその問題の紙を教室に忘れてしまったようで、最後までクラスに残っていた俺が、届けるようにって担任に言われて……花奈さんの家に電話したら今日は泊まりって言われて……明日の夕方に渡したんじゃやりきれない量の課題なのでどうしてもこの土曜のうちにって思いまして……」
なるほど。俺は、なんの淀みもなくスラスラと嘘八百を並べる喜多見美亜に感心しながら、今日のストーリー設定を確認する。
下北沢花奈は、隣のクラスなんだが、クラスメートと言うことにするんだな。で、課題を忘れたのでわざわざ届けに来てくれたと。家にいなかったからって、わざわざ都内までやってくるなんて、随分親切な男の子だが。そんなしてくれる相手と下北沢花奈の関係は? ——あっ、騎士か。
まあ、それは置いといて、
「それじゃ……受け取りますんで……花奈?」
とりあえず渡すものあるんなら受け取ってさっさと追っぱらおうと思ったのか、なんだかめんどくさそうにそう言った、代々木お姉様は、
「あんたが、受け取る?」
と俺に聞いてくる。
そして、それに首肯しながら、俺が立ち上がりドアに向かうと、
「……ドアが開いた時に逃げようたってそうはいかないからね」
すれ違いざまにそんな言葉を耳元で囁くのだった。
——はん?
俺は気づかれないようにこっそりと鼻で笑った。
なんだこの人。脅かしてるのかな?
俺が逃げないように。
俺がまた修羅場から逃避しないように?
でも、——俺は思った。
いやいや脅かさなくても逃げないよ。体は。
心配しなくても良いよ。逃げないよ。体は。
下北沢花奈の体はな!
俺は、薄笑いを浮かべながらインターフォンに向かって言う。
「来てるのは誰? 向ケ丘勇の他は……」
「百合ちゃんと、あと、も・ち・ろ・ん、美亜も来てるよ」
俺がさりげなく確認した言葉の意図を十分に組んでくれて、「それ」が可能なことを俺に伝えてくれる喜多見美亜だった。
オーケー、ならば、それなら……
「じゃあ、今外出るから……」
俺は少し軋むボロアパートのドアを開け外に出る。玄関先、言った通りの三人が目の前にいるのを確認する。
ニコニコしながら俺を見てる俺の体。他に、百合ちゃんと、中に下北沢花奈が入ってるはずの喜多見美亜の体は神妙な面持ちで、少し顔伏せて、上目使いで俺を見てる。
俺は、その三人の一番後ろにいた、中に下北沢花奈の入っている喜多見美亜の体にに、分かってるなと言うような目配せをする。と、首肯する彼女。俺はつかつかと彼女のところまで歩いて行くと……
ブチュ!
熱烈なキスをするのであった。
*
女の子同士でキスをしているシーンを見て、代々木公子と赤坂律の大学生のお姉様二人は、たちまち大パニックになるのだった。
「えええ! 花奈ってそうなの!」
「うわ、そうだとしても……こんな綺麗な子と……なんであんたが……」
今日のマンガ作成中に色々ちゃちゃ入れてくる話を聞けば、どっちかというと百合好きでなくBL趣味のお二人様なので、女同士のラブシーンには喜ぶというよりは、どうして良いかわからずに当惑しているようだった。キャーキャー言いながら、何もできずに後ろでおろおろしているのが背中から雰囲気で伝わってくる。
それがわかって、——ははは、騒げ騒げ。と俺は思った。
まあ、下北沢花奈はこの後。このお姉様型に少し違った目で見られるだろう、しかし、それも自らの身から出たサビ。この女が、コミケ前の修羅場から逃げたくて俺(喜多見美亜の体)と入れ替わったからこんなことになるのだ。
俺の方というか、キスしている相手の喜多見美亜はもうこの二人と関わることもないだろうから、どうも思われようと関係ないし……
さあ、このクソ修羅場には下北沢花奈を残して、俺はさっさと家に帰って週末の深夜アニメに備えて、お茶でも飲みながらゆったりと心を落ち着けるのだ。こんな、一瞬も気の抜けない監視体制からはオサラバなのだ、と俺は思うのだった。
「どうするの……これどうするの……」
「なんだろ、祝福して赤飯とか炊かないとだめなの……えっ? それ違う?」
ふん。混乱しろクソお姉様方。俺は、「背中」で慌てふためく二人の様子を感じて、口元をニヤリとさせた。
もう、俺はあんた達とは無関係だ。そう、俺は、さっきまでのコミケ前の修羅場と違い、余裕をもって「背中」に感じる視線にも対処できるのだった。もう俺はそれに何もビビらないでいられるのだった。でも「背中」……?
「でも——事情は良くわらないけど。締め切りは変わらないのよ、花奈」
「そうだよ、花奈。と、……君たちも」赤坂お姉様が俺らに向かって言う。「わざわざここまでやって来て、花奈と深い関係なのはわかったけど、——今日は彼女たてこんでいるんだ。と言うか、本気で今日あたりで花奈の仕事進めておかないとまずいんだよ」
なんだか想定外の出来事を見てしまった混乱から、そろそろ現実に戻って、このうやむやで下北沢花奈が今日マンガを描けなくなることを心配しだしたふたりだった。
俺は……その声を「背中」で聞く。
ん?
背中?
って! 背中って!
「入れ替わってないじゃん!」
「…………」
俺の焦った顔を、キョトンとした表情で見つめる下北沢花奈——喜多見美亜の顔であった。
なんだ! キスをしても入れ替わらない!
これこそ——想定外だ。
ブチュ!
俺はそれならと、もう一度熱烈なキスを交わすのだが、
「あっ……うっ」
なんだか色っぽい声を出す、下北沢花奈(喜多見美亜の唇)だが、あの体と心が溶け合うような、入れ替わる時のもやっとした心情はまるでやってこない。感じるのは——俺の心を占めるのは——柔らかい唇の感触と、毎日嗅いでいるはずなのに、他人の匂いとして感じれば、くらっとするような喜多見美亜の爽やかながらなんかちょっと甘い良い匂い。
なに、これ……
もしかして?
これ……だめ?
「だから、花奈……あなたが彼女と熱々なのはわかったけど——もうそろそろ仕事に戻ろう……」
「そうだよ。君たちも、こんな軒先で騒ぎ起こさないで……なんなら中に入ってもらって……あたしたちは、花奈を監禁しているんでも、怪しいものでもないことちゃんと説明するから」
俺はキスをやめて、顔を離し、下北沢花奈の後ろにいる喜多見美亜と百合ちゃんに目配せをする。二人も、俺が入れ替わっていないこと悟って、びっくりとしたような、呆然としたような、——表情を浮かべていた。
なら、もう一度。俺はそう思い。下北沢花奈(喜多見美亜の顔)に向き直るが、彼女は申し訳なさそうに目をふせる。
ああ、だめだな。俺は悟った。なんでかは良く分からないが、下北沢花奈は今自分の体に戻ることはできないらしい。俺と喜多見美亜の時のように元に戻ることができなくなっていまっているのだった。
となると……
「じゃあ、そう言うことでしたら……先ずは中にいれてもらって事情を聞くことにしますか」
喜多見美亜はそういって、このまま追い返されてしまうと言う最悪の事態だけは避けることを選択してくれたのだが……ねえ、いったいこのあとどうすれば良いの?
俺は途方にくれながら振り返り、そこで少しイライラし始めたのか、顔に、どう見ても起こっているのを無理やり隠している、お姉様二人の引きつった笑い顔を見ることになるのだった。
俺はまた修羅に逆戻りとなるしかないようなのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる