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1章
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しおりを挟む次の朝、俺は項垂れていた。
ダメだと言って止めなかった俺が悪い、それは分かっている。
それでも知りたくなかった、普通に生きていれば知るはずのなかったあの快感を知ってしまったら今後どう生きていけばいいのか。
それに焦らされて焦らされてから弱いところを一気に攻められるのがあんなに気持ちよかったなんて…。
エドウィンさんは今俺の隣に座って俺を宥めるように俺の頭を撫で、しきりにごめんね、大丈夫?と聞いてくる。
罪悪感を感じるぐらいならやらなきゃいいのに。しかし一応貞操は守られた…のだろうか?あれはぶち込まれてないし…うん。
…大きかったな。大きくて力強くて…それが俺を触ったせいでああなったという事実に胸が熱くなるのを必死に知らないフリをした。
据え膳食わぬは男の恥という言葉がある。
きっとエドウィンさんは俺に…挿れたかったんだろうな。
しかし今後のことを考えてか、拒絶されるのが怖かったのか、俺のためを思ってか。無理やりやればできたはずなのにそれをしなかった。
ちょっと変態だけど…やっぱり優しいのかもしれない。ちょっと変態だけど。
「…はぁ。もう怒ってないですよ」
そう言って頭を撫でるエドウィンさんの手に擦り寄ると、エドウィンさんは嬉しそうな、ほっとしたような表情で笑った。
その日、俺たちはイストの町を出た。
イストの町では俺についての情報が得られなかったため(記憶喪失は嘘なので元々そんなものはないが)、他の町へ移ることにしたのだ。
エドウィンさんの指導と身体強化のおかげで剣の扱いも様になってきたし、いざとなれば攻撃魔法がある。
Bランク冒険者のエドウィンさんにかかればこの辺の魔物相手なら俺を守りながら戦うことも充分に可能だということだった。
しかし、見ず知らずの記憶喪失の少年相手にどうしてここまでしてくれるのだろうか。
まさか俺に惚れ…いやいや、そういう話は置いておこう。散々体を触られているので否定しきれない話ではあるが、俺はやっぱり女の子が好きだ。
情報が多いのは王都だろうとのことで、ここから徒歩だと一ヶ月はかかる王都へ向かっていた。
道中色んな町村があるとのことで、そこで食料や備品を調達しながら進むらしい。
イストを出て一日目の夜営の際、錬金術に挑戦することにした。ポーションを鑑定すれば材料と作り方は載っているので、【錬金】スキルを使えば簡単に作れるはずだ。
イスト村の周辺に生えていた薬草を細かく切り刻んで、魔力で出した水を張った鍋に入れて火をかける。
【錬金】スキルの発動をイメージしながら鍋に魔力を注ぎ込み、ぐるぐると一定の速度でかき混ぜる。
1分ほどそうしていると、やがて鍋の中が淡く光りだした。
不純物を取り除くため一度漉して、出来上がったものを鑑定してみる。
・初級ポーション(特級)
非常に出来の良い初級ポーション。中級ポーション並の回復量を持つ。
おっ、特級だって。
やたらと良い出来になったな。
あらかじめ買っておいた瓶に詰め替えてコルク栓をしめる。透き通った濃い赤色が綺麗だ。一回の錬金で10本のポーションが出来上がった。
俺の錬金術を見ていたエドウィンさんに見て見て、と無邪気を装って出来上がったポーションを見せると、凄い凄いと手放しで褒めてくれた。
記憶喪失なのに錬金術はできるのかと思われてそうだが、今更だ。いつか記憶を取り戻したフリをしておかないと色々怪しまれる要素が増えていく。
いつまでもエドウィンさんにお世話になる気はなく、せっかくの剣と魔法のファンタジー世界なのでエルフや獣人とも会ってみたいし色んなところを冒険してみたい。
ダンジョンなんかもあったら入ってみたいしモンスターテイム、獣魔なんかも憧れる。
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