転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

初めての魔法への反応

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 魔法を披露してみると、誰も反応してくれなかった。なんで~?なんかおかしかったのかな?もしや、ショボかった!?泣ける…頑張ったのに…

 ティアがショボンとして涙を浮かべてベティさんを見つめる。

「くはっ!(可愛い!そんな目で見つめないで!!)だ、大丈夫ですよ。ほ、ほら、ギルマス、サブマス、エリックさん!しっかりして下さい。」

「「「はっ!!」」」

 どうやら全員正気を取り戻したようだ。

「そ、その色々聞きたいことがあるのですが、よろしいでしょうかティアさん。」

「うん、、」

「ティアさんの魔法はどれも素晴らしいものでした。これは本当ですよ。私が聞きたいことは、3つです。1つ目、赤魔法の最後の青い炎です。あれはどういう仕組みなのですか?」

「あれは炎をある一定の温度まで高くすることで色を変えたの。他にもオレンジとか緑とかの炎も作れると思うよ。(まぁ、条件があるけど…)」

「炎の威力をあげるのではなく、温度を上げるのですね。青魔法はまぁ大丈夫です。ただ上位魔法のはずの氷を作り出しただけですもんね、そう上位魔法を……2つ目は黄魔法です。あれはゴーレムで間違いないですか?」

 そう言って指を指したのは私が作ったゴーレムくん。1人(?)それとも1体(?)が楽しそうにジャンプしたりと私のひざの上で遊んでいる。

「ゴーレムくんだよ!ねー!」

 私が話しかけると首をコクコクと動かしている。うん、可愛い。

「わかりました。別に指示を出して動かしているわけではないんですねまるで意思を持っているようだ…すごいな。」

「えへへ」

「3つ目は緑魔法です。最後の浮遊魔法ですか?あれは難易度が高く安定させることが難しいのですが…」

「うん、多分それ!風を纏えば浮けるかな?って思ってやってみたら出来たよ。たしかにバランスとるのが難しかったなぁ!」

「そうですか。(浮遊魔法はどの国でも数えるほどしか成功しているものがいないが…)ありがとうございました。私からの質問は以上です。」

 なんかサブマス疲れてる?

「おい!ニール!他にも気になったことがあるだろ!?無詠唱だったぞ。ティア、詠唱はどうしたんだ?」

「詠唱って呪文みたいなもの?それって言わなきゃダメなの?」

「ダメって事はないが…そこに至るまでにはかなり時間がかかるんだ。」

「そーなんだ!でも、なんか出来ちゃった。」

 テヘッとして見るとベティさんは顔を赤くしてプルプルしていた。テヘッが面白かったのかな?

(テヘッって!可愛いすぎます!)←ベティの心の声

 ベティを除く3人は信じがたいような目をしていた。

「ま、まぁティアが全属性だって事はわかった。だろ?ローブさん、ニールさん。」

「「とても」」

「ふふん!嘘じゃなかったでしょ!ドヤッ」

「(ドヤッって!可愛い過ぎ!)」←ベティ

「じゃあ、【属性】の欄はそのまま全属性にしとくが。ティア、所構わず全属性であることは言ってはいけないぞ?そんな奴は世界中探してもおそらくいないだろう。ティア以外に…だからあまり見せびらかしたりしてはダメだ。いいな?」

「はぁーい。」

 まさかの全属性持ちが世界中に私以外に存在してないだと!?パパ~聞いてないよぉ。

「ベティ登録をしてきてくれ。」

「はい、かしこまりましたギルマス。」

 ベティさんが登録をしに行ったのを確認したギルマスがエリック隊長に話しかける。

「おいエリック。今のうちに話しておこう。ティアとの出会いについて。」

「ああ。ティア、少し席をはずす。ニールさんと待っててくれ。」

「はーい!」

 ギルマスとエリックは部屋から出て行った。






♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


「ねぇねぇ!サブマスはエリック隊長と同じ年齢くらいなの?」

 ティアはサブマスと2人になり、唯一の話し相手であるサブマスに質問を始めた。

「ふふっ。ティアさん名前で呼んで下さい。サブマスだなんて冷たいじゃないですか。まずはそこからです。」

「あ、あい!えっと、ニールさん!!」

「嬉しいです。それでは先ほどの質問の答えですが、エリックさんよりは年上ですよ。それもかなり。」

「ふえぇー!!嘘だぁ!だって、エリック隊長と同じくらいにしか見えないよ!」

「それは、ありがとうございます。私はエルフとのハーフですので、その血を受け継いでいるので若く見えるのでしょう。」

「エルフ!!そっか。エルフとのハーフなんだ。ハーフだから耳が少しだけ尖ってるんだね!」

「基本的に人族とエルフのハーフは耳が尖ってませんよ。たまに少し尖っている者が生まれてくるんです。私のように見た目が完全にエルフでもなく人族でもない半端者が…」

 ニールさんは一瞬暗い顔をした。きっと、その見た目だからこそ受け入れられなかった事もあったんだろう。

「ニールさんは半端者なんかじゃないよ!だって、ニールさんは立派にサブマスを務めてる。サブマスって見た目だけでなれるものなの?違うでしょ!ニールさん個人を見て、それを認められたからこそ今があるんだよ!半端者って言う人の方が半端者なんだよ!」

「っ!!ありがとうございます…」

 ニールさんは泣きそうな顔をして言った。そして、優しく微笑んで私の頭を撫でてくれた。私はニールさんに向かって笑いかけた。

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