転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

いざ宿へ!

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 スノウを存分にモフっていた私だったが、その手を掴んで中断させる手が。


「そろそろ行くぞ。」


 何故かムッとした顔のアルがスノウと引き離すように間に入った。


〈こいつ…僕とティアの邪魔を!!〉


 今度はスノウがムッとしたようにアルを睨んでいる。


 小さな火花が散っている気がするが大丈夫か?


「ほら、行くぞ!ビスも早くこい。犬っころは…ティアの持っているプウセンみたく繋いでおいたがいいか?」


〈どうやら死にたいようだね。この僕をウルフ以下の犬っころだって!?話がわかると思ったのは間違いだったようだ。〉


 グルルと今にも喧嘩が始まりそうな雰囲気。アルとスノウ…どちら側に付いても面倒な事になりそうだ。1人ニヤニヤと傍観者と徹していたビスさん、あなたを巻き込んであげる♪



「ビスさん、肩車!」


「えっ!?ちょっ、ティアちゃん?」


 ほら早く!とビスさんに合図する。


「…ビスぅ??」←目が笑っていない


〈…グルル??〉←牙剥き出し


「…ハハハ。」←汗を浮かべ目を逸らすビス


 さり気なく私から距離を取ろうと必死になるビスさん。


 逃がさないよ?ガシッとビスさんの服を掴んで離さない私。


「…ね?ビスさん?」←ニヤリとする私


「……私の味方はいないんですかねぇ」


 ガクリと項垂れるビスさん。













 結局、私はビスさんに肩車してもらうことになり、宿まで送ってもらっている。


 実はビスさんに肩車される前は、アルと手を繋いで、スノウが私の足下をピタッと引っ付くようにして歩いていたんだよ。正直、スノウを何回か蹴りそうになり、ヒヤッとしたくらいに歩きにくかった…これスノウに言ったら悲しむから内緒だけど。


 だけどね、大通りに戻ってきた途端にテンションが上がってしまって。迷子になった理由を忘れたかのように、あっちこっちに体が動き出したわけよ。アルの手をぐいっと引っ張る形で走り出して、スノウが慌てて付いてきて…ビスさんも小さい私たちを人通りが多くなった場所で見失わないように忙しなく追いかけることになった。


 アルに引っ張り戻されたり、スノウが進路妨害したり、ビスさんが服の襟根っこを掴んで確保したりと…私はとにかく迷惑をかけまくった。


「なるほど。こうしてティアは迷子になっていたわけだな…」


「え、えへっ?」


「笑って誤魔化すなぁああ」


 ぷにぷにとほっぺをいじられる。


「これでは全然フラーレンの宿に着かないだろう!!ビス、ティアを肩車することを許す!捕獲をしておかないとダメだ。」


「同感ですアルベルタ様。ですが宜しいので?あれほど私がティアちゃんを肩車することを嫌がっていらっしゃったのに。」


「べ、別に嫌がってなんかいないぞ!」


「と言いつつ、ティアちゃんをさっきより握り締めてません?いや、抱き締めているというか…」


 むぎゅうと後ろからティアを抱き締めるようにしていたアルベルタは自身の行動にギョッとして瞬時に離れる。


「はっ?え?今、俺は何してっ!?」


「まさかのアルベルタ様、今の無意識ですか。ちょっと、どうしたんですか。今まで見てきたアルベルタ様はどこに行っちゃったんでしょう。わが主はご乱心なのでしょうか。」


「おいこらビス!お前、こんな失礼な奴だったか!?使える主に向かって、ご乱心ですかとはよく言えるな!」


「そりゃ言いたくなりますよ…私が見てきた今までのアルベルタ様は偽者で、今日見るアルベルタ様が本来の姿だったらと思うと恐ろしいですよ!」


 いやもうビスさんの方がご乱心ではないだろうか。遠巻きにこちらの様子を伺う人続出してるし。スノウなんて欠伸をして無関心を貫いているよ。


「とりあえずティアちゃんを肩車で捕獲しておく事には賛成でいいんですね!?」


「も、もちろんだ。ウルフも文句はないだろう?」


 スノウは文句なしと言うかのようにグルッと鳴いた。


 てなわけでビスさんに肩車してもらってます。ビスさんのお耳をモフるのは忘れない。ビスさん虎の獣人さんらしいよ!ピンっと立った耳がカッコイイの。


 ビスさんはフードから顔を出したままだけど、アルはフードを被って歩いてるんだよね。アルはお忍びかなんかで来てる偉い人みたいだし。かなり偉い、もしくはお金持ちなのは間違いないはず。高価な魔道具使ってたもん!アルは黒色の髪に綺麗な金色の瞳だったのに、今はなんとビスさんとそっくりなオレンジに似た色の髪にミントグリーンな瞳をしている。


 前にレオンに聞いたことあるんだ。貴族やお金持ちの商人なんかはお忍びとかで見た目を変える(この場合、髪色や瞳の色)魔道具を使ったりするらしい。







「さぁ、ティアちゃんもうすぐで目的地に着きますよ。」



 




 
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