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「キャワルンズなぁ…全くもって思い出したくもない奴らだ。始まりはティアとパッチーナ観光していた時だった。」
エリックの語り出しに耳を傾けるビス。それから共に行動していなかったナックとキャスも耳を傾ける。
「さっきも言ったが爆発があっただろ?それに関してパッチーナの冒険者ギルドのマスターであるテルボーさんに助太刀を頼まれてな。俺らは仕事で来てたわけでもないし、事故や住人たちの揉め事だったら手出しするつもりはなかったんだ。なにせティアとの時間を奪われるわけだし。だが聞けば聞くほど厄介事で、それなりの人物が関わってやがる。領主の息子だ。つまり貴族なわけで、俺という公爵家の人物が行く事で口出しは出来ない、バンは獣人ということもあり獣人の子供の対応に力を貸してもらいたいとの事、デュースは被害を抑える為に魔法陣解除に当たって欲しいらしいし、ニールさんは何か事情があったみたいだし。教えてくれないけど。仕方ないから行く事にしたが、ティアを1人にはさせられない。そんな時に現れたのが…」
「あのキャワルンズたちって事ですね。」
うげぇと顔を顰めるエリック。
「テルボーさんの体裁もあるからな、あれでも名の知れた実力のある冒険者たちだ。たとえ、男漁りが激しく鬱陶しいとしても。依頼となれば受けなければならない。それもギルドマスター直々のだぞ?プライベートと仕事は分けるのが当たり前だ。あいつらは確かに依頼を引き受けた。つまりは達成する為に行動する義務がある。だと言うのに…アイツらは放棄した。そして、依頼達成した事にしろとティアに言うと放置した。」
「冒険者業を舐めているとしか言えませんよね。ギルドにケンカを売っているのでしょうか?パッチーナ冒険者ギルドマスターと王都冒険者ギルドのサブマスターの前でやり過ごそうとした等、肝が据わっていると誉めるべきでしょうかね?ふふふ…」
ニールが冷え冷えとした空気を纏って、笑っている。怖すぎる。
「……とりあえず、現場が落ち着いた所で切り上げ、急いで宿に帰るとまだティアが帰ってきてないというじゃないか。おかしいだろ?俺らより早く帰り着いていなきゃ変だ。宿の主人に聞いてもティアを見ていないという。だが、キャワルンズがいると思われるいつもいる場所は教えて貰った。そこで、俺とニールさんがキャワルンズを捜しに行き、バンとデュースには宿に待機してもらっていた。」
「行き違いの可能性がありますからね。」
「あぁ。それで、俺とニールさんはキャワルンズの目撃情報を集め3人組を見つけた。アイツら何してたと思う?酒場に入って、酒を飲みつつ、夜のお誘いなんてもんしてやがった。俺とニールさんに気付くと今の今まで相手していた男どもは放り出し一直線にこっちに向かってきたぞ。開口一番に、私たちを求めに会いに来てくれたのね!なんて気持ち悪いこと言い出しやがった。」
ビスやスノウたちは、うわぁ…とドン引きした表情だ。
「そこで、鎌をかけてみる事にしました。なんとも愉快な頭をお待ちの方達ですのでね、簡単に乗せられてくれましたね。」
♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「先程ぶりですねキャワルンズの皆さん。無事、仕事をこなしてくれた様でなりよりです。店主がティアさんが1人で戻って来て驚いたと言っていましたが、ティアさんが店の入口まで送り届けてくれたとおっしゃっていました。」
「えぇ、もちろん!ちゃんとガキ…女の子を宿まで送り届けましたよ~」
「とても良い子でぇ、すぐでしたぁ~」 「お礼なら、喜んであなたたちを貰うわ~」
「へぇ…ティアさんをガキねぇ?すぐに依頼達成?お礼に私たちを?気安く触らないで頂けますか?」
擦り寄ってきた3人を虫を払うかのようにして跳ね除ける。
「なっ、何するのよ!!」
「お兄さん、いたぁい!」
「なんの真似よ!」
「ぺちゃくちゃよく喋る口ですね。私たちはここにくるまでに貴女たちの聞き込みをしているんですよ。貴女たちと別れたあと、程なくして宿とは正反対にあるこちらの酒場にいたという情報を多くの人から伺っています。貴女たちがいい意味で有名で助かりました。」
「「「……」」」
「あぁ、送り届けた後だと言いたいのですか?無理ですよね。距離も時間も合いませんし。なにより、貴女たちにティアさんを任せた付近には最初に尋ねに行っていますから、証言者は多いのですよ。貴女たちがティアさんを置いて行ったことは付近の店の者たちが目撃済みです。さらにはティアさんに道を聞かれたという方も見つかっていますので言い訳は結構ですよ?」
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「…と、まぁこんな感じだったな。あとは襟根っこ引っ掴んで宿まで帰る魔王の凱旋状態だった。ニールさんのおかげで逆に冷静になれた瞬間だった…あれは恐い…」
ブルっと一瞬震えたエリック。そして、キャワルンズを引っ張ってきたニールを思い出し、バンたちお留守番組も遠い目をしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回で情報共有は終わりです。長々となってしまい申し訳ないです(>人<;)今後の展開が未だ見えておらず、時間稼ぎのようになってしまいました。パッチーナ編の内容方向が決まった(組織の設定とか)ので、徐々に話が進み出します。
エリックの語り出しに耳を傾けるビス。それから共に行動していなかったナックとキャスも耳を傾ける。
「さっきも言ったが爆発があっただろ?それに関してパッチーナの冒険者ギルドのマスターであるテルボーさんに助太刀を頼まれてな。俺らは仕事で来てたわけでもないし、事故や住人たちの揉め事だったら手出しするつもりはなかったんだ。なにせティアとの時間を奪われるわけだし。だが聞けば聞くほど厄介事で、それなりの人物が関わってやがる。領主の息子だ。つまり貴族なわけで、俺という公爵家の人物が行く事で口出しは出来ない、バンは獣人ということもあり獣人の子供の対応に力を貸してもらいたいとの事、デュースは被害を抑える為に魔法陣解除に当たって欲しいらしいし、ニールさんは何か事情があったみたいだし。教えてくれないけど。仕方ないから行く事にしたが、ティアを1人にはさせられない。そんな時に現れたのが…」
「あのキャワルンズたちって事ですね。」
うげぇと顔を顰めるエリック。
「テルボーさんの体裁もあるからな、あれでも名の知れた実力のある冒険者たちだ。たとえ、男漁りが激しく鬱陶しいとしても。依頼となれば受けなければならない。それもギルドマスター直々のだぞ?プライベートと仕事は分けるのが当たり前だ。あいつらは確かに依頼を引き受けた。つまりは達成する為に行動する義務がある。だと言うのに…アイツらは放棄した。そして、依頼達成した事にしろとティアに言うと放置した。」
「冒険者業を舐めているとしか言えませんよね。ギルドにケンカを売っているのでしょうか?パッチーナ冒険者ギルドマスターと王都冒険者ギルドのサブマスターの前でやり過ごそうとした等、肝が据わっていると誉めるべきでしょうかね?ふふふ…」
ニールが冷え冷えとした空気を纏って、笑っている。怖すぎる。
「……とりあえず、現場が落ち着いた所で切り上げ、急いで宿に帰るとまだティアが帰ってきてないというじゃないか。おかしいだろ?俺らより早く帰り着いていなきゃ変だ。宿の主人に聞いてもティアを見ていないという。だが、キャワルンズがいると思われるいつもいる場所は教えて貰った。そこで、俺とニールさんがキャワルンズを捜しに行き、バンとデュースには宿に待機してもらっていた。」
「行き違いの可能性がありますからね。」
「あぁ。それで、俺とニールさんはキャワルンズの目撃情報を集め3人組を見つけた。アイツら何してたと思う?酒場に入って、酒を飲みつつ、夜のお誘いなんてもんしてやがった。俺とニールさんに気付くと今の今まで相手していた男どもは放り出し一直線にこっちに向かってきたぞ。開口一番に、私たちを求めに会いに来てくれたのね!なんて気持ち悪いこと言い出しやがった。」
ビスやスノウたちは、うわぁ…とドン引きした表情だ。
「そこで、鎌をかけてみる事にしました。なんとも愉快な頭をお待ちの方達ですのでね、簡単に乗せられてくれましたね。」
♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「先程ぶりですねキャワルンズの皆さん。無事、仕事をこなしてくれた様でなりよりです。店主がティアさんが1人で戻って来て驚いたと言っていましたが、ティアさんが店の入口まで送り届けてくれたとおっしゃっていました。」
「えぇ、もちろん!ちゃんとガキ…女の子を宿まで送り届けましたよ~」
「とても良い子でぇ、すぐでしたぁ~」 「お礼なら、喜んであなたたちを貰うわ~」
「へぇ…ティアさんをガキねぇ?すぐに依頼達成?お礼に私たちを?気安く触らないで頂けますか?」
擦り寄ってきた3人を虫を払うかのようにして跳ね除ける。
「なっ、何するのよ!!」
「お兄さん、いたぁい!」
「なんの真似よ!」
「ぺちゃくちゃよく喋る口ですね。私たちはここにくるまでに貴女たちの聞き込みをしているんですよ。貴女たちと別れたあと、程なくして宿とは正反対にあるこちらの酒場にいたという情報を多くの人から伺っています。貴女たちがいい意味で有名で助かりました。」
「「「……」」」
「あぁ、送り届けた後だと言いたいのですか?無理ですよね。距離も時間も合いませんし。なにより、貴女たちにティアさんを任せた付近には最初に尋ねに行っていますから、証言者は多いのですよ。貴女たちがティアさんを置いて行ったことは付近の店の者たちが目撃済みです。さらにはティアさんに道を聞かれたという方も見つかっていますので言い訳は結構ですよ?」
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「…と、まぁこんな感じだったな。あとは襟根っこ引っ掴んで宿まで帰る魔王の凱旋状態だった。ニールさんのおかげで逆に冷静になれた瞬間だった…あれは恐い…」
ブルっと一瞬震えたエリック。そして、キャワルンズを引っ張ってきたニールを思い出し、バンたちお留守番組も遠い目をしていた。
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次回で情報共有は終わりです。長々となってしまい申し訳ないです(>人<;)今後の展開が未だ見えておらず、時間稼ぎのようになってしまいました。パッチーナ編の内容方向が決まった(組織の設定とか)ので、徐々に話が進み出します。
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