188 / 314
本編
ウォン
しおりを挟む
「ここが青薔薇たちのいる部屋だ。ドアを開けるから、ドアから離れてろ。」
ドアから離れてろって…中にいるのは凶暴な生き物か何かなわけ!?話が通じない系なの!?
「それじゃあ開けるな?……入るぞ。」
コンコンとドアを叩いて声を掛けたテルボーさん。中からは「気をつけて下さいっ!」と焦った声が聞こえた。……開けて大丈夫⁉︎
ガチャ…
「グルルルッ!!!」
殴りかかってきたのは1人の獣人さん。テルボーさんにあと一歩のところでお仲間さんたちに後ろからホールドされていた。
「ウォン!いい加減にしろ!」
「ふざけるな!こんな所に閉じ込めておいて信用できるわけないだろ!」
「俺らを閉じこめてるわけじゃないと何度説明すればわかるんだ!」
話の通じないウォンという人物に青筋立てているお仲間さんたち。
「人族なんて信じられるか…」
警戒を解こうともしない彼に私の横にいたアルが前に出て言った。
「ウォン、下がれ。」
そう、ただ一言。たった一言だったが、それを聞いた青薔薇の人たちはピンッと背筋を伸ばし列をなした。ウォンと呼ばれていた人も瞬時に移動したいた。まるで別人のようなアルに目を点にする私。
「アルベルタ様…」
「ウォン、お前は何しに来たつもりだ?」
「それは勿論、あの人族どもを殺しにッ」
「そうか。お前はもういい。国に帰れ。お前は必要ない。」
「ーーッ!!」
不穏な空気が漂う。私の知るアルとは似ても似つかない様子でなんか怖い。あんな冷たい目のアル知らない。思わず抱えていたスノウをぎゅっと抱きしめる。
「ぁ…な、なんで…ですか。」
「わからないと言うのならそれまでだ。この件にはもうお前は関わらせない。」
「俺は役に立てます!!」
「お前の実力は知っている。だが、お前に足りていないのは実力ではない。」
あぁ…立派な尻尾がしょげいてる。
「…というわけでウォン、お前にはこの件から抜けてもらう。お前がいなくても強力な助っ人たちがいるから戦力に問題はない。」
ビスさんがそう言って視線を向けたのはエリック隊長たち。
「おいおい、この流れで俺らに話を振るなよ…」
視線を投げられたエリック隊長はげんなりのご様子。ウォンは自分よりも戦力になり役に立つ存在だと紹介されたのが自身の嫌っている人族だと分かり、エリック隊長たちを睨んでいる。あからさまな人族嫌悪に流石のエリック隊長も居心地悪そうだ。
「はぁ…まぁ、そういうわけだ。ウォンだっけ?俺らも協力するから。」
「弱そうな人族が威張るな!!アルベルタ様、ビス様、こんな奴より俺の方が強いに決まっている!信用出来ない!」
「お前が信用していないのはエリックさん達個人ではなく、人族という括りだろう?」
ビスの言葉につまるウォン。肯定しているのと同じだ。
「だから外す。それだけだ。」
アルベルタの決定に悔しそうに拳を握るウォン。
「こっからは関係者のみだ。悪いがウォンとやらには隣の部屋に待機していてもらう。」
ウォンは壁に拳を打ちつけると下を向いて部屋を出て行った。乱暴に隣のドアを開け閉めする音が聞こえたので一応待機しておく事は守るようだ。
「おいおい壁が凹んでんぞ。」
「すみません。修繕費はこちらがしっかり出しますので…」
申し訳なさそうにペコペコ謝る青薔薇の人たちである。
エリックたちは話をしようと部屋の中心のテーブルに腰をかけた。
ウォンだけが部屋から出ていったつもりだった。エリックたちは小さな影二つがウォンを追って消えている事に気づいていなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
補足ですが、ティアだけがまだアルベルタの正体を知っていません。なので、アルベルタの言動に何がどうなっているのか分からず混乱している感じです。ティアがアルベルタが獣王国の王族だと知るのはもう少し後です
ドアから離れてろって…中にいるのは凶暴な生き物か何かなわけ!?話が通じない系なの!?
「それじゃあ開けるな?……入るぞ。」
コンコンとドアを叩いて声を掛けたテルボーさん。中からは「気をつけて下さいっ!」と焦った声が聞こえた。……開けて大丈夫⁉︎
ガチャ…
「グルルルッ!!!」
殴りかかってきたのは1人の獣人さん。テルボーさんにあと一歩のところでお仲間さんたちに後ろからホールドされていた。
「ウォン!いい加減にしろ!」
「ふざけるな!こんな所に閉じ込めておいて信用できるわけないだろ!」
「俺らを閉じこめてるわけじゃないと何度説明すればわかるんだ!」
話の通じないウォンという人物に青筋立てているお仲間さんたち。
「人族なんて信じられるか…」
警戒を解こうともしない彼に私の横にいたアルが前に出て言った。
「ウォン、下がれ。」
そう、ただ一言。たった一言だったが、それを聞いた青薔薇の人たちはピンッと背筋を伸ばし列をなした。ウォンと呼ばれていた人も瞬時に移動したいた。まるで別人のようなアルに目を点にする私。
「アルベルタ様…」
「ウォン、お前は何しに来たつもりだ?」
「それは勿論、あの人族どもを殺しにッ」
「そうか。お前はもういい。国に帰れ。お前は必要ない。」
「ーーッ!!」
不穏な空気が漂う。私の知るアルとは似ても似つかない様子でなんか怖い。あんな冷たい目のアル知らない。思わず抱えていたスノウをぎゅっと抱きしめる。
「ぁ…な、なんで…ですか。」
「わからないと言うのならそれまでだ。この件にはもうお前は関わらせない。」
「俺は役に立てます!!」
「お前の実力は知っている。だが、お前に足りていないのは実力ではない。」
あぁ…立派な尻尾がしょげいてる。
「…というわけでウォン、お前にはこの件から抜けてもらう。お前がいなくても強力な助っ人たちがいるから戦力に問題はない。」
ビスさんがそう言って視線を向けたのはエリック隊長たち。
「おいおい、この流れで俺らに話を振るなよ…」
視線を投げられたエリック隊長はげんなりのご様子。ウォンは自分よりも戦力になり役に立つ存在だと紹介されたのが自身の嫌っている人族だと分かり、エリック隊長たちを睨んでいる。あからさまな人族嫌悪に流石のエリック隊長も居心地悪そうだ。
「はぁ…まぁ、そういうわけだ。ウォンだっけ?俺らも協力するから。」
「弱そうな人族が威張るな!!アルベルタ様、ビス様、こんな奴より俺の方が強いに決まっている!信用出来ない!」
「お前が信用していないのはエリックさん達個人ではなく、人族という括りだろう?」
ビスの言葉につまるウォン。肯定しているのと同じだ。
「だから外す。それだけだ。」
アルベルタの決定に悔しそうに拳を握るウォン。
「こっからは関係者のみだ。悪いがウォンとやらには隣の部屋に待機していてもらう。」
ウォンは壁に拳を打ちつけると下を向いて部屋を出て行った。乱暴に隣のドアを開け閉めする音が聞こえたので一応待機しておく事は守るようだ。
「おいおい壁が凹んでんぞ。」
「すみません。修繕費はこちらがしっかり出しますので…」
申し訳なさそうにペコペコ謝る青薔薇の人たちである。
エリックたちは話をしようと部屋の中心のテーブルに腰をかけた。
ウォンだけが部屋から出ていったつもりだった。エリックたちは小さな影二つがウォンを追って消えている事に気づいていなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
補足ですが、ティアだけがまだアルベルタの正体を知っていません。なので、アルベルタの言動に何がどうなっているのか分からず混乱している感じです。ティアがアルベルタが獣王国の王族だと知るのはもう少し後です
47
あなたにおすすめの小説
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした
ましゅぺちーの
恋愛
王国の伯爵令嬢だったエミリアは長年の想い人である公爵令息オリバーと結婚した。
しかし、夫となったオリバーとの仲は冷え切っていた。
オリバーはエミリアを愛していない。
それでもエミリアは一途に夫を想い続けた。
子供も出来ないまま十年の年月が過ぎ、エミリアはオリバーにもう一つの家庭が存在していることを知ってしまう。
それをきっかけとして、エミリアはついにオリバーとの離婚を決意する。
オリバーと離婚したエミリアは第二の人生を歩み始める。
一方、最愛の愛人とその子供を公爵家に迎え入れたオリバーは後悔に苛まれていた……。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
新作
【あやかしたちのとまり木の日常】
連載開始しました。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる