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本編
エリック、テルボー恨む
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登場が大事だよね!って感じで部屋の扉を開けた私。扉の前で逃げようとしたウォンを逃がさないようスノウに手伝ってもらった。
「お、おい!この空気どーするんだよ。」
「空気はともかく皆んなの視線はばっちりゲットだよ!!」
「場の空気も大事だと思うぞ!?」
細かい事は気にしない気にしない!
「ティアーーーーーーーーー!!」
「ひょわっ!!」
私は涙と鼻水を垂らしたイケメン(※紛れもないエリックである)が迫ってきたので、変な奇声をあげつつ避けた。いや、正確にはウォンが横に引っ張って避けさせてくれた。
私が避けた事で勢いを殺せなかったエリック隊長はそのまま開いた扉を通り過ぎ廊下へ出て壁にぶつかった。そして扉は閉まった…
「「「……………………」」」
さらに無言の空気…
ガチャ
あっ、エリック隊長が戻ってきた。
「お、おかえりエリック隊長っ!」
さも何も無いように声を掛ける。これが正解でいいよね??
どしどしと近づいてくるエリック隊長。あ、あれ~??
「……はぁ~。心臓が止まるかと思った…」
壁にぶつかった時、もしかして当たりどころ悪かったのかな!?確かに勢い強かったもんね!
「本当に…本当に…心配しました。」
ニールさんまで深刻そうな顔を浮かべていた。これは、エリック隊長がぶつかった事に対する心配…ではなさそうだ。
「ティア!!なんで部屋から出たんだ!!心配して…イテッ⁉︎」
な、なんで怒ってるの…私は言われた通りに隣の部屋で待機してたのに。
「…ふぇっ。いい子にしてたのにぃいい!!うわーーん!!!エリック隊長のばかぁ」
エリック隊長の脛を蹴るとウォンに抱きつく。
「お、おいティア、鼻水つけるなよ!?」
ウォンは難なく抱き止めると抱っこして言う。そして、ティアとウォンの様子を見て顎を外したかのように唖然としているのはアルベルタやビスを含めた獣人組である。
「エリック隊長だっけ?ティアは悪くないぞ。そこのギルマスが言った言葉に従っただけのつもりなんだからな。」
「俺か!?!?」
テルボーは原因は自分だと言われ記憶を辿る。そしてある一つの可能性に行きあたった。それはウォンにだけ向けて言った言葉だった。
「もしかして、、、、関係者以外は隣の部屋にて待機って言った言葉のせいか?」
ティアはウォンの胸元から顔をあげるとテルボーを見てコクンと小さく頷いた。その瞬間、エリックたちの首がギギギとまわりテルボーは蛇に睨まれた蛙となった。
「テルボーさん!あんたのせいで、俺は、俺は、ティアに嫌われたぁあああ!!」
エリックはテルボーを掴むと激しく揺さぶる。
「わ、悪かった!!悪かったよ!!ちょっ、首しめるな!死ぬ…死ぬ!!」
ギブアップを宣言するテルボーに見かねたバンがエリックと引き離す。
「とりあえずウォンさん、説明お願いします。」
ニールは溜め息を吐くと席に座る。それを合図にウォンもティアを抱いたまま席に座った。
「お、おい!この空気どーするんだよ。」
「空気はともかく皆んなの視線はばっちりゲットだよ!!」
「場の空気も大事だと思うぞ!?」
細かい事は気にしない気にしない!
「ティアーーーーーーーーー!!」
「ひょわっ!!」
私は涙と鼻水を垂らしたイケメン(※紛れもないエリックである)が迫ってきたので、変な奇声をあげつつ避けた。いや、正確にはウォンが横に引っ張って避けさせてくれた。
私が避けた事で勢いを殺せなかったエリック隊長はそのまま開いた扉を通り過ぎ廊下へ出て壁にぶつかった。そして扉は閉まった…
「「「……………………」」」
さらに無言の空気…
ガチャ
あっ、エリック隊長が戻ってきた。
「お、おかえりエリック隊長っ!」
さも何も無いように声を掛ける。これが正解でいいよね??
どしどしと近づいてくるエリック隊長。あ、あれ~??
「……はぁ~。心臓が止まるかと思った…」
壁にぶつかった時、もしかして当たりどころ悪かったのかな!?確かに勢い強かったもんね!
「本当に…本当に…心配しました。」
ニールさんまで深刻そうな顔を浮かべていた。これは、エリック隊長がぶつかった事に対する心配…ではなさそうだ。
「ティア!!なんで部屋から出たんだ!!心配して…イテッ⁉︎」
な、なんで怒ってるの…私は言われた通りに隣の部屋で待機してたのに。
「…ふぇっ。いい子にしてたのにぃいい!!うわーーん!!!エリック隊長のばかぁ」
エリック隊長の脛を蹴るとウォンに抱きつく。
「お、おいティア、鼻水つけるなよ!?」
ウォンは難なく抱き止めると抱っこして言う。そして、ティアとウォンの様子を見て顎を外したかのように唖然としているのはアルベルタやビスを含めた獣人組である。
「エリック隊長だっけ?ティアは悪くないぞ。そこのギルマスが言った言葉に従っただけのつもりなんだからな。」
「俺か!?!?」
テルボーは原因は自分だと言われ記憶を辿る。そしてある一つの可能性に行きあたった。それはウォンにだけ向けて言った言葉だった。
「もしかして、、、、関係者以外は隣の部屋にて待機って言った言葉のせいか?」
ティアはウォンの胸元から顔をあげるとテルボーを見てコクンと小さく頷いた。その瞬間、エリックたちの首がギギギとまわりテルボーは蛇に睨まれた蛙となった。
「テルボーさん!あんたのせいで、俺は、俺は、ティアに嫌われたぁあああ!!」
エリックはテルボーを掴むと激しく揺さぶる。
「わ、悪かった!!悪かったよ!!ちょっ、首しめるな!死ぬ…死ぬ!!」
ギブアップを宣言するテルボーに見かねたバンがエリックと引き離す。
「とりあえずウォンさん、説明お願いします。」
ニールは溜め息を吐くと席に座る。それを合図にウォンもティアを抱いたまま席に座った。
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