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本編
迷子紐
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ギルド地下から階段を上り、受付のある場所まで戻ってきた。
「それじゃ、またなお前ら。お前らなら大丈夫だとは思うがティアちゃんにはしっかり気をつけておけよ。」
「当たり前だ。テルボーさんに言われなくてもティアは俺がまもる。」
「「「俺もだ/私もです!」」」
自分たちも忘れるなと言わんばかりのニールたち(謎にアルも入ってた)にテルボーは笑う。
「これじゃあ、いつ何時でも誰かが近くにいてティアちゃんを守ってくれそうだな!笑」
確かに心強いな。
「テルボーさん、ばいばーい!」
「おうっ!エリックたちから離れるんじゃないぞー!」
テルボーさんに挨拶して冒険者ギルドを後にする。私はアルと手を繋ぎ、エリック隊長の横を歩く。
るんるんるーん♪ふんふふーん♪
「ご機嫌だなティア。」
「えへへ。だって、皆んな一緒で嬉しいんだもん。楽しいね~」
「そうだな~」
「おいおいおい!なにが!そ・う・だ・な~だ!!その気持ち悪い笑みやめろ!ティアもだな、嬉しいとか楽しいとか分かるが今の自分の恰好ちゃんと見てみな!?」
アルよ、そこはつっこんではならないのだよ。私も気付いてる。すれ違う人皆んな一度ならず二度、三度、下手すれば視界から消えるまで見続けてるもんね。だからもう気にしちゃダメなの。この…………迷子紐に。ただの迷子紐じゃないのが異様なんだよ。
「ぶふふっ!!アルベルタ様、せっかく触れないようにしてたんだから笑わせないで下さいよ。ぶふふっ!」
失礼だなビスさん!!何よ、「ぶふふっ」って!!堪えきれないなら盛大に笑ってくれた方がいいんだからね!?
今の私の状態と言えばだね、迷子紐が背中にあって、そこから枝分かれするように数本に紐が分かれているのだよ。そしてその紐を持っているのは、エリック隊長、ニールさん、バンさん、デュースさんだよ。さらに言うと、右手首にも迷子紐があってね、これはスノウに繋がっているの。これは犬の散歩みたいだからそこまで変ではない…はず!
「アルベルタ様も迷子紐とまでは言いませんがティアちゃんを確保している一人ですよ?そこは棚に上げちゃダメですよ笑笑。」
「お、俺はティアが離してくれないからだからな!?」
「えっ、なら離そうか?」
「あっ、やっ、その……このままでいい!」
アルと手を繋いだ左手を離そうとしたら、焦るように繋ぎなおされた。
「ぶふふっ!!アルベルタ様、必死じゃないですか!!」
ひぃひぃ笑ってアルの顔が真っ赤になるまでビスさんは爆笑していた。揶揄われてアルは拗ねたじゃん!
ちなみに私がこんなに迷子紐が多いのには自業自得でもあるのだ。最初は無かったんだよ?ほら冒険者ギルド出た直後なんてしてなかったでしょ?迷子前科持ちを甘く見るなかれ。好奇心に誘われるまま進むよ進む。あら不思議。気づいたら1つ、2つ、3つ…と迷子紐という名の手綱が握られていったわけだよ。あははは…
その後時間の許す限り見て回って、色々食べたり体験したり買ったりしたよ。宿に戻って夕食を皆んなで食べる。今日の楽しかった事とかで盛り上がったりしてね!そこでふと思い出したんだよ。本当はもっと早く聞くつもりだったのに忘れてたや。ニコニコしてアルへと話しかける。
「ねぇアル、アルは何者なの~?ウォンに聞いたら本人に聞けって言われてさ、ずっーと気になってたの!」
その瞬間、賑やかに盛り上がってたはずの私たちの夕食の席は静まり返った。ビスさんだけ面白くなってきたと言わんばかりの顔を浮かべていた。
あれれ~??なんか変な事聞いたかな⁉︎
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回やっとティアがアルの素性について知る事になります。それから、あの3人組もちょっと登場しますよ~
「それじゃ、またなお前ら。お前らなら大丈夫だとは思うがティアちゃんにはしっかり気をつけておけよ。」
「当たり前だ。テルボーさんに言われなくてもティアは俺がまもる。」
「「「俺もだ/私もです!」」」
自分たちも忘れるなと言わんばかりのニールたち(謎にアルも入ってた)にテルボーは笑う。
「これじゃあ、いつ何時でも誰かが近くにいてティアちゃんを守ってくれそうだな!笑」
確かに心強いな。
「テルボーさん、ばいばーい!」
「おうっ!エリックたちから離れるんじゃないぞー!」
テルボーさんに挨拶して冒険者ギルドを後にする。私はアルと手を繋ぎ、エリック隊長の横を歩く。
るんるんるーん♪ふんふふーん♪
「ご機嫌だなティア。」
「えへへ。だって、皆んな一緒で嬉しいんだもん。楽しいね~」
「そうだな~」
「おいおいおい!なにが!そ・う・だ・な~だ!!その気持ち悪い笑みやめろ!ティアもだな、嬉しいとか楽しいとか分かるが今の自分の恰好ちゃんと見てみな!?」
アルよ、そこはつっこんではならないのだよ。私も気付いてる。すれ違う人皆んな一度ならず二度、三度、下手すれば視界から消えるまで見続けてるもんね。だからもう気にしちゃダメなの。この…………迷子紐に。ただの迷子紐じゃないのが異様なんだよ。
「ぶふふっ!!アルベルタ様、せっかく触れないようにしてたんだから笑わせないで下さいよ。ぶふふっ!」
失礼だなビスさん!!何よ、「ぶふふっ」って!!堪えきれないなら盛大に笑ってくれた方がいいんだからね!?
今の私の状態と言えばだね、迷子紐が背中にあって、そこから枝分かれするように数本に紐が分かれているのだよ。そしてその紐を持っているのは、エリック隊長、ニールさん、バンさん、デュースさんだよ。さらに言うと、右手首にも迷子紐があってね、これはスノウに繋がっているの。これは犬の散歩みたいだからそこまで変ではない…はず!
「アルベルタ様も迷子紐とまでは言いませんがティアちゃんを確保している一人ですよ?そこは棚に上げちゃダメですよ笑笑。」
「お、俺はティアが離してくれないからだからな!?」
「えっ、なら離そうか?」
「あっ、やっ、その……このままでいい!」
アルと手を繋いだ左手を離そうとしたら、焦るように繋ぎなおされた。
「ぶふふっ!!アルベルタ様、必死じゃないですか!!」
ひぃひぃ笑ってアルの顔が真っ赤になるまでビスさんは爆笑していた。揶揄われてアルは拗ねたじゃん!
ちなみに私がこんなに迷子紐が多いのには自業自得でもあるのだ。最初は無かったんだよ?ほら冒険者ギルド出た直後なんてしてなかったでしょ?迷子前科持ちを甘く見るなかれ。好奇心に誘われるまま進むよ進む。あら不思議。気づいたら1つ、2つ、3つ…と迷子紐という名の手綱が握られていったわけだよ。あははは…
その後時間の許す限り見て回って、色々食べたり体験したり買ったりしたよ。宿に戻って夕食を皆んなで食べる。今日の楽しかった事とかで盛り上がったりしてね!そこでふと思い出したんだよ。本当はもっと早く聞くつもりだったのに忘れてたや。ニコニコしてアルへと話しかける。
「ねぇアル、アルは何者なの~?ウォンに聞いたら本人に聞けって言われてさ、ずっーと気になってたの!」
その瞬間、賑やかに盛り上がってたはずの私たちの夕食の席は静まり返った。ビスさんだけ面白くなってきたと言わんばかりの顔を浮かべていた。
あれれ~??なんか変な事聞いたかな⁉︎
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次回やっとティアがアルの素性について知る事になります。それから、あの3人組もちょっと登場しますよ~
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