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第八話
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あらためて、スリスタはしばらくバリス公爵家に預けられることになった。王弟殿下が臣籍降下したら、その屋敷に引っ越すことになった。マリン母様はいつものように元気だが、リイマはなんだかしょげている。
「婚約なら早すぎることもないでしょう」
「選択肢は多い方がいい」
2人の会話の意味も時々わからない。スリスタはお父様ができて、ワクワクしている。マリン母様とお父様が結婚してくれたらいいのに、と7歳らしく、かなり倫理観がめちゃくちゃなことを願っていた。マリン母様には影は薄いが立派な旦那様、公爵様がいるのだ。重婚になってしまう。スリスタはお母様のその後の話も聞いた。妊婦のお母様は子どもを産むまで、貯金を切り崩し、なんとかしのいだ。その後は子連れでファルガ伯爵のところで侍女をしていた。ところが、流行病にかかると、ファルガ伯爵家に見捨てられ、小さな空き家で亡くなった。遺体はその空き家の持ち主が、共同墓地に引き取ってもらった。スリスタは奴隷商人に売るつもりで、家に連れ帰ろうとしたが、ファルガ伯爵がやって来て
「うちでいい様にする」
と連れ去ってしまった。領主に逆らえないため、あきらめた。
ファルガ伯爵が何を企んでいたのかよくわからない。バリス公爵家での調査でもよくわからなかった。ファルガ伯爵は、スリスタの父親を知らなかったようで、尚更わからない。ただ、バリス公爵家はもちろん、王弟殿下にも敵認識されたのは間違いない。スリスタの公爵家での生活は優しさと楽しさに溢れていたが、マリン公爵夫人は悔しそうにリイマに言った。
「絶対私の方がスーちゃんを幸せにできるのに、なんで殿下のところにやらなきゃいけないのかしら」
「殿下の顔を見ただろ。あんな優しい目をしてるの初めてだ」
「そうなのよねぇ。あの目を見たら、反対できないわ」
「ずっとチェルシー様を想って、他の令嬢とは線を引いて接してらしたんだ」
「モテるものねぇ、結構いい年齢なのに」
「渋いのがいいらしいぞ。ラピス商会でも、買い物されることがあるけど、接客は誰がやるか毎回死闘を繰り広げてる」
「まぁ、そうなの」
実際、王弟殿下は誰に対しても丁寧だし、優しい。特別になろうとしなければ、その素敵な表面だけでよければ、自分のものになったような気にはなれるかもしれない。
王弟殿下が公爵位を賜わる日は、偶然にもスリスタが8歳になる日だった。別人みたいな王弟殿下は、スリスタの頭を撫でながら、いろんな質問をしていたが、誕生日の話になって、あまり時間がないと知り、焦り始めた。彼には珍しいことに、目が泳いでいた。何をプレゼントしたらよいか、必死に考え始めたのだ。
「婚約なら早すぎることもないでしょう」
「選択肢は多い方がいい」
2人の会話の意味も時々わからない。スリスタはお父様ができて、ワクワクしている。マリン母様とお父様が結婚してくれたらいいのに、と7歳らしく、かなり倫理観がめちゃくちゃなことを願っていた。マリン母様には影は薄いが立派な旦那様、公爵様がいるのだ。重婚になってしまう。スリスタはお母様のその後の話も聞いた。妊婦のお母様は子どもを産むまで、貯金を切り崩し、なんとかしのいだ。その後は子連れでファルガ伯爵のところで侍女をしていた。ところが、流行病にかかると、ファルガ伯爵家に見捨てられ、小さな空き家で亡くなった。遺体はその空き家の持ち主が、共同墓地に引き取ってもらった。スリスタは奴隷商人に売るつもりで、家に連れ帰ろうとしたが、ファルガ伯爵がやって来て
「うちでいい様にする」
と連れ去ってしまった。領主に逆らえないため、あきらめた。
ファルガ伯爵が何を企んでいたのかよくわからない。バリス公爵家での調査でもよくわからなかった。ファルガ伯爵は、スリスタの父親を知らなかったようで、尚更わからない。ただ、バリス公爵家はもちろん、王弟殿下にも敵認識されたのは間違いない。スリスタの公爵家での生活は優しさと楽しさに溢れていたが、マリン公爵夫人は悔しそうにリイマに言った。
「絶対私の方がスーちゃんを幸せにできるのに、なんで殿下のところにやらなきゃいけないのかしら」
「殿下の顔を見ただろ。あんな優しい目をしてるの初めてだ」
「そうなのよねぇ。あの目を見たら、反対できないわ」
「ずっとチェルシー様を想って、他の令嬢とは線を引いて接してらしたんだ」
「モテるものねぇ、結構いい年齢なのに」
「渋いのがいいらしいぞ。ラピス商会でも、買い物されることがあるけど、接客は誰がやるか毎回死闘を繰り広げてる」
「まぁ、そうなの」
実際、王弟殿下は誰に対しても丁寧だし、優しい。特別になろうとしなければ、その素敵な表面だけでよければ、自分のものになったような気にはなれるかもしれない。
王弟殿下が公爵位を賜わる日は、偶然にもスリスタが8歳になる日だった。別人みたいな王弟殿下は、スリスタの頭を撫でながら、いろんな質問をしていたが、誕生日の話になって、あまり時間がないと知り、焦り始めた。彼には珍しいことに、目が泳いでいた。何をプレゼントしたらよいか、必死に考え始めたのだ。
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