上 下
5 / 20

跡継ぎ

しおりを挟む

「父上、母上、本題は?」


「ああ。ここで、発表しよう。
私は、引退して、公爵家は、カルキニーに全てを任せる。」

「ありがとうございます。」

「アリサと2人で、協力して家を守ってくれ。頼むよ。」

父が、頭を下げてきた。


皆さんが、拍手をしてくれた。
「代替わりね。」
「カルキニー様なら大丈夫よ。優秀だもの。」
声が聞こえてきた。

これで俺は、当主になり1番偉い。
好き勝手できる。
アルデンに仕事をさせれば、遊べると心中で喜んだ。


「はい。お受けします。
アルデンは、私の補佐として、私を支えるように」
アルデンに向かって言った。

「いや。アルデンは、もう公爵から出るよ。
カリアサと一緒になれたから、私の弟の伯爵を継いでもらう。」

「どうゆうことですか?」

「どうゆうこととは?」

「なぜ、伯爵を継ぐのですか?公爵の補佐の方がやりがいがあるかと。」

ここで、アルデンを捕まえないと俺は大変なことになる。


「私の弟とアルデンとの間の話だ。
ずっと前から決められてたいたことだよ。
弟には子供がいないだろ?
継ぐものがいない。」


「なぜ?そのことを黙っていたのですか?」

「お前が公爵家の当主になりたいとずっと言ってきたし、長男であるから、公爵当主になることは問題ない。
アリサと2人で盛り上げていけばいい。
黙っていたのは、アルデンに婚約者がいなかったからだ。
伯爵を継ぐのは、結婚が条件だったからな。
ここにきて、アルデンとカリアサが結婚したから、早々と決まった。」

俺だけ知らなかったわけか、、
それなら、、、


「伯爵として、アルデンは私を助けてくれるのですか?」


「ないな。伯爵の仕事を一から覚えないといけないから、無理だろう。
お前は、今まで公爵の仕事をやってきたただろ?大丈夫だ。
それに奥さんがいるんだから、2人で頑張るものだ。
もちろんアルデンも奥さんと一緒に頑張るんだよ。」


兄上は公爵の仕事をしていない。
全て俺に振ってきた。私はこの時のために仕事を請け負ってきた。
それにカリアサは優秀だけど、妹は、いまいちのはず、何より努力もしない。

「アリサ頼むね。」

「もちろんですわ。あなたの補佐を頑張りますわ。私も精一杯頑張りますので、よろしくお願いします。

お姉様は、頑張らないと大変よね?学園も行っていませんしね。」

私は学園に行っていない。行かせてもらっていなかった。


本当にこの妹は、カリアサを貶めたいんだな。


「申し訳ありません。わたしは、学園も出ていません。あまりお役に立てないかと、」
悲しそうな顔をする。

「そうよ。わたしは学園に行って、教養はあるわ。だから、公爵夫人になっても大丈夫だけど、お姉さまは、心配だわ。」

「気になるのは、なぜ、学園に行かなかったのか?聞いてもいい?」


「わたしには必要ない。背中に傷があるわたしには、普通の縁談はない。だから、学園に行く必要がないと。」
頭を下げた。

「あんな背中の傷がある娘と結婚するなんてな。」と兄上が笑った。


「修道院行く予定だったのにな。」

「誰が修道院になんて言いました?あなた方勝手にそうおもっていただけでしょ?
カリアサ。ありがとう。うれしいよ。君ならきっと、わたしを支えてくれるよ。ありがとう。」


「カリアサ、、、君は、なぜアルデンと?」

「私がずっとお慕いしていました。兄上が、婚約破棄したので、わたしが告白したのですが、、」

「俺のお古か、、」

「お古とは思いません。ただの婚約破棄でしょ。」


「アルデンが、努力したからな。
カリアサのことを一途に思っていたのは、知っていたし、お前は、カリアサの怪我を知ったら、傷のあるものは私には似合わない。と妹にすぐ移り変わったではないか?」

「それは、、、」

そこへ一人の男性がはいってきた。

「伯爵を継ぐための努力もしてるし、何よりカリアサの心を手に入れるために努力をしていたよ。カリアサの強い心がいい」


「?? 待ってください。わたしお会いしたことがないと、、、」

「医師だよ。」

「え?」

「カリアサ。覚えていない?一度あってるよ。
おじさんは医師なんだ。」


あの時の医師だった。
私を助けてくれた。


「本当に。あの時は、私を助けてくださりありがとうございます。
なら、わたしは、あの診療所で働いても良いですか?」

「え?」

「わたし、、、あの先生にずっと恩返ししたかったのです。」

「そうなんだ。カリアサが、手伝いたいなら、、」

「ありがとう。その気持ちは嬉しいよ。でも、アルデンを支えてあげて、君のことを本当に心配してたから。」

「はい。」

「兄上。アルデンとカリアサは、領地に連れて行きますね。」

「ああ。俺たちも落ち着いたらそっちへいく。」

「どうゆうことですか?」

「私が療養所で働くのよ。」

「母上?」

「ずっと隠居したら、療養所で働くことが夢だったのよ。」

「父上、、、」

「ああ。私は、草花の研究がしたくてな。弟のところにはたくさんの草花があるからな。
お前に公爵を任せたらいいだろ?」


「はい、、」

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ソシャゲやりすぎて頭イカレたん?

339
BL / 連載中 24h.ポイント:78pt お気に入り:68

か弱い猫は獅子に勝てない(とは限らない)

恋愛 / 完結 24h.ポイント:120pt お気に入り:38

王妃となったアンゼリカ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:142,831pt お気に入り:8,173

継母の心得

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:69,318pt お気に入り:23,372

聖女の祈りを胡散臭いものだと切り捨てた陛下は愚かでしたね。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:17,320pt お気に入り:564

生徒会長の弟の恋愛感情

BL / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:49

最愛の人がいるのでさようなら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,771pt お気に入り:663

処理中です...