34封印した恋心

華蓮

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媚薬

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「大丈夫か?綺麗な顔がぐしゃぐしゃだな。」
私は、怖かった事と、ショックとで、
涙が止まらなかった。

「見ないで」

「俺がいるから大丈夫だ。安心しなっ。」

サライズの優しさが、嬉しかったし、やっぱり安心できるのはサライズだけって、、、

少し落ち着いたら、私たちは一緒にいない方がいいと思い、


「もう大丈夫。ありがとう。」
と言って、去ろうとした。



サライズに腕を引っ張られた。

「馬車に乗って、また、変な男にひかかったらどうするの?」

「でも、、、」


「いいから。」


馬車に乗せられるとサライズは私の隣に座った。

距離が近く、サライズの熱を感じると顔が赤くなってきた。


「何があった?いつものパリアナと違う。大人しいな。」

「んっ。何もっ」
とにかく、この暑さを我慢しないと、、、

我慢すると余計にひどくなり、

「熱いの。んっ。」

なんだこの色気ダダ漏れなのは、、、
おかしい、、、

「何が変なもの食べたか?」

「ウーズリが持ってきたワインを飲んだの。それだけ。お酒は強いのに、、、」



まさか、、、媚薬か。
このまま家には帰せないな。

目がとろーんとしていた。

やばいな。なんて可愛いんだろう。



ドレスの第二ボタンまで外した、、、
パリアナの胸の谷間がみえた。

「外さない。」

ボタンを閉めようとした時、
ネックレスが見えた。

「これ。」

「私の大事なものよ。宝物よ」

「なんで宝物なの?」

「私の大好きな人からもらった指輪よ。肌身離さずに、持ち歩いているの、心臓に近い場所にあると落ち着くの。」

あの時の指輪。
指輪を探しに行ったけど、もうなかった。
どこにもなかった指輪。
パリアナが持っていたのか、、、
と言うか、俺と思っていない?わざと煽ってるのか?



「なあ。ウーズリとやったのか?」

「やらないよ。だって私の初めては、サライズにあげたもの。
それから誰にも触られたくないの。
私は一生結婚しないもの。
思い出だけで生きていくの。」

「思い出?それでいいのか?」

「嫌だけど、、、、あなたのお祖父様と約束したもの。私はあなたと別れるって。
母の思い出のある子爵を助けるために別れたの。」

やっぱりな。わかっていたけど、パリアナから聞くと辛いな。

「パリアナ。好きだ。俺もお前しか愛せない。あの時とは違う。俺には力がある。安心して俺のものになってくれ。」

「んっ。サライズと私も一緒にいたい。でも、サライズは、復讐したいと思ってるはず。だってあんな酷いことしたんだよ。裏切って、、、

でも、、、復讐されてもいいかもしれない。サライズから離れるほうがいや、、、」


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