34封印した恋心

華蓮

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パリアナの父がに呼び出された。

そろそろかなと思っていたけど、案外早く連絡が来た。

久しぶりの実家に行くことにした。
この実家は、母と暮らしていた思い出がたくさんあるけど、継母たちに塗り替えられている。

部屋に入ると父は機嫌悪い顔をして座っていた。
まあ。。私には機嫌悪い顔しかしないから、通常運転だわ。

ウーズリが、婚約破棄したことをいったのだろうね。

「話がある」

「なんでしょうか?」

「婚約破棄とは?」

「ウーズリに子供ができたから婚約破棄しました」


「契約金を返せと言ってきた。」

「そうですか。私に関係ありますか?」

「婚約することを条件だったのにお前が破棄をした」

怒り出した。

「私も婚約の条件に他の子供を作らないと言う条件出しましたよね?
いくら遊んでも構わないと。でもそれを破った破棄するのは当然ですよね?」

「それはお前たちが決めたことだろ?」

「はい?そうですよ。私たちが決めたことです。だから、婚約破棄しました。」

「契約金をどうするんだ。お前が返金しろ」

「おっしゃる意味がわかりません。契約金を私がいただきましたか?
あなたが使ったのでしょう?ならあなたが返すべきでしょう。」

「なら、お前は違うところに嫁げ!そうしないとお金が、、、」

「なぜ私が嫁がないといけないの?あなたの娘を嫁がせたらいいでしょう。」

「それでは意味がないんだ」

「そうでしょうね。サライズと私の付き合いを妨害するために縁組されたものですものね。」

「いや。それは、、、」

「知らないと思いました?あのお祖父様が、考えたことでしょう。
あなたとの縁も切りましょう。今も縁を切ったと同じようですしね。」

「縁切りなんて、、、お前は、私の娘だ。」

「戸籍上しかあなたの娘ではありませんよね?
あなたは私を売った。そのお金は、愛人の子に使ったわけでしょ?」

「愛人、、、」
父は驚いた顔をしていた。

「子連れ再婚って言ってたけど、お母様が生きていた頃から、関係していたわけじゃない?私と歳の近い妹、、、」

「知っていたのか?」

「知らないと思う?事実を知ったのは、ウーズリと婚約してからだけどね。
まぁ。もういいでしょう。
あなたの道具ではないのよ。私は、、、、」


「戸籍がなくなったらどうするんだ。

「あなたに心配されなくても大丈夫よ。あなたは自分の心配でもしたらいいわ。」

「そんなこと言わず、私が悪かった」

「そう思うなら、私と縁を切って、
私が娘でなくてもあなたには娘がいるわ。」


「もう無理なのか」

「あなたとの縁は切りたいの。それに縁を切った方があなたのためよ。」


「そんな、、、、俺たちはどうしたらいい。」

「そんなことは知らないわ。あなたの娘をどこかに嫁がせたらいいんじゃない。そしたら準備金としてお金が入ってくる。」


「そんなことはできない。」

「へえ。私を売ったのに?同じ実の娘なのに、、」

「いや、。違う。あの子はか弱く。」

か弱いね。遊び呆けてるのに。
私って父に本当に愛されていないのね。
わかってたけどね。。

「この家に帰ってこなくていいのか。お前の母との思い出が詰まった家だぞ。それに形見もある。それを渡さなくていいのか。」

冷たい表情をして、

「母の思い出の家ね。あなたの妻と娘が塗り替えたよね?それに、形見?あなたの妻が、奪ったでしょう。物に執着しなくても母のことは私の心の中にいるから、、、じゃあ」



まだ何か叫んでいたけど無視をして、実家を去った。
「もうここには2度とこないわ。」

使用人も継母の味方。
この家に私の居場所なんてなかった。


屋敷に帰るとサライズはまだいなかった。
いなくて良かった。
お風呂に入って気持ちかえないと、、、


バラ湯に入り気持ちを切り替えた。

お風呂上がりに、シャンパンを飲んだ。
父と縁を切り、私は家族を失った。

少し悲しかった。
父に愛されたいと思っていたから。


「まだ起きていたのか?」

「うん起きていたよ。」 

「何があった?」

「?」

「わかるよ。」

「なんでわかっちゃうかな。隠してたんだよ?」

「わかるよ。俺の前では、隠さなくていい。」

抱きついた。

「父から婚約破棄のこと言われた。それで絶縁したの。元々するつもりだったから、、、、」


「そう。」

「もう私には家族がいない。」

「俺がいるだろ?」

「うん。」

「お嬢様。もう遅いから眠ろうか。」

サライズは、抱きしめくれた。

安心して眠れた。
私の家族はサライズだけ。

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