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第一章
離さないで。
しおりを挟むシャーロットも元気に過ごしていた。だから、気がつかなかった。本人も知らなかった。
「奥様。お話が、、、、」
「どうしたの何か問題でもあるの?メイド長。」
「あの、、シャーロット様が、夜うなされています。」
「え?」
「基本、夜は一人で寝ますから、メイド達も、夜の準備が、できたら、退散します。
今回、気がついたのは、たまたま、乾燥防止の濡れたタオルをとりかえるのを忘れたので、夜そっと入ったことから、発覚しました。
その後、私が、確認しに行くことにしました。部屋のドアを少し開けておくことをシャーロット様に許可を得ました。
はじめのうちは、寝言?という感じでした。リュート様と呼んでいたので、寂しいんだなぐらいでした。
このところ酷いようです。ただ、本人は、あまり気がついていない。悪夢をみたけど、内容は覚えていないようです。」
「何か寝言を言ってる?」
「はい。
許して、助けて、私も連れて行って、、
また、リュート様の名を呼んでることも多く、離れていかないでと言うことも、、、」
「わかったわ。ありがとう。いまから、マリアーヌのところに行くわ。」
クレイオール邸では、
みんなが集まっていた。
「マリアーヌ。シャーロットは、かなり深刻よ。
昼間は、幸せそうな顔をしてる。我が家のみんなもシャーロットのことが好きで、溺愛してる。だから、気がつかなかったの。
でも、夜、うなされているわ。本人は、悪夢をみたのかしら?と言う程度で、わかっていないよう、、、」
「リュートは、気がついた?」
「いや。一度もない。一緒の部屋で過ごしていたけど、そんなこと一度もない。この前、伯爵が来てから、不安定になったのか?一度、様子を見たい。」
「わかった。夜おいで。」
その日の夜、リュートは、わからないように、シャーロットが寝てる部屋で待機した。
「なんで、私ばかり、、、」から始まって、しばらくすると
「いや。離れていかないで、私を捨てないで、、、リュート様」
うなされていた。涙も出て、、汗もたくさんかいていた、、、
猫みたいに、丸まって、
リュートは、見てられなくなり、起こした。
「シャーロット。」
シャーロットは目が覚めた。
「リュートさま。。」と抱きついた。
「大丈夫?うなされていたよ」
「本物?」
「そうだよ。どうしても顔が見たくなってね。」
「ごめんなさい、、わたし、汗かいたみたい。。」
と離れようとした。
「シャーロット。離れないで。」
「でも、、」
「大丈夫!」とキスをした。
「今日は、もう帰られるの?」
「シャーロットはいて欲しい?」
「いて欲しい。リュート様がいないのが寂しいの離れたくないの。ウィリアム公爵の皆様は、本当に優しいの。私も本当の家族のように過ごせるの。みんな優しいの。でも、、夜が怖いの。一人で寝るのが怖い。」
「可愛い。シャーロット。僕も寂しい。隣に居ないのが嫌だ。今日は、このままいるよ。シャーロットは、湯浴みをしようか。汗かきすぎで、体が冷えてる。風邪ひくよ。あっためた方がいい。」
メイド長にいい、湯浴みの準備をしてもらった。
そして、湯浴みを終え、
「おいで。」リュートは抱きしめて、キスをした。
シャーロットは、自分から深いキスをしはじめた。
「んんっ。リュート様。お願いもっとして。。」
今までのシャーロットを考えるとありえない。自分から進んでするなんて?しかも俺の体を触ってくる。
シャツを脱がせて、抱きつく。
とりあえずされるがままにしたけど、俺の上半身裸に抱きついて眠っていった。
流石に朝起きたらびっくりするから、服を着た。
朝起きると、普通だった。
リュートは、また夜来るねと、公爵家に帰った。
「父上、母上、すみませんが、シャーロットを俺に早めに返してもらえませんか?」
「どうだったの?」
俺と離れたことの不安が一番かもしれない。
夜が怖いみたい。一人になるのが怖いと。
一番怖いのは、本人の自覚がないこと。
シャーロットは、朝
「リュート様。どうされたんですか?いつ来てくれたの?って。」
夜のことを覚えていない。全く。
湯浴みもしてるんだけど、それさえ覚えていなかった。」
「わかったわ。」
「あと、結婚前に事をしてしまうのは、どうかと思いますが、今のシャーロットには、言葉だけでは、心から受け入れないかと思います。安心させたい。」
「わかったわ。子供だけまだ待ちなさい。今から、試練があるから、負担がかかるとダメだからね。」
「はい。」
「あと、ルーセント伯爵が、シャーロットを探しているようです。」
「ああ。それは、大丈夫だ。任せておけ。リュート。お前はシャーロットのことだけを考えていたらいい。」
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