アケマエ

翔流(かける)さん

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第2部 上巻

35.では「懐郷病」とは何?

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3月1日の12時11分のメールだ…。

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「おとなむけドラクエとかぁ。」
「まぁ、君は音楽とかできるからぁ…。」
「でも、さっきの感じとかすごくよかったと思うんだけど…。」
「あぁ、あの、ターララターララって曲かぁ。」
「俺なんか聞いてられなかったよ。」
「ターララターララって曲は、ドラクエっぽいんだけど、世界名作劇場っていうか、アルフレドとか出てたやつの…。」
「あぁ、なんか、かわいそうで見てられないようなやつね…。」
「うん。なんか、すんごくかわいそうなやつなんだよ。それで、そのターララターララって曲が、フィールドで流れているというゲームなわけ?」
「なんか俺的には、「魔王の手先」というか…。」
「はぁ。「勇者」だろ?」
「いや。」
「偽物の「勇者」の話は知っているだろ?」
「あなたは話はすこしこわいわ。言われたばっかりじゃなかったっけ…。」
「でも、その、「本物の勇者が、魔王に打ち砕かれ、世界は闇に染まった…。」っていう出だしには、なんていうか、心引かれるというか」
「「こわいものみたさ」みたいなものもある?」
「やぁねぇ。私ったら、好奇心旺盛女子なのかしら?」
「勇者がやられたにすぎなかったが、やられた西の勇者はあくまで実力不足に過ぎなかったんじゃないの?」
「でも、その話が本当かはわからないけれど、勇者は四人は必要だった…。みたいな話も新しいし、西の勇者(?)が死ぬと、東、南、北の勇者は、なんと魔王に姿を変えられてしまい、魔王はそれぞれを憎しみ合わせることで、彼らをすくませるという法を彼らにしき、人間側からも疎まれるように仕向けたという。」
「そんな話ってないよね。」
「ゲームマスターは言うわ。」
「トゥトゥトゥトゥルリロリ♪」
「撃たれてしまった、本物の勇者の代わりに今度は、あなたが、魔王討伐の責務を担わなければ、世界は滅びてしまいます。あなたに魔王討伐する覚悟はありますか?」
「⇒はい
  いいえ」
みたいな感じで、
「で、そこからは、なぜか、ロマサガのBGMなのね?」
「うん。魔王討伐は、ドラクエっぽいんだけど、ドラクエを超えるドラクエというか…。」
「本物のロールプレイングゲーム…。」
「なんだか、恐怖政治のにおいがするわね。」
「そもそもロールプレイングでは、報酬は、経験しかなかったのではなかったかしら?」
「そう考えると、私たちは神の見えざる手の中で、踊らされていたにすぎない?みたいに疑える?」
「疑えますよ。」
誰かが「はい」を選択した。
誰かにとっては、先程の人物は、一国の「姫」に見えるようだった。
だが、しかし…。
「みたいな感じのゲームでは?」
「ふぅん…。」
彼女はなんとなくつまらなそうな顔を浮かべていた。
でも、このゲームは、
別段彼女のためだけにとどまらない魅力をそなえている。
「というと?」
「めぐりめぐるんだよ。」
「ふぅん。」
「まだ、わかっていないみたいだね。」
「あなたは種をまいている。」
「そう。それが、地獄か天国かはわからないけれども。」
「わかっていないのはあなただわ。」
「…。」
僕はどう答えていいかわからないという気がした。
「邪なるものが蔓延り、邪なるものこそが認められる、真の魔界都政…。そんな、驕り昂る猛者たちを率いて勇者の討伐を果たした魔王は、地獄化計画の見直しを狭まれていた。」

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12時28分のメールだ…。

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「ラーソファソーファミ…。みたいな感じらしいよ。」
「音源サンクス♪」
「なぁによぉ。」
「ファミレドラァ」
「レードレミードーラッド」
「むずすぎる。」
「かなしすぎるわ…。」
「でも、それは繰り返される感じでぇ…。」
「国民的迷作にならないかしら…。」
「あははは。迷作かぁ。」
「つづき…。」
ラーソファソーファミ
ファミレドラァ
レードレミードーレー

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12時31分のメールだ…。

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「ラーーーソーファーミレミー♪」
みたいな感じらしいよ。

「ロマサガっぽい…。」

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13時5分のメールだ…。

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ファソララララ ラソファソ ミー
ミファソソソソ ソファミファ レー ドシ♭
ラドレファーミーレ ドレミファソファミファ ラー
ソラファー ミファレー ドシ♭ ラードー

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13時45分のメールだ…。

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「トゥートゥートゥートゥートゥートゥトゥ」
「トゥットゥー」
「トゥットゥートゥルルル」
「トゥートゥートゥートゥートゥートゥトゥ」
「トゥットゥー」
「トゥットゥー
トゥートゥートゥートゥートゥートゥトゥ
トゥートゥートゥートゥートゥー
トゥルルッ
トゥートゥートゥートゥートゥートゥートゥートゥー(はるかかなたへ)
**********************************”***

14時4分のメールだ…。

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ミィドォミィソォ ファ♯ ソォラァ シッソォ
ミッソォ ミレドシ ミィドォミィソォ ファ♯
ソォラァ シッソォ ソッシー(ミッソォ)
ソラシィ ソラシィッソーシッソォ ラーファ♯ソラッ ファ♯ラッファ♯
ソーミファ♯ソーミソミ ファ♯ーシッシー ソラシィ
ソラシィッソーシッソォ ラーファ♯ソラッ ファ♯ラッファ♯
ソーミファ♯ソーミソミ ファ♯ーシッシー(高い)

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14時25分のメールだ…。

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「あれ一仕事終えたんじゃなかっけ?」
「零点くらっただろ?」
「うーん、そうともいえない。」
「たぶん、自己採点みたいな話かなぁ。」
「でも、道すがら気づいたんじゃなぁい?」
「いや、あそこでたぶん変わったんじゃないかなぁ…。」
「どこかしらまでは同じでもいいんじゃないか?どこかしらで曲が少しずつ変わるのであれば、結末は変えられないか?」
「うーん、でもそれだとゼロ点をくらいそうじゃないかなぁ?」
「何を表現したかったの?」
「いやぁ、公園に入った瞬間に頭の中で曲が…」

「そのとき調子にのったんじゃないかな。」
「そうかもしれないけど、でもさ?」
「その曲に君は酔えたんだ。」
「…。」
「無敵になれたような錯覚を起こせただろ?自分でも言っていたじゃないか。あの曲が流れている間は無敵状態なんだと…。」
「うーん、まぁ、そういう設定だったんじゃないかなぁ…。」

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3月2日14時32分のメールだ…。

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「今日も」
「やぁっぱり、ロマンシングかぁ…。」
「だとすると、国王かも…。」

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14時49分のメールだ…。

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「なぁんか、靴のサイズがちぃさかったぁ…。」
彼女は言った…。
「子ども向けの靴をかったのかもよ…。」
「やぁだ。まじぃ…?」
「なんか背中がちくちくする。」
「びりびりちくちく…。」
「なんか、ティシャツとか脱ぎたい気がするわ…。」
「布アレルギーかなぁ…。」
「精液ってぇ…。」
「ふむふむ…。」
「かわくのかなぁ…。」
「でも、量は減っていたから、空中に、発散したのかもしれない。」
「精液くん…。」
「うぅん。僕は卵液というものを聞いたことがない…。」
「やだぁ。」
彼女はうれしそうに笑った。
僕は精液くんではないと否定してもよい気がした。が…難しい問題を抱えそうな気もしたのでやめた。
公園はなにやらもりあがっている。
「精液から出る気体を吸い込むと、人体にどのような効果がもたらされるのだろう。精液のにおいには独特のくさみがある気がする…。」
「あなたはいつも精液といっしょなの?」
「うぅん。昨日はなんていうか…。」
「こわかったのかなぁ…。」
「そういうわけではないんだけども…。」
「…。」
「でも、ひさしぶりだったきがする。」
「ふぅん…。」
彼女はまじまじと僕を見た。
「ひさしぶりか…。」
彼女は何かを考えているみたいだった。
「あんまり、僕のことだけを考えても…ね?」
僕は、探られないように仕向けようとした。
「あら、迷惑かしら。」
彼女はあまりわかっていない感じだった。

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14時59分のメールだ…。

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「やっぱり、あなたは大変だと思う。」
彼女がいうので
「うーん、多かれ少なかれかなぁ…。」
「布アレルギーは大変じゃろう…。」
おじいさんは言った…。
「布アレルギーだと外に出れない気がする…。」
「かゆみを常に抱えているのかなぁ。」
「やだぁ…。」
みさえと呼ばれている人…。
でも、ちがうかもしれない。
「なにが?」
「いや、普段はちがうかもしれないって」
「みさえの普段ね…。」
「…。」
「もしかしてちがう?」

僕は彼女と話したいのだろうか。

「あなたに卵液の話は難しいわ。」
彼女はいう。

僕は…。

いったいなんのはなしをするべきだろう?

「背中はかゆいんでしょう?」

「今は別に。」
「では、他のところはかゆい。」

「すこしだけ顔がかゆいきがする」
「いやぁな、ひげね。」
「まぁ、わからないけど?」
僕はちょっと顔をさわってみた。そんなにひげがあるかなぁと…。

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15時55分のメールだ…。

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ラミーミラミーミラミーミラミーミ
ミーレドレードシ ドシラソミー ラーソラシーソゥ
ミソゥ ミソゥ ミーレドレードシ ドシラソミー
ラーソラシーソゥ ラーアーアー ラソラドシー

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17時2分のメールだ…。

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ドレミー ミファミ ミーレドレー
ドーレミ レードーシーラー ラードレ シーソゥ ドレ
ミーイーイーミファミ ミーレドレー
ドーレミ レードーシーラー ラードレ シーソゥ ドレ
⇒ミーレドへ。

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17時29分のメールだ…。

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ソーソソファーミィレー ドシドー
ラードォレー ソードォレー ミーレドレェ
ソーソソファーミィレー ドシドー
ラードォレー ソードォレー
ミーレドレェ ドシ
ラソラッ ラララッ ラソラッ

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17時54分のメールだ…。

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「「レファソラソー」から始まる戦闘の曲もあるよ~。」
すぐにでも、レスがかえった。彼からだった…。

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3月3日9時29分のメールだ…。

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「ねぇ、ユッキーは「知らないカノジョ」なんて本当にみたい?」
「うーん、別に見てもいいかなとは思うよ。おつきあいならね。」
「ユッキーって誰とつきあってんの?」
「うーん、君とかかなぁ…。」
ユッキーは答えた。少しばかり苦しそうだった。

**********************************”***

電車は原木につき、僕は降りようとして間違いに気づいた。
帰巣本能のようなものだろうか?ホームはとっくに移動したというのに…。
やれやれかもしれない。
「だが、実はちがうだろ?」
彼がいうのでようやく気づける気がした。
「そうだね。」
言っていいかで迷える気がした。妙典だ。おりなければ。

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12時46分のメールだ…。

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「miletの場合かぁ。。」
「まずさ、ミレットで読み方はあってる?」
「メヌエットっぽいよねぇ?」
「あんたばかぁ?」桐谷が言った…。
僕は…。

**********************************”***

「menuet」
「メヌエットじゃなくぅ?」桐谷が言った…。
「milet」「ミレットじゃなくぅ?でしょう?」
桐谷は気づいたように言った…。
桐谷が言うからには、ミレットなのかもしれない。
「聞いたことはなかったから…。」
彼女は弁解した。
「ふふふ。」
誰かにとっては桐谷はおもしろいらしく、調子にのった桐谷は店のマンボに合わせて体をクネクネと…。
しかし、桐谷が思った瞬間にマンボは終わった…。
「マンボはもぅいい。」
桐谷はそう言ったあと、
「んー?」
と言って聞いているよというアクションをこちらに示した。
音楽は、シシリーなテイストで、どことなく、メランコリックでもあった…。
桐谷は「アウト」と言ったあと、「メランコリックってなによ?」と尋ねた。
「懐郷病。」そういうと
桐谷は「ほんまに?」と尋ねた。
桐谷が尋ねると、曲は変わったが、桐谷は
「次の曲もメランコリックやんけ…。」
と言った。
客の誰かが「せつない…。」と言った。
桐谷は得意気に、
「メランコリックの意味やんけと言った…。」
僕は、調べてみてもいい気がしたが、今度は「アウトォ」と桐谷は言った…。
3月3日12時49分のメールだ…。

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調べてみると、「憂鬱な」という意味だった。
「では「懐郷病」とは何?」
僕はもう一度「メランコリック」を調べようと思った。
「好きにしたらえぇ…。」と桐谷は言った…。
そして、「タバコが吸いたい…」と漏らした。
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