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第一章 清浄編
第8話 角生え病【愛情と献身の証】
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燦々と降り注ぐ太陽の光。
上空に白い羽がふわりと舞った。
「芹!頼んだぞ!」
おれは、先輩に仕事を頼まれ、快く引き受けた。
水を桶にためながら、周りに人がいないかおれは何度も見た。
——よし!誰もいないな!
「これは仕事を放棄していない。
要領がいいというのだ」
自分に言い聞かせるように言い、懐から巻物を取り出した。
巻物のタイトルは【大江山絵詞《おおえやまえことば》】と書かれている。
「へぇー!茨木童子と、うーん?
結局、毒酒飲まされて殺されたのか」
内容は冒険譚だった。
酒呑童子が都の女を次々に、攫って喰った話は、ちょっと……吐き気がする。
――読むのやめよ。
「うーん、手がかりなし!」
おれは巻物をその場に投げ捨て、地面へ寝転ぶ。
「わかったのは無類の酒好きくらいかぁ」
以前、見た光景が頭の中を駆け巡る。
——先輩が妖となり死んで、蘇芳が師匠に…。
喉元に魚の骨が刺さっているかのように不快な思いと、疑問が広がる。
慈眼からこの前、言われた言葉を思い出す。
『蘇芳にばらすな』
このまま喰われるのではというそれはもう迫力のある顔で、脅された。
たぶん、約束破ったら、八つ裂きにされる。
いや、殺されるかも――。
悪寒が背中を這いあがった。
言ってはいけない。
聞いてはいけない。
「はぁ」
思わずため息が出る。
地面越しに振動がした。
耳を当てるとざりっざり、砂を踏みしめる音が、遠くから聞こえ、だんだんこちらに近づいてきている。
おれは、慌てて飛び起きた。
何事もなかったかのように、仕事をしているように装う。
足音の主は、おれの後ろで止まった。
「芹、今日も正しいことをしていますね」
狐のような顔をした大男、師匠がいた。
「あ! はい! そりゃ仕事を真面目にやってますよ」
焦りすぎて声が上ずる。
「真面目ですね、仕事の合間に妖について学ぶとは。
酒呑童子について調べていたのでしょう?」
師匠の手には、おれが見ていた巻物。
おれは顔から血の気が引く。
「貴方は弟子ですから、聞きたいことがあれば
遠慮なく聞きなさい」
存外優しい顔で、師匠は言ってくる。
おれは自分の好奇心を抑えきれず、師匠に聞きたくなる。
「あの、蘇芳は何か酒呑童子に関係あるのですか?」
「あぁ、蘇芳は別に、酒呑童子と会うのは、あの首を盗んだのが初めてですよ」
師匠はニコニコと返答をしてくれる。
思い出す、大蛇の祓いの後のあの光景ー。
首があっさりと落ちた。
地面に転がった顔。
「じゃぁ、なんで、その蘇芳は、その」
「あぁ、死んだのかどうかですか?
死んでいますよ」
こともなげに告げる師匠。
意味がわからず、おれは聞き直す。
「でも!蘇芳は人間ですよね」
「人間ですよ、間違いなく。
聞きたいことはそれだけですか?」
おれは、聞きたいことだらけだった。
慈眼と蘇芳が関係ないのであれば、なぜあんなに慈眼は、付き従ったのだろうか。
師匠は、もしかして間違っているのではー。
「正しいことだけをしなさい」
師匠は、見抜いていたかのように言ってくる。
思わず、身が凍り付く。
おれに巻物を返しながら、師匠は手を握り、温和な笑顔で告げる。
「さて、慈眼達へ言伝を頼みます。
角生えという新しい病が出たようですから」
手を握る力が強い。
ぶわっと汗が出る。
「へへ、承知しました。」
へらりと師匠へ向かって、おれは必死で笑顔を作る。
◆
目の前には山盛りの冷や飯。
「腹が減った。」
慈眼は膳にのったものを眺めながら、不機嫌そうに言う。
「我慢してください」
小声で私は答えながら、背筋を伸ばし、ご飯を食べている。
「嫌だ、すぐ近くに病があるじゃねぇか」
「しっ!」
豪華な貴族の屋敷で、昼間のせいか太陽がさんさんと降り注いでいた。
私と慈眼は座っていた。
御簾があり、目隠しされているが、すぐ近くにこの屋敷に暮らす人たちがいた。
「どうかされましたか?」
私達のこそこそ声を聴いて、召し使いの一人が顔を出す、額には黝輝石《クンツァイト》で出来た薄紫の角が一本。
「なんでもないです。
とても美味しいご飯をありがとうございます。」
私はこれ以上、召し使いに変に気を付かれるのが嫌で、何事もないように装う。
すぐ近くにこんな綺麗な角があるのに、今は何もできない。
ぐっーと横から慈眼の大きな腹の音がする。
「こんなもん喰えねぇよ!
お前らの病、喰わせろ!」
と立ち上がり、召し使いの頭を掴む。
「え!なんですか!痛い痛い!!」
召し使いは頭を掴まれ必死に逃げようとする。
「こら!だめですよ!!!」
私は慈眼を止めようと立ち上がる。
遠くからドタドタと複数の足音が聞こえてくる。
破ける御簾。
「どうされましたぁああああ?」
「何かっしましたか!!!」
「おめぇらの飯がまずいんだよ!」
老若男女いろんな顔ぶれがつかみ合いながら入ってきた。
――なんか濃い感じの人たちだな。
勢いに気圧され思わず、私は後ずさる。
これは離れた方がいいな。
私は、そっと離れて呆気にとられている慈眼の手を引き、部屋の隅に移動した。
みんな、額には角が生えている。
人によって本数が違う。
散らばるご飯。
――あぁ、もったいない
散らばった白米を見て、がっくりうなだれた。
私は慈眼に抗議することにした。
「だから静かにしてほしかったのに」
「角生え病ってか喧嘩病だな、あれは」
慈眼が私の言葉を無視して、召使いを見て呆れたように呟く。
「貴方のせいです。
どうしてくれるんですか
これで病が進んで死んでしまったら!」
「大丈夫だ」
慈眼は自分が騒いだせいにも拘わらず、めんどくさそうに胡座をかいて、頬杖をつき、召使いたちをじっと見つめる。
完璧にやる気がなくなった慈眼にため息をつきながら、召使い達の喧嘩を止めようと私は近づいた。 すると部屋の入り口から顔を覆うように着物を頭から被った6つほどの年齢の少女が入ってきた。
ちらりと覗く肌や髪が白い。
「「「一の姫様!|《いちのひめ》」」」
途端にピタっと喧嘩を止める召使い達。
蘇芳の目の前にすっと座ると、真っ白な少女は三つ指を揃え頭を下げた。
「お目をお汚しいたしました。」
消え入りそうな声。
思わず、私も膝をつき少女を起こそうとする。
日差しが強い。
太陽とのコントラストでさらに白い手だけがやけに目立つ。
一の姫の姿を見て、召使い達が青ざめた。
召使いの角が少し大きくなる。
——病の理由は、この子かもしれない。
周りの召使いが、慌てたように、少女を取り囲み召使い達が次々と言葉を紡ぐ。
「一の姫様。」
「も、申し訳ございません!」
「私達が至らないばかりに!!!」
床が揺れるほどの土下座。
勢いがすごい。
横にいる慈眼の表情は、明らかに機嫌が悪い。
「もういいから、喰わせろよ!」
慈眼は耐えかね、召使いの前へ。
「ご飯、用意させますね」
一の姫が気遣うように告げる。
「飯はいらねぇ」
慈眼は手を貸すどころか、この場を混乱させそうだ。
私は慈眼の服を掴んでとめる。
顔を上げた一の姫。
長いまつ毛、儚げな雰囲気。
慈眼に負けず劣らず、美しい。
ーーこれは。
「保存したい」
「蘇芳、おまえの欲漏れてんぞ」
「いて」
慈眼は、私のわき腹を肘で小突いた。
全身真っ白の少女、一の姫はこの屋敷の貴族の一人娘である。
生まれた時から全身真っ白だったため、屋敷に隠されるように育てられたのだと言う。
その儚げな表情にさらに憂いを込めて訴えだした。
召使い達が別の部屋を用意し、私と慈眼と、一の姫は押し込まれた。
御簾を何重にも重ねて薄暗い部屋だ。
私は、暑さが和らぎほっと一息つく。
私は、一の姫に尋ねる。
「今回の病気の内容を詳しく教えてください、こちらで祓います」
「最初は瘤が出来ているだけでした。
だんだん、それが大きくなって……」
一の姫の声が小さく震える。
「角になったんだな」
と慈眼が切り込む。
一の姫は目からポロポロと涙を流した。
「私の傍仕えの者が、みんな頭から角が生えてくるのです。
祈祷も頼みましたが治りません。
私が呪われた子だからっ!うう……」
私は眉をひそめる。
「呪われたとは一体、どういうことですか?」
「私は生まれつき、太陽に当たることを許されていないんです。
日差しがあるところを歩くだけで肌が腫れて
何日も痛みに苛まれるのです……。」
よよよっとまた悲しそうに泣く。
慈眼は、涙を受け止める一の姫の手を見て、何かに気がついたように目を細めた。
慈眼が急に立ち上がり、一の姫の着物の裾を掴み、足をさらけ出させた。
「え」
可哀そうなほど真っ赤になる一の姫。
慈眼から離れようと暴れて着物が少し乱れる。
白く滑らかな綺麗な足だ。
「じ、慈眼!美しいものを、全部見たいという
気持ちはわかりますが貴方がやると駄目ですよ!」
私は手の指の隙間から、鼻息を荒くしながら慈眼を止めようとする。
「お前と一緒にすんな!!」
そういいながら、今度は手を掴みじっくり眺める。
手はいつの間にか水ぶくれが出来ている。
太陽にあたっていた手だ。
「腹の足しにはなるか」
と言いながら水ぶくれの手にかぶりついた。
「きゃー!!!!!」
急に噛みつかれた一の姫は悲鳴を上げて、号泣をする。
「ごちそうさま」
着物が乱れ、白銀の少年が笑う。
私は、鈍器で頭を殴られたような心地になる。
そこへ御簾が破け、慌てた召使いが集まってくる。
「「「一の姫様になにしてんだ!!!」」」
乱れた衣服、号泣した姫、鼻息の荒い私。
明らかに何かをした人だった。
これは、召使い達に殺されるのではと思う。
「一の姫様」
そういって召使いの一人は、持ってきていた着物をかぶせ他の者達は日を遮るように立ち、じりじりと日に当たっていく。
慌てたように後から来た召使いが、御簾をかけなおす。
慈眼は感心したように召使いを見て言う。
「お前ら一の姫にとって、何をしたらいいかわかってんだな」
御簾をかけなおした召使い達は、——角がまた大きくなった。
やはり、一の姫が何かの原因?
角を成長させながら召使いが慈眼へ言う。
「あなたはわかっているのに、ひどいことしますね!」
召使いが叫ぶ。
「姫様は呪われているのです!」
日よけになっている召使いの一人が、慈眼に殴りかかる。
「いや、これは病だ。」
その手を受け止めながら慈眼は言った。
そして、姫の足を見て、 少し眉を寄せる。
「……」
一瞬の沈黙。
「アルビノだな。ただの病だ。」
私は、話にまだついていけてない。
ただ、慈眼が何か理解していることだけを感じていた。
別の召し使いが慈眼につかみかかる。
「そんなはずはない!姫様は呪われているのです!」
掴みかかった召使いに慈眼が何かするのでないかと不安になる。
「あぁ、その……慈眼、喧嘩しないでくださいね?」
「嫌だね。こいつら次第だ。」
慈眼は、私の思っていた反応と違い、怒った顔をせず召し使いを見て、慈眼はため息をついた。
そして、召使いの胸倉を掴み、髪の毛が逆立つような威圧感を出し。
一言。
「そう思いたいだけだろ」
私の中の何かが、微かに揺れた。
その一言は私にも向けられたように感じる。
……指先が冷える。
召使いも同じく同様したように、固まっている。
慈眼は、召使いを見る。
「これは病」
その瞬間、角にヒビが入った。
続けて慈眼は言った。
「これは呪いじゃない、ただの病だ」
掴みかかっていた召し使いの達は 、ひとり、またひとりと手を離す。
「呪いじゃない?」
戸惑った顔を見せる。
その隙をついて、一の姫の手を引き、慈眼が御簾の外へ連れ出そうとする。
一の姫は一瞬、迷ったそぶりを見せる。
慈眼は、一の姫に言う。
「自分で選べ」
一の姫の目が見開かれ、
そのまま慈眼の手を取った。
「まて!」
召使いが止めようとしたが、その召使いの角を折っていく。
角が折れる音に、肩が小さく震えた。
それでも私は、目を逸らさなかった。
角を折られた召使いは力が抜けて、次々とうずくまる。
ーー慈眼の青い瞳が瞬いていた。
その光を見た瞬間、背筋の奥がぞくりと震える。
私はもう、もう止めなかった。
さんさんと降りそそぐ太陽。
手をかざして太陽を眺めようとする一の姫。
慈眼は目元に手をかざす。
「直接は見るな、病気でなくても、眼が焼けるぞ」
一の姫は慈眼の手ごしに太陽を見る。
そして目をつむり
「温かい」
と一言呟いた。
ーーなんて綺麗な光景だろうか。
私は病でもないのに、胸の奥が微かに疼いた。
こんな光景を、保存できたらなと思う。
うずくまっていた召使いの一人が慌てて着物を持ってきたが、一の姫はその着物をはおらず返す。
「もういらなくなりました。いつもありがとう」
「……病が祓われたのですか?」
まだ信じられないような顔をする召使い達。
小さく確認するように呟いた。
召使いの頭から額に残っていた宝石もパラパラと落ちて何もないおでこになった。
「俺が喰ったからな、姫の病」
慈眼は、少し小ばかにしたように言いながら、召使いの角の一本を口へ放り込む。
そして、私と一の姫を見て言った。
「日に当たりすぎた皮膚は固くなる。
たしかにこいつのは病だが切除すれば、問題ないさ」
召使いは慈眼の言葉を受けて、ふらふらと一の姫の元へ歩き、ゆっくりと背中に手を伸ばし、お互いを抱きしめていた。
ややあって、召使いの一人が言う。
「姫に不埒なことをしたのは、陰陽師堂にいいますからね」
はっとしたように、他の召使い達も言ってくる。
「そうだ!一刻も早く出ていけ不埒もの!!」
まるで子供を守る親のように口々に告げる。
私は焦った。
「待ってください!
その最後にちゃんと、祓いができているかだけ
確認させてください!!」
私は言ったが、召使いに門を指さされる。
「お前もなんか興奮してただろ、信用ならん」
と言って、追い出された。
ーーたしかに興奮はしていた。否定できない。
私と慈眼は陰陽堂へ帰りながら、きらりと輝く宝石の角を眺めていた。
太陽に照らされ、温かく輝く。
私は、先ほどの召使いが心配になり質問した。
「角生え病も全部食べたのですか?」
「いや、俺はこの角、表面だけしか喰えん。
姫の影になることを選び日に当たり続けて病になったんだからな、同じようなことをすれば、また再発するだろうな」
慈眼の回答を聞いて、私はちゃんと祓えてないことに焦る。
「放っておいたら駄目じゃ……。妖化する可能性ありますよね!」
私が言うと、慈眼は角から目を離してこちらを見る。
「大丈夫だ、問題ない」
慈眼は、最後の角を、口へ放り込んで咀嚼をする。
「あ、私に欠片くらい残して下さいよ!」
私は今回、病の欠片がないことに気が付いた。
綺麗な色の病だったのに。
「これは、誰でも貰っていいものじゃない
諦めろ。」
ぼりっがり、角をすべて平らげて遠くなる屋敷を眺めながら
「人から変容するほど、欲もないしな」
それ以上は何も言わず、角の欠片を噛み砕いた。
「やっと腹が膨れた」
「最初に教えてくださいよ!
角だけ食べたら治るって!!」
私は、慈眼の陶器の体を、ぽかぽか叩きながら怒った。
「だから言ったろうが、早く喰わせろって」
◆
その頃、都では、白い羽が天を覆いつくすように舞っていた。
帝はその光景を見ながら、口元だけで笑みを浮かべている。
一枚の羽が風に飛ばされ、海に落ちて、じわじわと純白さを失い黒く変色して溶ける。
黒く変色した羽がインクのように海面に文字を刻む。
【人魚病】
そして魚の影になる。
その文字は、しばらくしてから、海へと溶けて消えた。
まるで何もなかったかのように。
上空に白い羽がふわりと舞った。
「芹!頼んだぞ!」
おれは、先輩に仕事を頼まれ、快く引き受けた。
水を桶にためながら、周りに人がいないかおれは何度も見た。
——よし!誰もいないな!
「これは仕事を放棄していない。
要領がいいというのだ」
自分に言い聞かせるように言い、懐から巻物を取り出した。
巻物のタイトルは【大江山絵詞《おおえやまえことば》】と書かれている。
「へぇー!茨木童子と、うーん?
結局、毒酒飲まされて殺されたのか」
内容は冒険譚だった。
酒呑童子が都の女を次々に、攫って喰った話は、ちょっと……吐き気がする。
――読むのやめよ。
「うーん、手がかりなし!」
おれは巻物をその場に投げ捨て、地面へ寝転ぶ。
「わかったのは無類の酒好きくらいかぁ」
以前、見た光景が頭の中を駆け巡る。
——先輩が妖となり死んで、蘇芳が師匠に…。
喉元に魚の骨が刺さっているかのように不快な思いと、疑問が広がる。
慈眼からこの前、言われた言葉を思い出す。
『蘇芳にばらすな』
このまま喰われるのではというそれはもう迫力のある顔で、脅された。
たぶん、約束破ったら、八つ裂きにされる。
いや、殺されるかも――。
悪寒が背中を這いあがった。
言ってはいけない。
聞いてはいけない。
「はぁ」
思わずため息が出る。
地面越しに振動がした。
耳を当てるとざりっざり、砂を踏みしめる音が、遠くから聞こえ、だんだんこちらに近づいてきている。
おれは、慌てて飛び起きた。
何事もなかったかのように、仕事をしているように装う。
足音の主は、おれの後ろで止まった。
「芹、今日も正しいことをしていますね」
狐のような顔をした大男、師匠がいた。
「あ! はい! そりゃ仕事を真面目にやってますよ」
焦りすぎて声が上ずる。
「真面目ですね、仕事の合間に妖について学ぶとは。
酒呑童子について調べていたのでしょう?」
師匠の手には、おれが見ていた巻物。
おれは顔から血の気が引く。
「貴方は弟子ですから、聞きたいことがあれば
遠慮なく聞きなさい」
存外優しい顔で、師匠は言ってくる。
おれは自分の好奇心を抑えきれず、師匠に聞きたくなる。
「あの、蘇芳は何か酒呑童子に関係あるのですか?」
「あぁ、蘇芳は別に、酒呑童子と会うのは、あの首を盗んだのが初めてですよ」
師匠はニコニコと返答をしてくれる。
思い出す、大蛇の祓いの後のあの光景ー。
首があっさりと落ちた。
地面に転がった顔。
「じゃぁ、なんで、その蘇芳は、その」
「あぁ、死んだのかどうかですか?
死んでいますよ」
こともなげに告げる師匠。
意味がわからず、おれは聞き直す。
「でも!蘇芳は人間ですよね」
「人間ですよ、間違いなく。
聞きたいことはそれだけですか?」
おれは、聞きたいことだらけだった。
慈眼と蘇芳が関係ないのであれば、なぜあんなに慈眼は、付き従ったのだろうか。
師匠は、もしかして間違っているのではー。
「正しいことだけをしなさい」
師匠は、見抜いていたかのように言ってくる。
思わず、身が凍り付く。
おれに巻物を返しながら、師匠は手を握り、温和な笑顔で告げる。
「さて、慈眼達へ言伝を頼みます。
角生えという新しい病が出たようですから」
手を握る力が強い。
ぶわっと汗が出る。
「へへ、承知しました。」
へらりと師匠へ向かって、おれは必死で笑顔を作る。
◆
目の前には山盛りの冷や飯。
「腹が減った。」
慈眼は膳にのったものを眺めながら、不機嫌そうに言う。
「我慢してください」
小声で私は答えながら、背筋を伸ばし、ご飯を食べている。
「嫌だ、すぐ近くに病があるじゃねぇか」
「しっ!」
豪華な貴族の屋敷で、昼間のせいか太陽がさんさんと降り注いでいた。
私と慈眼は座っていた。
御簾があり、目隠しされているが、すぐ近くにこの屋敷に暮らす人たちがいた。
「どうかされましたか?」
私達のこそこそ声を聴いて、召し使いの一人が顔を出す、額には黝輝石《クンツァイト》で出来た薄紫の角が一本。
「なんでもないです。
とても美味しいご飯をありがとうございます。」
私はこれ以上、召し使いに変に気を付かれるのが嫌で、何事もないように装う。
すぐ近くにこんな綺麗な角があるのに、今は何もできない。
ぐっーと横から慈眼の大きな腹の音がする。
「こんなもん喰えねぇよ!
お前らの病、喰わせろ!」
と立ち上がり、召し使いの頭を掴む。
「え!なんですか!痛い痛い!!」
召し使いは頭を掴まれ必死に逃げようとする。
「こら!だめですよ!!!」
私は慈眼を止めようと立ち上がる。
遠くからドタドタと複数の足音が聞こえてくる。
破ける御簾。
「どうされましたぁああああ?」
「何かっしましたか!!!」
「おめぇらの飯がまずいんだよ!」
老若男女いろんな顔ぶれがつかみ合いながら入ってきた。
――なんか濃い感じの人たちだな。
勢いに気圧され思わず、私は後ずさる。
これは離れた方がいいな。
私は、そっと離れて呆気にとられている慈眼の手を引き、部屋の隅に移動した。
みんな、額には角が生えている。
人によって本数が違う。
散らばるご飯。
――あぁ、もったいない
散らばった白米を見て、がっくりうなだれた。
私は慈眼に抗議することにした。
「だから静かにしてほしかったのに」
「角生え病ってか喧嘩病だな、あれは」
慈眼が私の言葉を無視して、召使いを見て呆れたように呟く。
「貴方のせいです。
どうしてくれるんですか
これで病が進んで死んでしまったら!」
「大丈夫だ」
慈眼は自分が騒いだせいにも拘わらず、めんどくさそうに胡座をかいて、頬杖をつき、召使いたちをじっと見つめる。
完璧にやる気がなくなった慈眼にため息をつきながら、召使い達の喧嘩を止めようと私は近づいた。 すると部屋の入り口から顔を覆うように着物を頭から被った6つほどの年齢の少女が入ってきた。
ちらりと覗く肌や髪が白い。
「「「一の姫様!|《いちのひめ》」」」
途端にピタっと喧嘩を止める召使い達。
蘇芳の目の前にすっと座ると、真っ白な少女は三つ指を揃え頭を下げた。
「お目をお汚しいたしました。」
消え入りそうな声。
思わず、私も膝をつき少女を起こそうとする。
日差しが強い。
太陽とのコントラストでさらに白い手だけがやけに目立つ。
一の姫の姿を見て、召使い達が青ざめた。
召使いの角が少し大きくなる。
——病の理由は、この子かもしれない。
周りの召使いが、慌てたように、少女を取り囲み召使い達が次々と言葉を紡ぐ。
「一の姫様。」
「も、申し訳ございません!」
「私達が至らないばかりに!!!」
床が揺れるほどの土下座。
勢いがすごい。
横にいる慈眼の表情は、明らかに機嫌が悪い。
「もういいから、喰わせろよ!」
慈眼は耐えかね、召使いの前へ。
「ご飯、用意させますね」
一の姫が気遣うように告げる。
「飯はいらねぇ」
慈眼は手を貸すどころか、この場を混乱させそうだ。
私は慈眼の服を掴んでとめる。
顔を上げた一の姫。
長いまつ毛、儚げな雰囲気。
慈眼に負けず劣らず、美しい。
ーーこれは。
「保存したい」
「蘇芳、おまえの欲漏れてんぞ」
「いて」
慈眼は、私のわき腹を肘で小突いた。
全身真っ白の少女、一の姫はこの屋敷の貴族の一人娘である。
生まれた時から全身真っ白だったため、屋敷に隠されるように育てられたのだと言う。
その儚げな表情にさらに憂いを込めて訴えだした。
召使い達が別の部屋を用意し、私と慈眼と、一の姫は押し込まれた。
御簾を何重にも重ねて薄暗い部屋だ。
私は、暑さが和らぎほっと一息つく。
私は、一の姫に尋ねる。
「今回の病気の内容を詳しく教えてください、こちらで祓います」
「最初は瘤が出来ているだけでした。
だんだん、それが大きくなって……」
一の姫の声が小さく震える。
「角になったんだな」
と慈眼が切り込む。
一の姫は目からポロポロと涙を流した。
「私の傍仕えの者が、みんな頭から角が生えてくるのです。
祈祷も頼みましたが治りません。
私が呪われた子だからっ!うう……」
私は眉をひそめる。
「呪われたとは一体、どういうことですか?」
「私は生まれつき、太陽に当たることを許されていないんです。
日差しがあるところを歩くだけで肌が腫れて
何日も痛みに苛まれるのです……。」
よよよっとまた悲しそうに泣く。
慈眼は、涙を受け止める一の姫の手を見て、何かに気がついたように目を細めた。
慈眼が急に立ち上がり、一の姫の着物の裾を掴み、足をさらけ出させた。
「え」
可哀そうなほど真っ赤になる一の姫。
慈眼から離れようと暴れて着物が少し乱れる。
白く滑らかな綺麗な足だ。
「じ、慈眼!美しいものを、全部見たいという
気持ちはわかりますが貴方がやると駄目ですよ!」
私は手の指の隙間から、鼻息を荒くしながら慈眼を止めようとする。
「お前と一緒にすんな!!」
そういいながら、今度は手を掴みじっくり眺める。
手はいつの間にか水ぶくれが出来ている。
太陽にあたっていた手だ。
「腹の足しにはなるか」
と言いながら水ぶくれの手にかぶりついた。
「きゃー!!!!!」
急に噛みつかれた一の姫は悲鳴を上げて、号泣をする。
「ごちそうさま」
着物が乱れ、白銀の少年が笑う。
私は、鈍器で頭を殴られたような心地になる。
そこへ御簾が破け、慌てた召使いが集まってくる。
「「「一の姫様になにしてんだ!!!」」」
乱れた衣服、号泣した姫、鼻息の荒い私。
明らかに何かをした人だった。
これは、召使い達に殺されるのではと思う。
「一の姫様」
そういって召使いの一人は、持ってきていた着物をかぶせ他の者達は日を遮るように立ち、じりじりと日に当たっていく。
慌てたように後から来た召使いが、御簾をかけなおす。
慈眼は感心したように召使いを見て言う。
「お前ら一の姫にとって、何をしたらいいかわかってんだな」
御簾をかけなおした召使い達は、——角がまた大きくなった。
やはり、一の姫が何かの原因?
角を成長させながら召使いが慈眼へ言う。
「あなたはわかっているのに、ひどいことしますね!」
召使いが叫ぶ。
「姫様は呪われているのです!」
日よけになっている召使いの一人が、慈眼に殴りかかる。
「いや、これは病だ。」
その手を受け止めながら慈眼は言った。
そして、姫の足を見て、 少し眉を寄せる。
「……」
一瞬の沈黙。
「アルビノだな。ただの病だ。」
私は、話にまだついていけてない。
ただ、慈眼が何か理解していることだけを感じていた。
別の召し使いが慈眼につかみかかる。
「そんなはずはない!姫様は呪われているのです!」
掴みかかった召使いに慈眼が何かするのでないかと不安になる。
「あぁ、その……慈眼、喧嘩しないでくださいね?」
「嫌だね。こいつら次第だ。」
慈眼は、私の思っていた反応と違い、怒った顔をせず召し使いを見て、慈眼はため息をついた。
そして、召使いの胸倉を掴み、髪の毛が逆立つような威圧感を出し。
一言。
「そう思いたいだけだろ」
私の中の何かが、微かに揺れた。
その一言は私にも向けられたように感じる。
……指先が冷える。
召使いも同じく同様したように、固まっている。
慈眼は、召使いを見る。
「これは病」
その瞬間、角にヒビが入った。
続けて慈眼は言った。
「これは呪いじゃない、ただの病だ」
掴みかかっていた召し使いの達は 、ひとり、またひとりと手を離す。
「呪いじゃない?」
戸惑った顔を見せる。
その隙をついて、一の姫の手を引き、慈眼が御簾の外へ連れ出そうとする。
一の姫は一瞬、迷ったそぶりを見せる。
慈眼は、一の姫に言う。
「自分で選べ」
一の姫の目が見開かれ、
そのまま慈眼の手を取った。
「まて!」
召使いが止めようとしたが、その召使いの角を折っていく。
角が折れる音に、肩が小さく震えた。
それでも私は、目を逸らさなかった。
角を折られた召使いは力が抜けて、次々とうずくまる。
ーー慈眼の青い瞳が瞬いていた。
その光を見た瞬間、背筋の奥がぞくりと震える。
私はもう、もう止めなかった。
さんさんと降りそそぐ太陽。
手をかざして太陽を眺めようとする一の姫。
慈眼は目元に手をかざす。
「直接は見るな、病気でなくても、眼が焼けるぞ」
一の姫は慈眼の手ごしに太陽を見る。
そして目をつむり
「温かい」
と一言呟いた。
ーーなんて綺麗な光景だろうか。
私は病でもないのに、胸の奥が微かに疼いた。
こんな光景を、保存できたらなと思う。
うずくまっていた召使いの一人が慌てて着物を持ってきたが、一の姫はその着物をはおらず返す。
「もういらなくなりました。いつもありがとう」
「……病が祓われたのですか?」
まだ信じられないような顔をする召使い達。
小さく確認するように呟いた。
召使いの頭から額に残っていた宝石もパラパラと落ちて何もないおでこになった。
「俺が喰ったからな、姫の病」
慈眼は、少し小ばかにしたように言いながら、召使いの角の一本を口へ放り込む。
そして、私と一の姫を見て言った。
「日に当たりすぎた皮膚は固くなる。
たしかにこいつのは病だが切除すれば、問題ないさ」
召使いは慈眼の言葉を受けて、ふらふらと一の姫の元へ歩き、ゆっくりと背中に手を伸ばし、お互いを抱きしめていた。
ややあって、召使いの一人が言う。
「姫に不埒なことをしたのは、陰陽師堂にいいますからね」
はっとしたように、他の召使い達も言ってくる。
「そうだ!一刻も早く出ていけ不埒もの!!」
まるで子供を守る親のように口々に告げる。
私は焦った。
「待ってください!
その最後にちゃんと、祓いができているかだけ
確認させてください!!」
私は言ったが、召使いに門を指さされる。
「お前もなんか興奮してただろ、信用ならん」
と言って、追い出された。
ーーたしかに興奮はしていた。否定できない。
私と慈眼は陰陽堂へ帰りながら、きらりと輝く宝石の角を眺めていた。
太陽に照らされ、温かく輝く。
私は、先ほどの召使いが心配になり質問した。
「角生え病も全部食べたのですか?」
「いや、俺はこの角、表面だけしか喰えん。
姫の影になることを選び日に当たり続けて病になったんだからな、同じようなことをすれば、また再発するだろうな」
慈眼の回答を聞いて、私はちゃんと祓えてないことに焦る。
「放っておいたら駄目じゃ……。妖化する可能性ありますよね!」
私が言うと、慈眼は角から目を離してこちらを見る。
「大丈夫だ、問題ない」
慈眼は、最後の角を、口へ放り込んで咀嚼をする。
「あ、私に欠片くらい残して下さいよ!」
私は今回、病の欠片がないことに気が付いた。
綺麗な色の病だったのに。
「これは、誰でも貰っていいものじゃない
諦めろ。」
ぼりっがり、角をすべて平らげて遠くなる屋敷を眺めながら
「人から変容するほど、欲もないしな」
それ以上は何も言わず、角の欠片を噛み砕いた。
「やっと腹が膨れた」
「最初に教えてくださいよ!
角だけ食べたら治るって!!」
私は、慈眼の陶器の体を、ぽかぽか叩きながら怒った。
「だから言ったろうが、早く喰わせろって」
◆
その頃、都では、白い羽が天を覆いつくすように舞っていた。
帝はその光景を見ながら、口元だけで笑みを浮かべている。
一枚の羽が風に飛ばされ、海に落ちて、じわじわと純白さを失い黒く変色して溶ける。
黒く変色した羽がインクのように海面に文字を刻む。
【人魚病】
そして魚の影になる。
その文字は、しばらくしてから、海へと溶けて消えた。
まるで何もなかったかのように。
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