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被災地のユーレイに会いにいこう
99パーセントの兄弟
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月野編集長の考えはこうだった。
月刊オーラと同じ出版社の週刊誌である『週刊ウィークリー』の記者で被災地を取材したがってる男がいるという。
その記者といっしょに取材して、週刊ウィークリーに記事を載せてもらうといい。
「こういうのは真面目にやったほうがいい。週刊誌もスキャンダルやグラビアが載るが社会派の記事もある。オカルト誌に載るよりもいいだろう」と言うのが編集長の判断だった。
暗に、オカルト雑誌を"真面目でない"と言われたような感じがしたが、ノリカは大して気にしてないふりをした。
週刊ウィークリーの編集室は、物置部屋を改造した月刊オーラの編集室の二倍の広さだ。
九条(くじょう)礼央(レオ)。
それが、例の記者の名前だ。年齢は二十九歳、細身で背は高め、切れ長の目が特長ですっきりとした印象の男性だ。
九条礼央の第一印象は'無愛想'、ノリカにとってはそうだった。
衝立で簡易的に作られた応接間でレオとノリカは、さっそく取材の打ち合わせをした。
翌日には被災地入りすると言う弾丸旅行的な取材だった。
「おれはユーレイなんか信じちゃいない。でも取り残された人たちのさみしさが、そんな形で現れるんだとおもう」
レオがつぶやいた。愛想はないけど、人の気持ちはわかる人だとノリカは安堵した。
次の日、レオとJ駅で待ち合わせたノリカに、見知らぬ男が声をかけた。
「すみません。九条(くじょう)ですけど、大宮さんですか?」
「?」
"九条"と名乗るので、てっきりカタブツのあの記者かと勘違いしたが、その男はまったくちがった。
ノリカは混乱した。
自称"九条"はメガネに猫背にぼさぼさ頭の冴えない男。まさかあのカタブツが変装してるとか?社外ではまったく違うキャラだとか?
「えーと、九条…レオさん?」
ノリカはぐるぐる回る頭を抱えながら対応に困った。
「すまんなー。兄貴がどうしても取材に同行したいって聞かないんだ」
兄貴?
レオが少し遅れて、到着した。
「どういうことなんですか?九条記者」
ノリカが、口をとがらせて"記者のように"レオに質問する。
「だから、これは兄貴!誠(マコト)っていうんだけど、月刊オーラの愛読者でさ…」
「そう僕、月刊オーラの愛読者なんですよ!月刊オーラの編集者さんと弟が取材をするって聞いて、頼み込んで付いてきちゃいました」
ばつの悪そうに頭をかくレオを気にも止めず、自分を売り込むオカルトマニアのマコト。
「あ、あれ…?あの九条マコトさん?」
なんと、ノリカは九条マコトの名前を知っていたのだ。
「わたし、マコトさんのブログ読んでますよ。オリジナルUMAおもしろいですよね」
マコトは身を捩らせんばかりに喜んだ。マコトは三十三歳だったが、じぶんで考えたオリジナルUMA(未確認生物)のイラストを載せるのが趣味だったのだ。
ノリカは仕事柄、そのようなオカルト系のブログ等をよくチェックしていたが、マコトのブログにおける童心の発露を興味深くみていた。
レオは、身内のはしゃぎっぷりを恥じるように、表情に苦味の色を浮かべた。
月刊オーラと同じ出版社の週刊誌である『週刊ウィークリー』の記者で被災地を取材したがってる男がいるという。
その記者といっしょに取材して、週刊ウィークリーに記事を載せてもらうといい。
「こういうのは真面目にやったほうがいい。週刊誌もスキャンダルやグラビアが載るが社会派の記事もある。オカルト誌に載るよりもいいだろう」と言うのが編集長の判断だった。
暗に、オカルト雑誌を"真面目でない"と言われたような感じがしたが、ノリカは大して気にしてないふりをした。
週刊ウィークリーの編集室は、物置部屋を改造した月刊オーラの編集室の二倍の広さだ。
九条(くじょう)礼央(レオ)。
それが、例の記者の名前だ。年齢は二十九歳、細身で背は高め、切れ長の目が特長ですっきりとした印象の男性だ。
九条礼央の第一印象は'無愛想'、ノリカにとってはそうだった。
衝立で簡易的に作られた応接間でレオとノリカは、さっそく取材の打ち合わせをした。
翌日には被災地入りすると言う弾丸旅行的な取材だった。
「おれはユーレイなんか信じちゃいない。でも取り残された人たちのさみしさが、そんな形で現れるんだとおもう」
レオがつぶやいた。愛想はないけど、人の気持ちはわかる人だとノリカは安堵した。
次の日、レオとJ駅で待ち合わせたノリカに、見知らぬ男が声をかけた。
「すみません。九条(くじょう)ですけど、大宮さんですか?」
「?」
"九条"と名乗るので、てっきりカタブツのあの記者かと勘違いしたが、その男はまったくちがった。
ノリカは混乱した。
自称"九条"はメガネに猫背にぼさぼさ頭の冴えない男。まさかあのカタブツが変装してるとか?社外ではまったく違うキャラだとか?
「えーと、九条…レオさん?」
ノリカはぐるぐる回る頭を抱えながら対応に困った。
「すまんなー。兄貴がどうしても取材に同行したいって聞かないんだ」
兄貴?
レオが少し遅れて、到着した。
「どういうことなんですか?九条記者」
ノリカが、口をとがらせて"記者のように"レオに質問する。
「だから、これは兄貴!誠(マコト)っていうんだけど、月刊オーラの愛読者でさ…」
「そう僕、月刊オーラの愛読者なんですよ!月刊オーラの編集者さんと弟が取材をするって聞いて、頼み込んで付いてきちゃいました」
ばつの悪そうに頭をかくレオを気にも止めず、自分を売り込むオカルトマニアのマコト。
「あ、あれ…?あの九条マコトさん?」
なんと、ノリカは九条マコトの名前を知っていたのだ。
「わたし、マコトさんのブログ読んでますよ。オリジナルUMAおもしろいですよね」
マコトは身を捩らせんばかりに喜んだ。マコトは三十三歳だったが、じぶんで考えたオリジナルUMA(未確認生物)のイラストを載せるのが趣味だったのだ。
ノリカは仕事柄、そのようなオカルト系のブログ等をよくチェックしていたが、マコトのブログにおける童心の発露を興味深くみていた。
レオは、身内のはしゃぎっぷりを恥じるように、表情に苦味の色を浮かべた。
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