18 / 53
二章 旅立ちの日
18.まさかのトンデモ能力?
しおりを挟む
「まさか……」
気怠さや眠気が妙に急に来たな、とは思った。
歩き回ったりはしたけれど、たかがそれだけでこうも気怠くなるほどの疲労は溜まらない。
ベッドでゴロゴロして眠くなるのはまぁ、不可抗力ともいえるけれど、この微妙な気怠さと眠気は覚えがある。
『ガイアス様、無闇に大きな魔力を使った場合。身体機能に影響が出ます。魔力が枯渇すれば身動き一つ取れなくなります。なので己の中にある魔力との対話は必須。己の魔力プール、許容量はどれほどなのか。どれほど使えば影響が出始めるのか。今回の授業でそれをしっかりと学んで下さい』
アリエスとの授業のワンシーンが脳裏に過ぎる。
魔法を使うわけではなく、自分の魔力を使って水晶に変化を与えるという授業。
魔力を多く注げば水晶は光を増し、その色を変える。
赤、青、オレンジ、白。
そんな実技授業の終わり頃、今と同じような気怠さと眠気を感じた事がある。
『緻密な操作をすればするほど、威力を高めれば高めるほど、複雑な魔法を使えば使うほど、魔力というのは比例的に減っていきます。しっかり覚えてくださいね』
僕は多分今、無意識的に魔力を使った。
ごくごく自然に魔法を使ったのだ。
「オニキス」
今度は小粒のオニキス。
ぽぅ、と掌の上に小さな魔法陣が浮かび、その中心から漆黒の宝石オニキスが掌に落ちた。
「まじか」
衝撃。
まさにその二言。
びっくりして驚愕した。
思わず驚きの言葉が重複してしまうくらいには驚いた
開いた口が塞がらない、蒼天の霹靂、どんな言葉を並べてもこの衝撃を言い表す事は難しい。
だってそうだろう?
宝石の名前を口にしただけで、掌からそれが出てきてしまうんだから。
これが宝石……いや、鉱石魔法の力なのか……!
魔力が続く限り、宝石を生み出せる……!
「いやーっはっは! ホントにー? 俺が目指すは元手のかからない宝石商人ですかー?」
お金が無くなったら宝石を生み出して、それを売ってお金にして、また無くなったらまた生み出して……。
なんてこった……!
働かずにして生きていけてしまう……!
お金が無くなったらどうしよう、ちゃんと働けるかな、そもそも雇ってくれるのかな、なんて不安がやっぱり僕にもありましたとも。
一般の働き方なんて僕には分からないし。
なんせ王宮育ちなもので、一般常識とか不安でしか無いんですよ。
「いや、そんなぐうたらな事では駄目だ。しっかりきっちりちゃんと働いて、体に汗水流して得るお金に価値があるのだ。見聞を広める為にも。この宝石はしまっておこう。もしもの為のなんとやら、だ」
それに僕は物の価値、市場を知らない。
この宝石がどれほどの値で取引されるのかも分かってない。
なら僕は市場を知ることが大事だ。
気怠さや眠気が妙に急に来たな、とは思った。
歩き回ったりはしたけれど、たかがそれだけでこうも気怠くなるほどの疲労は溜まらない。
ベッドでゴロゴロして眠くなるのはまぁ、不可抗力ともいえるけれど、この微妙な気怠さと眠気は覚えがある。
『ガイアス様、無闇に大きな魔力を使った場合。身体機能に影響が出ます。魔力が枯渇すれば身動き一つ取れなくなります。なので己の中にある魔力との対話は必須。己の魔力プール、許容量はどれほどなのか。どれほど使えば影響が出始めるのか。今回の授業でそれをしっかりと学んで下さい』
アリエスとの授業のワンシーンが脳裏に過ぎる。
魔法を使うわけではなく、自分の魔力を使って水晶に変化を与えるという授業。
魔力を多く注げば水晶は光を増し、その色を変える。
赤、青、オレンジ、白。
そんな実技授業の終わり頃、今と同じような気怠さと眠気を感じた事がある。
『緻密な操作をすればするほど、威力を高めれば高めるほど、複雑な魔法を使えば使うほど、魔力というのは比例的に減っていきます。しっかり覚えてくださいね』
僕は多分今、無意識的に魔力を使った。
ごくごく自然に魔法を使ったのだ。
「オニキス」
今度は小粒のオニキス。
ぽぅ、と掌の上に小さな魔法陣が浮かび、その中心から漆黒の宝石オニキスが掌に落ちた。
「まじか」
衝撃。
まさにその二言。
びっくりして驚愕した。
思わず驚きの言葉が重複してしまうくらいには驚いた
開いた口が塞がらない、蒼天の霹靂、どんな言葉を並べてもこの衝撃を言い表す事は難しい。
だってそうだろう?
宝石の名前を口にしただけで、掌からそれが出てきてしまうんだから。
これが宝石……いや、鉱石魔法の力なのか……!
魔力が続く限り、宝石を生み出せる……!
「いやーっはっは! ホントにー? 俺が目指すは元手のかからない宝石商人ですかー?」
お金が無くなったら宝石を生み出して、それを売ってお金にして、また無くなったらまた生み出して……。
なんてこった……!
働かずにして生きていけてしまう……!
お金が無くなったらどうしよう、ちゃんと働けるかな、そもそも雇ってくれるのかな、なんて不安がやっぱり僕にもありましたとも。
一般の働き方なんて僕には分からないし。
なんせ王宮育ちなもので、一般常識とか不安でしか無いんですよ。
「いや、そんなぐうたらな事では駄目だ。しっかりきっちりちゃんと働いて、体に汗水流して得るお金に価値があるのだ。見聞を広める為にも。この宝石はしまっておこう。もしもの為のなんとやら、だ」
それに僕は物の価値、市場を知らない。
この宝石がどれほどの値で取引されるのかも分かってない。
なら僕は市場を知ることが大事だ。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
425
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる