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2◆出会いがほぼホラー
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森の奥深くにある僕の家は、チートで建てた僕による僕のための僕の城で僕のお墓だ。
ちなみに見た目は普通のログハウスだよ。
引きこもるためには、僕の家がないとダメだからね。
何故お墓だなんて思っているかといえば、ここで僕は最期を迎えると思うから………。
いつになるかわからないけどね。
誰に僕の死を知られることもなく、誰に僕の遺体を見つけられることもなく、この家の中で僕の遺体は朽ちていく。
だから、この家はお墓でもあるんだ。
………僕はそう思っている。
森に潜む男がいた。
男の名はアンリ、珍しい九尾の狐の獣人だ。
26歳のちょっと変態な色男。
アンリは訳あって森に追い詰められたのだ。
追手を倒しはしたが、行く宛などない。
アンリは困り果てていたが、森の奥に行けば行くほど胸が締め付けられるように苦しくなる。
苦しいのにそれは甘く切ない不思議な感覚。
呼び寄せられるようにアンリは森の奥へ進むと、そこには一軒の家があった。
感情の高ぶりは最高潮で、この家の中に求めてやまない愛しい誰かがいると、本能が訴えかけている。
乱れた呼吸はそのままに、逸る気持ちで扉をノックするが無反応………。
仕方ないから家の周りをぐるぐる回って、また扉をノックしたがやはり無反応。
居留守なのはわかっているから、諦めずにノックを扉だけじゃなくて窓や壁や床下(潜り込んだ)からなどなど………とにかくノックをやりまくった。
もはやホラーとかストーカー予備軍と成り果てているが、アンリにその自覚はない。
一方カンナは。
ガクガクブルブルと布団に潜り込み怯えていた。
玄関の扉からノックが聞こえたと思ったら、家の周りを誰かがぐるぐるぐるぐると回って、そしてまた扉がノックされる。
さらには窓やら壁やら床下からノックが聞こえてくるのだ。
何この怪奇現象!?
硝子のハートよりも脆く弱いカンナは、恐怖のあまり本気で死にそうになっていた。
アンリは最終手段を実行する。
天井裏に忍び込み、天井からノックをしてみた。
そしてカンナは悲鳴をあげる。
ホラーのクライマックスが迫ってくると怯えていた。
そして可哀想なほどに真っ青になって泣いていた。
泣き出したカンナを慰めるべく、遂に室内に無断侵入を果たしたアンリがカンナを抱きしめる。
カンナは………。
「きゃーーーっ!!」
恐怖の限界を迎えて気絶した。
ちなみに見た目は普通のログハウスだよ。
引きこもるためには、僕の家がないとダメだからね。
何故お墓だなんて思っているかといえば、ここで僕は最期を迎えると思うから………。
いつになるかわからないけどね。
誰に僕の死を知られることもなく、誰に僕の遺体を見つけられることもなく、この家の中で僕の遺体は朽ちていく。
だから、この家はお墓でもあるんだ。
………僕はそう思っている。
森に潜む男がいた。
男の名はアンリ、珍しい九尾の狐の獣人だ。
26歳のちょっと変態な色男。
アンリは訳あって森に追い詰められたのだ。
追手を倒しはしたが、行く宛などない。
アンリは困り果てていたが、森の奥に行けば行くほど胸が締め付けられるように苦しくなる。
苦しいのにそれは甘く切ない不思議な感覚。
呼び寄せられるようにアンリは森の奥へ進むと、そこには一軒の家があった。
感情の高ぶりは最高潮で、この家の中に求めてやまない愛しい誰かがいると、本能が訴えかけている。
乱れた呼吸はそのままに、逸る気持ちで扉をノックするが無反応………。
仕方ないから家の周りをぐるぐる回って、また扉をノックしたがやはり無反応。
居留守なのはわかっているから、諦めずにノックを扉だけじゃなくて窓や壁や床下(潜り込んだ)からなどなど………とにかくノックをやりまくった。
もはやホラーとかストーカー予備軍と成り果てているが、アンリにその自覚はない。
一方カンナは。
ガクガクブルブルと布団に潜り込み怯えていた。
玄関の扉からノックが聞こえたと思ったら、家の周りを誰かがぐるぐるぐるぐると回って、そしてまた扉がノックされる。
さらには窓やら壁やら床下からノックが聞こえてくるのだ。
何この怪奇現象!?
硝子のハートよりも脆く弱いカンナは、恐怖のあまり本気で死にそうになっていた。
アンリは最終手段を実行する。
天井裏に忍び込み、天井からノックをしてみた。
そしてカンナは悲鳴をあげる。
ホラーのクライマックスが迫ってくると怯えていた。
そして可哀想なほどに真っ青になって泣いていた。
泣き出したカンナを慰めるべく、遂に室内に無断侵入を果たしたアンリがカンナを抱きしめる。
カンナは………。
「きゃーーーっ!!」
恐怖の限界を迎えて気絶した。
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