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7◆ケモケモ風邪
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最近、ケモケモ風邪が流行っている。
どんな風邪かというと、獣耳と獣尻尾が生えてしまう風邪だ。
どんなのが生えるかはランダム。
……まぁ、感染しても生活には何も支障はないので皆普通に仕事をしている。
騎士団でも何人か感染していて、クロードの愛しのマリウスも感染していた。
マリウスには、もふもふの猫耳が生えているのだ!
尻尾もふさふさで、クロードは触りたい欲望にガルガルと抗っている。
……そのクロードも、狼耳と尻尾が生えているので本当にガルガルいっているぞ!
「セルジュ、マリウスが可愛い」
「はいはい」
「食べてしまいたいぐらい可愛い」
「……犯罪はやらないでくださいっす」
「この溢れ出る欲望をどうすれば……」
「トイレで吐き出せばいいと思うっすよ」
いつもよりちょっと欲望が強めのクロードの相手もしながら、セルジュは書類仕事をしている。
クロードも書類仕事をしているが、マリウスの可愛い猫耳が忘れられずガルガルしてしまっていた。
マリウスは今、仕事で森に来ている。
まだ新人のマリウス達の部隊は、今日は森にいるゴブリン退治をしていたのだ。
その仕事の休憩時間に皆は川で昼食を食べていた。
食堂のおばちゃん達に作ってもらったお弁当が皆の胃袋を掴む。美味しいから!
仕事を頑張ろうって思えるそんな美味しさ……気力体力が漲るようなそんな美味しさだ。
マリウスはおばちゃん達の作る食事が大好きで、おばちゃんもマリウスのサイズ感から子供や孫を可愛がるように大切にしている。
実はマリウス、自覚はないが愛されキャラなのだ。
他の騎士達からも弟のような可愛がられ方をしている。
……クロード的には、ヤキモチをやいてしまうが騎士団がギスギスするよりはいいので、マリウスが皆に可愛い可愛いと撫でられるのを凶悪な顔で我慢していた。
……あと、マリウスを撫で撫でできるのを羨ましいとも思っている。
特に今は、猫耳が生えているのだ。
一応風邪なのだが、ある意味期間限定猫耳だ。
今を逃せば、次はあるのかないのかわからない。
クロードの我慢も知らないマリウスは、川にいきなりナイフを投げて、見事魚にナイフがぶっ刺さっていた。
その捕まえた魚をマリウスは、なんと生食しようとしたから皆に必死でとめられてしまった。
……魚の生食文化は、残念ながらこの国にはないのである。
「案外平気なのに……」
「「「え!?」」」
だが、どうやらマリウスは魚の生食に慣れているらしい。
理由は、そのまんまで仕方なく食べるしかないこともあったからだ。
なので、もうその程度でお腹は壊さないとキリッとマリウスは言う。
……でも、最初の頃はお腹壊してたけどとボソッと呟いたのを皆しっかり聞いていたぞ。
とにかく、生食は危険だからと隊長命令で言い聞かせた。
マリウスは、少し不満そうだったけれど、魚を焼いたやつを食べさせたらあっさりご機嫌になる。
マリウスの尻尾がふりふりと揺れて、可愛かったと騎士達は悶えてしまった。
その後、風邪をひいていた人達はしっかり治った。
結局マリウスの猫耳を触ることも吸うこともできなかったことに、クロードは自身を情けないと四つん這いになって床を叩いて呻いていた。
「は、母上、あの者は何をしているのでしょう?」
「しっ!みてはいけません!」
たまたま近くを通りかかった貴族の親子がガクブルガクブルと震えながら小走りで逃げていく。
そして、床が少しひび割れてしまったのだった。
どんな風邪かというと、獣耳と獣尻尾が生えてしまう風邪だ。
どんなのが生えるかはランダム。
……まぁ、感染しても生活には何も支障はないので皆普通に仕事をしている。
騎士団でも何人か感染していて、クロードの愛しのマリウスも感染していた。
マリウスには、もふもふの猫耳が生えているのだ!
尻尾もふさふさで、クロードは触りたい欲望にガルガルと抗っている。
……そのクロードも、狼耳と尻尾が生えているので本当にガルガルいっているぞ!
「セルジュ、マリウスが可愛い」
「はいはい」
「食べてしまいたいぐらい可愛い」
「……犯罪はやらないでくださいっす」
「この溢れ出る欲望をどうすれば……」
「トイレで吐き出せばいいと思うっすよ」
いつもよりちょっと欲望が強めのクロードの相手もしながら、セルジュは書類仕事をしている。
クロードも書類仕事をしているが、マリウスの可愛い猫耳が忘れられずガルガルしてしまっていた。
マリウスは今、仕事で森に来ている。
まだ新人のマリウス達の部隊は、今日は森にいるゴブリン退治をしていたのだ。
その仕事の休憩時間に皆は川で昼食を食べていた。
食堂のおばちゃん達に作ってもらったお弁当が皆の胃袋を掴む。美味しいから!
仕事を頑張ろうって思えるそんな美味しさ……気力体力が漲るようなそんな美味しさだ。
マリウスはおばちゃん達の作る食事が大好きで、おばちゃんもマリウスのサイズ感から子供や孫を可愛がるように大切にしている。
実はマリウス、自覚はないが愛されキャラなのだ。
他の騎士達からも弟のような可愛がられ方をしている。
……クロード的には、ヤキモチをやいてしまうが騎士団がギスギスするよりはいいので、マリウスが皆に可愛い可愛いと撫でられるのを凶悪な顔で我慢していた。
……あと、マリウスを撫で撫でできるのを羨ましいとも思っている。
特に今は、猫耳が生えているのだ。
一応風邪なのだが、ある意味期間限定猫耳だ。
今を逃せば、次はあるのかないのかわからない。
クロードの我慢も知らないマリウスは、川にいきなりナイフを投げて、見事魚にナイフがぶっ刺さっていた。
その捕まえた魚をマリウスは、なんと生食しようとしたから皆に必死でとめられてしまった。
……魚の生食文化は、残念ながらこの国にはないのである。
「案外平気なのに……」
「「「え!?」」」
だが、どうやらマリウスは魚の生食に慣れているらしい。
理由は、そのまんまで仕方なく食べるしかないこともあったからだ。
なので、もうその程度でお腹は壊さないとキリッとマリウスは言う。
……でも、最初の頃はお腹壊してたけどとボソッと呟いたのを皆しっかり聞いていたぞ。
とにかく、生食は危険だからと隊長命令で言い聞かせた。
マリウスは、少し不満そうだったけれど、魚を焼いたやつを食べさせたらあっさりご機嫌になる。
マリウスの尻尾がふりふりと揺れて、可愛かったと騎士達は悶えてしまった。
その後、風邪をひいていた人達はしっかり治った。
結局マリウスの猫耳を触ることも吸うこともできなかったことに、クロードは自身を情けないと四つん這いになって床を叩いて呻いていた。
「は、母上、あの者は何をしているのでしょう?」
「しっ!みてはいけません!」
たまたま近くを通りかかった貴族の親子がガクブルガクブルと震えながら小走りで逃げていく。
そして、床が少しひび割れてしまったのだった。
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